痕跡 〈あとあと〉 公演情報 KAKUTA「痕跡 〈あとあと〉」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    喜びと罪
    面白い。135分。

    ネタバレBOX

    折出聖子(斉藤とも子)…20年前にひき逃げされ川に流されたとされる息子を再度探し始める。ガンで余命半年。
    沖廣也(佐賀野雅和)…仕事でテンパってた時期、有樹を轢いた。みさをと結婚、子をもうけるも出産直前に罪を告白した。
    黒沢元章(若狭勝也)…事件の近場のバーテン。片目を失明。聖子らに協力する。
    清水英子(高山奈央子)…聖子の義妹。病院勤務。聖子の息子探しに協力する。
    木俣寿和(成清正紀)…フリーカメラマン。聖子の息子探しに協力する。ドキュメンタリーには向いてなかった。
    沖みさを(異儀田夏葉)…廣也の妻。妊娠中。実家が医者。廣也の告白に対して、子に知らせないこと、廣也に子を抱かせないことを決意する。
    仁志田墨助(辰巳智秋)…クリーニング屋社長。ラーラがお気に入り。
    仁志田メイ(桑原裕子)…竹夫が連れてた戸籍のない瞬に戸籍をプレゼントしようとする。
    吉川瞬(小田直輝)…聖子の実子。本当の折出有樹。夫婦ゲンカに家を飛び出し事故にあう。事故前の記憶がない。花子といい感じ。
    折出有樹(大神拓哉)…韓国料理店兼キャバな店の店長。身分を偽り生きる。
    山田花子(多田香織)…中国人。偽装結婚中。
    ラーラ(ヨウラマキ)…中国人。偽装結婚した相手から理不尽な暴力を受ける。
    吉川竹夫(松村武)…クリーニング従業員。瞬を助け、そのまま息子として育てる。聖子と相対し自首を決意する。

    円形でも見にくいと感じることがなく、スムーズでストレスは少ない。見せ方が上手い。全体的にトーンが暗めな作品だけど、笑えるとこはもうちょい欲しかった。

    死んでるだろう息子を探す母って、ありがちな設定ではあるけど、群像劇としてしっかり魅せてくれた。ラスト、花子とデート中に聖子と瞬が接触し、間をおいてハッする聖子。暗転して置き去りにされた自転車で幕という広がりのあるエンドもいい。竹夫の元へ帰ると話していた瞬、今更だと言いきった折出、病の母という要素が、今後どこに向かうか興味をひく感じがいい。

    竹夫が自首した際の独白シーンの、どん底で希望を得た感と罪悪感より喜びが勝っていたという身勝手で正直な感覚が好きになった。
    廣也の告白に対して冷たく落ち着いて、何故言ったと放つみさをのシーンがいい。子という喜びを得つつ夫の罪を抱えるという、竹夫と重なるような感じがね。竹夫と違い、女性的な強さが印象的だけど。

    身分を偽り生きる折出有樹の存在が何気にいい。ナチュラルに嫌な感じで底辺で生きている感が出てた。社会的に存在していないようなどーでもいい存在でも、生きている以上なんとか生きないといけないというもどかしさというのか。本当の有樹と紙一重な存在でもあるし。

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    2014/08/13 11:21

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