unicornの観てきた!クチコミ一覧

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わが家の最終的解決

わが家の最終的解決

Aga-risk Entertainment

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2016/05/04 (水) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★

解決
面白い。125分。

ネタバレBOX

ゲシュタポの一員のハンス(甲田守)は、ユダヤ人の彼女であるエヴァ(熊谷有芳)を匿いつつ、自身の仕事を隠している。ツテで手に入れた戸籍書類を使用し彼女と幸せな結婚をしたいと思っている矢先に、エヴァの家族をも匿うこととなる。そこに、ゲシュタポ同僚や上司、上司の娘、姉夫妻、隣人などが次々やってきて、ハンスと使用人のアルフレッド(矢吹ジャンプ)は、秘密を隠そうと躍起になるが…。

二時間という時間も気にならない、スマッシュヒットな笑いが炸裂する作品。純粋に楽しめた。
特に、ハンスの同僚のルドルフ(塩原俊之)とエヴァの父オットー(藤田慶輔)らのゲシュタポ仕事のくだりは最高だった。人間じゃないんだから、とか。
質の高いコメディで、役者も上手い人が多かった。特に使用人のアルフレッドは定番なポジションを安定して演技できてた。あと、ハンスの姉マルガレーテ(鹿島ゆきこ)の夫フリッツ(伊藤圭太)も好き。

ラスト、ハンスが家に戻り再度アルフレッドを呼びよせると、ナチ狩りが始まっていることがわかる。なぜ家に戻ったんだと問うアルフレッドに、柱の隠し部屋にルドルフを隠していることを明かし、また隠し事が始まるというオチも、パワーがあってサッパリとした気持ちで終幕できてた。
ナチス系の凄惨な物事をコメディなエネルギーで突き破ったような感覚。

エヴァらと逃げる算段をつけようとするシーンはやや緩んだ気がするけど、いい作品と思った。
わかば

わかば

うさぎストライプ

アトリエ春風舎(東京都)

2016/05/01 (日) ~ 2016/05/09 (月)公演終了

満足度★★★★

ウェディング
二回見たけど面白かった。

ネタバレBOX

男は、束縛され(それを受け入れ)つつも「ここから出してくれ」と叫び(OP)、いざ出るとなると臆してしまう(ED)…そんな子供っぽい男を温かく見守るような作品かな。そう考えるとあんまりキモくもないかな。むしろ愛らしい作品なのかもと思い始めた。

自分を受け入れてほしいと思うから相手の要求を受け入れ、こっちも要求したりして、そこに安定した関係が生まれる。ちょっとした不満を感じつつも、なんだかんだ、それが日常なんだなと。こう書くと面白味がないような感じもするけど、細かなとこで妙な質感のある作品だからか、面白いと感じたんだと思う。
ザ・レジスタンス、抵抗

ザ・レジスタンス、抵抗

Wけんじ企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/04/28 (木) ~ 2016/05/11 (水)公演終了

満足度★★★★

ED
2回見たけどやはり面白かった。

アンコールの夜★ご来場ありがとうございました★

アンコールの夜★ご来場ありがとうございました★

KAKUTA

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★

女を読む
面白い。115分。

ネタバレBOX

川上弘美「エイコちゃんのしっぽ」
派遣会社勤務のわたし(多田香織)と小さなしっぽのあるエイコ(とみやまあゆみ)。わたしが派遣先の男にラブホに連れ込まれそうになり、エイコに助けてもらう…。
軽めな作品。笑いもほどほどでいい入りかなと。

小池真理子「生きがい」
飛行機事故で夫と息子のツトムを亡くした私(磯西真喜)が、私の経営するアパートの住人・ノボル(松村泰一郎)の看病で生きる希望を得ていく。ノボルの快復でイライラをぶつけるも、心を打ち明けお母さんの代わりになりたいと告白する。ノボルは母にはなれないと拒否し、あなたは男だと告げ、私はツトムの母でなく父であったと悟る…。
ちょい異常な空気感の作品。狂気じみたとこもありつ空気を高め、オチに繋げる。私の息子を亡くした悲しみと世話したいという欲求が、暗いトーンで描かれる。いい作品。

西加奈子「炎上する君」
以前のアンコールの夜でも観劇した作品。以前より面白く感じられた。終盤の、女であることを呪い男を呪ったという心の声で重めな質感も出しつつ、基本笑える作品になってた。脚が炎上するというファンタジーな側面もありつつ、見ごたえ十分な快作。

江國香織「いつか、ずっと昔」
浩一(成清正紀)と桜を見ているれいこ(四條久美子)は、以前ヘビだったと思い出し付き合ってたヘビと昔を語る。さらに昔は豚だったと思い出し付き合ってた豚と昔を語る。さらにうば貝だった昔を思い出し…。気がつくと目の前に浩一がいて…。
結婚前?の女が振り返る昔の男たち。桜舞う中、決別する力強さとちょっとの祝福感に包まれる。静かだけど、奇妙さと寂しさが同居してジンとくる作品だった。

桑原裕子「女を読む」
弁護士のナオミ(高山奈央子)とアシスタントのアソウ(若狭勝也)は離婚する意向を固め、離婚する。なんで離婚したんだっけとどこかふわっとしたナオミに、アンコールの意味を語るアソウ。先を行くアソウに、静かにアンコールを送るナオミ…。
シメっぽくない別れで描いていき、情感を徐々に出していき、なんとなく同調しちゃう、そんな作品。


変に女女してなくて、率直に楽しめる作品群。カラっとした感じと湿った感じのバランス感覚が上手いと思った。
家がわらってる

家がわらってる

ふじきみつ彦

劇場MOMO(東京都)

2016/05/03 (火) ~ 2016/05/08 (日)公演終了

満足度★★★

アリバイ
面白い。75分。

ネタバレBOX

夙川アトムと川島潤哉の兄弟の実家で、夙川の彼女である富田真喜の三人でお茶していると、無名アコーディオン奏者の吉田亮がやってきて、お前ら誰だとなる。実は、両親が亡くなった時点で実家を売っていて自分らの家じゃないんだと告白する兄弟。そこに吉田の妻であるファーストサマーウイカが帰ってきて、川島を亀甲縛り?する。さらに川島の妻である島田桃依がやってきて、二人の中は冷めていて、第一子の父が夙川なんじゃないかと疑っている、そして実家であるここが一番落ちつくんだと、川島は打ち明ける。そうして、冷蔵庫に勝手入れたバースデイケーキを食べようと準備をし、吉田とファーストサマーウイカに、一緒にどうですと誘いをかける…。

兄弟の微妙にズレた人間性とか(富田のヤリマン遺伝子もいいけど)で、やや厚みをもたらして、ちぐはぐな感覚でもって描かれたような作品。
笑いどこもちょいちょいあるけど、スマッシュヒットな感じではなかったのが残念。笑いが小粒な感じというか。時間が短いからそこまで何かがあるワケでもなく、ラストのオチもパンチは弱め。チケット代を考えるともう一声なにかあると良かったかな。
わかば

わかば

うさぎストライプ

アトリエ春風舎(東京都)

2016/05/01 (日) ~ 2016/05/09 (月)公演終了

満足度★★★★

かわいくてキモい
面白い。75分。

ネタバレBOX

妻わかばがいない部屋でわかばとの約束のため縛られ赤いヒールを履いて過ごす浩司(亀山浩史)とわかばの妹で居候中のふたば(菊池佳南)。わかばと社交ダンスで知り合った浩司は、社交ダンスの練習中だけ縄を解くという生活。かいがいしく世話するふたばは、浩司と同じ会社(ブライダル)にバイトとして働くこととなり、家を出ると浩司の顔色を伺うも浩司はドコ吹く風。わかばの代わりになりたいと、ふたばは思い切って告白し新たな生活が始まる。そしてふたばは妊娠し、わかばと名づけようとする浩司に、絶対男の子を生むと固く誓う。そうして、ふたばに見送られながら、浩司は恐れながら家を出る…。

序盤の妙な立ち上がりにうーんとなるも、しっかりした話の中にユニークさとおどろおどろしさが内包されてて、終盤いい作品だなと感心した。笑いをとってた食事(ぬいぐるみ)も生々しさの象徴にように見えたし、ベッドの下(のわかば?)に話かける浩司とか子作りを迫るふたばとか、舞台のファンシーな色調とはウラハラにドロっとしてていい感じ。
わかばとの約束(呪縛)に絡められつつもふたばと「普通」の生活を得ていく浩司と、ふたばのお腹の子がリンクするラスト。母の愛情(出産の構造上母体)に包まれた人間が世に出て、晴れて普通になっていく。本作だと、わかばの浩司に対する愛情は異常性をもって表されるけど、母と子の愛情ってドロっとしたものなのかなとちょっと思った。

亀山のわかばに縛られていることに鈍感な様も、いつしかノーマルなように見えて、独特な雰囲気が出せてたと思う。菊池のニコニコしたスマイルと浩司にボコされ焦るリアクション(笑顔のまま)が上手いなと。作品のかわいさ部分をしっかり担えてた。それでいて、わかばの代わりになりたいという、陰な感じも両立できてたと思う。
ザ・レジスタンス、抵抗

ザ・レジスタンス、抵抗

Wけんじ企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/04/28 (木) ~ 2016/05/11 (水)公演終了

満足度★★★★

クローゼット
面白い。130分。

ネタバレBOX

夫(山内健司)…ED。神埼と不倫している。
妻(川隅奈保子)…夫と疎遠。塚本に乳を揉まれ、箱根旅行にいく。
照男(朝比奈竜生)…息子。お父さんっこ。卒業後、サカイと渡米し結婚すると夫に告げる。
サカイ(前原瑞樹)…照男の友人。ともに国会前デモに参加。父がいないため夫に父親像をみる。
神埼(坂倉奈津子)…社員。夫のEDに傷つく。結局、喜多川と付き合いだす。
小野寺(鄭亜美)…社員。社内恋愛禁止だけどタチバナと付き合う。そのことを夫に相談して泣き出す。喜多川に抱かれた。
タチバナ(折原アキラ)…社員。新婚だけど、以前から付き合ってる小野寺との関係も続いている。夫に相談して急に泣き出す。
山田(永井秀樹)…夫の同僚。逆EDで、色々なものに発情する。
喜多川(串尾一輝)…新人社員。生まれたての子羊のくせに巨根。(多分)小野寺に刺された。
塚本(大竹直)…医師。妻とは大学で同じサークルだった。4回離婚してる。
溝口(石川彰子)…看護師。塚本と妻が元恋人だと予想する。
新庄(端田新菜)…医師。ED治療のため夫の心の底をかきまぜる。

130分はやや長めだけど、退屈することもなく楽しめた。エロ部分はいつもどおりちょいちょい入って日常の裏側的な面白味も十分。笑いどこも多目かな。照男とか喜多川とか。ラストシーンで、夫と照男がシリアスな話してる脇のベッドでケーキを頬張る新庄と溝口というシュールさ(フィクションさ)が印象的な舞台だった。

夫が人生とか色んなものに抵抗するという作品のようだが、折角直ったEDも神崎に使用することもなく不発に終わり、唯一の心残りという息子からはゲイをカミングアウトされボコボコになるという(会社は排ガスの不正問題があり、妻は不倫してるし)なんとも辛らつな作品。中身がシンドイのにそれをあんまり感じさせない、非日常な雰囲気に仕上げたのが良かった。
MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU

東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)

2016/04/21 (木) ~ 2016/05/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

「戦争に行ってきた」「その好きは通らない」
面白い。90分(休10分)。

ネタバレBOX

「戦争に言って来た」(55分)
五味(福原冠)…反戦団体メンバー。(戦場)カメラマン。シリアで捕らえられた際に手首を切り落とされそうになる。グロ画像を平和団体に売買して身銭を稼ぐ。
浜口(古市みみ)…反戦団体リーダー。ラブ&ピース&マネーの内、ラブに比重を置いていて、五味らに愛想尽かされる。
青野(青木友哉)…反戦団体メンバー。ピースに重きを置くが銃が好き。真面目で存在感がない。
真弓(井神沙恵)…夫婦デュオのヴォーカル。幹雄の前は田中と結婚してた。
幹雄(村上航)…夫婦デュオのギター、コーラス。真弓ともども「勝ち組」を自覚し、ふわふわ浮ついた感覚で生きていて、五味らにナメた態度をとる。
田中(三原一太)…真弓らのマネージャー。青野、真弓、幹雄は軽音楽部の教え子。浜口といい感じになるも、印宮にボコされる。
印宮(加藤隆浩)…上階に住むヤクザ。田中をボコる。
真梨恵(大森茉里利子)…印宮の女。青野曰くビッチ。

イケてる夫婦デュオにカラまれ、変な敗北感を味わう五味と青野。反戦とか金とか、自分の存在意義とかに想いをめぐらせていると、印宮と浜口らが外でモメはじめ、青野はモデルガンをぶっ放し状況は深刻化する。青ざめる真弓と幹雄に、これも現実だと五味はいい放つ…。

欲望と思想の反戦団体のいかがわしさや、一般人とかけ離れた成功者のダークなとこをチラチラみせつつ、ユーモアと皮肉でもって味付けした佳作。シーン毎のバランスも良く、気持ちよく(内容的には気分悪い)見ていられた。自分の左手首にアイデンティティ?を持つ(一方でカネに執着する)五味の、苦悩がグッときた。福原の持つ独特な雰囲気がいい感じに引き立ってた。

「その好きは通らない」(20分)
加藤…年配社員。家庭あるが古市と不倫疑惑あり。
三原…ナルシスト。
福原…サッカーをナンパの道具とする。
青木…真面目。トンがっている自分が好き。古市のことが好き。
村上…ヤンキー。カラーギャングやってた。
古市…禁煙中。
沙恵…かわいいから、なにしても許されちゃう。
大森…派遣社員。タバコ占いができる。小4から喫煙している。加藤のことが好き。

「戦争~」とは一転して、こじんまりとした作品。けど、とても笑えた。青木がいいキャラしてた。なんとなくほほえましさもあり、〆の作品としても良作と思う。
『カガクするココロ』『北限の猿』二本立て公演

『カガクするココロ』『北限の猿』二本立て公演

こまばアゴラ演劇学校“無隣館”

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/04/07 (木) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★

北限の猿
90分。面白い。

ネタバレBOX

カガクするココロと同じ実験室(数年後の話のようなテイ)。「ネアンデルタール作戦」が実行に移りつつあり、さまざまな分野の研究者が集まりつつある中で、サルとヒトとの違い、そして人の愛憎に焦点を当てていく。

スケコマシで妻子持ちの久保(森山貴邦)と、学部生の吉川(鶴田理紗)とか過去になんかあった清水(南波圭)らの話を中核に、サルの生態と人の性な部分の謎に問いかけていく。サルも人も遺伝子レベル?で一緒とか、日本のサルが日本人に似た(その逆?)とか、野生のサルにボス猿はいないとか、色々雑学な面白さもありつつ、じゃあ人ってどんなよという一点に目を向けさせてくる。90分、興味惹かれっぱなしだった。
ラスト、久保の子を妊娠している吉川が部族の間引き的なコトを独りしているとこに、過去に傷ついたであろう清水がやってきて二人外に出て行く。生き物の進化、そして命とはなんなのかという広がりが感じられるいい作品だった。
『カガクするココロ』『北限の猿』二本立て公演

『カガクするココロ』『北限の猿』二本立て公演

こまばアゴラ演劇学校“無隣館”

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/04/07 (木) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★

カガクするココロ
面白い。105分。

ネタバレBOX

大学の生物学研究室。ネコバス教授の「ネアンデルタール作戦」のような猿を人に近づける的な研究の話題から、恋愛等のヒト的な話題がひしめく群像劇。

安岡(山本真理)と付き合いつつも、妹の友人(寺田凛)を妊娠させちゃう小島(尾崎宇内)とか、バツイチ出戻りの大山(海津忠)に片思いな清水(新田佑梨)、その清水に片思いな戸田(横田僚平)、同じ院生との離婚沙汰で自殺未遂した西田(林ちゑ)とか、色んな思いが渦巻くラボ(の控え室)。
けっこう見ごたえあった。なんとなく「北限の猿」の方が好みだけど。

セールスマン(小寺悠介)と事務員・平山(宮部純子)はいいアクセントつけてた。あと、戸田はけっこう好きなキャラかな。
深海大戦争

深海大戦争

パラドックス定数

上野ストアハウス(東京都)

2016/04/05 (火) ~ 2016/04/10 (日)公演終了

満足度★★★★

戦争
面白い。115分。

ネタバレBOX

初演?(34項)も観劇。
初演?の続編(初見でも物語的に楽しめるけど)。大王烏賊兄(千代田信一)と皇帝ペンギン(大柿友哉)の配役が変更されてた。

大王烏賊の弟が鋼の鳥の卵で抹香鯨へ復讐を開始し、同時に人間らも戦争を始める。そんな渦中にあって、和平を望む抹香鯨仔や頂点を目指す鯱、大王烏賊らの想いに揺れる皇帝ペンギンらの思惑と気持ちが渦巻く展開。
抹香鯨父を庇い、卵によって死ぬ抹香鯨仔や抹香鯨父に殺される鯱、そして抹香鯨父と大王烏賊兄の一騎打ちなど、全員が死に絶える壮絶なラストへと突き進む。

34項のドキドキ高揚する感じから一変、それぞれの内面にスポットを当てた調子になっていたが、ややドラマ性が薄いかなと思う。そのせいか抹香鯨親子や抹香鯨父と鯱、大王烏賊兄弟や、皇帝ペンギンの気持ちに乗り切れなかったかな。もうちょい濃い目な感じが欲しかった。
知性を得て「進化」した大王烏賊弟の苦しみや、「神」の概念を知った抹香鯨父という、惹かれる箇所も気分的には淡白に感じてしまった。

とはいえ、心くすぐられるワクワクする側面もあって楽しめた。シーシェパードネタは1回だけで良かったけど。
あくまで別種族と殺し合いをした彼らと、同種族で殺し合いをする人間の差は、やはり知性なのかしら。
ドロボー・シティ

ドロボー・シティ

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2016/03/25 (金) ~ 2016/03/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

日記
面白い。70分。

ネタバレBOX

ミヨ(篠本美帆)…ドロボー。まっとうなツッコミ。
ツキホ(宮本奈津美)…ドロボー。フジコの裏切った日記にダメ出しする。
イツエ(田代尚子)…ドロボー。12で出産した。
フジコ(伊達香苗)…ドロボーミヨらを裏切ろうとしたことを日記につけてた。
リス(野村梨々子)…イツエの娘。とりあえず窃盗する。
白井(松木美路子)…ドロボー。タイガードラゴンの旧友。
発田(園田裕樹)…ドロボー。子が生まれるがドロボーは続ける。
中山(堀靖明)…ドロボー。白井発田へのツッコミ役。
タイガー(山田百次)、ドラゴン(根津茂尚)…ドロボー。かっこよさを追求する。

宝石店を狙うミヨら一派の家にドロボーに入った白井ら一派、ミヨらの獲物を横取りしようとするタイガー&ドラゴン(&フジコ)ら一派の、駄弁劇。
ナチュラルに笑える快作。発田のとぼけたボケと中山のツッコミ的なコントなシーンも好きだけど、ツキホのフジコへのカラミシーンが好き。「裏切りは女のアクセサリー」に笑い転げるツキホに幸せを感じた。イツエとリスの親子も、いい味出してた。
東京ノート

東京ノート

ミクニヤナイハラプロジェクト

吉祥寺シアター(東京都)

2016/03/24 (木) ~ 2016/03/28 (月)公演終了

満足度★★★

美術館
面白い。80分。

ネタバレBOX

青年団の東京ノートは数年前に見た。ヤナイハラミクニ演出ということで、どーかなと思ったけど、結構面白かった。
舞台の外側の戦争という空気をまとった東京ノートだけど、本作は結構ストレートなとこがあって、わかるようになってたのかもしれない。

ノイジーな感じも気に入った。
水

sons wo:

アトリエ春風舎(東京都)

2016/03/15 (火) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★


70分。

ネタバレBOX

淡々としてよく判らず眠くなった。でも他の客さんは結構しっかり見てた。面白味は感じなかった。
カムアウト

カムアウト

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2016/03/19 (土) ~ 2016/03/31 (木)公演終了

満足度★★★★

水中花
面白い。165分。

ネタバレBOX

サヨ(宗像祥子)の父(鴨川てんし)の自転車屋跡に住まう、レズビアンな女たちを描く。

レズビアンという意識と戦う女たちとか、近隣住民や親族、公権力と闘う女たちという感じで話が進む。取り壊しの日、サヨは死んだ父やカシマさん(都築香弥子)らとの別れ、本当は好きだったケイコ(百花亜希)とも別れ、独り生きていく…。
時代性というものがあると思うから、当時はショッキングだったのかなと。ショッキングさよりも、自己の内面と向き合う姿とかに、グッときたかな。あと、サヨとアイコ(序盤の雨の女)(高瀬弥生)のシーンとか、カシマさんとのシーンは、いい感じに生温かさがあってよかった。

飽きること無かったけど、ちょっと長いと感じた(実際二時間半超だし)。ラストもさらっとした感じが好きってのもあるけど、時代性なのかな。
マッチ売りの少女

マッチ売りの少女

天幕旅団

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

マッチ
面白い。80分。

ネタバレBOX

女(渡辺美希)…元マッチ売りの少女。2子の母。戸籍を調べて初老の男宅にやってきて、自分は娘だと言い張る。
弟(渡辺望)…女の弟。全身アザだらけ。女を卑しいと哀れむ。
初老の男(佐々木豊)…自称善良な市民。娘がいたが、事故で亡くす。
妻(加藤晃子)…男の妻。歌が上手。

マッチを売ってパンツをみせて飢えを凌いでいた女が成長し、男らの娘として来訪する。男も妻も善良な市民像で対応するが、やむなく女を受け入れる。さらに女の子や弟もやってくる。ビスケットを勝手に食べたとして弟を叱咤し女は眠りにつく…。

元の作品は未見。
家庭に憧れる女の少女性と少女であった頃の卑しい思い出が交差する中盤は好き。弟を虐待するシーンはもっと辛らつでもいいかな。テーブルで眠りに沈む女が、「マッチ売りの少女」の死と重なるようで、悲しくてちょっと美しい。
対しての、初老夫婦のお上品さと困惑加減も見ごたえあった。

絵画調のチラシデザインも好み。
ワークインプログレス・子どもたちは未来のように笑う

ワークインプログレス・子どもたちは未来のように笑う

遊園地再生事業団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/03/05 (土) ~ 2016/03/16 (水)公演終了

満足度★★★★

妊娠
面白い。80分+AT30分。

ネタバレBOX

子どもや出産をテーマに、朗読して劇してという作品。ワークインプログレスの意味ってよくわからんが、作品として楽しめた。

始発とか終電のくだりがくだらなくて笑えたし、全体的になかなか濃淡があったかな。ラストのダウン症の子(障害児?)が生まれるかもという女と、生めという姉と生むなという店員のとこは、もうちょい刺さってくる感じがほしかった。

あと、落合監督のエッセイは、(テーマと外れてても)面白かったし、胎児の女の子の子宮には一番卵子があるというのもへーとなった。民俗学(橋とか水子の関係)の本も、非常に興味惹かれた。

ATでアホと言われた大村わたるの秋の演技に期待している。
友情

友情

映画美学校

アトリエ春風舎(東京都)

2016/03/03 (木) ~ 2016/03/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

とんかつ大戦争
面白い。95分。

ネタバレBOX

スガボン…二瓶に腕もげられた。和幸の元バイト。
カトリ店長…腕切るのが好き。90年台前半のAV女優顔。
飯島…和幸の従業員。店長のこと好きだったけど、もっちゃんと恋に落ちた。
もっちゃん…和幸のバイト。おっぱい大きい。
込山…渋谷ハチ公前で挨拶してタバコの吸殻拾ってる人。ラスト、飴をもらって笑顔になった。
二瓶…スガボンの腕を取り戻すため、店長に腕を差し出した。
地下鉄の乗客…二瓶と込山に飴渡した。
コタニ…新宿さぼてんの店長。和幸の腕切り落としメソッドを盗もうとした。
フェイフォン…さぼてんの従業員。調理鉈の扱いに長ける。
包帯の人…バイアス様。さぼてんの社長。宙に浮ける。
若手…さぼてんの従業員。映画美学校に通う俳優志望でなんとかメソッドを会得している。
バイト…さぼてんのバイト。若手同様俳優志望。
隣人(鈴木智香子)…青年団所属。スガボンの隣に住んでてクレーム言いに来たら腕切断された。
トキ…まい泉の社長。メキのダンナと1回だけしちゃった。
メキ…まい泉の副社長。トキの初恋の人と1回だけしちゃった。トキの浮気を呪いながら昇天。

「堀船の友人」の拡大版ということで、登場人物や展開に広がりがあった。相変わらずのトンデモ展開ながら、ナカゴー的なクドさがなく、素直に笑えたので満足度は高い。絶叫の応酬もあんまりなかったし。素直な作品になってた。

腕切断時の黒子が腕を壁に叩きつける演出とか地味に好き。あと、店長の切断前の「三匹の子ブタ」の問いかけも好き。店長いい表情と声してた。
This is 30

This is 30

シンクロ少女

スタジオ空洞(東京都)

2016/03/01 (火) ~ 2016/03/02 (水)公演終了

満足度★★★★★

30
面白い。75分。

ネタバレBOX

初演同様面白かった。

家族っていいなとか、先を考えるの苦手だなとか、そんな想いを胸に見てた。迷いもイライラもトラブルもあるのが人生なんだなと、笑いながら改めて思い出しました。

何気に、どんな状況でもキレない兄貴(泉政宏)はやっぱり兄貴なんだなと、ちょっと感心した。
クラッシュ・ワルツ

クラッシュ・ワルツ

刈馬演劇設計社

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/02/26 (金) ~ 2016/02/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

献花
面白い。90分。

ネタバレBOX

イガラシ夫(二宮信也)…マンション建設(販売価格の下落防止)のため、交差点に花を添えないようミタやクドウに土下座する。
イガラシ妻(おくりまさこ)…クドウが花を添える姿をぐっと見守ってきたため、献花には賛成。夫が何も説明してくれないことが不満。交差点の危険性を訴えなかったことで事故が起こったと自分を責める。
ミタ(篠原タイヨヲ)…被害者の父親。クドウを許さず責め続け、同時に自分も責め続けている。
タケイ(長嶋千恵)…被害者の母親。クドウを許したいとして、人生を奪ったことを土下座した。現場に献花はしていない。
クドウ(岡本理沙)…加害者。すべて自分の責任と抱え込む。

交通事故でミタらの子(5歳児)が亡くなった事故現場前の一軒家で立場と都合と気持ちが行き交い一応の決着に辿りつく。
イガラシ妻以外のポジションから見ると、どこかでうーんとスッキリしない感情が起こる。その途端傍観者なポジションに落ち着くわけだけど、いい具合に引き込んでくる魅力があった。時間も短めながら色々詰め込んであったけど、夫が金に執着するのは妻の医療費と判り、二人で拙い花のワルツをBGMに拙いワルツを踊るというラストでキレイめに終幕したので、なんとなく安心した。

人の死に関わる加害者と被害者の関係性に、タケイが言った「対等」はあるのかなと。逆に、ミタのように性的に私刑を行う関係が正常なのかと。どんな関係だったらよいだろうかと。こんなとこに面白味を感じた。
あと、(タケイの子を)身篭ったクドウは出産するようだが、(多分)シングルマザーとなるクドウは、こうした顛末で生まれる子に対しても責任を負うのかしらと。人間連鎖的に繋がってて全てに責任は取れないだろうけど。

いい感じに恐怖とグラつきを感じられた、いい作品だった。

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