最新の観てきた!クチコミ一覧

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盲人達

盲人達

錬肉工房

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2021/06/24 (木) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

 演劇という表現形式に於いて最も難しい事とは何か? それは、公演が常に新古に於いて斬新でなければならないことである。

ネタバレBOX

人は生まれ幼少期を経て子供になり思春期を過ぎて若者に成長し大人の仲間入りをする。其の後、大人としてかなり長い時を過ごし老いて死ぬ。この何れの時期に於いても芸事を発表するプロとして生きる場合に要求されるのは、その時々に於ける華である。子役として舞台に立つ年齢は、業界によって異なるが、歌舞伎等は3歳位から舞台に立つこともあるようだ。何れにせよ歌舞伎役者が映画に出演したりすると一目でそれと分かる程質の高い立ち居振る舞いをするのは、演劇好きなら誰でも気付くことだろう。基本的に舞台俳優は単なるTVタレント等より遥かに演技の質が高い。映画にしろ、TVドラマにしろ、映像でしか仕事をしていないタレントの演技は極めて例外的に豊かな才能を持つ俳優を除いてレベルが低い。それをフォローしているのがカチンコによるカット撮影であり編集やエフェクトである。これに対して演劇は舞台上で上演回毎に異なる一回こっきりの勝負である。無論、本番の公演までに役者陣は台詞を仕込み、役と格闘し、他の役との関係を考え、己の役の意味を深く考え己の身体を調整しつつ役作りをする。  
一方、稽古の時と実際の上演時とは矢張り大きく異なるのが、観客の反応による演者たちへの影響である。台詞そのものは変わらないにせよ、間の取り方や声調の差によって観客の受け取るものも随分違ってくる。このようなことが実際の舞台上演では毎回起こっているので、何が絶対に正解か等ということは無い。だが、スタンディングオベーションを受けるような作品に共通しているのは、演者と観客が当に一体となったか否かにある。演ずる側の方向性が同化を狙うか異化を狙うかの差があっても上に挙げたことは変わらない。
 さて、今作は原作がメーテルリンクである。今作のタイトル作品は初めての人でも「青い鳥」は大抵の人が知っていよう。あの童話の原作者であり、ノーベル文学賞受賞作家でもあった。今作の日本上演は自分の知る限り、静岡で活躍する極めて優れた文化事業集団・SPACが上演したことがある。自分自身は今作のSPAC公演を拝見していないが、かつて何度か拝見したSPAC作品からは極めて知的でシャープな演出に感銘を受けた。
 この演出という観点に関して、今回の公演は、エッジが利いているとか、差異化すべき点をキチンと差異化しているといった作品のメリハリをつけるような創意は感じられなかった。(一、二例を挙げておくと、出演役には1人耳の不自由な役があり、他の役は目の不自由な人々役なのだが、この差がキチンと表現されていなかったし、照明のトーンも殆ど変らず現代の時代状況からは冗長に感じられる台詞と相俟って淀んだようなトーンだった為、鵺的だった等)これらの点が残念である。出演している演者にご高齢の方々が多かった点でプロンプターの役割が多かった点も惜しまれる。以上挙げたような点が災いして今回の上演には斬新さが欠けていたように思う。
あの日見た夢のつづき【LIVE配信】

あの日見た夢のつづき【LIVE配信】

劇団WAO!

SPACE9(大阪府)

2021/06/12 (土) ~ 2021/06/13 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

観ましたー!
共感する部分が多々あり、グッときました。
また、機会があれば是非会場でみたいです!

あの日見た夢のつづき【LIVE配信】

あの日見た夢のつづき【LIVE配信】

劇団WAO!

SPACE9(大阪府)

2021/06/12 (土) ~ 2021/06/13 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

生ライブ配信で観させていただきました!
映像からも役者さんの熱が伝わり、
次はぜひ生で観たいと思いました!
心に響くたくさんのメッセージ、ありがとうございます!

銀の骨

銀の骨

やみ・あがりシアター

王子スタジオ1(東京都)

2021/07/02 (金) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/07/03 (土) 11:00

やみ☆あがりシアター「銀の骨」笠浦静花さんの傑作脚本を、突き抜けてる俳優久保磨介さんが疾走する一人芝居。面白かった!

HATTORI半蔵Ⅳ

HATTORI半蔵Ⅳ

SPIRAL CHARIOTS

六行会ホール(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

効果的な照明、圧倒される音響が素晴らしい。殺陣シーンに感動。
素敵なホールで、イケメンの役者さんのオンパレード!!!
役者さんの衣装も、ひとりひとり個性があり楽しませてもらった。
観てスカッとしました。とてもよかった。

バクで、あらんことを

バクで、あらんことを

くによし組

インディペンデントシアターOji(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/07/02 (金) 16:00

Aチームを観た。
面白い、と言っていいのか分からないけど、面白い80分。観て損はない。
 近年の國吉は、自身がそうだったような生きづらそうな人々を描いてて、結果として随分と社会性のある芝居を書くようになったと思う。本作もその一つ。シュールで、筋を追おうとすると難しいのだが、観終わると言いたいことは分かる。「面白い」という表現が適切とは思えないのだが、ほかに言いようがないのが國吉の作風とも言える。くによし組を観始めた時の「○○あるある」的な作品とはちょっと違うテイストが出てきているが、國吉の中では同じ物を書いているのだろうな、とも思う。

レイジーミッドナイト

レイジーミッドナイト

水木英昭プロデュース

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです!
某国営テレビ放送局という設定ですがロゴがそのまんまで大丈夫か?(笑)
テレビ局のディレクターやプロデューサーがあんなにダンスや歌がうまかったら、本当に自分が出ればいいんですよね。皆さん個性的で素敵でした。特に君沢さんのあんなお姿が見られるなんて、普段はあまり買わないパンフレットも買ってしまいました。

解体青茶婆【7月8日19:00公演中止】

解体青茶婆【7月8日19:00公演中止】

劇団扉座

座・高円寺1(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

かなり久々の扉座である。コロナを経て以前と何か変わったような・・という気配が見えるとつい覗いてしまう。「解体青茶婆」なんだこの題名は・・医学にまつわる芝居らしい・・成る程コロナ騒ぎから何かを嗅ぎ取ったかエンタメ寄りな横内氏も・・と、観に行った(実は急遽予定に穴が開いたため観劇できた)。
戯曲の印象はシンプルで飾り気なく、線が太い。ただ、終幕の場の直前、戯曲としてはお膳立て整って漸く迎えた緊張の場で、我が体力持たず寝落ちと相成り、(その場が戯曲上果たす役割はシンプル故に凡そ推察できるが)どんな話をその人物にさせたかが聞けぬとは・・ここが肝心ではないか、恨めしや、と独り言ちて帰路についた。
時代物とは言え女役が一人はいささか淋しかった。男女同権とは程遠い時代の無念を担わせる意図は理解できたが一様に収まらない側面も見えたかった(芝居自体は長くなるだろうが)。ドラマの本筋では、「医学の道」を志す者が研鑽を積む場で、旧弊を乗り超え「人の命を救う」真の使命に従うべき理想が語られる。その言葉は、江戸の時代を軽々とワープして今現在に届けられる。「扉座らしさ」を思い出す。らしさ、と言えば涙に訴えるシーンの多いのも私てきには扉座らしさであり、「そこはドライで通したい」と思ってしまう感覚の差があるが..、徒手空拳で物申す姿勢だけは、端から愚直に見えようとも頑固親父らしく堅持し抜いてほしいと思う(主宰の人となりは殆ど知らないのだが頑固に違いないと勝手に想像している)。

時空幕末歌舞綺 ISINなんDaZe!

時空幕末歌舞綺 ISINなんDaZe!

さくらさくらカンパニー

KAVCシアター(兵庫県)

2021/06/05 (土) ~ 2021/06/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽日2st目、宝塚歌劇好きの奥様と2人で観劇。

この劇団さん、幕末×時空的な話がお得意で…
ただコロナで対面稽古等は殆どできなかったとの事で、あたふた感もご愛敬。
でも役者さんの懐の深さでしょうか、安心感は有りました。

そして、終演後、最後のご挨拶、感極まった長州勢に感動。拝見できて良かった。
一方、クールな新撰組勢と、場を仕切る龍馬…

千秋楽の挨拶はどうなったのか、気になる…

5秒ぐらい死んでもいいかなって思った事がある

5秒ぐらい死んでもいいかなって思った事がある

劇団水中ランナー

小劇場 楽園(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/07/02 (金) 19:00

100分。休憩なし。

バクで、あらんことを

バクで、あらんことを

くによし組

インディペンデントシアターOji(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/07/02 (金) 16:00

Aチーム。80分。休憩なし。

夜会行

夜会行

鵺的(ぬえてき)

サンモールスタジオ(東京都)

2021/07/01 (木) ~ 2021/07/07 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/07/01 (木) 19:00

75分。休憩なし。

花のもとにて春死なん

花のもとにて春死なん

ピープルシアター

シアターX(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

『老いと哀しみのボレロ』みたいな感じ。『カッコーの巣の上で』の呆け老人ホーム・バージョンか。お漏らし、異常性欲、記憶障害、フラッシュ・バック・・・、兎に角リアルで気が滅入る。老いの醜さを面前に突き付けられていくような感じ。唐突に挿入される現代舞踊家仲野恵子さんの舞踏は子供が観たらかなりのトラウマになろう。ワンツーワークスの『死に顔ピース』の印象が強いみとべ千希己さん、タンゴ好きの元女優役を好演。セクシー担当の看護婦役、伊集院友美さんの見せ場も多い。二枚目蓉崇氏がひたすらギャグ担当で驚いた。

ネタバレBOX

目茶苦茶期待していただけにどうも違った。自分の感性が腐っているのかも知れないが、全くぴんと来なかった。ラスト、姥捨山法が施行され、80歳以上の老人は各地区の十代の子供達に生殺与奪権を握られることとなる。孫娘達がやって来て拳銃や丸太を使いゲーム感覚で皆を惨殺していく。喜劇にも悲劇にも振り切れていない消化不良のまま終わってしまった。
バクで、あらんことを

バクで、あらんことを

くによし組

インディペンデントシアターOji(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

【Bチーム】観劇

ネタバレBOX

身体の特徴を売りにしてきた俳優は、今後どうすべきか、また使う側もどう扱うべきかを問うた作品。

難しい問題ですが、個性なんだから否定することだけは避けたいと思います。
レイジーミッドナイト

レイジーミッドナイト

水木英昭プロデュース

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/07/02 (金) 14:00

ホンキートンクやSAMURAI挽歌のイメージが強い状態で見に行ったので、前半は漫才みたいなノリで、しかも、テレビ局という設定なので、いつもとは違う新機軸のように感じましたが、いつものアクションや殺陣もしっかり登場し、十分に堪能できるステージでした。

花のもとにて春死なん

花のもとにて春死なん

ピープルシアター

シアターX(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 とある老人ホームに入居した老人たち。齢を重ねれば誰しもが避けられぬ老いた体を抱え家族と離れざるを得ぬ様々な状況を殆どの者が負って、ここで暮らす。

ネタバレBOX

医師・看護士の人数が充分では無い為、入居者の中から代表者や世話人が決められその任に当たっている。彼らの中には寄る年波にも関わらず自らの思惟‣思考を深化させることができずとどのつまり、老い乍ら性に吐け口を求める者、己の性向に身を委ねる者、認知症を患いながらもその事実を忘れ自分達が建てた家に戻りたがる者、自らの生きて来た職業や芸事への未練を断てない者、伴侶と一緒に入居したものの一方は病み、遂には絶命したにも関わらず、精神的苦痛故その事実を認められない者等々、が同じ屋根の下で暮らしているが、彼らの愉しみはタンゴ等のダンスを踊り、生きる実感を手にすることである。然し施設長は、ダンスを禁じてしまう。然しスタッフの数は少なく、老いたりと雖も数の上では収容されている老人の方が圧倒的に多い。そこで数を頼んで再びタンゴの宴が実行されるが、それも束の間、突如日本国では姥捨山法が可決され速やかに実行されることとなった。而も法の実行主体は、各地区の若者に決まった。若者達の判断次第で計画は余計者排除へ向かい役立たない者は抹殺の憂き目に遭うこととなった。舞台上で、銃殺、撲殺等が実行される。如何に舞台上の出来事とはいえ、音響や照明を伴い視覚的にも実見されるこの光景はインパクト充分である。殊に自分の拝見した回は年を召した方が多かったので老いの実感と共に相当のインパクトがあったと思われる。また実際の日本という国は国連に毎回指摘されているように人権感覚というものが極めて希薄な国である。殊に為政者のそれはどうしようもないレベルだ。この実態が民衆に日々経験されているだけに説得力がある。
 タイトルからは誰しもが西行の名歌を思い起こすであろう。老人たちの想いも同じである。せめて死ぬ時には華をその縁としたい。このような念は、憂き世を生きる総ての真っ当な者に共通する願いであろう。死ぬ際にすらそれが許されぬ国、それが現実の日本だ、ということにはしたくあるまい。
別役実短篇集  わたしはあなたを待っていました

別役実短篇集 わたしはあなたを待っていました

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2021/06/25 (金) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「この道はいつか来た道」
 今回上演された4作品の中では最も遅い時期に原作者が書いた作品である。(華5つ☆)
 一応、誤解の無いように申し上げておくが、公演は2作品で1公演が基本形である。作品評を1作ずつ評価する為に、評者の判断でこのような形にしている、

ネタバレBOX

 別役作品の舞台美術としていつも登場すると思われている位頻繁に登場する(電信柱・ベンチ)以外に登場しているのは塵を入れる大型ポリバケツだ。而もこの単なる物としてのポリバケツが恰も人格を持つかのように扱われるシーンが多数在る。これだけでも異色な作品と言えるだろうが、出演する役者の力量で、単なる物が即ちヘーゲル流の即自体が当に何らかの主体性を具えた生き物、時に人格を具えた何かにすら見えてくるような作品である。
 燐光群の役者陣はどの方もレベルの高い演劇人だが、今作では円城寺さんの女子力が極めて高い色気を醸し出していた。原作者で高い能力をお持ちであった別役さんの作品の中でも女性に対する観方の転機となった作品なのかも知れない。宿無し男性に対する宿無し女性の感じる体臭に関する感覚等が台詞化されている点は、別役氏の持っていた女性に対する観察・認識フィードバックを忍ばせて興味深い。
HATTORI半蔵Ⅳ

HATTORI半蔵Ⅳ

SPIRAL CHARIOTS

六行会ホール(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 途中、10分の休憩を挟み170分程の尺である。殺陣は可成りスマートで、照明・音響とのコラボもグーだが、余りに整合的な分浅く感じる点もあった。役者の中には極めて優れた身体パフォーマンスを見せる者が何名か居て、旋風脚や回転回し蹴り等も見事である。

ネタバレBOX


 内容は観てのお楽しみだが、半蔵の家系もネット上の説明にある通り吉宗と4代目半蔵・伝生との駆け落ち以来老中職を解かれていた。この為今作が描くⅣ即ち60年後の幕末期6代目ハットリ半蔵・汎刃の代では彼も忍法を継承していたが、今は床屋を生業としていた。
 さて、幕末といえば勤王VS佐幕である。ここで佐幕派・飛竜革命開国軍VS勤王派・新選組が対峙する。双方の偵察・襲撃/防御合戦が繰り返される中、徳川将軍ケイキは、二階での異国風俗や、一階ではエレキ仕掛けのゲームマシンが置かれ洋食を嗜むことのできる店の常連となっている。実はこの店は飛竜革命開国軍の情報収集基地であり、当然の事ながら忍びが関わっている。新選組も目をつけた。更に史的に有名な池田屋騒動が、今作では新選組が返り討ちの憂き目を見るという設定になっており、その原因が飛竜革命開国軍に加勢していた忍びの術によるものだと判明した。近藤イサミは床屋となっていた半蔵に相談を持ち掛ける。ところでこの池田屋騒動の際、開国軍に味方していた“くノ一”は捕縛され投獄されてしまう。これを助けたのが床屋としては2代目の半蔵である。原因は彼らは互いに惹かれあっていた為である。ここから先はネタバレが酷くなってしまうので、ここ迄とする。後は観てのお楽しみだ。
夜会行

夜会行

鵺的(ぬえてき)

サンモールスタジオ(東京都)

2021/07/01 (木) ~ 2021/07/07 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

本当に才能に溢れた人間はこの世にいるんだなあと思い知らされる舞台。これを観る事が出来ただけで当面自分の幸運に感謝。色んな若手女優に今作を観て貰いたい。アンテナがビリビリする筈。
サンモールスタジオの小さなステージで演ること、立地条件、全てが計算され尽くしている75分。
「神は細部に宿る」と云うが、音に徹底的に拘り抜いている。ベランダの掃き出し窓が開いていて風が静かに吹き込んでくる。レースのカーテンが優しく揺らめき、外の道路から街の音がずっと微かに聴こえている。客席からは見えない洗面所の音、携帯電話の声の音量、絶対にこうでなくてはならないであろう設計。

オープニング、福永マリカさんがベランダ越しに外をぼんやりと眺めている。笠島智さんはキッチンで料理の準備。
福永の誕生会に集まる友人達。コロナ禍のホーム・パーティーと云うことで、全員マスク姿のまま。五人の会話劇を表情はほぼ目だけという荒業で成立。実際にワインやビールを飲み、おつまみを食べ、とにかく部屋の美術から小物からリアリティーを徹底。彼女の部屋、今その場にいる感覚に陥る。

ほぼすっぴんの福永マリカさんの目の表情が猫の目の様にくるくる変わり釘付けになる。笠島智さんの凛とした立ち姿。奥野亮子さんとハマカワフミエさんの口論の見事さ。青山祥子(さちこ)さんの引きがあるキャラ。

複数の女性客の啜り泣く声や堪えきれない嗚咽、客席は段々と作品世界に取り込まれて行く。
ラスト・シーンの切なさ。ウォン・カーウァイの『ブエノスアイレス』を観賞した後の何とも言えない気分を久し振りに思い出した。

ネタバレBOX

社会に生活に自分達のアイデンティティーにさえ打ちのめされていく女性同性愛者達。

皆が帰り、笠島と、その家に同棲している福永だけが残される。「別れないよ」と笠島、黙ったままベランダの側に立つ福永。
少し暗転し、ライトが灯ると福永はいない。彼女が立っていたベランダの窓にクリップで挟まれたクレヨン画の笠島の似顔絵が。緑を背景に可愛らしく笑っている。福永は去っていったのだろうか、それとも今ここにいないだけなのだろうか。部屋に現れた笠島が絵を手に取り、奥の額縁に大切に飾る。愛おしそうに。

世界の果て、地球の反対側の地にて、時すら越えてあの時の気持ちだけが確かにここに存在している。『ブエノスアイレス』はそんな映画だった。
夜会行

夜会行

鵺的(ぬえてき)

サンモールスタジオ(東京都)

2021/07/01 (木) ~ 2021/07/07 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/07/01 (木) 19:00

スゴイものを観た気がする。観るべし(前売券完売だが当日券で是非)!
 レズビアンの新田(笠島智)が恋人の笑里(福永マリカ)と住む部屋が舞台。笑里の誕生日を祝うためレズビアン仲間が集まる。遼子(奥野亮子)と廣川(ハマカワフミエ)が来るが、話題の中心は廣川の新しい恋人の理子(青山祥子)。集まった5人は取り留めのない話を続けるが、30分ほど経って新参者の理子の問題が話題になると…、という展開。スケールの大きな作劇が続いた鵺的だが、今回は小劇場ならではの会話劇を展開し、70分強の舞台は基本的にリアルタイムで進む。5人のキャラクターが際立っているし、力量ある魅力的な女優陣が演じることでそれはよりハッキリする。誰が言うことももっともで、誰が正しいと言うわけでもなく、それぞれの生き方は認められるべきだと思える。レズビアンの話と思っていると、もっと普遍的な人間の生き方の話になっているあたりが見事である。珠玉の台詞が並ぶ。
 こういう芝居が観たい。☆15くらい付けたい気になる。

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