獣唄2021-改訂版 公演情報 劇団桟敷童子「獣唄2021-改訂版」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    前回、五日目の公演後主演の村井國夫氏が軽度の心筋梗塞で降板。三日休演の後、原口健太郎氏を代役として公演再開。自分は初日に観ていたので、これらのニュースに心底驚いた。自分の観たその年ベストの舞台であったこともある。
    村井國夫氏主演での改訂再演の知らせに「もう一度観れるのか?」とそれにも驚いた。
    こんな作品を現在進行系で生み出せることに、コロナにも何某かの意味はあったとすら思える傑作。

    ハナトと呼ばれる珍しい蘭を採集するプロ(プラントハンター)と不要不急の現実社会では必要なしとされる演劇(役者)とを掛け合わせている。時代の要請で花の売買を禁じられ、生活に困窮する関係者達、「一体どうしたらいいのか?」とハナトの村井國夫氏に尋ねる。「ワシは花のことは何でも知っておるがそれ以外のことは何も判らんのじゃ」と頭を抱える村井氏。
    茸採りの名人役の鈴木めぐみさんが脇をきっちり固めて印象的。もう一人の主人公と言ってもいい原口健太郎氏の存在感と巧さ。原口バージョンの『獣唄』も観れば良かったと今更ながら後悔。

    コロナ禍に対する演劇界からの一つの回答がこの作品である。

    ネタバレBOX

    素晴らしい作品だった。
    それでも自分にとっては初演の前回の方が更に素晴らしく思えたのも事実。色々と理由を考えたのだが、はっきりとはしない。ラストシーンの花吹雪や舞台全体が嵐の大海原のように畝る光景も前回の方が衝撃的だった。座っている位置の違い(前回は最前列)や全体像を把握して観ている前知識の有無、妙にテンポが良く整理され過ぎている違和感、ハナト一家が急に仲睦まじ過ぎる、コロナを意識し過ぎた台詞・・・?『獣唄』の説明も丁寧に遣り過ぎでしっくり来ない。何か『獣唄』はもっと人知を超えた理解不能なものを垣間見せないと成立しないのだ。
    もう一回観ようかと思ったら当然だが全日程全席完売、そりゃそうだ。

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    2021/05/26 22:30

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