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夏芙蓉/ふぶきのあした

夏芙蓉/ふぶきのあした

くじら座なごや

スタジオ空洞(東京都)

2022/06/17 (金) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めちゃくちゃ面白かった。
本もいいし、役者さん達も素晴らしい。

貴婦人の来訪

貴婦人の来訪

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/06/01 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

フリードリヒ・デュレンマット(1921~1990)の代表作を新国立の企画モノのラストと
して演出。本作は「悲喜劇」として広く捉えられているそうなので、“喜劇”の側面を
押し出したポップでカラフルな見せ方は、登場人物や出来事のグロテスクさを強調してて
個人的にはかなり好感。万札が吹き出されるレプリカの銃がインパクトデカくて面白い。

ネタバレBOX

過去の栄光ははるか昔、衰退一方のデュレンの雑貨屋にして人望厚いアルフレッドこと
イルと若い頃に深い仲だったクララが45年ぶりに故郷を訪れたことから始まる物語。

クララはイルの子を身ごもったことで、半ば追放されるようにして故郷を離れ、遠く
ハンブルグで娼婦に。そこでわらしべ長者よろしく7人の金持ちや著名人との結婚離婚を
繰り返して、いつしか世界的なレベルの富豪(10兆払ってまだ手元には20兆あるらしい)へ。

クララは乗っていた急行列車を金の力で停止させたり、ルーブルから持ってきた駕籠を男
たちに運ばせたり、歓迎会の席では食べ物にフォークをぶっ刺したりしたままだったり、

あり余り過ぎる資本をバックにした絶大なパワーと、上流階級とは程遠い粗野で無邪気な
性格とが同居している複雑なキャラとして成立してて。なんか悪意のない傍若無人さが
まんまキム・カーダシアンなんですよね…。

初演当時の1950年代はまだナチスの影が色濃いだけに、小さな共同体の中にはびこる
ファシズムの影を暗示していたのだろうけど。

金融危機を経た現在だと、クララはグローバル資産家&インフルエンサーで、正義も
倫理も金の力で蹂躙される新自由主義(といってしまえば楽だけど、国家間の成長率や
GDPにみんなが一喜一憂するあたり、もう新自由主義といって非難してれば済む話でも
なくなってる気がする)的な現状を表現しているような読み方もできて怖い。

実際問題として、とんでもないレベルの資産家なら、ちょっとした国とか市町村レベルなら
意のままにできそうだよな…。クララの「ヒューマニズムは資産家の財布のためにある」と
いう身もふたもないセリフもそうした作品の一側面を見事に打ち出してるな、って。

クララはイルを裁くというより、イルを手にかけさせることで、自分を捨てた街の人たちに
永遠に消えない罪を負わせて裁くことが目的だった気がする。きっとイルが(街の長の思惑通り)
自殺でもしてたら、10兆円の話とか無いものになってたんだろうな。

そう考えると、クララは永遠にイルを自分のものにして、「過去を取り返した」わけで、
ちょっと歪んだ愛の形を描いたホラーとしても見ることができるんだなって今気づいた。
ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

引きこもっている男性のことばに、妙に感心して聴いていた。
理屈っぽくて...
でもまともなこと言ってるところが、スゴい。
観覧車を人生に例えているあたり、ウーンさすがだ、と思ってしまった。
それと対照的なヘルパーの女性との会話が、おもしろい。
彼女は男性の問いかけの返事に、少しへそまがり風な答えを返したり、突拍子もないことを言ったりする。
それが笑える。
三人の会話が実におもしろい。
ほのぼのしていてあたたかい、良いお芝居でした。

ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

白いゴンドラを観劇

基本白い舞台美術で
アパートの1室=居間を表現
上手が入口で下手がオトンの寝てる部屋
という設定

なかなか会話積み重ねての話で
アンバランスな関係性をバランスよく
出せてたかなーと

ネタバレBOX

リトルなサッカーチームでの
コーチポジションにいた父が事故で寝たきりとなり
息子である主人公と暮らしているアパートの居間での
3人の人間による会話劇

SEをやってる?今は無職らしい兄さん
この部屋の主であるが
中学のサッカー部でのいじめが元で
人との距離感とかが掴めなくなっており
その事を自覚もしている

寝たきりのオヤジの介助補助にきてくれるヘルパーさん
主人公に惚れられての会話がチグハグで
面白味も出してるんだがー
ヘルパーさん もの知らない感じの天然さんという設定です
バツイチで息子を一人で育ててるんだが
その元旦那が主人公を中学時代イジメてた奴だった と
潤滑剤での主人公の妹さんが常識人枠で出てきます

効果音とか小道具とかがリアルで
人の生活を覗き見してる感は
よく出ていました

ダークネス号のダークちゃんとか
カワウソのウソツキ=うそちゃんとか
会話の端に出してくる小動物ネタも良い感じでした

ただ何とはなしの中だるみ感もあったかなぁ~
とか思えたが=大団円風に丸く明るく収めたんで
自分的に好ましかったです=暗い話はね~とか思ったりするんで・・・
小刻みに戸惑う神様

小刻みに戸惑う神様

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いろいろと登場人物が多めに出てくるも
関わり合いも個性も
わかりやすく表現されていました
舞台セットの”らしさ”も巧みに出ていて
話に深みを持たせていたなぁと
納得の出来の作品でした(^-^)

客層も何となく静かな方々多くて
この劇団さんのカラーは独特な感あるなーとも思ったデス

ネタバレBOX

タイトルは亡くなった劇作家が
高校生に渡すために書いた話で
それに関わる人物も作中に深く関わり登場してくるのですわ

煙が目にしみる とか 海外ドラマのゴーストみたく
亡くなってる方々が作中に出てきます(^-^)
それも単に味付けって感じで
メインは葬儀が進行してゆく過程での
家族の関係などを上手に見せてゆきましたー

葬儀コーディネイターみたいな職種も登場し
その助手君の傍若無人さは上手に演じてたなぁ と
小道具としての飲み物とかもリアルに出してて
臨場感出してました

主人公家族の葬儀は
(通夜から骨出しまでの話)
1階で2階は地元の名士さんの葬儀らしく
場所が良い方が1階らしいが
家族葬でもあり負けた感じの質素感だったらしいのが
亡くなった劇作家の人脈が爆発して
「上に勝ったな」という感じでの締めが=笑えました
=妙な昭和レトロな歌詞合戦みたいのもあってね それも=

人の飲み残した茶を集めて飲む僧侶さんとか・・・
個性の表現も巧みだったなぁ と

きょうか で笑う伯母さんとか
細かな笑いの入れ方もGoodでしたなぁー
lucK girL blooD tuesdaY

lucK girL blooD tuesdaY

‐ヨドミ‐

TACCS1179(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ある種の障碍者を抱えた家族を中心とした物語。
従来の-ヨドミ-作品……と言うより知っている範囲内の藤丸作品は娯楽性たっぷりだが後味が良くない(いや、それが快感なんだが(笑))ものが多かったのに対して本作は娯楽性に欠けるが後味は悪くない(個人的感覚)と、ある意味真逆。そして後味が悪くないのはいくつもの出来事を丁寧に積み重ねていっての「アレ」なので説得力(正当性ではない)があるからではないか?
さらに決定的なラストの後の二場面や冒頭で物語の行く末(の一部)を見せていることが悲劇性の緩衝材となっているのではないか。
巧みな作劇に迫真の演技、見応えがあった。
ところでこれ、今後の方向性を示していたりするのかしら?
異色作ということでは七味の一味「家族百景」(2017年)のようなものも観たいなぁ……。

ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観たのは[赤いゴンドラ]版。他の色の組にも興味が湧く出来。孝介役なんて役者によって結構印象が変わりそう。

小刻みに戸惑う神様

小刻みに戸惑う神様

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

葬儀場の待合室での話。死者と生者の関わり方やお坊さんの少しズレている感じとか面白く、最後はSPIRAL MOONらしくじーんとさせていただきました。
喪主姉妹のしぐさや話し方が可愛いかった。

ネタバレBOX

遺影写真は自分で選ぼう!と思います。
嵐になるまで待って

嵐になるまで待って

CfY

新宿村LIVE(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

内容にしては比較的ひねりは少ないシナリオでネタ的に複雑になりがちなものがシンプルでいい意味で見やすいと感じた。なんとなく古さを感じなかったと言ったら嘘になるが嫌いじゃない。お芝居のテンポ感が好みだったのと。役者さんのセリフが抜群に聞きやすかったこと。意味はほぼ分からなかったけど手話で話す椎名さん(役名覚えてない)の感情ののりが素晴らしかったからだと思う。

悪党どもが多すぎる

悪党どもが多すぎる

劇団M'sーG

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2022/06/17 (金) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

殺陣のイメージの劇団だったので不安はあったが、良かった。話は少し古いけど、高齢者には勉強にもなるはず。次回もみたいと思わせる演劇でした。

こだぬききょうだいのおつかい

こだぬききょうだいのおつかい

公益財団法人武蔵野文化事業団 吉祥寺シアター

吉祥寺シアター(東京都)

2022/06/18 (土) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

橘花梨可愛い。

ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

[白いゴンドラ]観ました。何とも見事な会話劇。すごくリアルに感じて、グッときましたね。

キスより素敵な手を繋ごう

キスより素敵な手を繋ごう

ナイスコンプレックス

シアターサンモール(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

以前にこの作品を観劇した時は記憶障害をモチーフにした感動作という印象でしたが、今回久しぶりに観ると、夫への歪んだ愛のため娘を束縛する毒母の悲しい話でもあるなーと、今更ながら思いました。

キスより素敵な手を繋ごう

キスより素敵な手を繋ごう

ナイスコンプレックス

シアターサンモール(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

休憩なし2時間半弱は長かったが素敵なお話だった
ただ、前半をもっとコンパクトにしたら引き締まったのになという感は否めない
途中かなりまどろっこしかった
短期記憶障害になった刑事の夫は毎日すべてリセット
朝起きてくると「妻」に一目ぼれなのだが、歳経るとある時点から娘を妻と思う
下宿という設定で様々な人物が登場するのも面白い
妻の兄のキャラが温かみがあって森山栄治がなかなかの好演
ボク団活動休止で福岡の神社に帰った大神くんが難しい吃音のコミュ障を演じ、劇中劇のダンスもさすがだった
前半は時代をさかのぼっていくが、その場面転換の暗転の際にスポットライトで交換される花が印象的だった
ひさしぶりに周りはすすり泣きの舞台だった

ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白過ぎる。愛おしい世界観。最高。

だから君はここにいるのか【舞台編】

だから君はここにいるのか【舞台編】

難波サザンシアター(大阪府)

2022/06/17 (金) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

満足度★★★

セリフがあった役者が、セリフがなくなり、必要性を淡々と探っていく。隣は前半で爆睡。最後まで寝てた。
小難しいのと、変化があまりなく単調だった。賞を取った演劇とは相性悪い…😣

小刻みに戸惑う神様

小刻みに戸惑う神様

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

コメント欄に。

ネタバレBOX

自分の目が肥えてしまったせいか、演技力が中途半端な方が前のめりになって観れなかった。
通院中で薬飲んでる副作用で眠気のせいかもしれない。
ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い…お薦め。
観覧車「ゴンドラ」を人生に準えた台詞があったが、公演そのものが観覧車の「ゴンドラ」らしい展開だ。観覧車は一定の速度で動くが、物語は ぎこちない、激高 激情、そして余韻ある会話といった緩急をつけて観客の関心を惹く。登場人物は3人、コロナ禍での三密は避けたいが、物語は濃密・親密そして緻密に描いており実に巧い。

4キャスト(赤い・青い・白い・黄色い)パターンあるが、多分 異なるそれぞれの空気感を漂わすのだろうな、と思う。この会場の至近距離での演技は、役者の外見も含めた雰囲気で異なって観えるだろう。そこがこの公演の魅力の一つでもあろう。
(上演時間1時間20分)【白いゴンドラ】

ネタバレBOX

舞台美術は、地方のアパートのダイニング又はリビングで、テーブルと椅子があるだけのシンプルなもの。しかし上手に風呂場や玄関(チャイム)、下手奥には父の部屋があることが容易に想像できる。全体的にオフホワイトで、照明の照射によって椅子がゴンドラに見えてしまう。人物が座った後で、椅子が少し動いても映り込む陰影は変わらないよう。仕込み陰影であろうか。
また時間の経過は、登場人物の衣装替えや 照明の変化で表しており、効率的・効果的な演出は やはり上手い。

物語は、説明の「過去に囚われて身動きが出来なくなってしまった者たちが、不器用すぎる対話の果てにたどり着いたのは・・・」の続きが肝。東京の会社を辞めて地元に戻ってきた男・孝介(久間健裕サン)、孝介の父の訪問介護ヘルパー・遥(冨岡英香サン)、孝介の嫁いだ妹・朱音(元水颯香サン)がそれぞれの事情を抱えながら、日々を過ごしている。孝介は遥に淡い恋心を抱き、デートに誘うまでの ぎこちない会話。朱音と孝介は、働かず父の面倒も遥に任せている兄を心配しつつ呆れてもいる。遥と朱音は、子育てや、恋愛観に話の花を咲かす。三者三様の演技・表情が物語をグイグイ引っ張っていく。特に朱音の泣きの演技は迫真もの。
さて、いくつか分からない部分、例えば孝介が何故 東京の会社を辞めたのかなど、曖昧な設定がある。しかし敢えて人物の詳細事情を明かさず、今という状況の中で紡いでいる。それがラスト、過去に囚われに繋がる緻密な構成になっている。

物語は、観覧車のゴンドラという狭い空間を家のダイニング等に重ね、逃れられない場所に居続ける。まさしく(家庭)内ばかりを見れば囚われの人生のよう。一方、外を見れば見渡す限りの光景に心躍るはず。視点を変えることの面白さが伝わる。
同時にジェットコースターのような展開がドキドキ感を煽る。孝介が遥に恋心を打ち明け、デートへ誘うまでの微妙な距離感と ぎこちない会話は、ジェットコースターがゆっくりと上る様子、一転 親しくなって 遥自身のこと、その家族のことを知ることで急降下、一気に加速する物語。芝居の緩急ある展開は、観客の関心を一気に惹きつける。
「観覧車のゴンドラひとつひとつの中でどんなドラマが繰り広げられているのか知る由もないように、ここでもあなたの知らない誰かの人生は静かに回る」は実に意味深な説明文であった。
次回公演も楽しみにしております。
痴人の愛・現代篇  君といつまでも 2022初夏版

痴人の愛・現代篇  君といつまでも 2022初夏版

BALBOLABO

日本写真映像専門学校・実習棟1階ホール(大阪府)

2022/06/16 (木) ~ 2022/06/18 (土)公演終了

満足度★★★★

役者は変わっているが、二回目の観劇。前回はアクリル板があり、小劇場の魅力に欠けていたが、今回はそれもなく、二回目にも関わらずのめり込んでしまった。NMBファンも前ほど多くなく、落ち着いて観劇できたが、制作の対応が今一。

9人の迷える沖縄人

9人の迷える沖縄人

劇艶おとな団

那覇文化芸術劇場なはーと・小劇場(沖縄県)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/14 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

1972年本土復帰を前に行われた新聞社での「意見交換会」の様子を、現代の劇団が再現するという二重構造からなる作品。

タイトルから『十二人の怒れる男』のような、多様なバックグラウンドを持つキャラクターによる論争劇を思い浮かべていたのですが、この舞台に「水面下の感情の動き、駆け引き!」とか「手に汗握る議論の行方!」といったドラマティックな筋立て、終着点はありません。
有識者、主婦、戦争で息子を失った老婆、俳優、本土からの移住者……それぞれがそれぞれの立場について語る劇中劇部分は、一見「さまざまな意見」を整理して、キャラクターに割り振っているだけにも思えますが、それを演じる現在の沖縄の演劇人たちの稽古風景が挟まれることで、徐々に「報告劇」としてのリアリティを増していきます。中でも「有識者」を演じる青年が直面している基地/米軍にかかわる理不尽は、二つの世界を橋渡しする重要な設定となっていました。また、意見交換会でうちなーぐちを使う二人の人物「老婆」「文化人」が背負った歴史の奥行きも印象に残っています。とりわけ「文化人」の自負と不安が交錯する表情には、戦後の沖縄で言葉や文化にかかわってきた、多くの人々、演劇人の姿も重なっているように思えました。

「稽古中」の俳優、演出家の会話にしばしば折り込まれる解説、実際にウェブサイトで募集した「復帰あるある」をスライドに投影しながら語り合うレクチャー風の場面など、親切だけれど、演劇としては戸惑いを感じる仕掛けも、振り返ってみれば、単に感情移入を誘うドラマを見せようというのではなく、観客と共に本土復帰前夜を体験するための回路として有効に働いていました。私ははっきりとは聞き取れなかったのですが、同行した人によれば客席でも「そうだったのよー」といった年長者の声が挙がっていたそうです。

今回の那覇の劇場において、この作品は、沖縄の現在を、歴史を踏まえつつ、あらためて捉え直すツールとして機能していたのではないでしょうか。またそれは、演劇でしかできない方法で、だったと思います。

ネタバレBOX

終幕では、過去と現在、それぞれのドラマの幕切れの後に、虚構(劇中劇)と現実それぞれのカーテンコールが続きました。この構成には唸らされるものがありました。
「今もなお、沖縄人は迷っている、迷わされているのだ」という、呆然とするような実感がそこにはありました。

過去の人物であれ、現在の人物であれ、個人的な横顔に折り込まれた背景、事情は、戦後の沖縄が経験してきたさまざまな事件、その葛藤、矛盾について具体的に知らないと、県外の人間にはすぐにはピンとこない部分もあるとは思います。ですが、その「疎外」もまた、特に本土の人間にとって強い体験になるのではないでしょうか。

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