櫻ふぶき日本の心中
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
始まってすぐ、
「あ、これはヤバい・・・・」と。まさに「ザ・お芝居」という感じだったなぁ。舞台美術、衣装、演技などすべて素晴らしかったですが、何といっても他の劇団にはないお芝居の毒みたいなものがたっぷりで、こんなものを見てしまっては他の劇団が物足りなくなってしまうのではないか、と本気で心配しています。大衆演劇などのけれん味とは全く違う、お芝居のエッセンスが滴るような舞台でした。ストーリー云々よりも、何というか、持っていかれてしまいました。危ないです。
銀色の蛸は五番目の手で握手する
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターサンモール(東京都)
2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了
あれ?
劇場の大きさのせいか、何時もはしみじみ感じられるペーソスがあまり感じられず、あれ?という感じ。下ネタもぶっ飛んだギャグも壮大(?)なスペースストーリーも悲しいDVも、これがあってこそツボにハマる気がしますが・・・・・。サッカーシーンは私も「そこでガムを噛めィ!!」を思いだしたなぁ。少年の夢がうまく表現されていて微笑ましかった。
Touch~孤独から愛へ
東京演劇集団風
レパートリーシアターKAZE(東京都)
2013/12/23 (月) ~ 2013/12/25 (水)公演終了
満足度★★★★
う~ん、タフすぎ・・・・。
この劇団の舞台はお芝居というより、演劇と呼ぶほうがふさわしい。緻密で熱量が大きく、素晴らしくタフ。ラストに向かっての一気呵成な求心力もすごい。噛みごたえがありすぎるステーキみたいだ。今回も期待に背かない素晴らしい舞台でした。美術、構成、演技がよく噛みあっていて楽しめた。でもこれ、授業の一環として中高生に見せるのってどうだろうか。絶対、演劇全般が嫌いになると思う。まず兄弟の共依存の関係が学生に理解できるとは思えないし、生活を支えてきた兄の、弟への強い束縛が実は強い依存であることなど、かなり精神病理学などわかってないと理解不能。いい若者がタッチしあって遊んでいるなど、演劇臭いと感じるだろうし、その孤独なバックグラウンドなどに思いを馳せることができるとは思えない。大学生でやっと理解可能かな。なんか、いかにも若者文化からずれてしまった教職員が選びそうな演劇だな、と残念です。これは、成熟した、すでに様々なトラウマや夾雑物を抱え混んでしまった大人のための演劇だと思います。親鳥が殻をつつく時は雛が自ら卵の殻を破る時でなくてはならないのでは。いわゆる啐啄同時ってやつ。
八福の神
Jungle Bell Theater
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
なんだかとても、
素敵な劇だったなぁ。始めは眼鏡の女性の子供っぽい話し方に違和感を覚えましたが、だんだん慣れてきて、それが見事にラストの感動に繋がって行き、場内感動の嵐でした。サスペンスあり、ホラーあり、謎解きありで全く飽きさせない。また、全く無理のない設定で楽しめました。ラストの家族愛に加え、これだけの要素を綺麗にまとめるなんて、大変な脚本の力ですね。ちょっと台詞が甘めで噛みが多かったのが残念!
シラノ!
おおのの
「劇」小劇場(東京都)
2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★
落語と演劇の融合ということで
興味深く楽しく観ました。所々でシラノが二人になってしまうところが少し処理不足という感じがしたし、シラノがその容貌ゆえに自らの恋心を告白できないジレンマや悲哀がもう少し欲しかったかな。でも、落語とシラノとのつながりなど、巧くもってきたなぁ、という感じ。すだれの上に描かれたカーテンが笑える。いいアイディアですね!
ホチキス最新作「天才高校〜デスペラード〜」
ホチキス
サンモールスタジオ(東京都)
2013/11/23 (土) ~ 2013/12/04 (水)公演終了
なるほど、ダンスの上手い人
というのは、どんなに激しく踊っても頭や顔が全くぶれないんだなぁ、と感心。ってこれはおまけでした。本編は・・・・なんかよくわからない~。内容が難しいとかではないのだが、このギャグ世界に全く入っていけず、はじかれてしまった感じだ。場内は笑いの渦なので、たぶん入っていけない私が悪いのだろう。大仰なせりふ回しや説明的なギャグに疎外感を感じた。
See You 【観客総動員数1000人突破!】
LIPS*S
新宿シアターモリエール(東京都)
2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
華やかな殺陣と
アクションを楽しみました。こういう高低差を利用したアクションは初めてです。すごく迫力がありました。内容は・・・・何だかファンタジー小説を地で行ったような感じでした。幼さを感じた。
ここには映画館があった
燐光群
座・高円寺1(東京都)
2013/11/15 (金) ~ 2013/11/26 (火)公演終了
満足度★★★
斬新な美術に驚き!
とともにちょっと不安が。舞台空間が広すぎて、声がばらけて聞き取りにくい役者さんがいて、そうなってくるとこの長尺かつマニアックなお芝居、だんだん苦痛になってきた。映画というか、映画館をテーマにしているがエンターテイメント性が薄く、フライヤーからの印象とはほど遠い。さらに初日のせいか台詞の噛みが多く、緊密さに欠けてしまったのも残念。さほど映画に執着の無い人間にとっては、懐かしい映画名が出てくるたびに、少しでもプロジェクターででも映画の一場面を流して欲しかったなぁと感じた。(こういうの難しいのかな?ポスターでもいいのですが)視覚的にちょっとさみしかったですね。
どんほい
劇団娯楽天国
TACCS1179(東京都)
2013/11/14 (木) ~ 2013/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★
昭和テイストと
よく息の合った楽しい演技で楽しませてもらえました。昔どこにでもあったちょっとした空地は、大人にとっても子供にとっても大事な社交場だったんだなぁ、と再認識。失われた空地の大事さを思い起こさせてくれた。突然起るアカペラの歌い声が楽しかったです。ちょっと長かったかな。
僕の偉大なるアイザック・ニュートン
feblaboプロデュース
駅前劇場(東京都)
2013/11/13 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了
満足度★★★
物語の根底にある哲学
が見えるようで見えない。私がアホなせいもありますが、「距離」の哲学はミリナと秀和の物語には鮮明でしたが、他のはちょっと凡庸だったかな。お兄ちゃん、「去る者は日々に疎し」を地で行ってましたね。オープニングと美術が洒落ていて、このテイストで貫くのかなと思ったけれど、5組の物語を捌くのに忙しく、だんだん洒落感が無くなってきたのが残念。4組でもよかったのでは。後から考えると紛争、核の問題、宇宙開発など様々な要素がうまくリンクしているのだけれど、観劇中は小劇場独特のチープ感の方を強く感じた。
息をひそめて―シリア革命の真実―
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2013/11/11 (月) ~ 2013/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★
難しい劇だなぁ、
というのが第一印象です。内容が難しいのではなく、劇として見せ方がすごく難しい。登場人物は少なくないとはいえ、ほとんど互いが絡むことはなく、独白が延々と続き、一人芝居に近い。始めから一人芝居というのであればこちらもそれなりの覚悟をして(!)観劇に臨みますが、途中からこれは一人芝居だな、と気づく。このギャップは大きい。そう思ってみると天井の分厚いコンクリートを模した美術の凄まじさはどうだろう。こんな天井初めて見た。シリア内戦の解決の難しさ、登場人物の置かれた立場の困難さ、人の心に訴えることの、劇としての難しさを表しているかのようだ。ワンツーワークスとはいえ、かなり苦しんだのではないだろうか。
Parallel /パラレル
劇団フルタ丸
「劇」小劇場(東京都)
2013/11/07 (木) ~ 2013/11/11 (月)公演終了
満足度★★★★
面白かった!
シンクロする台詞や演技が面白く、とても楽しく観ました。こういう世界がある事は本で読んだことがありますが、結果は大同小異だとか。また、たまに違うワールドに行っちゃうこともあるとかで、そんな不思議感もとてもよく出ていた。微妙にずれてくる人生や生活が興味深かったですが、始めの設定として、あの小さな営業所で佐々木さんって何している人なのかな~とずっと疑問が残りました(笑)苦しいところでしょうが、やはり何かそれなりの仕事を設定しておいたほうが落ち着いて見られたような気がします。
ギャラクティカ・めんどくさい。
劇団鋼鉄村松
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★
意外にも
けっこうめんどくさい内容だった、スペースもの。哲学がありました。小劇場特有の雰囲気がいいですね。二代目皇帝もあの恰好ならどうしようかと・・・・。
人間が宇宙に進出するようになっても、犬はやはり忠実な人間の友達なんだなぁ!
ピアノレッスン、なう。
黒鯛プロデュース
サントリーホール ブルーローズ(小ホール)(東京都)
2013/10/30 (水) ~ 2013/11/01 (金)公演終了
満足度★★★
サントリーのコンサートホールでのお芝居、
やはり声が反響しすぎたり、散りそうになったりで難しいんだろうな、と感じられた舞台でした。でもこういう制約がある中でのお芝居はとても興味深く、これからのお芝居の可能性を試す、謂わばプロトタイプ的な舞台だったと思う。脚本が甘く、ちょっとご都合主義的な所も感じられたが、まあ、こういうホールでのお芝居なので仕方がないかな・・・。気になったのはやはりピアノの音。連弾の際、いくらなんでも素人臭すぎて、音がキンキン響き、綺麗なハーモニーになっていないのが聞き苦しい。こうしたお芝居では、拙くてもやはり美しい音は必要。また、なんというか、このホールの豪華さに舞台美術が負けている感じがした。ホール入口にたくさん生花が届いていたのに、これを使わなかったのは残念。(こういうの美術に使うのは失礼なんですかね?)客席においても良かったのに。いい香りがしてゴージャスな雰囲気がもっと味わえたと思います。というのは、かつて客席にさりげなくお花が置かれたコンサートに私が行ったことがあるからなんですね。とても素敵でした。だって結婚式場にお花はつきものだもの。
かぞくや
劇団だるま座
アトリエだるま座(東京都)
2013/10/22 (火) ~ 2013/10/31 (木)公演終了
満足度★★★★★
琴線に触れる、という言葉がありますが、
正にそんな舞台でした。私はコメディというより、世話物として見ました。レッツ・キッスのあたりから涙が止まらなかったなぁ。それは、昭和を反映した時代感のせいだったり、体温を感じさせる確かな演技のせいだったりするのだけれど、やはり現代の世相がこの脚本が書かれた頃より遥かに、孤独ということを実感させるせいだと思う。スーパーやコンビニにあふれるお弁当や総菜。長いことかかってそれを選んでいくお年寄りたち。昔は忙しい主婦が夕食のもう一品の足しに買った物だ。でも今は違う。みんながそれを知っているけれど、そして利用しているけれど、そこにある孤独には触れないようにしている。暖かなラストだが、そういう意味では鋭い視点で描かれた脚本だと思います。平日のマチネに予備の椅子が出るほどの盛況。だるま座すごすぎ。
『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了
満足度★★★★
うれしい悲鳴観劇
この劇団、分かりにくかったりすることもあるのだけれど、それはこちらの感性不足なのかな?と思うほど、舞台は香気があり、芸術性が高い。なのでやっぱり見たくなってしまう、不思議な劇団だ。今回も印象的な衣装や迫力あるダンスなどすごく良かったです。何だか、とても高いものを求めているんだなぁと感じさせる舞台でした。ちなみに今回はアホな私にもすごく解り易かったです。
この世の楽園
鵺的(ぬえてき)
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了
満足度★★★
男女の危機にも
色々あるものだなぁと・・・・。三組ともありえない感が強いのが残念だった。拉致した後どうなるのかなと楽しみだったので、思いもよらない結末は肩すかしを食らった感じでした。緻密な演技は見応えがありましたが・・・・。全員の台詞が何だか子供っぽくて、こうした台詞劇にしては印象が薄い。
支線ガード下・始発
劇団芝居屋
ザ・ポケット(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
客入れ時、支線ガード下の舞台に響く
アヴェ・マリアの声。観終わって「ああ、こういうことだったのか」とこの曲を選んだ歌手の方のセンスに脱帽。素晴らしい導入で、無理なくきれいに劇に繋がり、しかも終わった後、しみじみとこの曲が選ばれた理由を噛み締めることができた。お芝居の素晴らしさは言うに及ばず。安定感のある達者な演技とテンポよく聞き易い台詞、温かい涙を誘うストーリー、「現代の世話物」の名に恥じない素晴らしい舞台でした。コメディの要素もたっぷり、笑いあり涙ありですが、全く悪達者な感じがしないのもこの劇団の品格だと思います。衣装もすごく良かった。劇中、それぞれの女性が自分が一番きちんとしていると信じるドレスを着ているのも、各人の人生を感じさせますね。飲み屋のマダムの衣装、八掛の紅絹が効いていて(腰巻も!)鮮やかでした~。細かいところにも注意が行き届いていて、劇全体のクオリティを高めていたと思います。
マルスフィクション
.comet <ドットコメット>
サンモールスタジオ(東京都)
2013/10/17 (木) ~ 2013/10/21 (月)公演終了
なんだか、
疲れ果てました・・・・・。あまりの声の大きさに。初めのうちは中継されていることを意識している、という設定なんだなと理解していましたが、普通の会話に戻っても同じトーン。何で?いまどき珍しい。この小さなスタジオで徹頭徹尾大声でやられると、拷問に近い。面白い設定でしたが、内容が頭に入って来ない~。確かアメリカでこういう風に24時間私生活を放送するという番組がありましたね。
ブリキの茶袱台
office HOMME / team Genius bibi
Geki地下Liberty(東京都)
2013/10/15 (火) ~ 2013/10/20 (日)公演終了
満足度★★★★
とっても良かったです~。
こういう舞台を見ていると、お芝居の楽しさというものをつくづく感じます。現実には起こりえないようなことでも、お芝居というフィルターを通すとそのエッセンスのようなものが滲み出てくる。家族の大切さ、その在り難さ、あたりまえに、一緒に食事をするということの困難さ。主人公の女性の部屋に次々現われてくる不可思議な人々と、それを受け入れてしまう主人公の強さと弱さは、すべてあの暖かいフィナーレへの下敷きだったんだなぁと感じ入りました。巧いです。場内、感涙の嵐でした。