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グレーな十人の娘

グレーな十人の娘

劇団競泳水着

新宿シアタートップス(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「黒い十人の女」に着想を得たと思われる女系家族のミステリー。姉妹それぞれのキャラクターが立っていて女優陣も魅力的。唐突なおちゃらけや泣き叫ぶシーンなどといった過剰な演出はなく、落ち着いた内容で安心して観ていられた。ただ、登場人物の多さからか、心情を描き切れていないように感じる箇所もあり、少々物足りなさを感じたりもした。

ネタバレBOX

特にキーパーソンである次女が依頼した事件の内容と動機に納得感がなくて最後まで腑に落ちなかった。「自分が死んだことを隠すために姉妹を集めて飲み物に薬物を混入し一時昏睡状態にして財布を盗む」という行為はリアリティーに欠けたし、次女の家族への強い想いや若くして死を迎える悲痛さと覚悟などが感じられず、物語を推進させるためだけの「死」に軽さを感じてしまった。
なぜ次女と女刑事が仲良くなったのかもさらっとしか説明されないので、職務を失うようなことをしてまでやることなのかな?と疑問が残った。
登場人物を半数にして、盗癖があり家族ともうまくいかず社会から逸脱した存在である次女の生きざまや思考・感情をもっと丁寧に描いたほうが深みが出たのではないかと思った。
五女が好む「ピノキオ」は「嘘」の比喩なのではないかと。要するに五女は父親の失踪や次女の死去といった、自分につかれた嘘に対し、全ての事実を知っていた、という意味なのではないかと推測しました。
アニー

アニー

日本テレビ

新国立劇場 中劇場(東京都)

2022/04/23 (土) ~ 2022/05/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/04/27 (水) 13:00

105分。休憩なし。

グレーな十人の娘

グレーな十人の娘

劇団競泳水着

新宿シアタートップス(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

芝居というのは、本当に多種多様。それが自分の感覚に合うかどうかで、自分にとっての良い芝居が決まります。『グレーな十人の娘』、背景が分かっていないと楽しめないミステリー。最初の段階で、案内役の四女による家族の説明があり分かり易い。ただ無理な設定も感じられる所もあり、リアリティの面では今ひとつかな。でも楽しめましたよ。

稽古初日vol.2

稽古初日vol.2

O企画

イズモギャラリー(東京都)

2022/04/26 (火) ~ 2022/04/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

どの回もその日、その場限りの一本勝負。
1作目・死刑囚女性と面会者(劇作家)の駆け引きの様な会話劇。
2作目・教師達のバックグラウンドの様な会話劇。
どちらもリアルタイプな会話劇

嗜好としては演技の闇鍋パーティーみたいな感じ?と想像していましたが
個々に持ち寄った演技プランがしっかり調和していたのでストレスが無いどころか、タイミング、細かい所とか台詞以外の所までなんか巧いなぁ~と
(もし多少アンバランスな部分があっても、それはそれで面白がれたかもしれない)

「稽古初日」を“見学させる”のではなく“エンターテインメントとして観せる”ということ
完成形でなくとも、こんなに楽しめることにビックリ。
演劇のうたかた感をより近しく、リアルに感じる事ができるのが何より良かった。

通常の公演よりずっと小回りが利きそうなこの創作スタイル。
なんと合同練習がゼロ日!
独自に大変な部分はあるでしょうが、コロナ禍の救世主のような企画が誕生したのではないかという期待感。
かなり良い事尽くめなのでスタンダード化はアリ寄りのアリだと思います。

グレーな十人の娘

グレーな十人の娘

劇団競泳水着

新宿シアタートップス(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

館というのを勝手に和式の家屋に縁側みたいな家を想像していたので、劇場に入った途端そのセットに驚いてしまいました「あ、こういうお家なのね」
★一つの方が何人もいたので心配していましたが、面白かったです。
なんで★一つなの?と疑問に思ったくらいでした。
お席の位置によって見え方が違うのかしら。

ネタバレBOX

全部お芝居だったので、誰もお財布もカードも盗まれていません。宝石はにい奈にというのと眠らされたと言うのは景子ママの嘘だと思います。いずれみんなが本当のことを知ることになるのかもしれませんが。18歳の娘と聞いて、お父さん、それはどうなのと思ってしまったのですが、そう言うところに救いを求めたのかもしれません。
にい奈は悪いことをしそうになって、椿に止められてそれから友達になったのかも・・・とか色々想像してしまいました。説明過多なところと説明不足なところがあるお芝居だったと思います。
みんなで乾杯した後のグラスに残るシャンパンの量の違いに気づいていた私でした。何気に観察していたのでしたが、ちゃんと意味があったんですね。
グレーな十人の娘

グレーな十人の娘

劇団競泳水着

新宿シアタートップス(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

(ほぼ)全員女性の登場人物をそれぞれ魅力的に描きだされていた。
作品の構造上場面転換が多様されていたが、それをうまく構成していたし、それを逆手に取るシーンもあり。
にぎやかなところ、こころをぐっとさせるところ、それぞれ丁寧に作られていたと感じた。
事件が起こって大騒ぎになるが、推理ドラマ仕立てと思いきや…というところ。
家族というものは、変わるようで、変わらないところもなんだかんだある。

ネタバレBOX

「生きてる意味なんてあるのかな」というような問いに対して「そんなものみんな無いわよ」と答えるけーこママすげえなって思ったけど、最後まで見て、このセリフが言える人生観を持った人間だということに納得できる作品だった。
飛んでる最高

飛んでる最高

艶∞ポリス

駅前劇場(東京都)

2022/04/13 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

口コミがあまりに評判いいので、つられて見に行った。確かに面白い。女性客室乗務員同士の、カッター持ち出した痴話げんかから始まって、まずあっけにとられる(これは前作「顔」同様、最後の修羅場を冒頭に持ってくるやり方で、芝居の一番の難所である設定紹介の序章部分をクリアする)

航空社員たちの四角関係と、ハワイ客の女性3人とやくざな男女二人の、虚々実々の駆け引きや夢と挫折がギューッと圧縮されて展開される。ボケと突っ込み、機知にとんだ会話のキャッチボールや、巧みなドタバタで笑いが絶えない。飛行機がハイジャックされてバズーカまで発射するド派手な展開も楽しめた。ほかにも、冷めかけた夫婦関係が、周囲を笑わせながら、「蒲田行進曲」で見事に夫婦の絆の復活に回収される。

さらにその裏が明らかになるどんでん返しの仕掛け、時間をさかのぼっていく作劇術。歴史や政治などの難しいことは何もないけれど、とにかく、ウィットとギャグと仕掛けと、夢破れた悲しみと、再起の希望の人情ももりこんでうまい。

拝啓、モリエール様 -モリエールへの挑戦状- 〜“ドン・ジュアン”より〜

拝啓、モリエール様 -モリエールへの挑戦状- 〜“ドン・ジュアン”より〜

good morning N°5

中野スタジオあくとれ(東京都)

2022/04/22 (金) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

前説であんな格好の人がトークをしていて、いったいどんな劇団なんだと戦々恐々していたが、セリフの勢いと掛け合いのテンポが素晴らしく、最後まで笑顔で拝見。
ひとりの女性の物語と、交錯してくドン・ジュアンの物語。舞台上を所狭しと駆け回るたくさんの登場人物に、久しぶりに芝居見たな!という気持ち。
劇中歌のドン・ジュアンの歌でハートを射抜かれてしまった。
ぜひまた拝見したい。

ネタバレBOX

ラストで全員で歌を歌って、なんかよくある終わり方かな、と思っていたらセルフ奈落ハケで度肝を抜かれた!
僕は歌う、青空とコーラと君のために

僕は歌う、青空とコーラと君のために

ヒトハダ

浅草九劇(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/05/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

歌って踊ってけんかして、笑って怒って嗚咽する。戦争から帰ってきた男と、戦争に行く男と、息子を戦争で亡くした女。そこに、朝鮮戦争で家族も国土をめちゃめちゃにされた朝鮮人密航者がとびこんできて、すべてがぶつかる。極上の社会派エンターテインメント。すばらしい。「きらめく星座」や「父と暮せば」など井上ひさしの傑作と肩を並べる舞台だった。

デブをネタにして舞台を引っ張るファッティ役の桜井章喜が、最優秀男優賞もののトリックスターだった。ロッキーの浅野雅博は朝鮮人元特攻隊員の「生き残っても地獄」という苦しみもだえる独白が圧巻だった。
舞台にピアニストが出て、俳優と一緒に演奏する。2時間10分休憩なし。

ネタバレBOX

日系2世アメリカ人のハッピー(谷口幸雄)は朝鮮戦争から左腕を失って帰ってくる。アメリカの戦争犯罪、虐殺行為を知って、夢も希望も失い、こころもぼろぼろになって。この役の大鶴佐助が、戦線の明るく無邪気なハッピーが、復員後は何を見ても笑えない、昔の仲間とも目を合わせられない、戦争の前と後の変化ぶりを無理なく見せた。
梅沢昌代歌う「オーバー・ザ・レインボー」も素晴らしかった。
甘い手

甘い手

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2022/04/23 (土) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

クツワダ高校の文化祭までの日々が舞台の甘い手。高校生たちはもちろん先生たちもなにかしらを抱えてる。めちゃくちゃ笑えて泣ける、感情が揺さぶられる劇。観てよかった。

#15『朱の人』

#15『朱の人』

キ上の空論

本多劇場(東京都)

2022/04/13 (水) ~ 2022/04/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/04/15 (金) 14:00

高校時代に「不純な動機」で演劇部に入ったことをキッカケに演劇の道に進んだ兄について語る弟、という形式で進む小劇場界内幕系。説明文には「「演劇」の話ではなく」「「人間」の話で」とあり、確かにそうでもあるが、演劇に憑かれた男を描くことで反面的/逆説的な(=裏返しの?)「演劇讃歌」になっているのではないか?そしてそれは中島主宰の信条表明的なものであるのではないか?と感じた。

ムーランルージュ

ムーランルージュ

ことのはbox

萬劇場(東京都)

2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい笑顔で ギラギラ照明の中 生きるを 踊った皆さん にブラボー。 過去の知らなかった日々を 一日を 一瞬を わが物にした皆さん おめでとう。われらは その 刹那に せめて エクストラの一部になり 拍手を贈りたい。笑いと涙は こうして流すものだ と教えてくれた 時間をありがとう。

グレーな十人の娘

グレーな十人の娘

劇団競泳水着

新宿シアタートップス(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

稽古初日vol.2

稽古初日vol.2

O企画

イズモギャラリー(東京都)

2022/04/26 (火) ~ 2022/04/27 (水)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

グレーな十人の娘

グレーな十人の娘

劇団競泳水着

新宿シアタートップス(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

めっちゃ華やか。ただ、ミステリーに関しては、ちょっと無理があるかなっていう部分があったり、事件が起きてから解決パートが早いんで、見ながら謎を推理するって感じではないね。

稽古初日vol.2

稽古初日vol.2

O企画

イズモギャラリー(東京都)

2022/04/26 (火) ~ 2022/04/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

役者さんの即興の駆け引きが楽しかったです。なんか観客も役者さんになったみたい。こう表現すべきということが、それを朗読してから、その場にいる役者と観客に分かるのです。なあるほど、ここは私ならこう言う高低の声でかすれるように話すのだけれども──とか。目を閉じたら、まるでラジオ番組みたいです。ト書き担当さんももっとやりたい放題してもいいかなとも思いました。こんなワクワク何回でもやってほしいです。

甘い手

甘い手

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2022/04/23 (土) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ガラパ『甘い手』を全公演観劇。
ガラパ特有の群像コメディは喜怒哀楽のジェットコースター!
何度観ても全く飽きない♪
さらに登場人物全員主役で観れば必ず親近感や共感、愛するキャラがいる♪
そして幕が下りても愛するキャラ達はまた楽しく毎日ドタバタしてるんだろうなぁと想像してニヤリとしてしまう♪
生徒目線、先生気分、PTA感情、どれで観ても楽しめる作品でした!

拝啓、モリエール様 -モリエールへの挑戦状- 〜“ドン・ジュアン”より〜

拝啓、モリエール様 -モリエールへの挑戦状- 〜“ドン・ジュアン”より〜

good morning N°5

中野スタジオあくとれ(東京都)

2022/04/22 (金) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

圧倒的台詞量と激しい動きと早着替え
必死な想いに耳傾ける芝居程面白いものはない
役者名乗る人達にこの舞台がこなせるか聞いてみたくなる舞台でした
お薦め!もチケ有るか

グレーな十人の娘

グレーな十人の娘

劇団競泳水着

新宿シアタートップス(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

世にも可笑しなミステリーとあるが、ミステリー要素を加えた家族物語という印象。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

オープニングから、ミステリー調な伏線がひかれているが、回収要素があるのは5姉妹の父の件くらいかなと。個人的には家族それぞれの心情等が描かれていて好きな面もあるが、ミステリーというには、疑問点も多く残ってしまう舞台と感じた。劇中の芝居が、次女の死を隠す為と腹違いの妹さんに会わせる為だとするのは理由としては少し複雑すぎるかなと。ただ、魅力的な役者さんが多く、人間関係の描かれ方はとても好みでした。
以下独り言です。
・事件に関わって失踪(逃亡?)している次女と刑事さんが友達になってはマズいかなと(笑)
・皆さん、財布は返してもらえたのかな?カードだけでも・・・。
・モモさんの事は、景子ママしか分からないのでは?
グレーな十人の娘

グレーな十人の娘

劇団競泳水着

新宿シアタートップス(東京都)

2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

表層的にはサスペンス ミステリーだが、根底にあるのは家族愛・絆といった(心温まる)物語。確かに「二つの家族の秘密のぶつかり合い、十人の娘の思惑が交錯する、世にも可笑しなミステリー」という説明、そして多重構成といった観せ方が推理劇を思わせる。しかし、冒頭がラストに繋がるような展開は、明らかに「家族」の物語である。また敢えて「可笑しな」と、ことわりを入れている。

タイトル「グレーな十人の娘」は、「黒い十人の女」(市川崑監督)を連想するが、その作品へのオマージュと思える(狂言回し的)役どころが肝。また「黒い十人の女」の人物名は、漢数字もしくは数字の読みが付けられているが、本作では、花の名前を付けている。
推理劇仕立てゆえ伏線は回収していくが、少し解かり難いところも散見されたのが勿体なかった。
公演中のため、詳細は「ネタバレBOX」へ。
(上演時間1時間35分)

ネタバレBOX

舞台セットは、鈴木家の応接間(絨毯に豪華なソファや椅子、調度品等が置かれている)上手・下手に出捌口、上手側正面が玄関に通じている。

冒頭は、鈴木家四女・類(小川夏鈴 サン)が案内役となり、家族を紹介していく。この時、全員が黒い服(無言の状況説明)で登場しているが、すぐに色彩ある私服に着替えている。鈴木家にいる娘は5人、実母は早くに病死、父は海で亡くなり(噓)、母の妹である叔母・景子(ザンヨウコ サン)が引き取って育てている。長女・美由紀(都倉有加サン)は未婚の母となり、娘・えみり(成瀬志帆サン)を生む。そして起業家として独立。次女・にい奈(小角まや サン)は盗み癖があり、警察に出頭と思わせ出奔してしまう。三女・有紗(佐藤睦サン)は芸能界へ、そのマネージャーとして類が同行し、家を出てしまう。残ったのは五女・乃蒼(橘花梨サン)だけ。人物描写が丁寧だった理由が後々解る、という巧みな展開。

探偵役と動機について、もともと皆を集めるための方便…偽装だから敢えて探偵役は不要。その代わりに説明役が居るが、観ればおのずと分かる。
また目的(動機)は、2つであろう。第1は、母・景子の思い。子育ては大変であるが、一方楽しい時もある。が、今は独立してなかなか帰って来ず、淋しい思いをしている。第2は、この家に正面切って帰れない「女」の最期の願い…“賑やかに”を叶えるため。

母(叔母)が結婚するため、両家の娘たちが集まり乾杯をするが、いつの間にか寝てしまい、起きた時には「一つの死体」があった。結婚相手はマッチング アプリで見つけた田中家…カエデ(加茂井彩音 サン)、モモ(江益凛 サン)、ワカバ(鄭玲美サン)が先に来ており、遅れて椿(橋爪未萠里 サン)がやって来た。一瞬、彼女の職業(噓でないと疑問)からアガサ・クリスティの「ねずみとり」を連想したが…。
因みに「仕込み」における他家の葬儀(泣いた)話は、鈴木家に対する逆説的な比喩として描いているよう。さり気ないが本公演の核心を突くようで、実に上手い。また、葬儀は「黒い十人の女」では亡くなった女が幽霊になって登場し、狂言回し的な存在になるが、本公演では四女・類の案内役以外に、裏狂言回し的な役割を担う人物「女」が…。

ラスト、小川夏鈴 サンの不思議・奇妙な「一夜」という台詞は、全編が1日の物語であったのだろうか? だとすれば、1日の中で、表層は「サスペンス ミステリー(仕込みも含め)」、深層は更に「現実」と「回想」といった多重もしくは螺旋構成になり複雑化し過ぎのように思う。また、冒頭・ラストの「ピノキオ」の物語は、何かの比喩-暗喩であろうか気になる。
ミステリーという謳い文句に従い、細部に拘った謎解きに終始していると、物語で描きたかった「家族」が観えてこない。なかなか手強い公演といった印象である。
次回公演も楽しみにしております。

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