痕跡 〈あとあと〉 公演情報 痕跡 〈あとあと〉」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-20件 / 31件中
  • 満足度★★★★★

    鳥肌モノの舞台
    そして、「生(身)の人間」が舞台の上にいた。

    ネタバレBOX

    KAKUTAは具象的なセットを組んで、ガッツリ芝居を見せるという印象がある。
    なので、円形劇場でどう見せるのかと思っていた。

    不法投棄で汚れている川があるような気配と手すり、そして、机だけでシンプルにKAKUTAの芝居をガッツリ見せてくれた。
    たいてい円形劇場や舞台の周囲を囲んで(コの字型も含め)見せる場合は、どちらかを、やや正面としていることが多いのだが、この舞台は違った。
    机で向かい合うシーンも、いつの間にか机を回していて、角度を変えてみたりして、全方向に見せてくれるので、囲み型にありがちな観劇のストレスはない。
    円形劇場でしか味わえない感覚を見事に演出していた。

    その結果、さらにぐっと物語へ、登場人物たちへ集中できたのではないだろうか。

    タイトルの『痕跡』は「こんせき」ではなく、「あとあと」と読ませる。
    どちらも「あと」なのだが、その意味が少しだけ違う。

    「痕」は「傷痕」の「あと」だし、「跡」は「遺跡」や「軌跡」のように、何かが起こった「あと」である。
    まさにそういうストーリーだった。

    ストーリーの展開で先に進むというところもあるのだが、それよりも「役者」で見せる舞台だったように思う。

    「生(身)の人間」が舞台の上にいた。

    何度も鳥肌が立ちそうになり、感情を揺さぶられるシーンがあった。
    それは、つまり「“生(身)の人間”が舞台の上にいた」からではないか。
    演出が巧みで、かかわりのなさそうないつくかのシーンが有機的につながっていくストーリーなのだが、そうしたつながりは当然役者さんたちは知っているのだが、そうとは感じさせない「その時間の中に生きている人」になり切っていたからだと思う。
    そうした、彼らの姿は、単に今、眼前にいる「役」だけのものではなく、背景を観客に感じさせるから、「人」が見えてくるのだ。


    母役の斉藤とも子さんが、とにかく素晴らしい。
    何年も子どもを捜し回っているという姿が、痛々しいが、同時に強さも感じさせる。
    だから、ラスト、自転車を放り投げるようにして駆けだしていく姿には涙を禁じ得なかった。

    松村武さんの地に足が付いた感じの、泥臭さがある人間描写がさすがにうまい。

    異儀田夏葉さんの、前半の、明るさと(観ている側は、何かがあるな、と勝手に想像するのだが、それを寄せ付けないような自然さがいい)、後半の決心の姿が素晴らしい。彼女の目にためる涙が(流さないところがうますぎる)、事態の衝撃と、それへ対処する強さを前半の明るさからラストまで一貫して見せてくれた。

    韓国料理店の店長を演じた大神拓哉さんの、あとから恐くなる感もいい。
    ほかの役者さんたちもみんなうまい。
    無駄が一切ない。

    この作品、再演したらまた絶対に観ると思う。
    そのときに、円形劇場がないかもしれないと思うと、とても悲しい。
  • 満足度★★★★★

    円形劇場を十分に生かして
    物語が精緻に組みあがるなかで
    時間や想いのありようが呼吸をもち
    観る側のうちで鼓動を始める感じがしました。

    ほんと面白かったです。

    ネタバレBOX

    円形劇場ならではの出捌けが
    戯曲に仕組まれた様々な伏線が、
    単に線から面をつくるにとどまらず
    いくつの方向にも重なり、描かれる時間に立体感を編み上げていく。

    誰の視座で見るという感覚ではなくなり、
    登場人物たちひとりずつの想いが円形の空間に折りあがるような印象に
    深く浸されました。

    ほんと、面白かったです。
  • 満足度★★★★

    あぶない
    危うく観逃すところだった。

  • 満足度★★★★★

    泣きました
    ものすごく泣きましたよ

  • 満足度★★★★

    2回目のKAKUTAさん
    3月に『彼の地』を観劇してからの2回目の劇団様。
    『彼の地』が白なら痕跡は黒な感じ。ぃゃグレーかなぁ?
    人の気持ちや行動が紙一重でこんなに変わるのか!!
    って思わされました。

  • 満足度★★★★★

    言葉もなく
    最高にいい作品でした。でした。過去形ですが、間違いなく自分の中のベストなお芝居でした。★5つ以上!!

    ネタバレBOX

    年相応の役者さんたちが劇団の厚みを感じました。特に若手のメンバー(瞬役の人とか)がとても負けてなかったです
  • 満足度★★★★★

    泣かずにいられなかった。
    本当に、素敵な作品だと思う。

    ネタバレBOX

    全く別の立場の「母」の姿。それぞれの気持ちが理解できるからこそ、心が痛くて仕方なかった。
  • 満足度★★★★★

    最終日観劇
    極普通に暮らし細やかな暮らしの中で支え合って生きがいを見つけ、悔悟と一期一会の出来事を繰り返す、それが人生の機微というか。華美さはなくとも様々な年輪が蓄積し気づけば自然に涙が零れそうになる。
    様々な夫婦の愛情の形、これから共に歩みだそうとする2人の容易ではない今後、「見ちゃったから」ほっとけず「聞いちゃった」という行動の生きる事への正義感の持ち方等々。
    いろんな事を詰め込み、それらを突きつけられ複雑な思いになりつつも、良い余韻の痕が残った素晴らしい舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    初KAKUTA
    20年近くぶりの青山円形劇場でKAKUTAという劇団の芝居を初めて観ました。
    円形舞台の特性を活かした演出に楽しませてもらいました。
    そしてなによりKAKUTAという劇団の描く人間模様に引き込まれた時間でした。

    16日は雪山デーということで、観劇後にこんなに笑わされるとは思いませんでした。
    この雪山デー楽しさにくる常連さんもたくさんいるのでしょうね。

  • 満足度★★★★★

    初日観劇
    久々に納得できる演劇だった。都内は大雨で、出てくるだけでも大変だったのだが、その苦労を笑わせてくれる素晴らしい内容だった。まぁいろいろ小さな点で突っ込みどころはあるにしても、劇作、演出、役者陣、すべてがベストマッチしたのではないかなと。

    ネタバレBOX

    最終的にどうなるか分からないけれど、今年の演劇関連の賞には何かしら引っかかるはずだと思ってます。もし受賞できないのだったとしたら、他にも優秀な作品が多いこと(これなら仕方ない)、ないしは選考委員が旧態化して「今」を見る力が無いか、そのあたりでしょうね。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    実力ある劇団が丁寧につくりあげてます。
    最初の数分で演技力の高さに惹き付けられます。
    気になったのは物語の核心に入るまで長かったのでそこを縮めて2時間以内にまとめてほしかった。ただ今回は事件の真相がメインではなく事件後の被害者加害者たちのその後の生き方、真相を告白したあとの気持ちや生き方がメインだったのでまあ仕方ないのかな。

    ネタバレBOX

    最後の懺悔の独白シーンは鳥肌がたちました
  • 満足度★★★★★

    おすすめします
    東京公演は明日一回で終わりですが、まだ観てない人は青山へ。
    これは、見逃せない作品ですよ。

  • 満足度★★★★★

    凄すぎる。
    もう一度見たい。DVD出たら絶対に買います。

  • 満足度★★★★★

    すばらしい舞台でした☆
    初めての青山円形劇場で 期待と不安がありましたが、 とても良かったです。   最前列だったので 役者さんとの距離が近い近い!  見てるこっちがドキドキしてしまいました。  

    お芝居は とても真面目な内容でしたが、 所々笑える場面もあり、 すごくバランスがよくて、 心地よくて、 大満足でした☆        4.7点

  • 満足度★★★★★

    深い舞台でした
    事件と登場人物の関係が、どんどん繋がっていく脚本が、よく出来ているなぁと思いました。加害者・被害者、それに関わる人達のそれぞれの想い、それぞれの愛・・深い舞台だと思いました。重い内容の中にも、笑いがあったりして、ほっと出来ました。色々考えさせられ、何が正しいのか分からない感じがしました。そして、役者さん達の演技力も素晴らしく、とても惹き込まれました。素晴らしかったです!

  • 満足度★★★★★

    贖いの日々
    すごく良かったです。ある家族の出来事で十数年に及ぶ葛藤、加害者も同じ気持ちだと思います。偶然なのか、加害者被害者は意外なところにいて交わりそうで交わらない状況に見ていて引き込まれていきました。ただ、このような事件は現実でも起こっていることだと思います。しっかりと償いはしないといけませんね。

  • 満足度★★★★★

    とてもよかった
    KAKUTAのお芝居、初めて観ました。だんだん物語に吸い込まれていました。なんかわからない中国人役の人も良かった。脚本も良かったのではないか。だんだんストーリーがつながっていく展開がいい。円形劇場をうまく使ったなぁと。最後の伝説の司会者も笑えた。

  • 濃密。
    凄いお芝居だった。
    一瞬の出来事が、後々になって、痕。跡。「見ちゃったから」ほっとけない、「聞いちゃった」から苦しい。胸に、どくん、ときた。
    2時間15分、映画のような、でもやっぱり舞台でしかできない魅力が詰め込まれた作品。円形劇場を最大限生かした演出良かった…。
    普段生きていて何となく気付いていたけど無意識のうちに避けて言語化してこなかったことが、お芝居という形で浮き彫りにされて、ばーんとこちら側に突き付けられた感じ。
    成清さんは相変わらずかっこいいし、異儀田さんの存在感たまらないし、やっぱり桑原さんすきだなぁ!
    改めて、KAKUTAという劇団、好きだなぁと感じたのでした。

  • 満足度★★★★

    しっかりと作りこまれた作品
    初観でしたが、円形劇場を上手く使い、時の流れの使い方なども巧かった。各k各キャラクターの設定やエピソードなど、きっちり計算された作品を久しぶりに観たので、観終わった後疲れた。。。

    ネタバレBOX

    ・最前列だったので、照明による紹介文字が見えにくかった
    ・同様に最前列だったがために芝居上の水しぶきが飛んできた
    ・でも最前列だったので、満喫できた
  • 満足度★★★★★

    丁寧な芝居
    話はオーソドックスな方だったと思う。
    基本的に誰がどんな事情でというのが客側から簡単にわかる形で進行していく。
    予想出来るところは出来るし、ああ、そうやって深く関わっているのかと感心させられる部分もある。

    なんでしょう、誉め言葉になるかわかりませんが、昭和期の今でも何度見ても面白いドラマと同じニオイがした気がする。
    まあ、描かれた時代のイメージもあると思うけど。

    丁寧につくられた芝居だと思う。
    奇をてらわない、ただただ芝居を観たい人程はまるんじゃないかと思う。

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