揺籃 公演情報 おちないリンゴ「揺籃」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    香り高い舞台
    この劇団、口跡が美しいとでもいうのか、「そっか・・・・」「そうか・・・・」こんな相槌一つでも余韻に富んでいて、きれいな台詞回しに聞き惚れました。家具に込められた家族への思いなど、脚本が泣かせますね。揺り椅子の男性を巡る女性の細やかな心理描写が秀逸で、この劇団にしか作れない世界を堪能しました。また衣装も細かい。訃報を受け、慌ててやって来た様子の伺える、長女の少しちぐはぐな衣装や(スカートが紺色・・・・)ストーリーの展開によってだんだん体の露出度が多くなる近所の女性など、いかにも女性中心の劇団らしい。それにしても、オンブラ・マイ・フが美しくはまっていましたね。最後のこの曲で場内感泣の嵐。また、お茶やカルヴァドスを飲むシーンなど、香りが漂ってくるような素晴らしい演技でした。(こういうの香り高いとは言わないのかな?)

    ネタバレBOX

    上記のようにベタ褒めしておいて、なぜ星5つでは無いのかというと、美術や照明が少し残念でした。特に机と四つの椅子。揺り椅子に較べると新品に見えた。エイジングしておくべきでしたね。家族の思い出がつまっているのだもの。照明については、以前映像とのコラージュ劇を見た記憶があったので、風に揺れる葉陰か何か、特に回想シーンなどで欲しかった。東京にはたくさんの劇団があるけれど、中には明らかにヴィジュアルや芸術性を意識した劇団もあり、観客を演技と脚本で感動させ、さらに芸術性で酔わせる、ということまでやってのける。この劇団にもやって欲しいなぁ・・・・。小さな劇場で制約も多いでしょうが、この劇団ならきっと出来たと思います。

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    2015/04/24 20:53

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