よしの観てきた!クチコミ一覧

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+GOLD FISH

+GOLD FISH

株式会社エンタテインメントプラス

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2013/02/07 (木) ~ 2013/02/16 (土)公演終了

満足度★★★★

2つの謎
後で考えるとやや筋にあらがあると感じるかもしれないが、
2つの謎が筋を引っ張っていく。
舞台装置も豪華、一見の価値は有り。
チケット代ちょっと高いですが。

恋するロビンソン

恋するロビンソン

Theatre劇団子

あうるすぽっと(東京都)

2012/05/16 (水) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★

素材は良いのだが・・・
アップが遅れましたが、皆様の評価も割れていますね。
私もイマイチ感が強かったのですが、それでも、興味深い箇所もありました。

取り上げた素材は良いと思います。
ただ、色んなことに目が向き過ぎて、
どれも印象薄くなってしまったのが残念。

しかも、ここの舞台の広さも、筋の緩さをより際立たせた気がしました。

色んなものを取り入れて、筋を繋ぎ合わせて行くのでなく、
「見せ場」を意識して、ポイントを絞ると、ずっと良くなったのではないか、
そんな気がします。

思案と知らん

思案と知らん

Grass919

小劇場 楽園(東京都)

2012/08/21 (火) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
チラシ等を見ると2本立て上演のように思えるし、
それは間違ってはいないのだが、
事実上、一作品のように上演され、
そういう知識がなければ、一作品と思ってしまうだろう。

芝居がかった、でも面白い前説から、
そのまま公演に・・・。

戦前の伝統的な日本の庶民の家という舞台装置&衣装。
ベタな芝居なのか、と思ったが、どうしてどうして、
現代にも通じる問題意識・・・さすが岸田作品、ということか?

「哲学上の大問題(?)」から「恋愛」「彗星(?)」「危機管理」など、
もり沢山の要素が、有機的に絡み合い、進行して行くあたりもさすが。

笑いあり、人情あり、そして人生を深く考えさせられる
素晴らしい作品だった。

まあ、強いて言えば、途中の「あの世の入り口」あたりは
ちょっと冗長だったかも?
でも、逆にいえば、それ以外の箇所の緊密感が素晴らしかったから、
そう感じた、とも言える。

余談だが、今回の上演、この日しか行けそうな日が無いので、
当日昼過ぎにメールも入れ、しかし返信が無いので、
3回ほど電話もしたのだがつながらず。

それで、「まあ満席で入れないことは無いだろう」と思って
行っちゃったのだが、やはりメールは見ていなかったよう。

そして15分前に開場し、ご丁寧に1人ずつ番号を呼び上げたりしていた。
もうちょっと、「制作」さんがしっかり運営して欲しいと思った。

シュガー×ペッパー

シュガー×ペッパー

ハグハグ共和国

劇場MOMO(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★

アドリブ的面白さ・・・でも筋は???
この作品も評価が分かれると思う。

標記タイトルに書いた通りで、
一応、筋もあるにはあるのだが、
その存在感は薄い。
場面場面を繋ぐ構成が弱い。
場面転換時の、「蝉の声」もなんか場違いで・・・。

一方、各場面ごとで、道化役を演じることとなる役者が、
妄想をふくらますような台詞を延々と行って行くのだが、
こちらは結構面白く、会場でも笑いを取っていた。
逆にいえば、この要素が大き過ぎたため、
構成感を弱めていたとも言えるが・・・。

そんなわけで、結局、「笑い」の要素を面白く思えた人は高評価、
構成の弱さが気になった人は低評価・・・になるのでは?

劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

こまばアゴラ劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/08/17 (金) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

字幕無し韓国語上演にチャレンジ!?
シェイクスピアとはいえ、あまり上演されない作品、
しかも字幕のない全編韓国語上演ということで、
付いていけるのか心配でしたが、面白い体験ができた。

サイトにもあらすじは出ているし、当日も同じものが配布されるので、
私としては事前に読まれて、
あとは必要に応じて観劇しながら参照するのも良いと思う。

まあ、なにしろ、殺人や強姦がメインとも言える話で、
ドロドロものになるのだろうと、覚悟する。

ネタバレBOX

会場に入ると、役者が片言日本語ながら、
スタンディングを勧めたり、ワインを振る舞ったり、
太鼓を叩かせたりして、観客との融和(?)を図る。

スタンディングで観ることになったお客さんの一部は、
舞台中央の巨大な装置(この上で演じられることも多い…舞台上の舞台)
を動かないように押さえたりなど、「参加」することにもなる。

この「装置」も分離可能で、中にも潜れるし、と様々に活用可能。
打楽器、ラッパ、笛なども大いに活用。
これらを有効に利用しながら、残虐劇は進行して行く。

役者の動きもとてもダイナミックで、肉体派とも言えなくもない。

まあそんなわけで、基本的には満足。

物足りない点を申せば、やはり外国語上演で字幕無しでは、
大体の筋は追えても、細かい台詞の機微は分からない。

役者で気になったのは、タイトルロール役が
やはり圧倒的な存在感を持っていた一方で、
皇帝役が、全く威厳が無かったこと。
空威張りにしろ小人物にしろ、
それなりの皇帝らしさはあっても良かったのでは?・・・そんな気がした。
正義の人びと ~神の裁きと訣別するための残酷劇~

正義の人びと ~神の裁きと訣別するための残酷劇~

オフィス再生

APOCシアター(東京都)

2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

抽象劇としても思想劇としても素晴らしい内容
初日に観劇。
初見の劇団で、この会場も初めて(しかも結構遠い)のところで、
何が見られるのか?と思いながら向かったが、とても素晴らしい舞台でした。

ネタバレBOX

会場内は基本的に、ずっと暗いまま。
照明の効果が素晴らしい。

そして、まるで人形劇のように、(操っている人を隠すような)台があって、
そこには新聞紙が貼り付けてある。
そんなわけで、大の奥で演じられている限り、
腰から下は良く見えない。
もっとも、台の手前にも出てくるし、天井近くにも骨組みがあって、
役者が一人いる・・・煙草吸ったり、ライターをカチカチ鳴らしたり、
物を投げてきたり。

そんなわけで、舞踏などにも通じる前衛的な雰囲気で
終始満たされていて、各場面場面の台詞が意味不明ということは無いのだが、
基本的にはロシアの話と、そこに日本の話が混ざっていく手法で、
あえて筋や台詞を丹念に追わなくとも、
抽象芸術として雰囲気を感じて行くだけでも十分楽しめる。

もちろん、社会正義のために人を殺すという不正義を行うについて、
様々な意見の対立が台詞を通じて観客にも語られる。
正義とは、生命とは、愛とは、を観る者もしばし考えさせられる。

そして、最後には、客席まで紙吹雪が圧倒的な量で降り注ぐ。
これももちろん、観る者に大変なインパクトを与える。
もっとも、あまりに量が多くて、苦笑する人、くしゃみが出る人も続出。
(私も取り急ぎ、「客席にはある程度降らした段階で止めても良いのでは」
などと申し上げたところ、
「他の方からも同様の御指摘があったので、ここは改めました」
との御回答をいただいたので、翌日からは少々変わったのでは?)

まあ初日ということで、その他処刑の場面でも
若干のアクシデントなどありましたが、
それでも十分過ぎるほどの満足感を感じた。
朗読劇「この子たちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ」

朗読劇「この子たちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ」

地人会新社

世田谷パブリックシアター(東京都)

2012/08/18 (土) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

何度聴いてもつらい原爆の話・・・
・・・に今回もなると思っていましたが、やっぱり予想通りでした。
ただ、キャストが有名どころ揃いなもので、
ソワレに行ってみる気になりました。
(以下ネタバレ)

ネタバレBOX

6人の女優さんが颯爽と登場。
はじめは、さわやかな夏の青空を思わせる照明、映像、音楽なのだが、
もちろん、その後に「地獄」が待っていることは分かっているわけで、
聴く者の頭にはそれがよぎっているはず。
朗読劇だが、6人が交互に話す感じで、
はじめは、1つの話を交替して読んでいるのかと思い、
その手法にはやや疑問を持ったりもしたが、
どうも、それぞれの役者が、体験記の筆者それぞれを
担当していることが分かってきた。

そして、予想にたがわず、「地獄」が始まる・・・
まあ、これは、何度聴いても辛い話です。
余談ながら、私は昨年、出張で広島を訪れる機会があり、
原爆関係のいくつかの施設も観て回ったが、
そこで観たものを思い出したり・・・。
映像も被爆当時の悲惨な状況が映し出されている。
会場では、あちこち鼻をすするような音が聞こえている。

まあ、私は反米主義者でも、いわゆる平和運動家でもないけれど、
原爆投下や東京大空襲は、ナチスドイツのユダヤ人虐殺と並ぶ、
民間人大虐殺・・・そう思ったのは確か・・・。

広島より長崎の体験が閑却されがちとは、時々指摘されることながら、
今回は長崎の体験記も相当取り上げられていた。

私も初めて知ったのだが、死に際に「天皇陛下万歳」と唱えたという体験
(これ自体色んな見方、意見があるのでしょうが)や、
長崎ではクリスチャンの体験記も多く、浦上天主堂での話も、
それぞれいくつか紹介されていた。

なお、時々、女優6人は前に集まって、
一斉に朗読したりなどの工夫もされていた。
この辺に来ると、女優さんも本領発揮という気がした。
さらに6人の女子高生も登場したり、
ナレーションのみ男声も用いられたりする。

ただ、いわゆる「反戦平和」みたいなプロパガンダに流れることは無く、
最後は「生の肯定」を感じさせる方向で終わったのは
良かったのではないか。
最後はフォーレのレクイエムが使われていたのが効果的。

☆をいくつにしようか正直迷いましたが、5つにしておきます。
「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)

「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)

劇団6番シード

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

「イタリアンの罠」こちらも好演でしたが・・・
前半の「半蔵門・・・」が1時間で終わってしまい、「あれ?」と思ったら、
こちらが始まりました。
2本立てだったのですね。

こちらも、頻繁な場面転換を多用する手法は同じ。
厨房のシーンでは、(レストランの客席との境の)壁も用意してあって、
そこに調理用器具まで多数吊ってあるのは、
凝っているというか、笑ってしまった。

なお、こちらも、これから観る方はネタバレを読まない方が良いですよ。

ネタバレBOX

レストラン常連の夫人が、実は……で、
しかも、ラストも彼女のエピソードが1つのキーになっているあたり、
面白く拝見した。

ただこちらも、何となく「犯人」が見えてきてしまうのはどうなのかな?
推理小説みたいに、あえて、「犯人じゃないけど犯人に思える人」を
用意してもいいのかも?

それから「半蔵門・・・」よりは動きは少ないと思うので、
こちらを先に上演して、後半を「半蔵門」にした方が良いように
私には思えました。

前半同様、探偵の2人は(やっぱりちょっと噛みもあったけど)
芸達者でした。
シェフ役の小沢さんは、声も良いし存在感がありました。

最後に、劇自体の話ではないですが、
終演後の挨拶や告知、ちょっと長すぎ。
もっと簡単にやってほしかったです。

こちらも4~5の間位ですが、種明かしの部分が少々くどい気もしましたので、
「半蔵門」を甘くしたこともあり、こちらはやや辛くして4点とします。

でも、両者に格段の差があるわけではありません。
「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)

「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)

劇団6番シード

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

「地下鉄半蔵門線乗っ取り事件」笑える推理サスペンス
推理物なので、ネタバレ(控え目にしますが)を読むとつまらなくなります。
これから観劇される方は御注意を。

頻繁な場面転換があり、舞台装置の移動もはげしい。
その転換を役者も手伝っているあたりも、何か面白い。

本筋ではないが「痴漢冤罪」の話も出てくるのが当世風?

ネタバレBOX

ただ、当日パンフにも「犯人」が書いてあるし、
観ていると、何となく分かっちゃうんですよね。
やっぱり「これからどうなるのだろう」と思わせて引きずって行く方が
私は良いと思うのだが。

ギャング団に乗り込む辺りはちょっと話に無理がある気もしたが、
基本的には面白く観ました。

また、概ね役者陣も好演していましたが、
肝心なところで台詞を噛んじゃった・・・これは残念です。
まあ初日ですし・・・なので星は4~5の間くらいですが、サービスで5にします。

さて、公演時間2時間と聞いていたのですが、
1時間ほどで終わってしまいそうな雰囲気となり、
事実、本当に1時間で終わってしまいました。。。
この続きは別項で。
緑の指

緑の指

世田谷シルク

シアター711(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

不思議な話
好みにより評価は分かれると思います。
公演詳細欄の「あらすじ」は実は冒頭部分で、
そこから話が進展していきます。

しかし、話は簡単ではありません。
各場面場面は、「抽象」とまでは言えず、意味を取ることはできますが、
場面ごとのつながりは筋が通っているわけではありません。
つまり、場面のつながりについては「抽象的」ですね。

ネタバレBOX

それから、当日パンフに、
久しぶりに連絡をくれ、会いたいと言ってきた知人に会ってみると、
宗教の勧誘だった・・・みたいな話が載っていました。
(かくいう私もそういう体験ありますが)

また、道成寺の話にも触れていて、劇の冒頭もそれっぽい。
なお、冒頭部はじめ、紗幕の使い方は中々良いと思いました。

ただまあ、その話とは雰囲気の関連はあるかもしれないが、
「現代風本案の道成寺」でもないです。

「抽象作品」はやっぱり雰囲気が大切と思いますが、
ちょっと固い気もしました。
まあ初日だからかもしれません。
やや甘めですが☆4つにします。
鈴木ごっこ

鈴木ごっこ

ニコルソンズ

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/06/30 (土)公演終了

満足度★★★★

【バイオレンス編】笑えた!
私が観たのは、標記の「バイオレンス編」だが、
毎回、演出が異なるようで、
アフタートークでは、他のバージョンの紹介もされていて、
話を聴くだけでも面白かった。

ネタバレBOX

話は単純にいえば、見知らぬ人間達が、一つ屋根の下で暮らし、
「鈴木さん」一家として暮らしていく、まあそれだけだが、
色んなエピソードが続いていくのが面白いのと、
最後は何が待っているのか?というサスペンス感が素晴らしかった。

ただ、各バージョン、あまりにバラエティに富み過ぎて、
この日私感じた魅力が、他のバージョンではどうなるのか?
というのは想像がつかない。

逆にいえば、この日のバージョンの演者がそれだけ素晴らしかった、
ということ。
あえて難を言えば、私の観たバージョンでは、
各役者が「バイオレンス」になりきっていて、
そのため、芝居全体の雰囲気の変化というのが
あまり得られなかった点。
でもまあ、各バージョンを用意するやり方だと、仕方ないかもしれません。
prayer/s

prayer/s

RAWWORKS

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/07/07 (土) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★

前衛作品・・・しっくり来なくて
う~ん、こういう作品は、当然、理屈で理解しようとしても無理で、
あとは理屈抜きで「ストン」と自分の中に落ちるかどうか?
ですね。

私個人としては、ストンと落ちるものが無いまま、
終わってしまった感じです。

演じている方は大変と思いますが・・・。

THE TUNNEL

THE TUNNEL

ユニークポイント

座・高円寺1(東京都)

2012/08/10 (金) ~ 2012/08/14 (火)公演終了

満足度★★

総花的に過ぎたのでは…それから国旗の扱いも
部分的には面白いところもあったが、全体としてはイマイチの感。

ネタバレBOX

開演前、白く顔を塗った女の子が、
お客さんにちょっかいを出したり、愛嬌を振りまいたりして・・・。
また、広い舞台には、巨大な滑り台があって、存在感もある。

そういうわけで、期待したのですが、色んなものを取り入れ過ぎて、
どれも中途半端で終わった感がありました。

「日本の総理大臣(政治システム)」「公共事業」「日・韓トンネル掘削現場」
「式典に出る高校演劇部」「反対派」「南を目指す家族」等々・・・。

これだけ、色々なものを出してきて、最後どうするのだろう?と思ったが、
一応、「歌でまとめ上げた」のだが、これはちょっと無理があったのでは。
出演者のうち、音楽陣は結構印象には残ったが、
それ以外の場面場面は何だったんだろうと思ってしまった次第。

この辺を整理していき、「結局何が言いたいの?」を
明確にすべきと思ったし、
さらに、(最近の情勢は一層難しくなっている中)
国際親善って何?表面上仲良くできていればそれでいいの?
…という辺りにも触れてほしい気がしました。

それから、高校演劇部が作った「横断幕」が登場するのだが、
韓国の国旗が上、その下に日本の国旗が描かれていたのです。
しかし、これはまずいでしょう。
(国旗を上下に置くのは、下が「属国」の意)
「意図的」とは思いたくないですが、
最近の某テレビ局などの風潮を見ていると、
そのように捉える人もいるのでは?
「国旗掲揚 位置」なのでネット検索すれば、情報得られます。
こういうこともきちんとしないと、親善どころか紛争になってしまいます。
荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】

鵺的(ぬえてき)

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/08/07 (火) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ほとんど朗読劇のような作りの、重~い話
7人兄弟ながら、ある事件のためにそれぞれ別家庭に育てられ、
そして、とある機会に、全員が再会することになった、という話。

ネタバレBOX

ネタバレ扱いにしているのだから、詳しく筋を書いても良いのだけど、
やはり、書かないでおいて、興味おありの方は是非ご覧になられた方が、
と思う次第。

子への虐待、浮気、浮気相手の妊娠・出産、
夫婦間の暴力、やり直し、そして……
というような、相当重い話です。

これを、ほとんど役者の動きも無く、
基本的に朗読劇スタイルで演じられる。

ちょっぴり、感情移入しきれなかった台詞もあったので、
☆4つにしましたが、全体としては問題作ながら
素晴らしい作品だったと思います。
ただ、好みは分かれるかもしれません。

私の観た回には、アフタートークもあり、
作・演出家の高木登氏のお話も聴けました。
(これも、内容は書かない方が良い気がしますので、内緒にします。
あしからず。笑)
モマの火星探検記 ~Inspired by High Resolution~

モマの火星探検記 ~Inspired by High Resolution~

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★

私には今一つに感じられて……
高評価のレビューが多い中で、少々書きにくいのだが……。

SF風、宇宙ロマン風の素敵な作品が観られる、
と期待していたのだが、私としては少々期待外れだった。

主人公に限らず、登場人物はそれぞれ、
それまでの過去に何かを背負っているのだが、
それらの扱いが浅いように感じられた。

何だか、淡々とストーリーが進んで行く感じがして、
もうちょっと、各場面場面に感銘の残るものがあっても良いだろう、
そんな気がした。

この台本、どこまでが毛利さんの原作に則っていて、
そしてどこまでが自由に脚色した部分か、私には分からないのだが、
もっとロマン性、子供らしい空想、神秘なるものへの憧れ、
そんなものを、本当はもっともっと湛えているのではないか?

それから、幼い子供が、ロケットを作り上げてしまう、
というのも、少々考えにくくて、
頭の固い私にはちょっと付いていけなかった。

以下は余談だが、宇宙に行くというのは、
極めて科学の先端部分の話であるのはもちろんだが、
一方で、不思議なもの、神秘なものへの憧憬という要素もある。
この両者の関係について、全くの個人的見解を一言。

「神秘」の要素が昂じた(?)場合について、
古い本だが、立花隆さんの著作『宇宙からの帰還』(中公文庫)という、
宇宙飛行士を取り上げたものがあって、
それによると、宇宙飛行士の中には、
宇宙から見える地球や星々が、あまりに神秘的であるのに心を打たれて、
帰還後に聖職者になってしまう人も案外多いそうだ。

もちろん、宇宙に行ったことのない私ではあるが、
地上からの風景でも、強く心を打たれることもあって、
何となく理解できるような気もする。

で、私は、かつてFM番組で、毛利さんが宇宙の話をされているのを
たまたま聴いたことがあって、そこでは立花さんの著作のような、
極めて神秘主義的な話は無論なかったのだが、
それでも、「科学者の話」というよりは「芸術的・精神的な話」であったことが印象に残っている。

多分、毛利さんも、程度は別として、
神秘なるものを直観したのではないかなあ……FM放送を聴いていて、
勝手にそんなことを思ったことを思い出した。
そして、この作品も、本当はもっと、
そういう要素を含んでいるのではないか?
やはり勝手に、そんなことを思っている次第である。

人間なんてラララのラ

人間なんてラララのラ

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/10 (金)公演終了

満足度★★★★★

多様な要素が融合した素晴らしい公演!
作品名から、ちょっと軽い感じの作品かな、と思っていましたが・・・。

冒頭、(前説からつながって)舞台の紹介から始まり、
白が基調のやや抽象的な雰囲気であって、
今回はどんな芝居になるのかな?と思わせる。

そして、芝居も舞踊を交えたやや抽象性を帯びていて、
今度は、だるまさんにしてはかなり毛色の異なった作品を
見せてくれるのか?と思っていたら・・・

(以下ネタバレへ)

ネタバレBOX

・・・まあ、段々、だるまさんの地が出てきたかな。
(もちろん、悪い意味ではありませんよ。)

今回も、色んな要素・・・笑いあり、人生論あり、泣ける話あり・・・で、
しかも、(多様な要素を取り込むと起こりがちな)消化不良も無く、
どの部分も素晴らしく、作品として一貫性が感じられた。

個人的には、だるまさんの公演はどれも素晴らしいが、
今回、とりわけ素晴らしい作品に出会えたように感じられた。

余談ですが、これまでの作品と比べて、剣持さんが若く見えました。
(相対的な話ですが)

それと、小悪魔的な死神の助手(?)や看護師さん達も可愛らしく、
特に、純情な看護師さんの台詞にはキュンと来ました。。。
金の卵1960~あすなろう~

金の卵1960~あすなろう~

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/06/21 (木) ~ 2012/06/27 (水)公演終了

満足度★★★★

予想外の展開が面白い
かなり遅くなりましたので、なるべく簡単に。

この劇団、色んなジャンルをやられるので、
今回はどうなるのかな、と思ってました。

はじめは集団就職の場面で、
こんな感じでホンワカした感じで話が進んでいくのかと思ったが・・・。

しかし、そうではなかった。
この時代特有かもしれないが、色々裏街道(?)の人が出てきたりして。
こういう、話がどこへ行くか分からない、というのが面白い。
もちろん、役者陣の演技力がそれを支えているのだが。
(多少難があった方もいましたが、
なんかそれも役の個性に感じられたりして)

ネタバレBOX

ネタバレというほどではないが、
ちょっとだけ台本で気になったのが、

軍隊に言った二人が、辛い思い出を語るシーン。
おそらく、南京大虐殺のような話を想定しているのだろうが、
そういう話って、様々の立場から色々説が出ていたりで、
学生運動をやや肯定的に捉える立場とあいまって、
少々思想的なものを感じてしまったのだが。

以前も別のレビューで書いたこともあるのですが、
自分の支持する政治思想であろうとなかろうと、
思想のプロパガンダに演劇を含む芸術をしてほしくないな、
と常々思っているもので・・・。
まあ、私も好みの問題かもしれませんが。
『熱海殺人事件』(作・つかこうへい)

『熱海殺人事件』(作・つかこうへい)

モウムリポ(ポップンマッシュルームチキン野郎課外活動)

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2012/08/04 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★

熱い演劇!
ソワレ鑑賞。
会場内の気温が暑いというのではなく、
演技が、良くも悪くも(?)熱っ苦しいかな?
好みは分かれるかもしれません。

また、私自身も、好みとしては、
怒鳴り合いはあまり好きではないし、
また1人の例外を除いて、(前説から)パンツ一丁の男ばかり(女性役も)で、
男の裸はあまり見たくないし、これも熱っ苦しいですわ。
(そう言えば、前にここのゴールデン劇場で見た芝居は、
女性が下着姿で登場したことも思い出してしまった…まあ、これは嬉しい?!
でも、この劇場って・・・)

でも、この芝居に限っては、怒鳴り合いも、パンツ一丁も「あり」かな、と思った。

この作品は、もう古典と言ってもいいくらいで、
私も他の劇団での別演出を何度か見てますが、
これほどアクの強いのは初めて。
でも、良かったと思いました。

蒼い妖精とピノッキオ

蒼い妖精とピノッキオ

劇団ひまわり

あうるすぽっと(東京都)

2012/07/05 (木) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★

それなりに楽しかったが・・・
童話的な仕立てで、子供心に帰るには良い作品。
それなりに楽しく観ましたし、
蒼い妖精の話も良かったのだが、
ちょっと大味というか、盛り上がるべきところでもさほど盛り上がらずに、
進んで行ってしまう感じ。
筋にメリハリがもっとあると良いかな?

ファミリー・ウォーズ

ファミリー・ウォーズ

天才劇団バカバッカ

ザ・ポケット(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★

長所も短所も・・・
これと言って、話の筋が優れているわけではない。
ただ、この芝居の柱である「2つの家の争い」の他にも、
様々な、脇道脱線、エピソードが盛り込まれ、登場人物も多くて、
いわば、サービス精神旺盛である。
もしかしたら中劇場でのキャパシティかもしれない。

ただ、途中10分の休憩があるとはいえ、
上演時間2時間40分(休憩込みだが)は長過ぎだろう。
しかも、上記の「サービス精神旺盛」のため
これほど長くなってしまったのだから。
正直、見ている方も疲れてくるしね。

こういう「お笑い」的要素の強い作品は、1時間半~2時間以内に収めた方が良いのではないか。

ネタバレBOX

さて、以下の話はネタバレではなく、
演劇自体とは関係ない話なので、余談ということで。

私の隣のおばさん(過去に物議になった表現ですが、事実そうだったので)、
知り合いの男性3人ほどと来ていたのだが、
「身内が見に来ている」なんて話していたので、
多分、劇団の関係者の身内の方なのだろう。
この方、劇が始まっても、いつまでも携帯をいじっていて、
暗い場内で目立っていたので、「切って下さい」と言ってしまった。
また、連れの方は「腹減った」なんて言っていて、
休憩後は連れの方はいなくなったので、
中座して食べに行ったのかもしれない。

しかし、残ったおばさんは、休憩後も(特に終わりの頃)、
再度携帯をいじり始める。マナーモードにはしていたようだが、
バイブ音は聞こえるし、一応遠慮して、
ハンドバッグ内でメールを打っているのだが、
バッグ内が明かりに照らされて、やはり最後の雰囲気ぶち壊し。
(その他のマナー違反もあるが、まあそれは軽微だし、
私も人のことは言えないので省きます。)

まあ、身内に来てもらって、活躍の場も見せたいし、
それにチケットノルマ消化も必要だろう。
ただ、あまり演劇に興味無く、こういうことをしてしまうような方は
できればご遠慮願いたいし、どうしてもマナーを知らない方を呼ぶなら、
最低限のマナーくらい、言い聞かせた上で
観劇してもらってからにしてほしいと思った次第。
(劇自体は、内容としては☆3~4くらいで、
ただ、長過ぎたので、3つとしたいところですが、
身内の方に雰囲気壊されたこともあり、さらに1点減点にします。)

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