満足度★★★
羊
ソロ小作品集。90分(休憩5分込み)。
ネタバレBOX
内田結花「Hello,Hello」
関西を拠点にしている内田が、中野坂上付近?を歩きながらの語りをBGMに踊る。
若く見えるせいか、なんとなく語り口調にかわいらしさがある。話の内容もちょっと面白い。ダンスの時間が短め(立ってるのもパフォーマンスの一部だろうけど)でスローなフリが多いのが寂しいかな。
rie tashiro「MI-gaku001」
映像と照明を駆使しての踊り。
ミガクは美学とのこと。美しくもあるけど、単純にかっこいいと思える舞台。ダンスはあまり見ないけど正統派な感じ。意味や演劇な要素はないとパンフでも言っているけど、ヤマ、タニな感覚が感じられるとなお良いかな。
水越朋「100sheep」
雨音をBGMにしての踊り。
レインコートの衣装がかわいい。中盤の脚を真上にあげての姿勢がとても美しい。終盤のキレのあるダンスは惹きつけられた。
志村知晴「やや生きずらい」
リズミカルな踊り。
作品の構成がシンプルなのがいい。
満足度★★★
江ノ島
チケットプレゼントにて鑑賞。65分。
ネタバレBOX
8/31に巨大隕石衝突で地球が滅びるという世界の8/31までの数日間の話。
ゴム無しで彼女を妊娠させちゃった男を中心に展開。パラレルワールドな話もありSFといった体裁なのかな。地球の最期という大きな舞台設定の中で若者の内面をどう料理するのかと思ったけど、どうにも心が掴まれなかった。テンポや演出に不満は特にないけど。
若い時に、大人になることとはって疑問をほとんど持たずにいたせいか、大人になるならないというテーマがすんなり飲み込めなかったのかなと。てか大人ってなによ?
満足度★★★
セパレート
面白い。80分。
ネタバレBOX
長谷川(村井まどか)…ゼネコンの現場監督。まだペーペー。一人で吉野屋行った。
玉城(佐藤誠)…床職人。暗いのが怖く、幽霊を信じる。
楊(石松太一)…壁紙職人。中国人。怒りっぽい。
二鍋(田山幹雄)…揚重工。いい体してる。
三井(天明留理子)…不動産屋。うんこの犯人探しで職人を疑う。
山口(川隅奈保子)…分譲マンション購入者。うんこと幽霊にショックを受ける。
完成間近のマンション302号室にうんこがされていた。職人や不動産屋含め犯人探しに躍起になる。山口にうんこがバレた翌日、またうんこがされてしまうが、現場で見かけた山口の子がうんこしたと白状するが…・。
山口の子(石松太一)と仲良かった女の子(村井まどか)がバイクで事故り他界。子がいつまでも女の子の死を引きずっているため住宅を購入した山口。それにうんこで対抗する子という話。ほんわかでコミカルな現場にスッと暗い光を照らすような構成がうまい。ラスト、またうんこがあったとショックを受ける三井と驚く一同。ちょっと幽霊な感じを匂わせ幕。
独特の調子。半音ズラすような勘所で攻めてくるよう。二回目のうんこの際に二鍋が放った「夢か」が妙なリアリティがあってウケた。
満足度★★★
二人乗り
チケットプレゼントにて鑑賞。95分。
ネタバレBOX
プレス「家路をたどる」
母の再婚相手の紹介を受けるため兄弟姉妹5人が集合する。もともとイザコザのあったことが原因で、結局母がやってくる前に長女を残して皆出てってしまう…。
会話劇。長女と三女が歌で想いを語る演出は唐突ながらけっこういいかなと。何言ってるか聞き取れないけど。30分で5人の内情を語るのは厳しいけど、片鱗を上手く見せてたと思う。もうちょいヤマがあっていいかなとも思う。人数減らしてでも。舞台面が低いので、座り演技がほとんど見えないはなんとかしてほしい。
劇団11「僕とキミの自転車周遊記」
大学卒業間近なユリとブン。上京前に日の出をみようと、ユリのこぐ自転車で二人は海を目指す…。
いい友人の二人が、とりとめもないような思い出に浸るような会話を続ける30分。奇をてらう演出もないが、ユーモラスな会話が楽しい。会話から滲むような20代の率直な気持ちの表現が上手いなと。みずみずしいというか。変に男女を意識した内容にしないとこも○。ラスト、卒論ネタで温かな空気で〆るのもいい感じだった。
(石榴の花が咲いている。)「距離感を見誤る♯」
缶けりとかだるまさんがころんだという子供の遊びを基調にしたようなパフォーマンス。舞台手前で縛られた女が何かしてた(よく見えないけど)。表現自体に何かを感じてはないけど、退屈はしなかった。ラストのダンスとBGMのミックス感はかなりいい。ダンス時の表情もいい。舞台照明、客席照明の切り替えも含めていいと思う。
満足度★★★
ねずみ
面白い。140分。
ネタバレBOX
ドリー(小宮凛子)…トレメイン長女。父を殺し次女を疑い、夫に当たり、継母を排除しようとする。
アナ(川添美和)…トレメイン次女。自意識過剰で奔放。三女をいじめるが、三女の身代わりとなり死ぬ。
シンデレラ(遠藤葵)…トレメイン三女。妾の子。雑用やらされいじめられる。王子に気に入られる。
エリアナ(里仲景)…トレメイン継母。ドリーが家の長の妻となり面白くない。シンデレラを使い一発逆転を狙う。
ジョー(藤代知己)…トレメイン家私兵長。アナと付かず離れずな関係。アナの死を嘆く。
ルイス(相川智)…ゴダール家の長。王家護衛団長。アナ側の婚約を受け入れる。実際アナが好きだった。
王子(平良和義)…ウブ。舞踏会でシンデレラに惚れ、結婚を迫る。暗殺されたアナをシンデレラと信じていた。
大臣(本田一誓)…執政官。眼光鋭く、歩き方が変。
シンデレラが使用人(仙術が使える)の術で姫となり、舞踏会で王子に見初められ求婚される。出し抜かれたと怒るドリーや護衛団の立場を失うことが予想されるルイスらは面白くない。そもそも贅沢な暮らしに憧れないシンデレラに再度王子に会わせ「嘘」を白状させようとするが、結局王子はシンデレラを城へ招こうとし、トレメイン家を護衛団に抜擢しようとする。ルイスらはシンデレラ暗殺を企て、ドリーらはアナを身代わりにしようとする。事情を知り、半ば身代わりを買って出たアナは馬車の中で、自分は弱い人間でドリーに疑われていることに涙する…。
○○家というくくりと同時に各人の思惑や人間関係が入り混じり、序盤戸惑うこともあるけど、中盤からは気にならない。序盤から中盤のシーンはもっと削ってもいいと思うけど。二時間以内になるくらい。
終盤の、アナとジョーの会話とかアナの死に間際の正直な気持ちとかドリーの発狂とか見ごたえがあった(ドリーの落ちていってる感とか上手い)。勝気なアナの一回り小さく見えるような気弱な独白と、ドリーの誰彼構わず当り散らす様相は一見間逆に見えるけども、根底には不安を抱えて生きる女の苦しみがあるようで。うさぎのように寂しがり屋な姉妹だなと。
シンデレラは、いかにも幸薄な感じで良かった。声もいい。ジャンのハイなしゃべりはちょっとうるさいと思う。
満足度★★★★
喜びと罪
面白い。135分。
ネタバレBOX
折出聖子(斉藤とも子)…20年前にひき逃げされ川に流されたとされる息子を再度探し始める。ガンで余命半年。
沖廣也(佐賀野雅和)…仕事でテンパってた時期、有樹を轢いた。みさをと結婚、子をもうけるも出産直前に罪を告白した。
黒沢元章(若狭勝也)…事件の近場のバーテン。片目を失明。聖子らに協力する。
清水英子(高山奈央子)…聖子の義妹。病院勤務。聖子の息子探しに協力する。
木俣寿和(成清正紀)…フリーカメラマン。聖子の息子探しに協力する。ドキュメンタリーには向いてなかった。
沖みさを(異儀田夏葉)…廣也の妻。妊娠中。実家が医者。廣也の告白に対して、子に知らせないこと、廣也に子を抱かせないことを決意する。
仁志田墨助(辰巳智秋)…クリーニング屋社長。ラーラがお気に入り。
仁志田メイ(桑原裕子)…竹夫が連れてた戸籍のない瞬に戸籍をプレゼントしようとする。
吉川瞬(小田直輝)…聖子の実子。本当の折出有樹。夫婦ゲンカに家を飛び出し事故にあう。事故前の記憶がない。花子といい感じ。
折出有樹(大神拓哉)…韓国料理店兼キャバな店の店長。身分を偽り生きる。
山田花子(多田香織)…中国人。偽装結婚中。
ラーラ(ヨウラマキ)…中国人。偽装結婚した相手から理不尽な暴力を受ける。
吉川竹夫(松村武)…クリーニング従業員。瞬を助け、そのまま息子として育てる。聖子と相対し自首を決意する。
円形でも見にくいと感じることがなく、スムーズでストレスは少ない。見せ方が上手い。全体的にトーンが暗めな作品だけど、笑えるとこはもうちょい欲しかった。
死んでるだろう息子を探す母って、ありがちな設定ではあるけど、群像劇としてしっかり魅せてくれた。ラスト、花子とデート中に聖子と瞬が接触し、間をおいてハッする聖子。暗転して置き去りにされた自転車で幕という広がりのあるエンドもいい。竹夫の元へ帰ると話していた瞬、今更だと言いきった折出、病の母という要素が、今後どこに向かうか興味をひく感じがいい。
竹夫が自首した際の独白シーンの、どん底で希望を得た感と罪悪感より喜びが勝っていたという身勝手で正直な感覚が好きになった。
廣也の告白に対して冷たく落ち着いて、何故言ったと放つみさをのシーンがいい。子という喜びを得つつ夫の罪を抱えるという、竹夫と重なるような感じがね。竹夫と違い、女性的な強さが印象的だけど。
身分を偽り生きる折出有樹の存在が何気にいい。ナチュラルに嫌な感じで底辺で生きている感が出てた。社会的に存在していないようなどーでもいい存在でも、生きている以上なんとか生きないといけないというもどかしさというのか。本当の有樹と紙一重な存在でもあるし。
満足度★★★★
タペストリー
面白い。70分。
ネタバレBOX
ダイくん(根本大介)…会社員。アヤちゃんの彼氏。デート中に会社の命令で日本代表戦に加わる。炎の中からユーちゃんを救う。ユーちゃんの魔法にかかる。波に乗れなかった。
アヤちゃん(椎橋綾那)…ダイくんの彼女。代表戦の際にテッキーに助けられ、付き合うことに。
ユーちゃん(名児耶ゆり)…アイドルグループの一員。代表戦でダイくんに助けられるも記憶に残らず。引退時に卒業生が騙されてAVに出たと暴露し、干される。
武谷選手(武谷公雄)…女の夫。日本代表選手。退場処分になり自宅に戻った。再度スタジアムに行き、気が狂って焼死した。
テッキー(武谷公雄)…代表戦の相手選手。アヤちゃんを助けた。どこの国かは不明。
女(中林舞)…武谷選手の妻。夫が死亡し、すべてを捨てて放浪し、男(武谷公雄)と不倫する。女は捨てられなかった。
映像を織り込んだ上手い作品を久々に見た。絵的にも美しい(特にユーちゃんのシーン)。以前、芸劇eyesでみた範宙遊泳作品は乱雑な感じだったので、本作品のようなスタイリッシュな感じが意外だった。
女優陣は衣装の良さと動きのかわいさもあってか、とっても舞台映えしてた。
なんの対戦かもわからず大敗する日本代表。そして変化する日常。ついには本当の戦争に突き進む日本という、つかめるような掴めないような展開。よくわからん突飛なとこみあったけど、全体的に面白かった。
喪失がテーマかななんて思ったけど、終盤部に印象的ななにかが欲しかったかな。
ユーちゃんが舞台美術(伸びる幕?)に乗っかっている際に幕が落ちるというハプニングもあった(終演後にきちんとお詫びと補償的なアナウンスもあった)。やってる側としてはきちんとしたものを見せたいという想いはあるだろうけど、ハプニングに対応しようとする役者(裏方も)の動きが見れたのが、ちょっと嬉しかった。意図的でないけど、ハラハラ感も味わえたし。怪我があったらアレですけど。
満足度★★★★
ユニットバス
面白い。120分。
ネタバレBOX
花(今村美乃)…マッサージ店店長。蟻男から武器(マッサージテク)を授かる。蟻男に似た莉緒に入れ込む。
粒良(小山まりあ)…マッサージ店の金庫番。花の理解者。
育枝(上野山沙織)…長く新人だった。不良チック。花が苦手。
莉緒(今井和美)…神父の娘。浮浪者のところを花に拾われる。
蟻男(今井和美)…花の幼馴染。若干11歳で花と結婚。震災で命を落とす。
新海(南かおり)…店の大家。何弁かよくわからない。
七美(日和佐美香)…旅行者。マッサージ店と同じビルにハーブ店を出す。
六田(岩田有弘)…宅配ピザ屋。童貞。花のマッサージでイク。莉緒の同級。
セスナ(傳田圭菜)…リフォーム店経営。育枝の友人。人情家っぽい。
キティ(有栖川ソワレ)…セスナの片腕。男嫌いだけど、六田に恋した。
震災で蟻男を失った花が思い出の部屋(店)でマッサージ店を開き、蟻男に似た莉緒を連れ込む。蟻男への想いから莉緒に執着するも、蟻男と莉緒は違うことを理解し(蟻男の死を受け入れ)、店を去る…。
笑えるとこもちょこちょこある。女性がほとんどの舞台で衣装替えが多くて、見た目にも楽しい。歌もちょこちょこあるし。シリアスな感じと柔らかなシーンのメリハリがあって、120分でも飽きなかった。
話の中心の花と莉緒・蟻男を今村と今井がしっかり演じたおかげで、散漫にならなかったのがいい。二人の過去回想のシーンはどれも良かった。背が低くはない今村の小さく見える幼女演技もいい。今村は、相手と状況でコロコロ変化する花の変幻さを上手く見せてた。花の孤独さって空気をもっと感じたかったけど。
話とか舞台的なインパクトとかもう一声ほしい気もするけど、役者陣はいいカラーをみせてくれたと思う。
満足度★★★★
ちくわとドーナツ
面白い。100分。
ネタバレBOX
橋本昭博…小説家志望のフリーター。才能のなさを痛感し佐山に当たる。
佐山花織…売れっ子漫画家。ちくわ、漫画、橋本が好き。橋本の誕生日にストーカーに刺殺された。
秋山ゆずき…小説の主人公。ドーナツ好きの女子高生。
福田英史…佐山のことが好きな編集。佐山をストーキングして殺す。佐山死後の小説の人物。
青海衣央里…小説の刑事。ボキャブラリーが貧困。
佐藤もとむ…小説の刑事。ダメ刑事だったけどキレ者刑事に変わった。
岡本裕輝…小説の被害者。低姿勢だけど主張が多い。
山中くみ…佐山の姉。佐山が死んだ3年後に橋本の元を訪れ、佐山のイラストを渡す。
鈴木明日香…佐山の漫画の主人公。恋した男の殺人証拠をもみ消し続けるが、泣く泣く推理し逮捕する。
米川幸リオン…小説の加害者。イケメンハーフ。秋山に好かれる。
星亜沙美…天気予報のお姉さん。
片岡哲也…小説の加害者。キャラ変が多い。
高山都…橋本の隣に越してきたキレイなお姉さん。
台風の夜、佐山とケンカした橋本の部屋に、小説の登場人物が押し寄せ、話を面白くするアイデアを出し合う。小説は面白くなったがベタだとして編集福田に才能のなさを宣告されるが、佐山と分かれることを賭け、再度小説を直す。面白くなったがアイデアが佐山の漫画のパクリだと言われてしまう。小説家を諦めかける橋本の元に佐山の姉が訪れ、佐山が3年前のあの日、殺されたことを告げ驚く橋本…。
佐山の死を知らない橋本が書き直した渾身の一作(秋山や福田らも実は書き直した小説の登場人物)だったという、SFとリアルを面白く魅せる舞台構成。キャラの面白さとか会話や展開のリズムもいい感じ。好きなことをやる幸せってストレートな話に心打たれた。モラパンなかわいさとかポップさが上手く絡んでて、話のツラめな部分とのバランス感もとれてた。素直な一作だった。
チラシの出来は相変わらずいいし、乱雑でかわいい部屋の美術も好み。高山のナチュラルな美人さもいい。
満足度★★★
動物園
面白い。80分。
ネタバレBOX
りさ(大原千秋)…はじめの姉。17歳頃に教師となんかあったため、彼氏ができない。
はじめ(吉原真理)…大学中退して臨床士を目指す。高校時代の彼女を妊娠堕胎させた。
かなみ(渡邊ひかる)…OL。はじめの彼女。いい意味で楽天。はじめと結婚した。
まる(本間玲音)…かなみの先輩OL。人の男に手を出すファザコン。はじめとも寝た。りさとは幼馴染。はじめの結婚式でりさと再会する。
ATで、元々はもっと散文的だったため筋を足したという話があったけど、ないと結構手探り状態で見続けないといけないシンドさがあったかなと。
りさとはじめの(病んでる)家族状態が二人の出発点で、更に学生時代の難儀があってって話だけど、もっと二人に焦点あててくれてよかった。内向きの話だし、過去を向いてる話だし(けど人そのものを描くのではないと言ってるからこれでいいのか)。
動きの少ない前半はややダレたかな。micannの曲は好きかな。
満足度★★★
白髪赤眼
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
ネタバレBOX
浩太(小西耕一)…31歳の会社員。瑛理子と付き合っているがまりあとも付き合い、洵子にも手を出す。
まりあ(幸田明音)…女子高生。アルビノ。嫉妬深く、浩太のケータイチェックから関係した女性を殺す。
澄恵(松葉祥子)…まりあの母。まりあの嫉妬深さは自分似と笑う。
瑛理子(大久保千晴)…35歳。浩太の彼女。浩太の子を身篭る。部長と不倫する。
愛(吉原小百合)…浩太の幼馴染。デブってた浩太をフッた。今はカラオケ店とピンサロで働く。
洵子(川口雅子)…まりあの友達。アジカンを愛する。
徐々に浩太のゲスっぽいとことまりあの狂気があらわになって、惨事が起こるという話。最近の佐世保の死体切断事件をちょっとだけ髣髴させる。
話自体はなんとなく素直な印象。ひん曲がってないというか。退屈はしないけどアクがない気がする。
デブだった頃のコンプレックスを跳ね除け、女遊びに興じる浩太の内面をもうちょい描いてほしかった。フッた男に奉仕するのはどんな気分だと、愛に問うとこなんかピリっとしてて良かったし。
同様に、「アルビノ」のまりあの思考とか経緯とかももっと描いてほしい。単純に母親の血筋とか女子高生だからとかだと安直な気もする。アルビノで美少女なまりあ特有の何かが感じたかった。そういうのがあれば惨殺のシーンも別な味が加わっただろうなと思う。
瑛理子の妊娠告白シーンの眼力はなかなか良かった。女性特有の怖さがあった。
満足度★★★★
win-win-win
面白い。105分。
ネタバレBOX
大山雄史…絆の会所属。女性3人にほっとかれて拗ねる。
後藤飛鳥…前田司郎の姉。絆の会所属。西田の独裁に反発し、絆プロジェクトを立ち上げるも上手くいかず、西田と若いする。
中川幸子…絆の会所属。西田の独裁に嫌気がさすも、後藤も独裁者となり西田に助けを求める。
西田麻耶…絆の会のリーダー。ナチュラルに破天荒。肉飛ばし大会で優勝する。
宮部純子…前田の勤め先の娘。前田と付かず離れずな関係。
望月志津子…後藤の元同僚。マルエツ事変を起こす。西田の夫と浮気して西田に前歯を折られる。
前田司郎…後藤の弟。宮部と3D映画デートするもハイタッチして終わる。
西田の夫(山田)…人形。暴力的だけど、西田はハマってる。ドラッグ的なものの個人輸入事業を立ち上げる。
前に見た「五反田の朝焼け」の改訂版かな。単純に笑える。ボランティア団体というものをある側面でスパっと切り取って、自然に可笑しなキャラで味付けして提示してくれる。
西田のフルスロットルな演技が好感触。後藤が絆の会を乗っ取ったことに対して怒りを発するシーンの安直な照明効果が絶妙。
祭で金くださいでwin×3になれるってとこが、いい感じの皮肉だなと。
満足度★★★
それが大事
面白い。115分。
ネタバレBOX
売れない芸人・圭(松本大卒)が警察に突如逮捕される。芸人トリオの二人とマネージャー(岡田一博)、同居人の彼女・彩香(志水衿子)、ケンの彼氏というショウタ(熊野善啓)らは、なぜ圭が捕まったのか、O1グランプリに出られるのかと
気が気でない。一方、圭は警察の取調べに対してチケット転売や口座売買の自白をするが…。
話的には、圭の弟の健が、自衛隊として派遣され非戦闘地域で後方支援を行うも武装集団に襲撃された際に見境をなくし、同僚らも銃殺してしまったという背景が明かされ、自衛隊派遣の秘密を暴露しようとしたあおりで圭が捕まったことがわかる。健が銃殺した中にショウタという同僚(野々村の夫)がいて、その幽霊が現れたというのはおまけのようなものか。
けっこう笑える。マネージャー役の岡田が色々上手い。
秘密保護法と自衛隊派遣のからめ方は○。生きている人間(一般庶民)とそうした社会的事象とがもう一層深いとこで絡まっているとなおよいかな。
チラシデザインはとても面白い。
満足度★★★★
化け猫
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。90分。
ネタバレBOX
文男(芝博文)…地域猫保護活動に熱心。颯子への関心が薄い。禁煙しないと結婚しないという颯子との約束を黙って反故にしてた。
颯子(菊池佳南)…文男の妻。女優。寂しさからか、浮気して家出して泣いて叫んでと、なんとなくネコな女性。
森田(力武修一)…映画監督。あんま売れてない。颯子にも出演依頼するが。
ヨリ(村田牧子)…森田の妻。颯子の紹介で結婚。演劇の力量あり。
成田(大日向裕実)…女優。篠井と颯子の間を見抜く。
篠井(斉藤マッチュ)…小説家。颯子と浮気する。文男との仲が終わった颯子と正式に付き合う。
美園(杉山薫)…主婦。颯子が家出した際の浮気相手の妻。ヘンテコなとこもあるけどまとも。
子安(山ノ井史)…獣医。文男の友人。猫保護に尽力しているようだが、食肉横流し事案について秘密がある。
村岡(村田与志行)…文男らの大家。文男や颯子の事情を把握している。
登場人物の微妙なズレ具合がいい。颯子と篠井が抱き合ってても無関心な(猫絡みでキレる)文男とか、猫をホントウに想っているんだか自分が愛されるために想っているんだかわからない颯子とか、劇的に何かが動くってワケでないけど、少しずつ舞台上がさっぱりしていくように、人間関係のほつれが真っ直ぐになっていくような、そんな作品。なんとなくニヤニヤしちゃう。
終盤、撮影に関心持ってくれない文男に颯子がキレて、文男の喫煙がばれる。多分、離婚してはないんだろうけど、前よりかはサッパリとした空気が流れはじめる。それでも構ってほしい(と思われる)颯子が、追ってこない文男にバカ(だったか)とぶつけるシーンが好き。菊池佳南の怒った表情が何故だかとても魅力的。
クツシタ(オス)とクツシタでないオスの子を妊娠してたメス(名前忘れた)のように、純粋に合う男女関係ってのは中々難しいんだなと。
満足度★★★
転校生
面白い。90分。
ネタバレBOX
金山の演劇論と上岡龍太郎の映像のミックスと、洋画の演劇。
ユニークなのは相変わらずなんだろうけど、若干退屈かな。インパクトって観点で。
満足度★★★★
かぱバス
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。140分(休憩込)。原作未読。
ネタバレBOX
谷賢一が、精神疾患のA氏(一色洋平)の話を聞き取ったという前説で開演。事業に失敗し親友を失ったAが温泉地で精神疾患の河童(三津谷亮)に会い、河童の世界へ落ちる。人間と逆の理論感を持つ河童世界に戸惑いつつも人間と河童の間で揺れるA。そして自殺した精神疾患の河童が降霊され言葉を交わす。親友と重なった光景に人間世界へ戻ると決意するAだったが、人間世界で統合失調症と診断されてしまう…。
(腹を痛めるのはメスなんだから)メスがオスを強姦することが自然で、悲劇は喜劇で、コントは悲劇で、アイドルの落ちぶれ具合が好物で、65歳以上の年寄りは殺され、国会は台本があって、新生児に出生意思を決断させてって、河童の世界観がユニーク。Aが評したように合理的。そして素直。
人間社会への皮肉という趣向でもあるんだろうけど、そこから人間ってどんな生き物なんだという気持ちも湧いてくる。非合理的で感情的で死を恐れて、んで生を苦しく思ってって。結果、Aは河童の世界より人間世界を選び苦しむワケだけど、結局人間に生まれてそこで生きていくことが道理なんだなと腑に落ちた。
降霊した河童に「人間として生まれたいか河童として生まれたいか」とのAの問いに、人間として生きていくとAが応えたところに、人間が人間たる理由がある気がする。
歌とダンスで河童世界のユーモラスな空気が上手く作れてたと思う。歌は聞き取れなかったけど。
満足度★★★
小さな恋の歌
面白い。130分。
ネタバレBOX
一回り上のお姉ちゃんらと一緒に遊んでた、小説家志望の女子高生・道江(万里紗)。憧れの香苗(森岡望)の住むアメリカに、香苗の友人らと遊びにいく。お姉ちゃんらの話を元に書いた小説を披露する緊張した面持ちの道江だったが、香苗は夫・雅俊(酒巻誉洋)と離婚を決めていた…。
序盤の人間関係的な部分、シチュエーション的な部分が飲み込めずってトコにつまずいた。年齢的な差もわかりにくく間宮(工藤さや)と道江は単純に友人かなと。
道江の小説部分はけっこう楽しめた。雅俊の読み上げの抑揚も良かったし。
道江に離婚を言うかどうかを考えるシーンの香苗と雅俊のやりとり自体悪くはないが、長い気がする。内向きなシーンで訴求力に欠けるというか。
年上への憧れ心とそれを受け止める側の心のふにゃっとしたぶつかり合いという感覚。へんにリアリティがある分、舞台的な味付けがもうちょい欲しかった。
満足度★★★
町
面白い。120分。
ネタバレBOX
ちょっと散らかった印象。男も女もかわいいのは相変わらずだけど、舞台的にチャーミングさが薄く引き込まれにくい。セリフの切れももうちょいズバっときてほしいかな。笑えるところが少なめだった(のび太と出来杉の同居は笑ったけど。
舞台テンポはよく、可動するセットの切り替えもスムーズ。照明効果とか衣装も○。チラシデザインもずっと見てて飽きないくらいの出来。OPの映像と音響のミックス加減も素敵。神輿の関係なのか舞台面が高く見やすいのもいい。
ラストの神輿もポイントとしてはいいけど、全体を通してみての効果がピンと来なかった。悪くないけど。
伊東沙保のヘンテコ風味な女性演技は好き。島田桃子の斬り捨てるようなセリフのはき具合も好き。
満足度★★★★
エレメント
面白い。130分。
ネタバレBOX
山田(菅原永二)…若い頃精神病みかけるが、苦情受付の仕事を定年までやりおおす。70後半で認知っぽくなり(年金受給前に暗殺される等)、老人ホームへ入所。一番友達想い。
鈴木(平原テツ)…薬品販売会社を退職するも、家庭内で孤立し行き場を求めたゲーセンで若者にボコされ死亡。息子から暴力を受けていると話していたが実は鈴木が暴力を振るっていた。
森田(岡部たかし)…バイト先の女・純子(安藤聖)と不倫。純子と妻・良子(永井若葉)が繋がっているとツユ知らず、純子と別れることに。一晩で4回した。
津川(用松亮)…酒と焼き芋が好き。俳優。若手女優(安藤聖)にゲロして追放され、舞台俳優になるが、やはり女優(永井若葉)にゲロして無職に。自宅火事で九死に一生を得て宗教の道へ。ヘマやらかした後、死亡。
鈴木の息子(用松亮)…鈴木の葬儀に寝巻きで来て山田に注意される。幼少期、マジックが微妙に下手。
花子(安藤聖)…鈴木の妻。反抗期な息子を庇う。
純子…森田の彼女。バイトをやめて処女デリヘルに勤務。
良子…森田の妻。森田いわく背中で語る系。ガンに苦しみ家族の名を呼び続けるが、森田の名前は呼ばれなかった。
舞台右上に数字が投影されているのが山田の年齢と開演後ほど無くしてわかる。24歳頃の若き日のカラオケ騒ぎから、面々の状況とかが変わっていき、その生き方(というか足跡、爪あと)を描きだす。
カラオケマイクで人物紹介やらナレーションやらをしたり、映像や小道具で保管していく舞台スタイルはテンポも良くて入り込みやすい。会話のユーモラスさも十分で声出して笑える。
おとこたちってタイトル通り男たちの話で、基本人生のツライ部分を描いている。笑えるとこが多い作品ではあるけど、やっぱり苦々しい。こんな苦しさとどう向き合っていくのよと思わなくもない。だた、それでも落ち着くトコに落ち着くんじゃないって気楽さもちょっと感じなくも無い。
宗教団体職員の安藤聖がかわいいと思う。
満足度★★★
ポルナレフ
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。110分。
ネタバレBOX
父殺しの被告となったアリス(加藤晃子)は、名前を呼んでくれる人もなく不眠となり、不思議の国へ迷い込み、名前としてのアリス(渡辺実希)やウサギ(佐々木豊)と出会う。裁判の最中に父が殺された真相を打ち明け、名前としてのアリスを救い出し、自分のヘブンを見つける(母の元へいく)。
話としては、不思議の国へ落ちるアリスの状況とアリスの心の中が見えにくく、それらがミックスされるまでがやや長いと感じた。
四方型の舞台での見せ方はとても上手い。要所要所での照明の使い方とか、人の立ち位置的なとことか。何気に人形がかわいい。選曲もいいと思う。