kazuoga5409が投票した舞台芸術アワード!

2011年度 1-10位と総評
パール食堂のマリア

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パール食堂のマリア

青☆組

心に染み入る素晴らしい群像劇であり、深い余韻を残す、真に優れた舞台。

牡丹燈籠

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牡丹燈籠

ハイリンド

前半では女の情念と男の身勝手さ、後半では人間の業と欲、因縁の深さ・不可思議さが浮かび上がる。円朝の原作を秀逸な構成でまとめあげている。役者は全員が素晴らしい。熱演である。照明や音響も文句のつけようがない。傑作と言うを憚らない舞台であった。

『十二人の怒れる男』/『裁きの日』

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『十二人の怒れる男』/『裁きの日』

劇団チョコレートケーキ

何も言うことはない。素晴らしい舞台。これだけ個々の役柄をきっちりと演じきる役者を揃えたことがすごい。

オバケの太陽

4

オバケの太陽

劇団桟敷童子

決してハッピーエンドではないのだが、一歩前に踏み出す明るさがある。舞台のどこをとっても全く手抜きがない。終演後のこの充実感、もう何も言うことはない。

さくらノート

5

さくらノート

TEAM 6g

心震わせる感動的な舞台。台本、役者、スタッフの素晴らしさに加えて、ザムザという劇場の存在もこの芝居の大きな要素である。

カメコが笑った日

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カメコが笑った日

Theatre劇団子

夢を追い続ける者、己の才能のなさに気づく者、それでもなんとかそれに縋ろうとする者…さまざまな人間模様がコメディタッチで綴られるが、その底に「いたわったり傷を舐めあったりするのが本当の優しさなのか、時には現実を突きつけることこそ本当の優しさではないか」という問いが流れている。

スマイルマミー・再生

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スマイルマミー・再生

劇団芝居屋

何か劇的な事件が起こる訳ではないし、口角泡をとばす場面があるのでもない。一見淡々と語られる、言ってみればベタな人情劇であり、ご都合主義的な部分がなくもない。しかし、これはもう、私好みの世界である。

べじたぶるーす

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べじたぶるーす

劇団光希

よくある設定で、目新しいものはない。人によっては古臭いとか昭和の芝居だと言うかもしれない。だが、まっすぐな視点から芝居を創っていることが素直な感動をよぶ。

砂のクロニクル

9

砂のクロニクル

ピープルシアター

実に骨太な見応えのある作品。硝煙の臭いすら感じられるようなセットが素晴らしいし、耳を聾さんばかりの音響効果も迫力がある。役者も全員が全く緊張感を途切れさせることのない見事な演技を見せる。

WAR3

10

WAR3

劇団EOE

バレーという設定を借りた、劇団の成長物語であり、役者のパワーとエネルギーが伝わってくる舞台。

総評

特に若い人たちの劇団に言えることであるが、コメディが非常に多い。コメディを軽んじる訳ではないが、若い内にはもっとストレートプレイで基礎を磨いてほしい。発声や滑舌という基礎すら満足でないのに、コントでお茶をにごすようなことなどすべきでない。
また、舞台に対して真摯な姿勢が感じられないものも散見された。私が評価のポイントとして重視するのは、舞台に対する思いが伝わってくるかどうかである。
社会人劇団とよばれるものでは、仕事をやりながら芝居の稽古をしていることを口実にするところすらある。しかし、小劇団の多くは、皆がバイトしながら骨身を削って芝居に打ち込んでいるのである。社会人劇団のメンバーは定職があるだけ恵まれているのだから、もっと真剣に芝居に取り組んでほしい。

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