
きゃんと、すたんどみー、なう。
やしゃご
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/07/07 (木) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
重い内容でしたが、笑いの場面も多く、観易かったです。
でも、やはり知的障害の家族がいるという事は、綺麗事では済まされないというリアル感があり、苦しくなりました。
登場人物達のそれぞれの考え方、それぞれの台詞が、ずしんと響きました。
役者さん達の演技は、皆良かったです。
色々な事を考えさせられる舞台で、とても良かったです。

畳屋のあけび
CROWNS
シアター代官山(東京都)
2022/07/06 (水) ~ 2022/07/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
生まれる前の戦後が舞台なので、想像でしか感じられませんが、主人公の病気だけがメインではなく、その時代のいろんな想いも散りばめられていて良かったです
今でも答えのない認知症を取り巻く環境ですが、いい終わり方で良かったです

ランボルギーニに乗って
劇団鹿殺し
あうるすぽっと(東京都)
2022/07/08 (金) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

『いなほのしっぽ × 匿名劇壇』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2022/07/12 (火) ~ 2022/07/12 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
匿名劇壇『放送部がつぐ!』観てきた。
めっちゃ面白かった〜!こういうシリアス×コメディ好き!ロコモコファイナンスのくだり最高。

ランボルギーニに乗って
劇団鹿殺し
あうるすぽっと(東京都)
2022/07/08 (金) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
良く分からなくてもぶっ飛んでいるのがイイ、そっち系の公演かと思っていたらかなり違っていた。
ぶっ飛んでいるのはある意味違っていないけれど、しっかり揺さぶって来るナイスストーリーで真っ当に面白い!
心に巣食った闇とかショッキングな事件とか、中々のダークサイドはダークなままに、超エネルギッシュでスピーディー、妄想世界も良い感じで一緒に駆け抜けていく盛り沢山エンターテイメント。
バスケ部補欠の少年(やがて家の鉄工所が経営危機になる)とスクールカースト最底辺な少女との一風変わった友情。
一緒に事件を追っていく姿が微笑ましく、ちょっとサスペンスフルなところも良い。
観終わった後に広がるビジュアルイメージは黄色いランボルギーニ&ドライバー(もじゃもじゃ頭の)丸尾丸一郎さん、実に象徴的。

誰かが想うよりも私は
努力クラブ
AI・HALL(兵庫県)
2022/06/04 (土) ~ 2022/06/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
楽日観劇。
無茶苦茶良かった。
合田さんが描く女の子は毎回一癖あるが、とても魅力的。
今回怪物級に性格悪いが、とてもキュートな主人公をにさわまほさんが好演。
確か同志社小劇場で目につく女優さんと思った。
他の役者さんもとても良かった。
ドロドロの筈が、何故か可愛く感じた。凄っ!

罪人こぞりて
座・一座
MOVE FACTORY(大阪府)
2022/06/03 (金) ~ 2022/06/04 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千秋楽観劇。
山﨑千惠子一座さんが座・一座 さんに改名されて、初の観劇。
今回は若手公演との事だが、なかなか面白い事件を扱われていて、興味深かった。
取り調べでの弁護士と刑事のやり取りが楽しく、告白回想時の犯人の言動は迫るものがありました。
有罪に一票。

愉快痛快ってもんよ、ううん、なんでもないわ
松永企画
一心寺シアター倶楽(大阪府)
2022/06/04 (土) ~ 2022/06/04 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
元カレとズブズブな関係が続く娘が書き綴る物語。
現実と非現実を行き来し、ワイルドな非現実では…
折り紙を使った演出が面白かった。
特に血しぶきは圧巻。
全体的にはとても楽しかったが、妙に間延びした所が少し気になった。

サラサーテの盤
くじら企画
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2022/06/03 (金) ~ 2022/06/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
内田百閒の短編小説等を元にした、ウチダを取り巻く人達の日常が描かれた作品だが、皆が愉しそうで、ほのぼのした。
偏屈なウチダの周りには、何故か人が集まり、そして人が亡くなり、どこまでも人は優しく、人の出会いと別れに涙が…
今迄観た大竹野作品で一番好きかも!

BLOW & JOB
劇団不労社
神戸アートビレッジセンター(兵庫県)
2022/06/03 (金) ~ 2022/06/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初日観劇。
超~ブラック企業の正規·非正規社員の悲喜交々!
現実味あるパワハラ·セクハラ·モラハラのオンパレードを迫真演技で、観てて苦しくなる程、圧倒された。
只、超ブラックでもそれはやり過ぎ、風営法にかかるだう的な所で、現実からの乖離を感じ、少し熱が冷めた。

対岸は、火事。
餓鬼の断食
ウイングフィールド(大阪府)
2022/05/27 (金) ~ 2022/05/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千秋楽観劇。
若者のやり取りや反応がとても新鮮で、愉しかった。
(我が娘の思考も時々???なのだが、この感じなのか?)
それでも其々に問題を抱え、悩み、真剣に考えている姿に、とても好感を持った。
良かった。
私も昔に戻って青春したい!
この後日談が気になる。

『桜嵐記(おうらんき)』『Dream Chaser』
宝塚歌劇団
東京宝塚劇場(東京都)
2021/07/10 (土) ~ 2021/08/15 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
BSで放送していた映像を視聴。
「桜嵐記」
楠木三兄弟という一般的に知名度が低いと思われる題材を取り上げるところに、チャレンジ精神を感じる。物語を維持しながら、時代背景と登場人物、敵味方の関係図などを分かりやすく伝えるのは難しい。しかし、見せ場となるシーンを厳選してダイジェストのように見せることで、上手く解決できたように思う。多少唐突に感じる部分もあったが、全体的にまとまりのある良作だった。
「Dream Chaser」
あまり宝塚を見ない自分でも「これぞ宝塚だな」と思うくらい、歌ありダンスありの華やかな王道を感じるショーだった。特にこの作品で退団した珠城りょうさんの力強さと色気は別格。久しぶりに見た宝塚がこの作品でよかった。

JACROW#28『鶏口牛後(けいこうぎゅうご)』
JACROW
座・高円寺1(東京都)
2022/06/23 (木) ~ 2022/06/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/06/17 (金) 14:00
当日パンフレットにある通り、ある分岐点で異なる道を選択したら?な往年のドラマ「if もしも(1993年)」を想起させる構造だが、ラストの「え、どゆこと!?」からの「あ、そういうことか」な展開がM.C.エッシャー「邂逅」を想起させて(ってか「実演版」みたいな?(笑))見事。
また、ちりばめられたユーモアも楽しく、ともすれば重くあるいは暗くなりかねない部分さえも娯楽性たっぷりに描くのはJACROWの真骨頂か?
後半で短い回想を挟む時の川田さんの出ハケまど楽しかったな。
ところで時折、視野の片隅にユースケ・サンタマリア(ってか「パンドラの果実」の長谷部勉)がいたような……いや、ちゃんと見ると小平さんなんだが。(笑)

abc♢赤坂ビーンズクラブ
エヌオーフォー No.4
赤坂RED/THEATER(東京都)
2022/07/07 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
お洒落で素敵なshowでした。歌もシリアスなお芝居も、オチのあるコントのようなお芝居もどれもよかった。その上ダンスはすごい。何回もみたくなる舞台です。お勧めです。

かつてサジェを悩ませた幾つかの難題
演劇企画 heart more need
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2022/07/06 (水) ~ 2022/07/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/07/09 (土) 13:00
話を引っ張る主人公や、わかりやすい悪役がいる訳じゃないのに世界観にグイグイ引っ張られた。演出も役者さん達も見事なお仕事だったと思う。役者さんに関しては全員が主役であり全員が脇役なところがあるので極端に前に出ないようにしつつ、でも各役者の魅力は出し惜しみしないチームプレーがお見事でした。
細川さんのオカルト系舞台の中ではかなり優しい世界でなにかしらポジティブなリターンが帰ってきていました。考えてみると過去作品のようなヤクザや新興宗教といった強欲な場合は因果応報的な激しいリターンが帰ってくるのですがw、今作の一般市民のささやかな欲にはこういうリターンになりますね(でも少し宗教系の話であったり不倫願望を入れたりする「毒」を入れてきたのは上手い)。
3つのエピソードのそれぞれの話はそれほど大きくないんだけれど(とはいえサジェの当時の環境を考えると実は大きい)、エピソード入れ替わりで退屈させず、いつの間に物語が積み上がってそしてひとつにまとまって…という展開。上演時間は90分だったんですがそうとは思えないボリュームだったなぁ。
あとこれは個人的な好みになるけれど西宮チームの関西弁芝居が面白かったなぁ。演出の細川さんによる警備室からの声だけ出演も良かったし、チームの中では唯一の関西人では無い遠藤さんの芝居がまた良くて、フランキー堺さんの芝居を見ているかのようでした。

ハヴ・ア・ナイス・ホリデー
第27班
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/07/07 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
音楽自身が生む高揚を劇に包摂する舞台を作るユニット、と認識しているが、今回は演奏が一人、プラスαの趣向で、そこ一点突破な劇構造だったな、と一日置いた後思えて来た。そう考えて漸く、私にとっての「第27斑らしい」範疇に戻って来た。つまりは実際の舞台はその狙い通りには必ずしも行かなかった、という結論になるが...致し方ない。。
架空の設定の特区での若者たちの群像が描かれ、擬人化された存在も登場するが、「SFは設定が命」と最近よく思う通りで今作も些か詰めが甘い。話の舞台は不老薬が配られる「未来の村」という特区での設定で、畦道が伸びるだけの過疎地に人を呼び込む政策意図がありそうなのだが、薬は有料であるとか、だから仕事を(自力で)見つけなきゃならないとか、幾分無理が(説明し切れてなさが)ある。だが、移住してきた若者たち(背景はほぼ説明されない)にとってのアジール的空間がそこはかと立ちのぼりそうなのが良く、ブラッシュアップされた舞台をまた観たい世界であった。

寝盗られ宗介
★☆北区AKT STAGE
北とぴあ つつじホール(東京都)
2022/07/06 (水) ~ 2022/07/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/07/07 (木) 19:00
つかこうへい作の劇、『寝盗られ宗介』を観てきました。
普段は素直になれず、本当の思いを伝えることができず、空回りし、合うたびにいがみ合うことも多い宗介とレイ子が劇中劇の中では真っ直ぐに思いを打ち明け心を通じさせ、さらに、最後のほうの場面で、レイ子が再び男と手を取り合って宗介のもとを飛び出し、それを見た宗介は、今度は帰ってこないんじゃないかと一抹の不安がよぎり、心配するが、次の公演場所でレイ子と結婚式を挙げようと準備を進め、その当日、何度も宗介の隣にスポットを当てるが、当のレイ子はなかなかやって来ず、しかし宗介が諦めきり、絶望した頃にある奇跡が起きるという予想外の展開に、ハラハラドキドキ興奮が覚めやらず、驚き呆れ、感動し、心から良かったと思えた。
劇自体は、全体を通して、個性豊かでアクの強い登場人物が多く登場し、歌あり、ダンスあり、更に全体を通して、終始笑いが止まらなかった。
主役や主役級も含めた、それぞれの登場人物を演じる役者が、つかこうへい特有の長台詞を速射砲のように捲し立てなければいけない場面が数多くあったが、それを見事にこなし、しかもほとんど噛まずに台詞を感情や強弱を付けて喋れていて、正直、プロではなくセミプロ劇団なだけにそんなに期待していなかっただけに、こちらが思っていた以上にやり切って、更に捲し立て、相手の台詞に畳み掛けていく、つか流のスピーディーで尋常じゃなく早口なやり取りを習得し、自分のものとし、全身も使って熱演していて、やり切っているように感じ、感動した。

月の金魚
鵺の宴
内幸町ホール(東京都)
2022/07/07 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

寝盗られ宗介
★☆北区AKT STAGE
北とぴあ つつじホール(東京都)
2022/07/06 (水) ~ 2022/07/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
最前列で観劇!アツい演技に魅了されました。この作品は初めて。めっちゃ良かったです。良い時間をありがとうございました。

三好十郎の『殺意』
演劇企画集団THE・ガジラ
APOCシアター(東京都)
2022/07/01 (金) ~ 2022/07/09 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鐘下辰男の洗礼を受けた若者らが舞台で咆哮する。桜美林の学生よりは年嵩だろうが、身体的な限界を攻めてる感じとその限界が見える感じは同じ。ただし学生の方が俊敏だったりする。岩野未知は脇役で補佐に留まっていたが、激情と淡調の振り幅、罵声の中にも繊細さを滲ませる岩野レベルの演技者をつい想定して、若い演者たちの「届かなさ」を想像で埋めている自分。この脳内作業を凌駕して刃を突きつけて来る瞬間を待ったが、必死に、誠実に、堂々と演じる若者たちの姿を認めつつも、鐘下舞台とあれば期待してしまう「打ちのめされる瞬間」には至らずだった。演技の問題か、戯曲(台本)演出の問題か自分の鑑賞眼の問題かは不分明。
以前の鐘下ワークショップ発表から一段上を目指した「SAT」ならば(料金もまあ普通であるし)差引いて観る必要もないのだろうが、SATの文字を見落としていて若手役者が登場すると「そうだ若手公演だった」と、仕切り直して観ている。さらに、これが「ワークショップ発表」だったとすれば、やはり見方が変り、「にしては」の枕が付いて「凄え」となったりする。料金と中身が皆直結してる訳ではないが、されど価格。観客とは現金なものと思う。
複数役に書き直した台本は原作に忠実なようだが(鐘下氏の加筆に思える台詞もあったが)、現代に重ねられている事はそこはかとなく伝わる。
当日配付の鐘下氏の文章を読んでみる。
今を生きる日本人、とりわけコロナ後の姿が語られている。戦後日本人の姿を告発的・暴露的に描いた三好十郎という作家は、本作でも戦前から戦後に橋を渡してその歩みをストリッパーに一人語りさせ、あるインテリゲンチャの変節スキャンダルを暴露させる。
鐘下台本は「語られる」人々に身体を与え、群像劇の様相となる。
だが、観ながら感じたのは、一人語りなら語られる人々は完全な主観を反映し、どう受け取るかを観客に委ねる。言葉が大きな比重を持つわけだが、これが役者の身体を借りて登場すると、語り手の統御を離れて存在してしまう。すると、様々な解釈が可能となる。これを言っては実も蓋もないが、この違いを埋めるのは大事である。「三好十郎の『殺意』より」と題した理由も納得する次第だ。
原作を「想像」し思いを馳せる。彼女が目撃し体験した事は、今この世の中を見る眼差しに深く反映している。左翼言論人の「現在」の素行の描写には、当時権威を持っただろう者たちへの私怨を感じなくもないが、彼らが語る「論」の虚しさが三好氏にその想像をさせたとも。
ただ鐘下氏は知識人の転向を描いたものとしてこの作品を規定するのは「矮小化」であると言う。
今現在の日本人は、昔読んだ萩尾望都の漫画『百億の昼と千億の夜』の「A級市民」に似ている・・このA級市民の説明はないが、想像を膨らませる事はできる。
鐘下氏の感覚に寄り添えば、戯曲の最初にストリッパーが冒頭で言う「世の中は広うございます」の「広さ」を、本当の広さとして感知できているかに疑問を呈する。この「広さ」を忘れて自分たちは「生きている」と錯覚している姿こそ、A級市民的だと言う。
例えばネットやニュースで見るウクライナ状勢に、広い世の中を実感するのも矮小化の一つであり、実感した気でいる錯覚がA級市民的である、と言う。
この一文には「言い切れてなさ」を感じる。また少し考えてみる。