実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/07/07 (木) 19:00
つかこうへい作の劇、『寝盗られ宗介』を観てきました。
普段は素直になれず、本当の思いを伝えることができず、空回りし、合うたびにいがみ合うことも多い宗介とレイ子が劇中劇の中では真っ直ぐに思いを打ち明け心を通じさせ、さらに、最後のほうの場面で、レイ子が再び男と手を取り合って宗介のもとを飛び出し、それを見た宗介は、今度は帰ってこないんじゃないかと一抹の不安がよぎり、心配するが、次の公演場所でレイ子と結婚式を挙げようと準備を進め、その当日、何度も宗介の隣にスポットを当てるが、当のレイ子はなかなかやって来ず、しかし宗介が諦めきり、絶望した頃にある奇跡が起きるという予想外の展開に、ハラハラドキドキ興奮が覚めやらず、驚き呆れ、感動し、心から良かったと思えた。
劇自体は、全体を通して、個性豊かでアクの強い登場人物が多く登場し、歌あり、ダンスあり、更に全体を通して、終始笑いが止まらなかった。
主役や主役級も含めた、それぞれの登場人物を演じる役者が、つかこうへい特有の長台詞を速射砲のように捲し立てなければいけない場面が数多くあったが、それを見事にこなし、しかもほとんど噛まずに台詞を感情や強弱を付けて喋れていて、正直、プロではなくセミプロ劇団なだけにそんなに期待していなかっただけに、こちらが思っていた以上にやり切って、更に捲し立て、相手の台詞に畳み掛けていく、つか流のスピーディーで尋常じゃなく早口なやり取りを習得し、自分のものとし、全身も使って熱演していて、やり切っているように感じ、感動した。