最新の観てきた!クチコミ一覧

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ドップラー

ドップラー

KOKOO

シアター風姿花伝(東京都)

2021/04/20 (火) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

芝居をハシゴして山手通り側から劇場に到着。「目白駅からの徒歩でない」行き方を前回に続いて開拓して一つ地理に詳しくなった(要町から椎名町まで徒歩ですぐとか..)。
本日も未知数度95%初お目見えの劇団を風姿花伝にて鑑賞した。チラシ、サイトから想像された「落ち着いた」イメージをひっくり返し、喧噪とスピードと汗の2時間(休憩有)であった。

ネタバレBOX

本がとにかく饒舌なのであるが、若い役者達がアクション+高速台詞を緩急ある声調で展開し、(音量は大きく標準速度は高いのに)場面は多彩な表情を見せる。もっとも「物語」の方はある昔話をモチーフに縦横無尽に展開して「回収」の意思を疑う程であるが、破綻と集約の予感の境界を行きながら、台詞一つで世界が変わる奥儀(唐十郎)、走り回る様(野田秀樹)、ギャグの頻度(松尾スズキ)といった若者なりの温故を感じなくもなく。
題名は「遅れて来る」人の意であるらしいが、とある二人の青年+少女を核に進む話ととりあえず理解できる。二人の内の一方が足も生き方も早いが「ヒーローは遅れてやって来る」を体現、一方はのろく人生に不器用な存在を体現して観客が感情移入しやすいキャラとしてある。だがラストは人物の高ぶる感情に同期する根拠を掴み損ねる。台詞一つで世界を変える技も、結語を導き出すにはより周到な仕込みが必要という事か。あるいは早い展開の中に散らされた伏線をこちらが読めてないのか。。 ただこの集団の特徴である最大化された「動き」(にも関わらず息が上がらない..汗はかいてたが)は秀逸で、ちょいと気になる集団になった。
逢いにいくの、雨だけど【4月25日東京公演・大阪公演全ステージ中止】

逢いにいくの、雨だけど【4月25日東京公演・大阪公演全ステージ中止】

iaku

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2021/04/17 (土) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/04/21 (水) 19:00

125分。休憩なし。

パンドラの鐘【4月25日~5月4日の東京公演中止】

パンドラの鐘【4月25日~5月4日の東京公演中止】

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/04/14 (水) ~ 2021/05/04 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

野田秀樹の旧作を、今の新しい演出家が手がける。クリエのKERACROSSと同じような試みだ。この二人、方向は全く違うが、間違いなく現代の日本演劇をリードする劇作家である。共通するのは、彼らが登場するまで、日本演劇を蔽っていたリアリズム演劇からは遠い演劇世界を作って成功したことだ(ほんとにすごいと思う)。その野田も、65歳、ケラも間もなく60歳。両者とも多作という事もあって、ひょっとして、自分の戯曲、後世に残るのかな?と気になったのか、いや、そんな下世話な勘繰りでなくとも、疾走してきた足跡を若い世代の舞台で再見したい気分にはなる年齢だ。
初演の時、野田・蜷川の二人の演出競演になった旧作を、コロナで世間がお休みになっているような時期に世代も作風も違う熊林がどうするか見てみようというのは、なかなかいい企画だ。クリエも満席だったがこちらも満席。熊林演出は、どこかでふざけなければ気が済まない野田とは違うクールな舞台作りだった。
野田作品は、東西の古典から現代の流行や政治まで、さまざまな人間事象の引用に次ぐ引用で独特の世界を作っていく。「パンドラの鐘」はタイトルにも、ギリシャ神話のパンドラの箱を開くと、善悪さまざまの人間の業が飛び出してくるという物語に、出てくるものは鐘で、それが長崎型の原爆だ、と言う寓意を重ねている。熊林演出は、この作品の寓意性を生かして、何かときな臭い世界情勢を映す時事性の強い舞台になった。具体的には、事実の背景としては先の戦争と原爆投下我描かれているだけなのに、時代をこえて観客に訴える力が戯曲にあることを証明して見せたのだ。
Kera Crossに続いて、この上演も日本演劇の里程標になった。

6団体プロデュース『1つの部屋のいくつかの生活』#3

6団体プロデュース『1つの部屋のいくつかの生活』#3

オフィス上の空

吉祥寺シアター(東京都)

2021/04/09 (金) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

黄チーム観劇
舞台セットになっているひとつの部屋を、
何にするかによってストーリーが変わっていく感じで、
観劇した黄チームは、家のリビングらしきところと、宿屋のロビーという設定で、
だいぶ違った物語になっていました。
たまたまなのか、どちらもちょっとした謎が感じられる展開で、
そこが、それぞれのストーリーのポイントにもなっていたように感じました。

熱海殺人事件〜売春捜査官

熱海殺人事件〜売春捜査官

9PROJECT

d-倉庫(東京都)

2021/04/14 (水) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

◎全力疾走で千秋楽まで突っ走った後のような千秋楽のお芝居でした。

あんなボロボロズタズタの高野愛さん観たのは初めて。
正直、お金とって観せる公演としてはどうかでした。が、車庫入れやS字クランクで、テクニックに頼らない、ブレーキをしないメーターぶっちぎりの、つかこうへいF1演劇をやり切ったを確認できたから、これはこれでありだと思いました。

喉がつぶれて観るに堪えない演技してるんだけど、何故かアーカイブ何回も見直しちゃう。25日までアーカイブあるそうです。よろしかったらぜひ。

亡国のワルツ【4月28日・29日公演中止】

亡国のワルツ【4月28日・29日公演中止】

東映・シャチュウワークス

あうるすぽっと(東京都)

2021/04/16 (金) ~ 2021/04/29 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ワンシチュエーション、登場人物も少ないのですが、ストーリーの動きが自在なので、ぐんぐん引っ張られて観ていました。
現在の日本にも重なる部分が多く(特に政治家さんたちに対しては同感!)、考えるべきことの多い作品でありました。あえて、違和感を感じるとしたら、出演者がその設定や役の重みに対して、ちと若く感じられてしまうことでしょうか?もう少し大人のドラマであったら、より重みもあったのではと思います。

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校【4/28 (水)・29 (木・祝)公演中止】

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校【4/28 (水)・29 (木・祝)公演中止】

ロロ

アトリエ春風舎(東京都)

2021/04/19 (月) ~ 2021/04/29 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

たわいもない話でした。

ネタバレBOX

卒業間近の小学生たちが、同級生や宇宙人の転校生相手に告ったり告られたりの恋愛事情を描いた話。

支離滅裂の言葉の羅列を覚えるのは大変だろうと思いました。
パークビューライフ【4月25日大阪公演中止】

パークビューライフ【4月25日大阪公演中止】

エイベックス・エンタテインメント

世田谷パブリックシアター(東京都)

2021/04/07 (水) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とにかくとても明るく稀に見る楽しい作品でした。

ネタバレBOX

それぞれが失業し、田舎の島に帰る予定の幼馴染のアラサー女子三人が、マンションの屋上庭園に入り込んだことがきっかけで、ゲイだから安心してと言う住人の誘いを受け一緒に楽しく暮らしていたところ、時の経過とともに良心の呵責に耐えかねた男から実はゲイではなかったとの告白をされひと悶着あったものの、三人で相談した結果、これからも楽しく暮らしていこうとの結論に至ったという話。

何か凄いハッピーエンドで終わり楽しくなりました。

深く考えると今後色々あると思うのですが、特にしょこたんと前田亜季さんの可愛らしさ故に、そんなことを考えさせないお芝居でした。
芒ノ原デ…

芒ノ原デ…

パールデンブルームエンターテイメント

門真市民文化会館ルミエールホール・小ホール(大阪府)

2021/04/09 (金) ~ 2021/04/10 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽日観劇
涙が2度,3度、4度,5度と頬を伝った。
人の価値って最期で分かりますね。

身寄りない老婆の死。
友人、可愛がっていた姉弟に見送られ…
葬儀と共に明かされる過去と秘密。

登場人物が個々に想いを秘め、皆、優しい。
そして経験豊富な役者さんの演技、素晴らしかった。
泣けた。感動した。

追伸、初めての門真市民文化会館で、途中間違えて市民じゃなく、市立文化会館に行ってしまい、右往左往しましたが、何とか無事に開演前に着けました。
拝見できて、とても良かった。

ダイダロスの誤算

ダイダロスの誤算

シアターリミテ

P-act(京都府)

2021/04/02 (金) ~ 2021/04/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽日観劇
2月から延期の公演。推敲を重ね8稿目の脚本との事。
随所に散りばめられたネタ振りから、悲しい結末へ一直線。

親(ダイダロス)の言い付けを聞かなかった子供(イカロス)が悪いのか?
親のエゴの犠牲はいつも子供!

愛と正義に揺れた親と教師の虚々実々、見応え十分。面白かった。良かった。

「-D-の軌跡」

「-D-の軌跡」

赤猫プロジェクト

道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)

2021/03/26 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

異形の者の運命、始まりと終わり、自分と異なる者を受け入れない人々、壮大なお話でした。

女優さん、ダンサーさん、とても良かった。
そして、かなえさんがいらっしゃると、安心して見れますね。
脚本、演出、振り付け、そして自らご出演と、一人4役の平本さん、お疲れさまでした。
楽しませて頂きました。

亡国のワルツ【4月28日・29日公演中止】

亡国のワルツ【4月28日・29日公演中止】

東映・シャチュウワークス

あうるすぽっと(東京都)

2021/04/16 (金) ~ 2021/04/29 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

なんともスリリングな政治的サスペンスアクション。どんでん返しの連続で、グッときましたね。しかしながら正義は怖い。

鮭スペアレ版・リチャード三世

鮭スペアレ版・リチャード三世

鮭スペアレ

銕仙会能楽研修所(東京都)

2021/04/17 (土) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

沙翁の名をもじったこの集団の舞台には中々縁がなかったがようやく目にした。シェイクスピアへの拘りの所以は不詳だが遊び心の発露の態様を見た。己を醜く生み落とした創造主へ叛逆するかのように血塗られた道を行くリチャード三世の物語は、以前鵜山仁演出/岡本健一主演の新国立舞台を観て印象にある。悲惨な末路に殆ど同情の余地がないにも関わらず、そこに人間を見る。
舞台は一時間強。黒ずんでシックな能舞台にまず語り手(パンフにはウタイとあり謡い方に当る模様)の男女二人が切戸口(能の始めに囃子方・謡い方が出て来る)から現れ、次いで橋掛かりを通って5名の女優が巫女をイメージさせる白と朱の衣裳で登場。語り手は場のタイトルと地文を語り、5人は持ち回りで役を演じるのだが、場ごとに表現形態が変わり、前半にあったラップ調だけはもっと符割りにヒップホップらしいセンスを欲しく思ったが、トボケた演出であるのに場を重ねるにつれ「劇的」が高まり、「リチャード三世」はオーラスを迎える。
この「遊び方」というのが不思議に真面目さ、誠実さを感じさせ、抄訳に近い作りでも戯曲が生きていた。
一目置かれた存在らしい理由が判った気が。

ネタバレBOX

「ドップラー」で話題になっていた観客は以前私も書いた気が。。
この鮭スペアレ公演に件の男は居て、「む...」と警戒したが邪魔な笑いはなかった。
ただよく思い出すとラップが始まった瞬間(ここは笑うだろうと見ると)しこたま笑っている気配があったが、舞台上の声が勝り殆どかき消されていた。
意表を突く瞬間の笑い、間隙を縫っての笑いが「アピール」だとすれば声が周囲に聞こえないのでは意味がない、と断念したのかな...良かった良かった、安堵したという話。

しかしとある場所で、知人の出演する舞台を観た後、その知人に件の男が挨拶をしており好青年風であった。聞けば応援してくれている人だという。「彼」について思わず告げようとした言葉を飲み込んだ。
人柄は良いのかも知れぬが・・
君の、空知らぬ雨

君の、空知らぬ雨

劇団HALLJACK

牧野生涯学習市民センター(大阪府)

2021/03/27 (土) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ラジオドラマをベースに、あの日をテーマにした5つのオムニバス。
阪神大震災で被災し、東日本では帰宅困難に直面し…、とても人ごとでは…

②あの日の話
あの日、福島から退去させられた親子3人のお話。
仮住まい、転勤、突きつけられる選択…
(子は鎹ですね。とても可愛い、うるうる)

③嵐の最中
自主避難を決めた母娘と、残る事を決めた酪農一家。それぞれの苦悩と不安、とても分かります。

⑥18番
夫の転勤について行く事にした②の家族。
娘の転校先で18番を発表する事に…
親御さんはイジメられないか、とても心配ですよね(不寛容な大人や子供が増えてる気が…)。

①④⑤スイング・バイ
それぞれが想う震災は3人3様…
 ①はペンは剣よりも強しと言うが、実は…
 ②私は冷たい人間です…、でも皆そうかも、だから…
 ③狐の童話、私も守るべきを守れる人になりたい!

終始泣きっぱなし、神戸で皆に援助頂いた事、帰宅困難先で津波の衝撃映像を見た事、等々思い出し、涙が止まらない。
共感と感動を有難う。次も必ず観る!

怪人二十面相VS宮本武蔵

怪人二十面相VS宮本武蔵

振り袖講談

ACT cafe(大阪府)

2021/03/26 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

振り袖講談は初回以来、久しぶりの観劇。
そして虚空旅団)瀬古なおきさんの講談はお初!

■瀬古なおきさん)宮本武蔵
"鍋ぶた試合"と"熱湯風呂"の2講談。宮本武蔵の講談は沢山あって面白いんですね。
早く続きが観たい!

■振り袖かを里さん)怪人二十面相·伝
超ロング講談。
2時間弱を一人でしゃべり立てるとは…
これだけ長尺の一人舞台は始めて観たかも!
そして内容も…丈吉と明智小五郎&小林少年のロマノフ·美術館対決が凄い。
今回は子供・平吉でしたが、その後も気になる!

そしてそして、作:北村想さん前で講談する名古屋公演決定との事、頑張って下さい。

振り袖かを里さんの奮闘に★5つでも良かったのですが、前後の公演が良すぎて…
今回は★4つでお許しを。

ワタシ

ワタシ

劇団 私と君とカキツバタ

アトリエS-pace(大阪府)

2021/03/26 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

『どうやったら明日を生きられる?』
『あなたには何ができますか?』
作者から突き付けられた問いに答えられるだろうか?

とても重く慎重に扱わなけばならないテーマ…これは事実なの?
そうならば、忘れられぬ友への鎮魂、作者はこの過去を背負って高校生活を…

高校生の公演とは思えない完成度と、
作者の積年の想いを乗せた公演、作者の決意を、ご命日に拝見できた事、心が震えて止まらなかった。

そして私に何ができるのか今も自問自答している。
生で拝見させて頂き、作者の想いに少しでも触れることができて、良かった思う。

パークビューライフ【4月25日大阪公演中止】

パークビューライフ【4月25日大阪公演中止】

エイベックス・エンタテインメント

世田谷パブリックシアター(東京都)

2021/04/07 (水) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/04/18 (日) 12:00

ところどころ気になる部分がありましたが、心温まる舞台でした。
登場人物のチームワークの良さが楽しかった。

宿命のブラッドバーン

宿命のブラッドバーン

空想嬉劇団イナヅマコネコ

上野ストアハウス(東京都)

2021/04/09 (金) ~ 2021/04/18 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★

普通だったかなー配信だったのでそこは割り引いて考えなきゃだけど何かがもう少し必要な気がした

ネタバレBOX

台本の対する演出・役者の技量がもう少し。せめて引っ張ってくれる役者が1人いればとおもう。配信自体は画角を変えるためかブレなどが何度かあったが引の定点だけで良かったとおもう表情も見せたい気持ちがあるのだろうがそもそも暗めの照明なので画質はそんなに良くないし劇場でも後ろの席は表情なんてあまり見えないのだから小細工はいらない。でも作品としてダメダメだったかと問われれば「普通」だったかな。
亡国のワルツ【4月28日・29日公演中止】

亡国のワルツ【4月28日・29日公演中止】

東映・シャチュウワークス

あうるすぽっと(東京都)

2021/04/16 (金) ~ 2021/04/29 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ドキドキしました。そんな展開!!
できたらオリンピックとかクーデターとかが無縁の状況で安心して見たかったです。

ネタバレBOX

倒れて死んでしまった人はまあいいとして、上手で椅子に座ったまま死んでしまう役の方、その後もずっとその姿勢でいるのがすごい。
ビルマの竪琴

ビルマの竪琴

劇団文化座

俳優座劇場(東京都)

2021/04/15 (木) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/04/20 (火) 14:00

座席1階

竹山道雄の名作の舞台化。文化座創立80年記念の公演という。文化座は戦時中に創設され、満州にわたって演劇を続けた。引き揚げるときの苦労は、まさに他人事ではなく劇団のDNAとして刻まれている。この演目が創立80年として選んだのも、文化座の歴史を体現している。

それだけに、熱のこもった舞台であった。この演劇の肝ともいえる合唱シーンは卓越している。「埴生の宿」、ラストシーンの「仰げば尊し」。どの楽曲も見事な男性ハーモニーで心を打たれる。
主人公の水島上等兵を演じた藤原章寛の実直な演技が光る。隊長役の白幡大介もぶれることのない役どころで印象に残った。埴生の宿を敵味方が合唱するシーンは、物語の筋をわかっていても感動できる場面だ。

壮絶だった先の戦争でも、苛烈を極めたと言われるインパール作戦。無謀な作戦に犠牲を強いられるのはいつも末端の将兵である。無謀な外交の犠牲になるのも国民であろう。
当時の人たちはそういう考えに及ぶことはなかったと思うが、一体何のための戦争なのか、何のために死闘を尽くすのか。それは、教訓として残っている。戦争を避けるための道具が外交であるなら、今の日本の外交のファーストプライオリティーは「非戦」になっているのだろうか。戦いを避けるための努力が外交交渉の中で行われているのだろうか。首相訪米のニュースなどを見るにつけ、とても不安になる。
インパール作戦の教訓を未来のために学び続ける責任が、日本国民にはある。そうした中での「ビルマの竪琴」は、胸に刻むべき舞台だ。戦争に翻弄された歴史を持つ文化座だからこその力作に、拍手を送りたい。実際、私が見た回もスタンディングオベーションという空気の拍手が続いていた。

俳優座劇場の席は半減させての感染対策。客席の年齢層は高かった。本当にいい舞台だ。もっと若い世代に見てほしい。

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