ぴおんち33の観てきた!クチコミ一覧

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ゴベリンドン

ゴベリンドン

おぼんろ

吉祥寺シアター(東京都)

2015/05/21 (木) ~ 2015/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

美しい幕開けでした・・・・。
おぼんろ色一色に染め上げられた劇場で、今までに無い美しい幕開けに驚いた。大人のための青い童話の世界ですね。幕開けがあんまり美しかったので、いろいろと期待しすぎてしまった感あり。でも、衣装、美術、化粧など、この劇団は色々見るべきものが多く、観客をゴベリンドンの沼に引きずり込む物に事欠かない。今回はゴベリンドンの変身シーンが凄絶。無邪気なタクマとの対比が泣かせる。あの指先まで苦痛に満ちた演技、見ていてこちらまで固まってしまいました。ただ、ゴベリンドンが中央に出たとき、もう少し照明が暗くてもよかったかな。あまりはっきりと全身が見えてしまうより、少し見えにくい位がその悲惨さが伝わると思います。それにしても悲しいお話。大人の童話だからかなぁ。愛する者と一緒にいる、ただそれだけのために人はこんな恐ろしい罪を犯してしまうものだろうか。うっとりするほど美しく、残酷なお話だ。

ネタバレBOX

う~ん、幕開けの跳ね上がるテント状の布、劇中でも利用できなかったものかな?場面によっては(例えば沼のシーンなどで、これを低く降ろして沼の水面に見立てるとか・・・・)かなり有効に使えたのではと思いますが。役者さんが縦横に動く独特の舞台構成のため、吉祥寺シアターのような大きい劇場ではどうしても空間移動が忙しくなってしまう。あえて天井を低くして、舞台自体を狭くするという工夫があっても面白かったのでは。小さな村の閉塞感を出すのにも使えるし、幼い頃の思い出の世界を表現しても。それと、弁士はどうしても必要でしょうか?わざと小さな破綻を作っているのでしょうが、観客がおぼんろの世界観に浸り始めた頃に出てくるので、わかっていても違和感を感じる。
HOME  COMING

HOME COMING

空間製作社

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2015/05/21 (木) ~ 2015/05/25 (月)公演終了

満足度★★★★

劇中、歌や音楽の入り方が
すごく自然で、ミュージカル特有の大げささやうるささがなく、とても楽しめました。こういうの、構成がいい、というのかな。ほっこりする感じ。何か独特なものを感じさせられました。また、音のミキシングがよく、マイクを通した歌やセリフもほとんど気にならなかった。六本の桜の精は・・・・・う~ん、ちょっと出すぎかな?うるさくはないけれど、みなさんスタイルがいいせいか、存在感がありすぎたような気がする。これぐらい出すのなら、衣装を統一したほうが気にならなかったかもしれない。どれくらい気になるかというと、あ、この衣装の人うまい、いつも足が楽々と上がって決まってるな~、というレベル。ストーリーには桜の精一人一人のキャラクターは関係ないので、薄紅色で統一したほうがすっきりしたと思う。あの衣装だと、誰かがストーリーに絡んでくるのかな、とずっと思っていました。俳優の方は音程がしっかりしていて、安心して聞いていられた。ハーモニーもすごくよかった。この先楽しみですね!あ、地震時の対応もとても落ち着いていて、適確でよかったと思います!

ネタバレBOX

ミュージカルには珍しく、黒田先生のあまり幸福ではなかった教員生活とその最後なども暗示されていて、ミュージカルらしくないといえばそんな気もするけれど、ミュージカルだからと言って何もかもハッピーエンドだったり分かりやすくする必要はないと思います。そういう意味ではかなり思い切ったストーリー展開。ただ、途中死者との邂逅の場面など、台詞のみがかなり続き、ちょっとミュージカルである事を忘れているような感じも。ここら辺の処理、何か印象的なバックミュージックや効果音、ライティングが欲しかったところです。前半、にぎやかな遊園地の場面などたくさん見たせいで、後半ちょっと寂しく感じる場面も。体力を消耗する場面が多いので無理ないかな、と思いますが、後半にもう一つ二つ、印象的なシーンが欲しかったですね。
舞首ー三つ巴の里ー

舞首ー三つ巴の里ー

鬼の居ぬ間に

シアター711(東京都)

2015/05/06 (水) ~ 2015/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★

恐怖と解りやすさは反比例する?
あれ、効果音が変わったな、とすぐ感じた。綺麗な音でした~。もはや音楽。ストーリーが追いやすく、その分、恐怖感が薄まった気がした。良庵の立ち位置が何だかもどかしい。この人の読経はなかなか見事でしたが、仏教色を濃厚に感じさせてくれるけれど、ストーリーの展開に絡んでいるようないないような、中途半端な感じが抜けない。最後まで、彼がどこかで重要な所にからんできて、それが恐怖を増幅するのだろうと勝手に想像していたのですが・・・。印象的な登場であっただけに何だか残念な感じに終わった。しかし、恐怖というものは、何だかよくわからないところに最も強く感じられるものなんですね。それと、仏教というものはかなり理知的・哲学的なもので、こうした不条理な因習などとは少しそりが合わない感じ。

揺籃

揺籃

おちないリンゴ

小劇場 楽園(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

香り高い舞台
この劇団、口跡が美しいとでもいうのか、「そっか・・・・」「そうか・・・・」こんな相槌一つでも余韻に富んでいて、きれいな台詞回しに聞き惚れました。家具に込められた家族への思いなど、脚本が泣かせますね。揺り椅子の男性を巡る女性の細やかな心理描写が秀逸で、この劇団にしか作れない世界を堪能しました。また衣装も細かい。訃報を受け、慌ててやって来た様子の伺える、長女の少しちぐはぐな衣装や(スカートが紺色・・・・)ストーリーの展開によってだんだん体の露出度が多くなる近所の女性など、いかにも女性中心の劇団らしい。それにしても、オンブラ・マイ・フが美しくはまっていましたね。最後のこの曲で場内感泣の嵐。また、お茶やカルヴァドスを飲むシーンなど、香りが漂ってくるような素晴らしい演技でした。(こういうの香り高いとは言わないのかな?)

ネタバレBOX

上記のようにベタ褒めしておいて、なぜ星5つでは無いのかというと、美術や照明が少し残念でした。特に机と四つの椅子。揺り椅子に較べると新品に見えた。エイジングしておくべきでしたね。家族の思い出がつまっているのだもの。照明については、以前映像とのコラージュ劇を見た記憶があったので、風に揺れる葉陰か何か、特に回想シーンなどで欲しかった。東京にはたくさんの劇団があるけれど、中には明らかにヴィジュアルや芸術性を意識した劇団もあり、観客を演技と脚本で感動させ、さらに芸術性で酔わせる、ということまでやってのける。この劇団にもやって欲しいなぁ・・・・。小さな劇場で制約も多いでしょうが、この劇団ならきっと出来たと思います。
音楽劇 御手洗さん

音楽劇 御手洗さん

株式会社オフィスインベーダー

シアター711(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★

若さと勢いがあり、楽しかった。笑えたし、
楽しかったけれども、よくも悪くも典型的な小劇場の劇でしたね。超ハイテンションと劇場の大きさに関係ない大声で突っ走った、という感が強い。いくつか深く掘り下げるべきポイントもあったと思うけれども、(美醜の考察、同僚への裏切り、公害問題など)音楽劇ということですべて軽く流されてしまった。なんで音楽劇なんだろう、あまり音楽劇である必要はないと思いましたが、みんなで踊りたかったのかな?あるいはご都合主義のストーリーをそれらしく見せるためだったのかな。観客の入りもよく補助席が出るほどで、人気のある劇団なんだなぁと驚きましたが、独自性に乏しく、なんだか見ていて疲れる舞台でした。壁にはまる女優さん、味があってよかったですね。あれ、もっと見たかったなぁ。

ネタバレBOX

う~ん、どうも小劇場の悪いところばかりが目についてしまった。一生懸命だけれどもキレの悪いダンス、うるさすぎる台詞回し、チープなストーリー展開、
音楽劇の良さが全く感じられない構成・・・・。コメディというほど笑いが中心ではなく、CEOの訳わからん短パン姿など、上質な小劇場劇からはほど遠い。なんだかボタンを掛け間違ったみたいな感じだったなぁ。あまり色々詰め込みすぎたかな?もっとテーマを絞って観客に感情移入させる落としどころを作ってほしいです。一つ一つがうまくはまるとあの短パンもギャハハハと大笑いできると思いますが。
転人

転人

劇団メイカーズ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

舞台が広いせいか、
登場人物が多いわりにメリハリに欠け、平凡な感じに。カフェでのコメディタッチな失敗シーンなどでも、笑いが起こらない。なんだか最初に観客をつかみ損ねて、そのままズルズルと最後まで行ってしまった感が強い。群像劇といっても、もう少し各人のバックグラウンドや人生を感じさせるものであってほしい。

遺産遊戯!

遺産遊戯!

team☆G-VA

小劇場 楽園(東京都)

2015/04/01 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

全体になかなか力技的な
舞台でした。なんとなくストーリーは先読みできるのだけれど、力のある俳優さんたちのテンポのいい台詞や演技など、舞台に引きずり込まれました。子供達や母親の、お金を巡ってのありきたりな設定がちょっと残念だったけれど、祖母の切れのいいセリフがそれを救っていた。お父さんの影の薄さも妙にリアル。しかし、あの遊戯でお金を巡ってこじれにこじれた家族関係が良くなるかどうかはちょっと疑問の残るところ。なんとなく大団円にもっていってしまったな~、とこちらもちょっと力技的。でも、とっても楽しめる舞台でした。3Dプリンタの新しい使い方が斬新!

セルロイド

セルロイド

ハツビロコウ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/03/18 (水) ~ 2015/03/22 (日)公演終了

満足度★★★

衝撃的な幕開けから始まる
4人の役者さんによる濃密な会話劇。連鎖する虐待という極めて重いテーマを正面から扱って見応えありました。最初のシーン、スペース雑遊の構造を知っていても、かなりショッキング。一瞬にして劇場が不穏な空気に包まれましたね。音響、ライティングの演出も見事で、こうした小劇場ならではの舞台でした。ただ、暗転無しのこれだけの会話劇を、緊張感を保ちつつ最後まで魅せ続けるには、ちょっとセリフが甘かったですね。滑舌の悪さも気になった。こういうの一旦気になってしまうと、こうしたタイプの劇は最後まで抜けられない。あ、小物の使い方がリアリティがあって見事でした。なんか怖かったです。

ネタバレBOX

もう一つ気になったのは、女優さんの声のトーンがあまり高くなく、男優さんの声とかぶってしまい、虐待の原因になっている性の問題の悲惨さがあまり感じられないこと。開始直後はハスキーで素敵な声だな、と感じましたが、これだけの会話劇だともう少し女声で変化が欲しかったところ。少女時代の虐待されるシーンが全く思い浮かばない・・・・。つまり、虐待の連鎖が情報としてはよく伝わったけれど、感覚的にイマイチよく伝わってこない。少し残念でした。
ユメオイビトの航海日誌

ユメオイビトの航海日誌

LIVEDOG

シアターサンモール(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

う~ん??
劇場入り口のすごい花輪や花束の数からして、人気のある劇団なんだな~と驚きましたが、お芝居は、マカオ氏の殺陣の体のキレの良さが目立ったぐらいかな?全体に稀薄な感じがして残念。でもファンの方がいっぱいいて、にぎやかでしたね。

「蛍よ……妖しの海を翔べ」

「蛍よ……妖しの海を翔べ」

劇団ギルド

座・高円寺1(東京都)

2015/01/29 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

言霊の威力?
すごい昭和テイストなお芝居で、パンフを読んで納得。35年前に書かれた脚本だったんですね。いろいろと現代的な味付けも為されていましたが、台詞のためか、レトロな印象が強かったです。言霊の威力を感じました。義経の時代と昭和のシンクロや、この二つの時代の不思議な重なりの符号など、面白い作品でしたが、どうせなら現代まで感じさせるような何かが欲しかったな。これは、リベルタンゴなど手垢のついた音楽を使っているせいじゃないかな、と残念に感じた。至高のエロスは・・・・・まったく感じませんでした。刺激的な性表現があふれている現代では、ただ時代感だけを感じた。チャレンジングでした。

シカク

シカク

企画演劇集団ボクラ団義

サンモールスタジオ(東京都)

2014/12/18 (木) ~ 2014/12/28 (日)公演終了

満足度★★★★

衝撃的な幕開けから
会話を中心に熱量の高いお芝居が見られました。この長尺で台詞の多い劇を何組もの役者さんが演じることができるなんて、すごい劇団ですね。また、マッピングの技術をこんなにうまく使いこなしている劇団を観たのは初めてです。ライティングも素晴しい。何度もグルーヴするシーンから次々に謎が明かされていって、ぞくぞくするような会話劇の素晴らしさを味わえました。ただ、テンションの高い前説も入れると、2時間40分を優に越えるこの劇、やっぱり長過ぎる。俳優さんたちの声量や声のトーンもバラバラで、噛みも「ここで噛むか・・・・」という大事な所で発生したりして、全体にちょっと無理があるかな、と感じた。前説をバッサリ切るか、素人的にはわかりにくいチェホフの部分など、(入れたいんだろうなぁ、とは思います。思いますがあのシーン長かったな・・・・・)割愛して、何度も足を運びたくなるような舞台にして欲しい。

ネタバレBOX

もう2回ぐらい見たいけれど、あの長さを思うと足が萎えますね。あと、なんとなくこうしたお芝居ってこの劇団の本領じゃ無い感じがする。パンフにも異形のお芝居とありますが・・・・。でもこんなすごい脚本があるのだから、ベストメンバーでもう一度見てみたいなぁ。鮮烈でした。
ダキニ城の虜

ダキニ城の虜

舞台芸術集団 地下空港

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2014/12/16 (火) ~ 2014/12/22 (月)公演終了

満足度★★★★

なかなかエキサイティングな
会話劇でした!不思議な統一感を見せる衣装にも見入ってしまった。ジェットコースターのように次に何が起きるかわからない展開で、ブラックなんだかホラーなのかよくわからない・・・・・う~ん、なんというか、めくるめくような感じ?
とでもいえばいいのかな、この作品だけじゃなくてもっと見てみたい劇団ですね!

35丁目にも奇蹟

35丁目にも奇蹟

東京AZARASHI団

銀座みゆき館劇場(東京都)

2014/12/12 (金) ~ 2014/12/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

このテイストすごく好き!
真面目な大人のためのファンタジー、すごくいいですね!ストーリー、テンポもよく、何よりもクリアーな台詞に的確な演技など素晴らしかったです。安心してみていられて、お話の中に没頭できました。ルシファーや閻魔のデザインや衣装も何というか、堂に入ったもので、美しさと説得力がすごい(笑)クリスマスの大売出しのような惣花的な楽しさがあって、この季節にピッタリなお芝居が見られて幸せな気分になれました。

ネタバレBOX

ええと、ファンタジー社だったかな、短いボトムを着ている女性の方でしたが、この方のパンストが、座るとストッキングの部分よりもっと黒いパンティの部分がモロに見えてしまって、同じ女性としてかなり恥ずかしかったです。ご注意を!
分際

分際

東京マハロ

小劇場B1(東京都)

2014/11/14 (金) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★

うん、面白かったです!
台詞のタイミングと切れの良さと、脚本の良さですごく楽しめました。キャラクターが生き生きしていて、いや~な感じも情けない感じもすごくリアルだ。色々なことが起こる通夜の修羅場とその収束が巧く描けていて、ものすごく見応えありました。右子さん、美人オーラ満載から切れまくる熱演まで、存在感ありました。

ネタバレBOX

ええと到着時の物議を醸した小さなスーツケースが、帰るころには大きなスーツケースになっていたのは、何とか無事にお葬式、形見分けも済んだってことですよね。でも、ちょっと形見分けのトラブルも見たかったかも。
通る夜・仰げば尊し

通る夜・仰げば尊し

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2014/11/19 (水) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

う~ん、どこを泣き所と捉えれば
いいのかわからないほど、泣かされました・・・・。劇団の主旨が泣かせることにないのは明確なのですが、通夜の雰囲気がリアルで、始めっから涙腺が緩んでしまいましたね。お通夜って、悲しいのだけれど旧知の人々が集って妙にハイになるところとか、みんなが気丈に振る舞って、何とか湿っぽくならないようにしようとする共通意識とか、「うん、あるある」と深くうなづいてしまうことばかりでした。こんな暖かいお通夜は周りから見ていると本当に悲しい。一人ひとりの悲しみがしみじみと伝わって来ます。分かり易いストーリーと緻密な演技はいつにも増して素晴らしかったです!

ネタバレBOX

劇中で「仰げば尊し」が3番まで歌われましたが、1番はちょっとバラバラ気味に、2番は綺麗にハーモニーが入り、3番はそれにエコーを効かせ・・・・と、こんなところにも細心の注意が払われていて、さすがだなぁと感じ入りました。他にも素人にはわからないが、劇を一本調子にしないための細かい演出がいっぱいあるんだろうなぁ、と思った。
そのときのはなし

そのときのはなし

おちないリンゴ

小劇場 楽園(東京都)

2014/11/12 (水) ~ 2014/11/16 (日)公演終了

満足度★★★★

う~んと唸っちゃいました・・・・。
この有り得ない感、切なさ、いろんな「女」が出てきて、さすが女性脚本家の視点だなぁ。すっごく面白かったです!舞台美術もシンプルでいい。オムニバスとはいっても見応えありました。

男たちの馬鹿

男たちの馬鹿

劇団スパイスガーデン

Geki地下Liberty(東京都)

2014/11/11 (火) ~ 2014/11/16 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったですね。
女性の観客が席の大半を占めており、人気があるんだなぁとびっくり。男性ばかりの舞台で、熱気がありました。でも、なんとなく熱気と力強さで押し切った感じがあり、もう少しストーリーにひねりや細かさがあればもっと面白かったと思う。どうしてもこの展開だと物足りない感が残りますね。

色のない虹

色のない虹

ポムカンパニー

シアター711(東京都)

2014/10/30 (木) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★★

なかなかガチな演劇で、
見応えありました。シアター711の扉の多い劇場をフルに使って、少なくない登場人物をうまくまとめていた。画家の苦しみというかなり稀なテーマでしたが、わかり易く、人物設定もうまい。最後の美術教師の筆使いは圧巻でした。日本には数多くの芸術系の学校があるけれど、芸術家として生きていける人は稀だ。その芸術活動の渦中にいる人々と周辺にいる人々との係わりなど興味深く、始めのうちはこれがテーマかな?と思った。こういうテーマのほうが共感は呼び易かっただろうな、と思います。演出面では主人公の心象風景が巧く描かれていて面白かったですが、ちょっと古臭い感じもした。

ネタバレBOX

主人公を「笑った」女性の衣装が気になった。この女性は主人公に較べると明らかに「才能が無いという設定」→才能が無いので服のセンスも無い→衣装もダサいという発想なのだろうか。でも、あれは有り得ない。仮にも芸術の中心にいる人間が、しかも若い女性があんな美意識の欠落した恰好をするはずがない。若い女性で、しかも才能の無さを自覚しているなら、そのコンプレックスの反動として必ず自己主張の強い、お洒落な格好をするはずだ。なぜなら、それが女というものだからです。一本松君やもう一人の女性よりももっとアヴァンギャルドな衣装でもいいくらい。それでこそ、主人公のシンプルな白いブラウスにジーンズという、本当に力のある人間の、衣装になどこだわる必要のないスタンスが鮮明になると思う。細かいことですが、何だか惜しかったですね。
愛フォンブース

愛フォンブース

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2014/10/29 (水) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★★

これぞ空極のシットコム!?
と言いたくなるような、面白い設定でした。台詞がみなさん綺麗ですごく聞きとり易く、せりふ劇の楽しさを堪能。お芝居ってこうじゃなくちゃ!と思った。平日のマチネにもかかわらず、通路もすべて補助席で埋まるほどの盛況も納得。客層も老若男女を問わない。これは携帯電話に係わるお話ということもあるのだろうと思う。この異常な発達を遂げている機器に関しては、便利さとともに何か不穏なものを感じている人も多いのではないだろうか。一時社会現象にもなったゲーム機の発売はまだ理解の範疇だが、携帯は現代のアジテーターに近い力を持ちつつある所が何だか怖い。この、人を引き付けて止まないものに魅入られた人々のシリアスさと、いきなりどーでもよくなる瞬間を描いて、単なるお笑いで終わらない、すごく上質のコメディでした。う~ん、中野さんは果たして幸福な人なのがどうか、考えてしまいますね。

ネタバレBOX

ええと、八時以降時計が止まっていましたね。あれ?と思った。←細かいですが・・・・。
火宅の後

火宅の後

猫の会

「劇」小劇場(東京都)

2014/10/22 (水) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

分厚いキャラクターを
作ってきたなぁ!というのが主人公が登場した時の第一印象。様々な側面を持つ主人公の魅力を十分に掴み取った人物像だったと思います。それにかかわる人々も面白い。現代人とはなんという違いがあることだろう。こんな人物を生み出した時代背景がイマイチわからないのが残念といえば残念。昭和のことなのに、早くもその感性から自分が遠ざかっているのを感じる。ああ、それで、あの舞台のサラサラ流れる砂なんだなぁ、と気付いたのは一日経ってからだった。観劇中は面白い美術だなぁ、なんか意味があるんだろうなぁ、としか思わなかった自分のアホさが情けない。この失われていく愛おしいもの。不変なものなど何一つ無いという事実。観劇中にわかっていればなぁ、とつくづく思います。

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