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アカシアの雨が降る時

アカシアの雨が降る時

六本木トリコロールシアター/サードステージ

六本木トリコロールシアター(東京都)

2021/05/15 (土) ~ 2021/06/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/27 (木) 19:00

120分。休憩なし。

てげ最悪な男へ

てげ最悪な男へ

小松台東

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/05/27 (木) 14:00

120分。10分間の休憩含む。

『GK最強リーグ戦2021』

『GK最強リーグ戦2021』

演劇制作体V-NET

TACCS1179(東京都)

2021/05/26 (水) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

大和企画「胸に月を抱いて」、猿組「猿組式 西遊記~火焰山の辺りの話~」の2作品を観劇。
今回のテーマは「旅」。
さて、両作品とも手堅くまとめており楽しめた。しかし、何となく既知感がありガチンコ演劇バトルとしては、正直インパクトが弱い。「観客の投票によりどちらが面白かったか勝敗を決める」という謳い文句からすれば、もっと未知の広がりがありアッと驚く芝居のほうが…。それだけ質の高みを望んでしまう、「観客参加型の演劇イベント『GK最強リーグ戦』」なのだ。
(上演時間2時間:各45分+途中休憩兼換気)

ネタバレBOX

舞台は箱馬4つという簡素なもの。その自由空間をどのように活用し、テーマ「旅」を表現するか。それが見所の1つ。

●大和企画「胸に月を抱いて」
 病院ベットで目覚めた恋人が、自分は松井須磨子だと名乗り、慕っている島村抱月を探していると言う。今から100年ほど前、大正期の有名脚本家と看板女優の名である。他人の体に憑依し、魂が彷徨する物語は何度か観たことがある。さて、困った彼氏・佐々木渡は彼女を連れて街に出る。渋谷の父なる占い師の言葉を信じて東京・台場の某所で上原康なるハイパー・メディア・クリエイターに出会う。彼女は、その人こそが島村抱月だと断言する。上原の才能の行き詰まり、世間の評価を気にする等の苦悩を吐露する。それは大正期の島村抱月の酷評続きの苦悩そのもの。時を超越し再会した魂の共鳴を、抱月の脚色・須磨子の歌(劇中歌「カチューシャの唄」)で知られる小説「復活」(トルストイ作)の1節で披歴する。この代表作のシーンが観せ場だと思うが、自分が観た回はここでちょっとしたミスを…勿体なかった。
想いを遂げた2人の魂が昇華し、現実の恋人同士に戻る帰結は、何となく観た覚えが…。

●猿組「猿組式 西遊記~火焰山の辺りの話~」
 西遊記における「火焔山」の話。ちなみに西遊記そのものが旅物語。
三蔵法師一行は火焔山にさしかかった。この山の炎は、羅刹女が持っている芭蕉扇であおげば消えるという話を悟空が聞きだしてきた。羅刹女は牛魔王の女房で、紅孩児の母親である。実は紅孩児は人の犠牲(火焔山の炎)で生き延びている。かくして三蔵法師一行と牛魔王、羅刹女の芭蕉扇をめぐる死闘が始まった。ラスト、紅孩児の命に係る疑問も回収(生死簿=閻魔帳の書き換え)し大団円へ…。
こちらは死闘場面におけるアクションが観せ場であろう。広いスペースを存分に活用し小道具(武器)を器用に使いこなす。衣装や得物はそれらしく凝らしており好かった。物語を牽引しているのは、猿組・主宰で孫悟空役の東野裕 氏である。顔付きや仕草(膝を少し曲げ外八の字歩き)など、細やかな演技が印象的である。

どちらも「旅」イメージは持てたが、両作品とも こじんまりとして行儀が良いもの。当日パンフにも書かれているが、「巴戦方式による最強を決める戦い。競い合ってよりよい作品創りを目指す。これこそGK最大の見所ではないだろうか」とある。何も奇をてらう必要はないが…。
次回公演も楽しみにしております。
父と暮せば

父と暮せば

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタばれ

ネタバレBOX

まつ座の『父と暮らせば』を観劇。

広島原発で父を失い、途方に暮れる娘。
後遺症を患い、絶望している娘を元気づけようと父親が亡霊になって現れ、世話を焼くのであった…。

テーマの重さを微塵も感じさせない軽い感じの笑いや会話の節々から、被害を受けた人びと、被爆国の我々を少しづつ恐怖に陥れいく。
原発の恐怖をいかに世に知らしめるか?と問いかける父親に対して、娘は国家に対して恐怖に慄き、生き
残ってしまった己に懺悔に慄きながらも進んでいく。
原発の恐怖を知らない世代は、いかに彼女と同じように向き合っていけるかを考えなければいけない。
井上ひさしの戯曲は、演出家が変わろうが変わるまいが同じ描き方になってしまうのが特徴であり難点でもあるが、作品の見応えと何かを背負わされて劇場を後にさせてくれるのは間違いない。
こまつ座の公演は、一生に一度ぐらいは観なければいけないだろう。

注:こまつ座は、井上ひさしの戯曲のみ公演する劇団。
JACROW#30『鋼の糸』

JACROW#30『鋼の糸』

JACROW

駅前劇場(東京都)

2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/27 (木) 19:00

企業を舞台とした劇作に味を出すJACROWの新作。シンプルに面白かった。
 2つの鉄鋼会社が合併して一つになるという物語を、30年に渡って描く。その中で、両社の社員たちを取り巻くさまざまなエピソードで展開される群像劇で、企業勤めをしたことがない私でも、こういうことってあるんだろうな、と思わせるストーリーが面白い。役者陣もJACROW劇団員と慣れた客演陣でしっかり演じ、安定の味。終盤の展開、特にエンディングが味わい深い。

父と暮せば

父と暮せば

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

名作。

アルビオン

アルビオン

劇団青年座

俳優座劇場(東京都)

2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久しぶりの翻訳ものでした。

蝶の筆

蝶の筆

CROWNS

インディペンデントシアターOji(東京都)

2021/05/12 (水) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

四カメ配信版を観劇。定点との大きな違いは表情の解像度。個別の役者さんの情報量としては雲泥の差。定点で見ていた時はみえているつもりでも割と見えていなかったんだなと痛感。残念なのは定点版と四カメ版は配信時期がずれており並行して見ることができない点、4カメ版が切り替えを基本台詞を話している役者さんにする感じなので台詞のやり取りのある場面では画面の切り替えが多く見にくく感じた。台詞を話している役者さんではなくセリフを聞いている役者さんを写す方が良い場面もあるかと思うのでもう少しカメラの切り替えについて演出が絡むとか、通し稽古などにも撮影班を参加させてしっかりプランを立てるなどしたほうが良いのではと思った。定点とは別日かつ先に定点を見て大枠は把握済みだっったこともあり定点を補完する映像として非常に満足できた

獣唄2021-改訂版

獣唄2021-改訂版

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/05/25 (火) ~ 2021/06/07 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/05/27 (木) 14:00

座席1階

前回も☆5つを付けた感動の舞台。今回は2021年改訂版と銘打っている。やっぱり足を運んでしまった。
国家総動員法が制定され、戦時色が濃くなっていく九州の山村。ここの断崖絶壁に咲くという、幻のランを追い求める「ハナト」(ランを取る人)一家の物語だ。
ハナトである村井国夫の低くてよく通る声に舞台は引き締まる。その3姉妹は前回と同じ顔ぶれだが、明らかにパワーアップしていた。
断崖絶壁を登り、珍しいランを取ってくるという物語の筋を追っていくだけでも、この3姉妹のきびきびとした演技で、舞台から目が離せない。さらに今回、自分の胸に刺さったのは、戦争に対する憎しみをぶちまける一言だ。前回もこの場面はあったと思うが、思わず体が震えるような感覚だった。
客席は熱い。3姉妹を次々に襲う悲劇に、涙が止まらない女性も複数いた。舞台装置は前回の方が派手だったように思えるが、山の猛吹雪などは相変わらず迫力満点だ。
映像で見ても味わえない迫力と、それとは別にガンガン伝わってくる何かがある。やはり、舞台でないとだめなのである。予約で満席の客席がその答えだ。

いい舞台である。再演、ありがとうと言いたい。

溢れる

溢れる

劇団5454

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/05/26 (水) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

■100分弱■
謎の解明が不十分。

ネタバレBOX

そのため、お母さん、ゴミ、盗む、などのキーワードがきれいに結びつかないまま幕切れとなってしまった。
フェイクスピア

フェイクスピア

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/05/24 (月) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

NODA・MAPは申し込んでは外れ、申し込んでは外れの繰り返しだったが、コロナのせいで応募者が減ったのか初めて観ることができた。求刑、いや休憩なしの2時間5分。

題名の通りに Shakespear の fake から始まり、いくつも支点を移動して全く別の方面へと進んで行く。あれがこうしてこれがああしてと書きたくなるがそれは販促、いや反則。それに1回観ただけではよく分かっていないところがたくさんあって誤解したまま書き込むのも恥ずかしい(いつものことだけどww)。

高橋一生さんは硬軟自在の変化が美しい。最近TVドラマをあまり見ていない私にも人気の理由がよく分かった。そして前田敦子さんは立派な女優さんだった。嘗めててごめんなさい。そして私の一番の推しは村岡希美さん。若々しく小気味良いセリフ回しが壺だった。

いやあ、もっと応募して何回も、できれば前方で観たかった。久しぶりに悔しい。

*追記
上手または下手あるいは両方から幕が出て来て、反対側に去っていくと舞台がすっかり変わっているのは野田秀樹さんのオリジナルかと思ったらブレヒト幕というのだとパンフレットを読んで初めて知った。昨年の「真夏の夜の夢」の場合はブレヒト板というべきか。

JACROW#30『鋼の糸』

JACROW#30『鋼の糸』

JACROW

駅前劇場(東京都)

2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/26 (水) 19:00

初ビジネス劇、かなり楽しめた。直接的な理由ではないがこのままだと出世や社内政治にとらわれる職業人人生になるかもしれない危機感が心の片隅にありつつ転職が決まっている絶好のタイミングでの観劇になった。

現職のわりと新しい価値観で合理的かつ成果主義な環境しか知らない自分には、舞台の世界がファンタジーに見えるくらい遠い世界に見えたけれど、一部通じるところもある。これからどこを向いて仕事に取り組みたいのか、改めて気持ちが高まった。

ビジネスという身近な題材だけに、登場人物一人一人の状況や心情を自分の職場の人達にも重ね合わせながら観るのが楽しい。

獣唄2021-改訂版

獣唄2021-改訂版

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/05/25 (火) ~ 2021/06/07 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前回、五日目の公演後主演の村井國夫氏が軽度の心筋梗塞で降板。三日休演の後、原口健太郎氏を代役として公演再開。自分は初日に観ていたので、これらのニュースに心底驚いた。自分の観たその年ベストの舞台であったこともある。
村井國夫氏主演での改訂再演の知らせに「もう一度観れるのか?」とそれにも驚いた。
こんな作品を現在進行系で生み出せることに、コロナにも何某かの意味はあったとすら思える傑作。

ハナトと呼ばれる珍しい蘭を採集するプロ(プラントハンター)と不要不急の現実社会では必要なしとされる演劇(役者)とを掛け合わせている。時代の要請で花の売買を禁じられ、生活に困窮する関係者達、「一体どうしたらいいのか?」とハナトの村井國夫氏に尋ねる。「ワシは花のことは何でも知っておるがそれ以外のことは何も判らんのじゃ」と頭を抱える村井氏。
茸採りの名人役の鈴木めぐみさんが脇をきっちり固めて印象的。もう一人の主人公と言ってもいい原口健太郎氏の存在感と巧さ。原口バージョンの『獣唄』も観れば良かったと今更ながら後悔。

コロナ禍に対する演劇界からの一つの回答がこの作品である。

ネタバレBOX

素晴らしい作品だった。
それでも自分にとっては初演の前回の方が更に素晴らしく思えたのも事実。色々と理由を考えたのだが、はっきりとはしない。ラストシーンの花吹雪や舞台全体が嵐の大海原のように畝る光景も前回の方が衝撃的だった。座っている位置の違い(前回は最前列)や全体像を把握して観ている前知識の有無、妙にテンポが良く整理され過ぎている違和感、ハナト一家が急に仲睦まじ過ぎる、コロナを意識し過ぎた台詞・・・?『獣唄』の説明も丁寧に遣り過ぎでしっくり来ない。何か『獣唄』はもっと人知を超えた理解不能なものを垣間見せないと成立しないのだ。
もう一回観ようかと思ったら当然だが全日程全席完売、そりゃそうだ。
獣唄2021-改訂版

獣唄2021-改訂版

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/05/25 (火) ~ 2021/06/07 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇団桟敷童子らしい舞台美術と演出、そこに描かれる人間模様は実に悲しく儚い。が、一方で逞しい生命力を思わせる、その人間賛歌に身魂が震(奮)える。
初演(2019年12月)は観ていないため、どこを改訂したのかは分からない。
ところで、公演の当日パンフには「『獣唄』の再演をやると決めたのは去年の1回目の緊急事態宣言中である。(中略)得体の知れない何かが僕を搔き立てた。何故かしら『獣唄』をやらなければならないと思ったのである」と書かれている。
何となくだが、その理由が分かったような気がした。
(上演時間2時間 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、木枝の両端を紐で結わえ縄梯子状にしたものが複雑にそして幾重にも絡み舞台全体を覆っている。緞帳代わりに木々が立ち横たわる。それは急峻な山肌、山道を表し山奥の寒村を出現させる。中央は九州にある村の広場といったところ。そして登場人物は、この村の人々と外の者(種苗業者:東亜満開堂)に大別できる。

梗概…時代は昭和13年~15年頃というから、日中戦争から第二次世界大戦へかけて軍靴が高らかに響いてくる。そんな時代を背景に、山奥の(仙獄)村にいる唯一の珍花採取人(通称:ハナト)・梁瀬繁蔵(村井國夫)と3人の娘(長女トキワ-板垣桃子、次女ミヨノ-増田薫、三女シノジ-大手忍)、その親子の愛憎、そして相克を描く。また村の掟や因習(現代的には男女差別だ)が時代閉塞と相まって重苦しくのしかかる。
 父・繁蔵と娘たちの愛憎は、母が生活のため山に珍しい花(蘭)を求めに行ったが、悪天候のため落命。にも拘わらず父は花採取に没頭し娘たちの生活を顧みない。女は山に入れないという掟を破ったがゆえに墓さえ建てられない。しかし、何時しか娘たちも珍しい花採取に心奪われ、父を恨みながらも弟子入りする。足が悪い次女は花採取人にはなれず村の男の慰み者に、長女と三女は次第に花採取人としてライバル意識が芽生え、父・姉妹の間で相克が。
 生活のため珍しい花(蘭)を採取するが、それは高く険しい崖に咲いている。命がけであるが、いつの間にか花の採取に明け暮れていく。一方、時代はますます軍事色が濃くなり、徴兵制はもちろん花禁止令…食料農作物以外の作物の栽培は禁止。そして不急作物とされた花を育てることへの統制。いつの間にか娘たちとの情を繋ぎ、なによりも生きるため逼迫した状況の中、かつて死の狭間で見た獣唄に命を救われたという繁蔵は、再び獣唄を探しに山へ向かう。獣唄-絶望の果てに咲く花、を見つけるために…。

戦時下を背景に個々の心情変化や感情の通い合いを描き、さらに不穏な空気感を漂わせる。社会状況(村人と東亜満開堂の社員との諍い、召集による働き手不足、令状が来ない心理的圧迫等)と先の親子関係を重層的に紡ぎ合わせ、物語を叙事詩的に展開していく。ラスト、大吹雪の中 命を賭して獣唄を採りに向かった繁蔵の前に三体の獣唄…それは繁蔵の亡くなった娘達の姿を借りて現れ、生きろと叫ぶ。クライマックス、舞台が船甲板のように大揺れ、それが自分の感情の揺れとシンクロし感動に酔いしれる。そこに感情的なカタルシスが生まれる。

桟敷童子らしい演出、薄暗い中に白い紙吹雪、そこに青白い照明を照射し幻想的な風景を出現させる。奥深い山、閉鎖的な村、その土臭さにあっても何故か純粋に美しく気高さを感じさせる。音響は、重低で寒風吹き荒ぶ効果音、同時に切なく物悲しい、それでいて優しく包み込むようなピアノの旋律。実に見事な印象、余韻付けであった。
この時期(コロナ禍)に上演したいという思い、分かるような気がした。

次回公演も楽しみにしております。
東京ゴッドファーザーズ【5月2日~5月11日公演中止】

東京ゴッドファーザーズ【5月2日~5月11日公演中止】

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/05/02 (日) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/05/25 (火) 14:00

座席1階C3列7番

 まず、今敏のアニメの舞台化表現についての評価。
 舞台に段差を現出させ同時進行の話をうまく並行化して見せたり、段差は、その他ビルの屋上、電車内の風景、河川沿いの道端などになり、よくぞ多種多様な光景を見せた。細かい舞台小物の置き換えで、路地、墓場、廃屋、公園、病院、都内一周ロードムービーの場面転換を手際よく展開する手腕には、ただただ肝心するしかない。
 特に、ラスト近く、赤ん坊を負ってのカーチェイスの場面は、タクシー、トラック、自転車、皆ハンドルと乗り手の配置だけで、疾走感一杯に再現される。
 「東京ゴッドファーザーズ」の二次元を、舞台という生の時間的・物質的制限の中で再現した事実には、拍手を送りたい。

 松岡、マキタ、みゆきの呼吸もよく合い、ストーリーは淀みなく進み、そう私の知っている「東京ゴッドファーザーズ」のラストのみゆきと父の邂逅シーンに至るのだ。

 とここまで書いてきて、私は何を観ていたのかとふと考える。私は何を観ていたのかと。
私は、舞台を観ながら、常にアニメの場面を頭の中で再現していた。あのシーンだ、このシーンだ、そうアニメと比較しながら。私は舞台を観に来たのか?

 この舞台を観に来た人は、今敏のファンという方も多いだろう。予習としてアニメを観てきた人も多いと思う。さて、まっさらで観た方々は、どんな感想を持ったのだろう。ある意味、その無垢な鑑賞眼は、この舞台をどう評価するのだろう。

 うーん、私にはあの傑作アニメの舞台での再現を観ることしかできなかった。だとすれば、
この公演にあった価値は何だったのかな、と思う。今敏マニアとしては満足、でも舞台演劇として何か楽しめたもの・発見しえたものはというと、それが出てこない。

DOORS

DOORS

森崎事務所M&Oplays

世田谷パブリックシアター(東京都)

2021/05/16 (日) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/25 (火) 18:00

倉持らしい不思議な芝居で、面白かった。
 元々は2014年のペンギンプルペイルパイルズ『靴』をベースにしたらしいが、それは観てない。パラレルワールドものによくある「となりの芝生」的な作品だが、同じ役者が両方のワールドを演じ分ける面白さもあって、見応えはあった。テレビでよく観るようになった奈緒は、舞台3作目だが堂々たる存在感を見せ、母親役の早霧は『ゲルニカ』でも観たが、元タカラジェンヌスでもトレートプレイでしっかり演じられるところを見せてくれる。菅原・今野に致っては言うまでもない存在感。

アルビオン

アルビオン

劇団青年座

俳優座劇場(東京都)

2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いかにもイギリスのウエストエンド新劇と言う感じの作品だ。2018年の初演。
イギリスの劇作家が、自らの市民生活の中に分け入っていく技術は大したもので、この作品にも若い作家なのに、その伝統が遺憾なく発揮されている。アルビオンと言うタイトルは日本でいえば、「みずほのくに」。自国の伝統庭園に託して、現代人間模様を描いて見せる。伝統を保守することの難しさをその場限りの政治アピールにしないで、自国に根強く残る階級社会、性差別、家族・親子関係、地域社会の「伝統」にも万遍なく目配りして描いていく。ようやく40歳になったばかりの作家とは思えぬ熟練の技で、こういう作家を育てて、劇作家だけでなくテレビや映画でも使って世界的作家にしてしまうところは演劇王国らしい。余談になるが今映画が評判になっている「ファーザー」の脚本もクリストファー・ハンプトンで、若いころは20歳代でデビューした演劇界の麒麟児、日本でも、三十年前、まだ彼が三十代のころ「金環食」やいくつかの作品は上演した。ファーザーの原作はフランスの劇作品だが、映画を見るとタイトルは原作よりアカデミー賞作家ハンプトンの方が大きい。ピンターはノーベル賞だ。作家の成長を社会も後押ししている。
イギリスの作家のうまいところは、ドラマを一筋縄ではくくらいないところだ。それでいて、さまざまな観客を自分の世界に取り込んでしまう。
青年座は十年ほど前から、翻訳劇も手掛けるようになった。劇団員はプロデュース公演にもよく起用されるから劇団外で翻訳劇の経験はあるのだろうだが、そういう場では演技が型通りになりがちだ。主人公の夫、隣家の主人、庭師、召使、など、よくわかるけどもう一工夫できるところだ。
津田真澄も小林さやかも那須凛も過不足なくうまいのだが、舞台には華がほしい。
青年座は、日本の創作劇を目指してきたが小劇場全盛時代になって、椎名麟三、矢代静一の流れの新劇からは作家も出てこなかった。しかし、海外作家に突破口を見つけようとした時に、サルトル、とかベケット、あるいは手っ取り早い社会問題劇ではなくて、いまの大衆が見る演劇を選んだのはなかなかの慧眼だった。日本でも若い作家は小劇場離れで、古川健、横山拓也、桑原裕子、加藤拓也、注目の新人はみな小劇場の限定された観客ではなくて、普通の日常の中で演劇を見ている。青年座もいち早く彼らの作品を取り上げているが、そこで、このような海外作品に触れる経験が一層の成熟をもたらすことを期待したい。

獣唄2021-改訂版

獣唄2021-改訂版

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/05/25 (火) ~ 2021/06/07 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

圧巻の初日を観劇しました。

ピサロ

ピサロ

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2021/05/15 (土) ~ 2021/06/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/23 (日) 14:00

この貴重な再演の機会に観ることができて、良かった。wowowの放送で少し観た後の観劇で、改めて生の価値を感じた。言葉による背景の表現が多く、集中力、想像力が必要。
信仰の違いによる争い(実際には富や領土が欲しいだけ?)はこうやって起こるのだということを、目の前で観た。神という存在を信じてこなかったので、信じ込む姿が新鮮だったけれど、これが世界で、歴史なのだと理解した。
定められたレールに乗れば全てを与えられ、幸せに暮らす人々と、自由だが、一寸先の闇と貧しさ、欲望や栄光にうごめかせられながらの荒波に生きる人々。後者で苦しむ立場にいる人が、自分の世界を肯定するのが印象的だった。

王が綺麗すぎて見惚れた。

フェイクスピア

フェイクスピア

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/05/24 (月) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

各チケットサイトの先行抽選で20公演以上の希望を書いてなんとか取れた2枚のうちの1枚が今日の初日で良かったです。
割と始めのあたりでその事象の意味を教えてくれるので、置いてきぼりにならなくてすみました。最後のその言葉の一群は胸が痛いです。

ネタバレBOX

永遠と36年と言っていたのですが、そうするとパパと息子の年齢が・・・というあたりの回収はどこかでなされていたのでしょうか?どなたかお気づきの方がいらしたら、教えてください。

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