対岸の永遠
てがみ座
シアター風姿花伝(東京都)
2016/03/04 (金) ~ 2016/03/30 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題1780(16-070)
19:00の回(曇)
19:10会場着、階段を上がり2列(1列は当日券:この日は1名3枚まで、もう1列は予約済み)で整列、19:15受付、19:30開場。
「線のほとりに舞う花を(2011/4@王子)」から11公演目(再演、自主企画公演含む)になりました。
前回公演のシアターイーストに替わり、本作はどの駅からもちょっと遠い風姿花伝の小空間(1/3くらい?)。
入ってみると、どこにも明るさ(色)が感じられない部屋、唯一、下手の窓だけが白く明るい。
正面にシーツが干してあり、酒瓶だらけの床、煤けた壁、テープルの上には煙草、灰皿(ということで喫煙シーンありますが事前にスタッフから説明があり、希望者にはマスクを配布)。客席は、椅子席+クッションで座りやすく、当日券の方でしょうか通路にクッション席を追加。
19:08水の音が聴こえ開演~21:08終演。
「The Wall Live In Berlin」は1990年、ソ連崩壊1991...とても遠いことのように感じてしまう。
視点は部屋の内側に固定されている。隣の部屋、玄関、窓からは運河が見えるようだ。
だが作者は見えないものを見せながら時間を遡り、部屋の中に投影する。
記憶の奥底に押し込めようとしてものが目を覚ます。
見えていなかったものが他者の視点から語られ、記憶はより鮮明になり、かつての愛おしさと暖かさを取り戻す。
幼かった自分を自分の内に感じることができる。
今なら喪ってしまったものをまっすぐ見つめることができる。
作者による説明に「灰色の空と運河」とある。灰色の(室内)世界といえばヴィルヘルム・ハンマースホイ(画家)の世界。国立西洋美術館での展覧会は2008年だった。同館で1つ(ピアノを弾く妻イーダのいる室内)所蔵しているが常設ではないようだ。
そんな色のない世界にも流れる赤い血の鼓動。生きるためにはたばことアルコール、そして戦火なのか。
海外が舞台ということで「てがみ座」の皆さんもだいぶ印象がちがいました。
今泉さんはバレエの経験があるのでしょうね、整ったフォームになっているようでした(ダンスもよく観ますがコンテンポラリーと舞踏しか観ないので...)。
岸野さんは「青春残酷短編集(2012/3@笹塚)」「小豆洗い~泥を喰らう~(2013/10@BASE)」「地獄篇 ―賽の河原―(2014/1@王子)」「はてしないものがたり(2015/3@王子)」「ちょぼくれ花咲男(2015/6@高円寺)」。みやさん「おもてなし(2014/11@スズナリ)」「ハルメリ2013(2013/3@高円寺)」。
いまも知らないどこかなどではない、身近なはずの処で起こっていること。
余談:ロビーに横山さん。@鶏由宇「ドアを開ければいつも」に出ていらっしゃいました。2014/10、1年半経っても観に行く度に思い出します。
森海ノ魚
estonto
【閉館】日暮里ARTCAFE百舌(東京都)
2016/03/19 (土) ~ 2016/03/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1779(16-069)
18:00の回(晴)。
早めについたので周辺を観て歩いていたら片山さんとすれ違い挨拶する。17:30受付、開場。舞台はすでに別世界、役者のおふたりは円台上、互いに背中を預けながら、眠っているのか。
天井には枯れた葉、床にも茶色くなった葉かチップか。スーツケース、本棚、ソファ、イーゼル、絵の具、地球儀、置時計、帽子、靴、呼吸音が聴こえてくる。(照明)淡く白い円が上昇する。
17:55ちょっと趣向を凝らした前説(75分)、奏者が舞台へ、調弦、円台の二人が動き、物語も動き出す~19:24終演。
宮沢賢治の作品を基に構成された作品。もともと賢治のものは避けていましたが、昨年観たROGO版「銀河鉄道2015」がとてもよかったので、最近、持ち直していたところです。
石黒さんは、楼蘭「純血奇譚(2015/2@王子)」「グロテスク(2014/3@東演)」「短編集 幻獣の書(2013/10@眼科画廊)」。亀尾さんは「断末魔(2015/9@絵空箱)」「のばらのばらのばら(2015/6@眼科画廊)」。
沢山の本、枯れた草木、そこかしこに漂う暗闇、物語と物語との交差が少し重さを湛えながら揺れるようでした。
演出、演技に加え、舞台一面を占めている小道具たちが、この物語世界の独特の雰囲気を醸し出していたように感じました
成れの果て
ミュージカルサークルEM
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2016/03/19 (土) ~ 2016/03/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1778(16-068)
14:00の回(晴)。
13:34会場着、受付。
入って右が舞台、3方を造り込んだバビロンでは珍しい美術。ここは教室、大きな黒板(上部に風船、十字架?、おかめ)には「結婚式」の文字、上手(校舎の廊下側)壁一面に習字の「結婚」、下手に花紙、正面にテーブルと椅子、緑と白に囲まれた舞台。
脚演出の高野さん、当パンによるとしぱらくお休み「(ゆらじしゃく」も)とのこと。
14:01開演、悲愴、~1:58終演。
使われた楽曲、「Let It Be」とジーザスからのものだけ分かりましたが、他は(たぶん)初めて。
ミュージカルらしく鮮やかな色彩、ヘッドセット。
焙り出しのようにゆっくり浮かび上がってくる本当のこと。ミステリー仕立て。
本作、吉岡優希さんが秀逸、表情(たとえば、合唱シーンをひとり見つめるところ)・仕草に一瞬の隙もない。
みなさんとの世代の違い(表の部分はもう少し落ち着いた演出の方が好み...等)を痛感するものの、たしかに力作。
DANCE×Scrum!!!
Baobab
あうるすぽっと(東京都)
2016/03/19 (土) ~ 2016/03/21 (月)公演終了
満足度★★★★
無題1777(16-067)
13:00の回(晴)。
12:45受付、開場、ロビー入って左側が主に客席で直座り。いつ始まったのか北尾さんソロ~14:22。劇場に移動、14:33前説、14:35~16:34終演。
(演目)
北尾ソロ
tantan
五十嵐結也
TABATHA
劇場内(指定席)で
中村蓉
プロジェクト大山
Baobab
tantanは「ダンスがみたい!新人シリーズ14(2016/1@d-倉庫)」、
TABATHAは「1富士、2鷹、3TABATHA!!(2016/1@UPLINK)」、
五十嵐結也さんは、ビルヂング「できることなら低空飛行(2014/2@空洞)」、
中村蓉さんは「ブルグミュラー25(2014/1@セッションハウス)」、
Baobabの単独名での公演は(たぶん)「-W-(2013/3@ST)」。
全体の感想:(主に演劇向け)劇場内よりロビー(直座り)の方がダンスらしく感じました。大きな劇場ですとどうしても「(物理的にも/心理的にも)距離」を感じてしまうのか、もうひとつということが多く、それを補うのが、大音量と照明なのかなと思いました。もっとも、この会場ではプロジェクト大山の「ホルスタイン(2012/12)」を観ていて楽しかったので、ダンス(ダンサー)のスタイルにもよるのでしょう。
tantanは一度観ていますが、会場を巧く使っていたように思いましたし、TABATHAはやはり客席から乱入、侵入、前後半のギャップ(白黒/カラー)が巧い。いままで中村さんはゆったりとした作品しか観ていませんでしたので(おーっ速い)ビックリ。Baobaoは不敵なメンツが揃ったバトル戦の様相、マドモアゼル・シネマから蓮子奈津美さんが参加しているのも楽しみにしていました。唯一、プロジェクト大山だけが「ボレロ」のどこまでも単調な繰り返しと並行した振付だったのがなぜなのかわからず、でした。
ほぼ予定通りに進行、客席にはダンサーや先日観た役者さんの姿も。こういったイベントはお得感いっぱいなのでありがたいです。
気になったこと:会場外に受付/開場時間の案内板、お客さんが並び始めたことに気がついているのですからスタッフはどこに並んだらいいのか、という案内があってもいいのではないかと思いました。
パラドックス・ジャーニー
劇団あおきりみかん
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2016/03/18 (金) ~ 2016/03/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1776(16-066)
11:00の回(晴、風が強い)
10:30受付、開場。正方形の舞台、周辺に円柱(14本)、客席はパイプ椅子+クッション。11:00前説(100分)、11:06開演~12:54終演。
予定していなかったのですが、開演時間が早いのと、上演時間100分(どこにもなかったのでメールでお訊きしました)ということでしたので前夜予約。
こちらは初めて。
ネタバレ厳禁なので個々のコメントは控ますが、舞台空間を自在に使い、場転は超高速、お話は得意分野ということもありとっても楽しめました。心技体(?)が高度に整ったパワフルなお芝居でした。
Into the Cave
多田汐里
横浜赤レンガ倉庫1号館(神奈川県)
2016/03/19 (土) ~ 2016/03/20 (日)公演終了
無題1775(16-065)
18:00の回(晴)
17:30受付、ロビー開場、17:51開場。
下手側に横長の白い衝立、天井から電球がふたつ、鳥のさえずり、18:04舞台奥、背を向けている、18:09振動音、黒い衣装から赤へ~19:03終演。
衝立に映像、そのフラクタルアートのような映像と身体を重ねたり、客席を睨んだり、行ったり、ポテトチップスを食べたり、観客に握手を求めたり。
アフタートーク19:08~19:39。
映像を用いたものでは美術館の壁にプロジェクションマッピングで投影した巨大なもの、会場の壁一面に映したもの、スクリーンやモニターなどいろいろ観ましたが、本作では(まったくの個人的な感覚にすぎませんが)中途半端な印象を受けました...といってよいのか、よくわかりませんでした。映像にダンスが、ダンスに映像が欠かせない要素だったのだろうかなぁと。もともとこのユニットの核になっている部分が私には合わなかったのだと思います(すみません)。
観客との接点...舞台に上がったり(ダンス)、台本を読んだり、意見を求められたり(演劇)、飴をもらったり、そういうこともありましたが、それはそれで全体の流れの中で自然な(場合によってはハプニング)ものとして感じました。たとえば、倉持さんが関わっていらっしゃるUPLINKでのTABATHA公演などは客席を巻き込んだ演出でみんなそれをわかって観に来ている。
どうして最前列のお客さんに握手(コミュニケーション)を求めていたのでしょう?こちらからも手を差し伸べていてたら何かが変わっていたのでしょうか?
もしも、シ〜とある日の反射〜
空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画
吉祥寺シアター(東京都)
2016/03/06 (日) ~ 2016/03/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1774(16-064)
19:30の回(曇)
19:00会場着、受付(CDをいただく!)。
床に何本もの白線、中央の白枠(時計)が消失点なのか、白い箱、奥は赤と青の壁面。19:17客席に物販隊現る。19:28ゲストによる前説(アナウンス、90分)19:34開演~20:56終演、~挨拶21:00、21:04アフタートーク~21:27。シャッフルのこの回を選んで観に来ました。
まったく予習していなかったので(初演は観ていない)1995/1/17のお話しだと気づいたのはお芝居も後半に入ってから。すぐ「(映画)その街のこども」を思い起こす。重なる部分もありそう。
時間の枠が重なり(鏡像のように)反転、進んでいるのか戻っているのか、永久の魂の結びつき、繰り返す呼び声、リピートはできませんでしたがとても印象深い作品でした。
最後のシーンはよくわからなかったが絶つことより続けることを選んだ...のかな。生をつなぐこと、生きていることを感じること、生きるために生まれること。
余談:観た公演。アフタートークでインターンシップメンバーと実際の芝居経験の話しになり調べてみると(リジッター企画の公演以外で)。真嶋さん、馬渕さん、斉藤さん「想い出パレット(2010/12@ラビネスト」が初めて。その後、真嶋さんは「あゆみTOUR(2011/12@森下)」「水仙/桔梗(2012/11@ルーサイト)」など、斉藤さんは「グッドモーニング・ブルーバード!(2011/6@ポケット)」など、馬渕さんは「夢のつづき(2013/3@笹塚)」「ロミミ(2014/6@BONBON」などの客演など。森脇さんは、突如の「踊る家族(2015/3@サニーサイド」ダンス公演、その後もPi&Co.の2公演、月島での公演。鈴木さんは「そこで、ガムを噛めィ!(2011/4@BONBON)」「RUR(2012/12@上野)」「ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー(2016/1@d-倉庫)」。安藤さんはもしかすると「ぬちょぉ…(2014/7@眼科画廊)」に出ていらした方でしょうか、また最近では「非劇 Higeki(2015/11@吉祥寺)」。中村さんは「ダルマdeシアターPART4(2015/6@APOC)」。よく観たものだ。
Blackbird ブラックバード
幻都
APOCシアター(東京都)
2016/03/16 (水) ~ 2016/03/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1773(16-063)
19:00の回(曇)。
18:42開場(予定では開演30分前)、最前列は小さな丸椅子+クッション、2列目の椅子席に座ります。
下手に大きな窓(すりガラス)、ドア、中央にテーブルと椅子、上手にはスチールロッカー。そこかしこにゴミが散乱。
18:55前説(アナウンス)、19:06、窓の外から何かの音が近づき、開演~20:39終演。
お二人とも初めて。当パンにもありますがThe Beatlesの「Blackbird」...ならまだ弾ける、ということで観に来ました。つまりお芝居の内容を理解していないまま観ましたということで...加えて翻訳劇はかなり苦手、始まって少しの間は「やはり...」と感じていたのですが、同時に、だんだんと引き込まれてゆくのを感じました。
ここは何処で、何時なのかは明示されていなかったようです。
大きな身振りと説得調の長台詞の応酬、山あり谷ありの展開をお二人は十分濃密な演技でみせてくれました。ただ、このテンションは何処から来るのだろうと思いながら。
終盤、下手の床に横になっているシーンは最前列に近いため私の席(後方の方もそうだったのではないかと)ほとんどみえませんでした。ドアの近くならみえたと思います。
最後は、あぁー、そうか、そうかもね...と思いました。
赤い竜と土の旅人
舞台芸術集団 地下空港
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2016/03/03 (木) ~ 2016/03/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1771(16-061)、1772(16-062)
3/5(土)14:00(曇)、3/13(日)14:00(曇)の2回。
13:00受付、整理番号あり、13:30開場。
桟敷童子の造り込んだ舞台装置からは想像できない、素のフラットな舞台。客席はひな壇。
役者さんが客席誘導(足もとに機材があるが、お客さんはなかなか注意しない)、あるいは自由に過ごしている。
茶系の衣装のなかで野田さん(おひとりだけ雰囲気が違う)と田代さんは黒。左右に白い椅子、中央奥は黒の椅子。
毎回ビジュアル的には異なった印象を受けますが、お話しの本質は変わらないのではないかと思いました。
SFを読み始めた頃、それはa long time ago in a galaxy far far awayの頃のこと、ジュブナイルものやNHKの少年ドラマシリーズに夢中になっていました。
きっとそのときのテイストと同じものを感じるのだと。
「OLと魔王(2011/1@BIG TREE)」から7公演目。
COLOURS
関東大学学生ダンス連盟Σ
戸田市文化会館(埼玉県)
2016/03/11 (金) ~ 2016/03/12 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題1770(16-060)
18:00の回(曇)
17:20会場着、長蛇!!の列、17:30受付開始(たぶん)、17:40座席に到達。
毎年、夏、昭和女子大で催されるダンスワークスの公演も相当な客数で、受付の2時間前の整理券配布に並びます。
毎年観ているというのではなく、ある女優さんのツイッターで紹介されていたので観に来たのですが物凄い数のダンサーによる圧巻の160分。
17:55前説、18:02開演~18:59、休憩、19:13~20:44終演。
ドラマ仕立ての展開(映像で寸劇風)は好みではないけど、ダンス/ダンサー/振付/照明/音楽/衣装、どれもが際立っている。どこに目をやっても高いレベルの演技、表情がいいし待機時のうずうずしていそうな姿勢にも痺れる。
フィナーレでは客席にまで溢れ、壮観。来年も観に来よう。
宇宙から見るとちっぽけな私
つなぐつながるmusic
上野Untitled(東京都)
2016/03/13 (日) ~ 2016/03/13 (日)公演終了
無題1769(16-059)
17:30の回(曇)
16:55会場着(十数人の列)、17:01受付開場。
正面は白いカーテン、下手にキーボード(ローランド300NX)、手前にVOXアンプ、上手にアップライトピアノ、横にMarshallアンプ。前2列はソファ、他はパイプ椅子席、縦長の会場。
17:26前説、17:38開演~19:21終演
浅賀さん(直近では「Memorable Moments 2013-2016」@戸塚)出演、脚本/山下さん、演出/水野さん、客席に/加藤さん...劇団ピアチェーレ出身メンバー、
個々にはたまーに(偶然)お会いしていますが、初めて見た「MOMOS」が懐かしい。
vol.1をみたら「さあちゃんち」で山下さん出ていたんですね。
そして観ていてずっと気になっていたのは川村美喜さん。何処で観たのか思い出せず、帰宅後確認するとSTRAYDOGの公演「女の子ものがたり」「問題のない私たち 」等で何度か観ていました。 飯坂さんは「オレンジの迷信行動(2013/8@サンモールS)」。
劇場とは違うライヴ向けの会場なのでいろいろと制約を、また日本の歌、ミュージカルは1曲しか知らなかったのでややノリきれないところがありました。
ベルナルダ・アルバの家
新宿サニーサイドシアター
こった創作空間(東京都)
2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1768(16-058)
19:00の回(曇)。
18:30受付、開場、桟敷席+ベンチシート席、舞台にはテーブルがひとつと椅子。
18:39~5分おきに鐘が鳴る。
18:55前説(アナウンス) BGM入る。
19:00開演~20:49終演 少ない暗転。
ここは「踊る家族(2015/3)」以来、1年ぶり。
「ベルナルダ・アルバの家」は2011/9@シアターXで一度観ていますが、なぜか「白」の部分だけが記憶に残りほとんど忘れていました(帰宅してからちょっとだけそのときのDVDを観てみました)。
会場の差にもよるのでしょう随分印象が違い、直接、横殴りの豪雨にあっているような肌感。
染谷さんは「カラスの楽園(2012/11@楽園..ここも小さな劇場)」を観ていました。
有名な戯曲らしくネットでもいろいろ採り上げられていましたが、物語を構成している歴史的、宗教的、社会的な「きまりごと」を実感として把握するのは難しく、時代背景、地域社会の「因習」「掟」などを旧態依然の生活と「どこでも」「いつでも」ネット環境、女性と男性、社会構造、地域格差などに置き換えてみると、と思いながら観ていました。
ベルナルダが拘るもの...自分が生きていることに対する復讐??
M-ここでは死ねない-
brioche.
スタジオ空洞(東京都)
2016/03/07 (月) ~ 2016/03/08 (火)公演終了
満足度★★★★
無題1767(16-057)
19:30の回(曇)。
19:00受付、開場、入り口側に椅子席、奥は黒、白い壁。客席に近い床に5つのオレンジ色、キャンドルライト。もしかするとこれも伏線ではなかったかと終演後思いました。
もともと今夜は予定を入れていなかったのですが、なんとなく気になって(直観か?)予約メールをしたのがぎりぎり昨晩、すぐに予約完了メールが届いたのでびっくり。
19:32前説(60分)、増席、19:38開演~20:36終演。
とても質素な舞台ですが、心温まる作風。
当パンには役名と年齢が記してありわかりやすい。
扱ったテーマからみてずっとシリアスなままなのかファンタジーでもあるのか、最初はわかりにくかったと思いますが、それも途中からお話の構成が観客に伝わってきたようです。
よーく考えると設定面で少々無理をしているように感じるのですが、今回は終わりよければということにしましょう。
中野さん:玉川大学→「Oh,My Girl!(2013/2)」「Performing Body 2012」。(※4月の公演、都合がつけば行くようにします)。高橋さん:日本女子大学→「劇団ピアチェーレ」を観ています。
ものすごく造り込んだ舞台も何もない舞台も始まりはみな同じ。動き出した物語(動かすのは、作家、演出、役者、スタッフ)、最初は押してもらいながら、そのうち自分で動き出す物語。
背景に切り抜きのようなものでもいいのでビル群があったら効果的ではなかったかなぁと思いました。
聲香~こゑかほる~
語りと和楽の芸人衆 かたりと
神楽坂・光鱗亭ギャラリー(東京都)
2016/03/05 (土) ~ 2016/03/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1766(16-056)
13:00の回(晴、暖)。
12:25会場着、受付、2Fへ。板壁に囲まれたスペース(サイトにイメージ映像あり)、入って左奥がメインの場所、椅子・ベンチシート3列、壁に書籍が配置され近くで見ることができます。
窓がなく、隔絶された空間(知佐が生きていた時代と今と...)という印象で、きっと展示されたものや語られるものによって姿かたちを変えてゆくのだろう、と思いながら開演を待ちます。
12:45、スタッフの方によるギャラリーの説明(紹介)。13:05開演~13:58、休憩、14:10~14:45終演。
宇江佐真理さん(1949-2015)の短篇「余寒の雪(2000)」。
Wikiにはペンネーム「宇江佐真理」は「ウエザ・リポート」というタイトルでエッセイを書くため、という記載がありました。※そこからバンド「Weather Report」までは行かないんでしょうね。
江戸、剣、北町奉行(八重洲北口に碑があるそうで)、同心...そして女剣士。
前半/後半と巧く切り替えているように感じました。
原作中の老若男女、喜怒哀楽が「声」に乗って自由に動いています。
その、揺れる人情、心の動きが静かに降る雪のように客席に降り積もり、その同じ雪が遠くの富士にも積もっているのかもしれません。
見よ!振り向けばMISOJI
かさいみよ
吉祥寺スターパインズカフェ(東京都)
2016/03/04 (金) ~ 2016/03/04 (金)公演終了
満足度★★★★
無題1765(16-055)
19:30の回(晴)。
19:00会場着、受付、ドリンク注文。
ここは「arriving 2015(20155/8)」以来で、この時も「大石組」としてかさいさんと大石さんは出演していました。
「clubC」を観たのは「落日~マクベス、あるいはマクベス夫人と三人の魔女~(2013/1)」が初めてで「NEXTREAM21 in RIKKOUKAI 2013(2013/4@六行会」「立川いったい音楽まつり(2013/5@屋外)」、そして「魔女裁判(2013/9)」で解散してしまいました(その後他の作品に出演しているときは観に行っていました)。
そんな「clubC」の元メンバー、かさいさんのバースデイ・イベント。前日までどうしようか考え(イベント的なものがかなり苦手なので)、一度スタジオまで行ったこともあるしと、結局、前日の日付が変わる直前にメールで予約。
ダイジェスト版30年史、コント、歌、演劇(短編)という構成。saya.さん、はちみつシアター(「ロミミ」2014/6@BON BON)は観たことがあります。
「clubC」のダンスはダーク(幻想的)な要素が強いもの。かさいさん、大石さん、堂本さんの「きつねつきね(2014/8)」もそうでした。今晩のように、実に楽しそうに微笑みながら踊っている姿は初めて観ました。
「はちみつシアター」は衣装も、キャラクターもとにかく笑ってしまいました。
UDC15th -O-
セッションハウス
神楽坂セッションハウス(東京都)
2016/03/05 (土) ~ 2016/03/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1764(16-054)
19:00の回(曇)。
18:15会場着、予想通りすでに列ができていました。18:23受付、18:34開場、19:02前説、19:05開演~18:49、休憩、20:01~20:38終演。
この「UDCシリーズ」は2012(UP!)から続けて観ています。
会場は満席、さまざまなスタイルのダンスが繰り広げられ、どの作品も学生らしさに満ちた内容でした。カラフルな衣装、趣向を凝らした小道具、力強い振り付け~コミカルなパフォーマンス、60名余のダンサーは駆け回り、跳び、這う。
特に、後半最初の「合同作品3」はスピード、キレ、運動量とも圧巻。これだけ多様なダンスを一度に観ることができるこの企画はずっと続いてほしい。
- 腑の住処 -
COoMOoNO
キッドアイラックアートホール5階(東京都)
2016/02/25 (木) ~ 2016/02/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1763(16-053)
19:30の回(曇)。
19:20会場着(間に合わないかと思った)、大小の椅子席、2列、端に座ります。
真ん中に木製のテーブル(デスクライト、メガネ、色鉛筆)と椅子(2)、入口からみて奥に濃い茶色のテーブル(小さな箱)と椅子(3)、壁沿いには、セーター、カップ、コーヒー、お茶、蜂蜜、新聞、分厚い本、ポット、電話など、入口横に小さなソファ。
前作「私たちはまだ(2015/11)」から3ケ月、8作目か。
前日、1Fでtea for twoの公演を観ているので2日続けてここに。
19:31二人登場、前半、BGMがしばらく続き~20:55終演。
「腑」とは。
「小島(畑中さん)」を中心にした2つの時間軸が交互に現れる。
うっすらと降り注ぐオレンジ色の照明の下、淡い会話は時間に吸い込まれ過去へ流れる。
造る者、造られた物。何を込め、何を見出すか。届くものなのか、受取りに行くものなのか...それらが共鳴する、小さな箱。
しばらく前、といっても数年前、よく絵を観に行っていました。上野には美術館も多いので朝一番に行って企画展を2~3回眺め、常設展を一巡り。ゆっくり歩いていると、ふと声を掛けられたような(錯覚)気になり、足をとめ、絵を見つめる、ということがよくあります。
そのとき、描かれた時代も国も文化も違うのに、隣に画家がいるような感覚。
作品が語るというより、画家の声が遠い遠い彼方から語りかけているような気がするのです。
今夜は蝋燭の灯りとはいきませんが、静まり返った夜、弟子と姉妹、記者、職人のつながりは悔恨へ至るのか、始まりに戻るのか。
COoMOoNoを観ていると、いつも畑中さんの声は城達也さん(ジェットストリーム)を思わせ、昔のように、深夜、ラジオドラマを聴いている懐かしさを覚えます。
たとえば、その頃の音源があるか調べたらYou Tubeにありました。ラジオドラマ「2001年宇宙の旅」「神聖代」...SF、他にも啄木、いろいろ、もう一度、一番聴きたいのは「第七官界彷徨」。
datura.
ダンス・プロデュース研究部
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2016/02/28 (日) ~ 2016/02/28 (日)公演終了
無題1762(16-052)
18:00の回(曇、風が強い)。
17:10会場着、当日券用の整理券を受け取る、17:50受付。予約状況が確認できないなか、そのうちにと思っていたら売り止めになっていました。ですので当日券で。
先月、卒業公演「奏」@なかのZEROを観ました。
この自主企画公演は‘13「last」、'14「1000mile」、'15「copy」、そして2016年。
もしかするとこの会場の公演は本作が最後。「奏」とは違った荒々しさ、舞踏的なパフォーマンス、激流が舞台上を流れるように。
オープニング、なぜか「兵馬俑」のようにみえる...(頭巾の色合い、隊列)、さらに映像や舞踏のようなパフォーマンス、セリフ(これは苦手)等々、それぞれが唐突に始まったこともあり、あまりまとまった感じはしませんでした。
瞳を閉じて、られるか
tea for two
キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)
2016/02/26 (金) ~ 2016/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1761(16-051)
14:00の回(晴)。
13:32受付、開場、正方形の台、テーブルと6脚の椅子。前方はミニ椅子席2列(かなり近い)。tea for ONEでは、「another9(2014/12)」「持続可能な恋(2015/5)」「遠い町 知らない町 でも、誰かの故郷(2016/1)」。tea for twoになると「人数の足りない三角関係の結末(2013/10@「劇」)」以来。
入ってみるとThe Beatlesの初期ナンバーがかかっている...曲は「Help!」あたりまでか。先日、池袋の三省堂に寄ったら山野楽器が出店していて、入口横には、12弦リッケンバッカー360/12やヘフナー(左用)が展示されていました。360/12は初めて見ました。たしかに変わったヘッドで主弦が上、オクターブ弦が下になっている。
14:06開演~15:39All my lovingで終演。
一幕「盲目」(婚活)、二幕「瞑目」(同級生)、三幕「刮目」(夫婦)、男と女の物語、三様。
1幕二人ずつ、他の4人はアイマスクを着用し、壁際の椅子で待つ。最初と最後に全員がテーブルを囲み、物語はそっと閉られる。
ハッピー!なお話しではないけどアンハッピーなものでもない。普通のひとたちのほんの小さな、でも深い、通り過ぎた哀しみが聴こえてくるようです。
小さな声が少しずつ大きくなってゆくお話の進め方が秀逸で、もっと人と触れ合いたいはずの男と女たち、胸に疼くものを感じながら会場を出るのでした。
いままで(ONE or two)観た役者さんばかりで、田辺さんは「ただいま会見中(2014/5)」を観ました。
A-production「半身」
日本芸術学園・日本芸術高等学園
東京都国分寺市泉町2丁目1-6 日本芸術高等学園5F 大講堂(東京都)
2016/02/27 (土) ~ 2016/02/27 (土)公演終了
満足度★★★★
無題1760(16-050)
11:00の回(快晴)
10:08会場着、数名が受付待ち、10:20受付(1グループに1枚の整理券)、10:40開場。
こちらは初めてですが、高校生の卒業公演とあったので観に来ました。サイトに行ってみると野田秀樹・萩尾望都作『半神』とありました。野田さんの作品は観ない(ずいぶん前、1度だけ遊眠社を観ました)ので、どうしようかと思いましたが観ないより観た方がと思って早起き。
野田さんではない演劇の「半神」は、@絵空箱、蜂谷眞未さん、佐々木美綺さん版(2013/11)を観ています。
公演は、日本芸術高等学園の生徒さんたちが運営していて、受付、会場案内、前説なども。みなさんとても丁寧な対応。
会場はやや高めの舞台、奥に一列パイプ椅子(16脚)、客席の壁はグリーン、イエロー、ピンクなど、オレンジの固定椅子。
10:52前説(120分)、開演前に制服姿の2人が離れて椅子に腰かける。
11:08やや押して開演~13:12終演。
芝居、ダンス、映像がミックスされた作品。野田さんの戯曲を知らないのでどの程度それに忠実なのかはわからず。
萩尾さんの原作は20頁弱(以前、原画展で数頁をみたことがあります)。
今回の演出は私自身の好みとだいぶ違いましたが(特に、映像とダンスに違和感...内容ではなくどうしてこの作品に採り入れているのかわからず、また腰を曲げた老人...という「古いタイプの「型」はどうかとか...)現役高校生が120分の公演を成し遂げる、それを観に来てよかった、そう思いました。
観客のほとんどは、親御さん、在校生/卒業生なのでしょう、終演後、1Fロビーでお客さんを待っている出演者たちは実に高校生らしく爽やかでした。