爛れ、至る。
elePHANTMoon
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/05/21 (木) ~ 2015/05/31 (日)公演終了
elePHANTMoon『爛れ、至る。』観劇
SMクラブに通い死に至った男の陰を追うようにM街道に落ちて行く主人公。映画『ニンフォマニアック』みたくSの方がいろんな道具用意したり気遣いに溢れてる(笑)物語性はほぼ排除、ワンカット長回し=体感時間。鞭打たれてるとき俺は何考えてた?
M男たちのオフ(素)状態の雑談に悲哀やユーモア、変態の「平熱の品」が感じられていい。劇団史的にSMという方向性で振り切った特殊な作品で、映像もやってるマキタカズオミくんがプレイに「カットをかけない」って構造自体がSMに近い神の視点。神様に向けてやる行為こそが背徳であり至高である訳で。
もちろん題材が題材なのでひとは選ぶしR1@でいうとどれくらいかはわかりませんが。笑。興味が湧いた方は是非。
In The PLAYROOM
DART’S
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2014/10/31 (金) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
新宿での再演かなりハマってます!
TRPGで小説家とファンが物語を紡ぐサスペンスホラー。定石を踏まえ裏切る血生臭さは再演の新宿が似合う。佐賀モトキの黒髪OLに萌えつつ、今里真の小説家は妙に落ち着いた佇まいでカリスマ性の説得力が◎。全員キャラ立ち完璧!
自分が稽古してるMU『狂犬百景』もホラーやサスペンスの要素があるからなんだけど、シンパシー感じまくり。やっぱり最後は大音量のハードロックでわかってるな、と。笑
蜜月の獣
小西耕一 ひとり芝居
RAFT(東京都)
2014/02/26 (水) ~ 2014/03/03 (月)公演終了
毎回、破滅。でも今回は‥
彼の芝居は、毎回ケツの穴は小さいけど死ぬほど切実なエゴからミステイクをしてしまう作風。それが身に沁みつつ笑えてたが、今回は三人芝居故かエゴは分散され、誰もミスを犯してないのに…というやりきれなさへ到達。カップルの呑気な卓袱台会話から、映画『ブルーバレンタイン』の如き擦り切れる展開へ変化する瞬間が、肝。
あの時お母さんが「コウちゃんの事、好きでいていい?」と呟いて、僕をギュウ―って抱きしめたんだ。
TomTomTom
高円寺HACO(東京都)
2013/11/27 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了
映画監督・寺内康太郎氏が脚本と演出×多才な俳優(松下・辻沢・岡山)3人組の大傑作
MUでもお世話になっていて、公私混同仲良く多才な俳優3人組、辻沢綾香(双数姉妹)/岡山誠(ブルドッキングヘッドロック)/松下幸史(動物電気/乱雑天国)がユニットを結成、ニセ警官顛末記の映画で俺を爆笑させてくれた監督・寺内康太郎氏が脚本と演出の大傑作 。
学園バンドものなのにオリジナルメンバーがところてんのように消え、全員新メンバーでバンドを引き継ぐナンセンスを軸に、各人物のどうでもいいバックボーンへ脱線につぐ脱線&脱線。物語を消し炭にするユルさとパンク、演劇の「日常系」。
全員が4.5役やってて怪演なんですが、特に辻沢綾香ちゃんは、ジャニスに憧れ呪われたように気だるいJK、サッカー部の監督を任される天才肌のメガネJK、弁当屋でキラキラ働くJKと幅広く、この俳優3人を一度でも見たことある方は尚必見。
寺内監督は映画監督なのにナンセンスな骨格が90年代の演劇ぽいね。
破滅志向
小西耕一 ひとり芝居
RAFT(東京都)
2013/09/18 (水) ~ 2013/09/22 (日)公演終了
小西耕一はやる漢です
小西耕一×菊地未来『破滅志向』は、小西なりのリベラルが全開故に切実なダークさに満ちた『アニーホール』(ウディアレン監督)みたい。
君が代不起立をしれっと注意するような一教師だが、恋愛の前でリベラルは無力だと痛感する80分。
会話劇でヒリヒリしたい方、本当おすすめです。前回公演『既成事実』の際も、劇評サイト・ワンダーランドに劇評を書きましたが、ここ数年で心から感動したのは小西耕一ひとり芝居です。作家でござい臭が一切しない俳優自らなんで人生売ってんだ臭がたまりません。
土日昼はまだ空いてるみたいなので、是非おすすめ!
しじま•う(ご来場ありがとうございました!)
鶏頭
エビス駅前バー(東京都)
2012/08/14 (火) ~ 2012/08/21 (火)公演終了
初日に
半分だけ観れましたので、後半の日程にもういっかい、あたまから観ようと思います。キャストがいいですね、男性陣はシャイなんだけど濃くて、女性陣みんな可愛らしいです。
ま ○ る
miel(ミエル)
ザ☆キッチンNAKANO(東京都)
2012/05/09 (水) ~ 2012/05/14 (月)公演終了
ま○る
脚本提供した身としてはロシアンルーレットのように自分の戯曲がいつ来るかドキドキして観たり(笑)
駅員役の佐野功くんが一生ぶん「ゲロ」っていったり、話にオチのない石井舞ちゃんが「NSCにいけ」と男にボロクソに振られたり、そんな僕のシナリオが、金崎ひろえさんの演出でコンテンポラリーになってて感慨深かかったです。終電間際に改札でいちゃつくカップルって設定がマネキンなモチーフに変わるなんて。
個人的に地雷として仕込んだ「ナオト・インティライミ」をディスるとこも笑えたしでひと安心(笑) さらに個人的な話をすると、ジャミロクワイをあえて抑えたボリュームで踊るダンスが好みでした。
金崎ひろえさんは、バーズアイビューで活躍されてた方で、あの劇団が好きだった方は是非観てみてください。その延長線上の舞台が存在することに嬉しくなります。
LABO×EXPO season2
熱帯
森下スタジオ(東京都)
2011/11/18 (金) ~ 2011/11/20 (日)公演終了
昆虫系[改訂版]
鵺的(ぬえてき)
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2011/07/27 (水) ~ 2011/08/01 (月)公演終了
脚本/演出家、コラボの醍醐味。
最近の小劇場界では、自身の劇団公演なのに外部演出を招くケースが多い。僕も劇作家だが、自分の場合は死ぬ思いして書いた「ご褒美」として演出してる感覚なので、みんな、なんと太っ腹なんだろうと(笑) ずっと興味深かった。
そのひとつの答えとして、主宰・高木登さんが本作『昆虫系』とマッチした演出家を選んだ、という実直な答えがあり、その潔く俯瞰された寛大な作戦は大成功している。以前、演出・寺十吾さんの作品を拝見したときに「構成や立脚がもう少し欲しいな」と僕が感じたことと、鵺的の「猥雑な台詞やシーンがあるのに潔癖」というスタイルが、お互い無かったものが合致したのか、絶妙な化学変化が産まれている。高木さんの端正な戯曲構造は、圧倒的な猥雑さでミクロな隙間まで容赦なく染められる。
映画業界のように「脚本家」と「演出家」の分業が行なわれにくい演劇・小劇場界のなかで目が覚まされる作品であった。
また、映画と言えば本作のサタケ社長のような狂った親父が跳梁跋扈する『冷たい熱帯魚』を思い出す。しかし本作はそれよりも何年も前の作品で偶然の合致に過ぎない。だけれど、こういった事件の裏側はいくらめくっても金とセックスしか出て来ないという本質までがシンクロしており、ただただ虚しい。「肉食系女子」とか「草食系男子」とか腰砕けな言葉が流行る遥か昔に「昆虫系おじさん」を選び、タイトルに冠していたのが面白い。
考える事を奪われ、借用書に群がる男たちの背中は、まさしく虫ではないか。「借金だけだな、一人前なのは!」とサタケ社長が豪快に放った台詞が、全国民総借金状態の日本で、耳に染み付いて泣きそう。
紅き深爪【沢山のご来場誠にありがとうございました】
風琴工房
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/05/24 (火) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
エモーショナルレイバー【ご来場ありがとうございました!】
ミナモザ
シアタートラム(東京都)
2011/01/20 (木) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
再演もいいです、シアタートラムにもぴったり
やっぱ台詞がいいんだよね。初演で惚れ込み、そして再演でも変わらぬ完成度で嬉しかったです。シアタートラムの空間って贅沢過ぎて持て余しがちですが、これがちゃんとぴったりハマってました。自分にとっては初演から数えて二回目の観劇なので、好きな映画を二度見るような感覚で俯瞰して見ていたら、点で刻まれたテーマがじっくり染みて来ました。
社会的なスタンスで異を唱えるストレートなものより、「振り込め詐欺」なんていう日本独特な犯罪を描ききったことが結果的に社会に対する異になり、ボディブローのように効いちゃうな。
あ、ハマカワフミエファンの方はご期待ください。新機軸です(笑) キャストもみな良くて、初演から引き継いでる方たちもよりブラッシュアップされてました。ぜひお見逃し無く。
[宣伝]演劇のレビューが満載の同人誌『SHINPEN』、僕が書いた初演のレビューも掲載されています。有り難いことに会場販売分が完売気味で追加をお願いしておきましたのでよろしければ。
さらば八月のうた
劇団M.O.P.
紀伊國屋ホール(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/16 (月)公演終了
反重力エンピツ(再演)
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
青年団『革命日記』が好きな方はこちらも
見てみてはいかがでしょうか。
演劇大先輩には恐れ多いですが、モチーフが似ているので気に入って頂けるかと。
僕は自分を「劇団ひとり」だと割り切ってやってるのですが、若い彼らはバンドみたいな結束力で劇団のピンチを乗り越え、演目変更の作品をあたかも現在の俳優で当て書きされたようにまで善戦してるのは、ちょっと感動です。小先輩として応援してるよ。
ポストパフォーマンストークで、ぼくが出演した回もポッドキャストでアップしました。ネタバレ部分はピー音入ってますんで御安心を。
http://bit.ly/c8Xz5A
90%VIRGIN / 終末の天気【満員御礼!無事に終了いたしました。ありがとうございました!!】
エムキチビート
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/07/06 (火) ~ 2010/07/11 (日)公演終了
アンサーソングのように
脚本提供した『90%VIRGIN』に対するアンサーのようになっていた『終末の天気』におじさんはちょっとキュンとしました。演劇でもあるんだね、アンサーソング。
学園モノとして軽音部があり、一方は演劇部であり、『VIRGIN』ではダセーとかキメーとか言われちゃう変態教師な大人達が、『終末』ではよき理解者となっていたり、一方では絶望が詰まっているラジカセは、もう一方だと微かな希望が流れて来て、こういうカップリングは嬉しかったです。あと連日満員ですごかったね。ありがとう。
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
どこか懐かしいギャグ漫画のようなキッチュさ
と、公演を重ねるごとに、メッセージや風刺がより鋭角化されているような気がします。それが同居してるのが面白いです。『空耳タワー』に続いての観劇になりましたが、後半からラストの高揚感はここでしか味わえません。
そして、俳優のみなさんのクオリティが高過ぎて。書ききれないです(笑)
クボカンと花戸くん、幸田尚子さんとタクシーくんが冒頭、いきなり掴んだら後はジェットコースターのようにキャラクターが湧き出て来るのも、やはり漫画的な楽しさ。
なのに金沢涼恵さんや奥田ワレタさんが、針で隙間を刺すようなタイミングとテクニックで、ドキッとするテーマやドラマをつぶやくからたまりません。
中川智明くんも最近多かった悪役ではなく愛すべき警察官(!)、森下亮さんとの絡みが最高です。
珍しく俳優について沢山書きまくってしまいましたが、それくらい、クオリティが高いです。感激。
ロングラン、あと少しで終わっちゃうので駆け込み推奨です〜。
不滅
鵺的(ぬえてき)
「劇」小劇場(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
エレファントムーンが好きな人、ぜひ鵺的も。
このフライヤーみたく、まったく白紙の状態で観劇して、次々と出て来る言葉たちでパズルを埋めて行く作業が面白いです。ですが、感想は中身に触れないと書けないので、一応改行しておきます。[観劇日時/木曜昼・満席]
「殺人における加害者と被害者」は、エレファントムーンの近作ともモチーフが似ていて、緊張感ある空気含め、エレファント好きな方はきっと気に入るかと。
「現実がそのまま現実に着地」するのが前回の鵺的だったんですが、今回の「現実から気付くとファンタジーに着地」する部分もエレファントムーンに似ています。設定上で、リアルに固執しすぎるよりも多少の気になる点も含めてファンタジーにしないと、重過ぎるテーマなんだと両劇団を観て思います。
加害者に対する肩入れや感情移入、また「彼も被害者なんだよ」的なよくあるセオリーの流れが一切なかったのがよかった。彼自身が自分の不可解でエラーな部分を抱え込んでいるから。だからこそ、彼の恋人が「人の心」についてつぶやく瞬間が、ギリギリのロマンチックだと思うし、あのシーンが忘れられないです。
それでも、ボクのアイドル
はらぺこペンギン!
「劇」小劇場(東京都)
2010/04/21 (水) ~ 2010/04/25 (日)公演終了
よしもと神保町花月でも上演出来る作品
主宰の白坂くんは、よしもと神保町花月で脚本や演出の仕事を沢山していて、若手芸人やアイドルと一緒に笑いのある舞台を作っている。かれこれ数年はやってるんじゃないかな。
そして、自身の劇団である「はらぺこペンギン」では、ちょっとしんみりしていた人情劇をよくやっていた。
だけど、他所に提供した脚本では「オタ芸」と言われる、あのへんてこな踊りをやりまくっていたのだった。
いままで振り分けられていた3つが、今回はドロドロに混ざり合って、とてもいいバランスで融合されている。
人情劇は根底にあるんだけど、笑いのレベルの底上げがされていて、オタ芸を無理なく挟み込んで来る(笑)
なので、これはよしもと神保町花月に今すぐ提供しても遜色の無い作品となっている。本当、褒め言葉よ。
僕はこの方向性を断然支持します。
明るくてカラっとしてて、素敵じゃないか。
[日曜昼観劇・場内満員]
Fight Alone 2nd
エムキチビート
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/03/17 (水) ~ 2010/03/21 (日)公演終了
緑と青チームを拝見しました。
一人芝居4本立てで1000円のナイスプライス。今年はMUの本公演をやる予定はありませんでしたが、こういう企画はムラムラやりたくなりました。主宰のツネくんに企画パクっていい?と了承済み(笑) とインスパイアされるほど好企画でした。
俺、志村けんがいしのようことやってたような、ああいう2人芝居がやりたいんだよね。話ズレてごめんね。
機械城奇譚【当日券あり!1時間40分です】
少年社中
劇場MOMO(東京都)
2010/02/26 (金) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
アナザーラインの醍醐味
大劇場ではなく今回は小劇場のサイズで、古道具屋を舞台に会話劇のニュアンスが多分にあるメルヘン。分かり易く本公演とは別扱いになっており、普段の冒険譚とは違ったステージも観たかった方には、このアナザーラインをお勧め。
途中に訪れる劇中劇の飛び具合はご愛嬌なのだが(笑)後半のシンプルなセンチメンタルに加え、演出、舞台美術、アンサンブルが丁寧で個人的には学ぶ事が多い。大竹えりさんの華は、間近で観れることでより栄えるし、MUでも『神様はいない』に出演して戴いた小林至氏が嫉妬するほどいい。
Dramatic Dancing
こちらスーパーうさぎ帝国
d-倉庫(東京都)
2009/12/17 (木) ~ 2009/12/21 (月)公演終了