雪が降ってるのなど見たことないが気のせいか
ガレキの太鼓
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/01/23 (木) ~ 2014/02/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
ポップじゃなかったからと言ってどうだというのか?
当たり障りの無い言葉では紹介出来ないので、はっきりと書きます。
とても実験的な作品です。物語性を追求しつつ、演出上はのぞき見公演と通常演劇の融合を目指しており、とても志が高い。実際にその意味ではとても成功している作品だったし、この体験がガレキの太鼓ですといえる代表的な演出作品になったのではないかと思う。ただ、テーマの中心に薬物の問題があり、モラルの崩壊は本当に世の中の崩壊なのかというような根源的な問いを含んでいるため、観ている者の身につまされる経験を催させるし、トコトン面倒くさいという感想も出るだろう。
ビターな話が好きな人は取り組んで見るベキ作品。スイートが好きな人は、別の芝居を観に行けばいい。普遍性が高いが煮えたぎった熱湯に手を入れると火傷するよっていう作品。
冬眠する熊に添い寝してごらん
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2014/01/09 (木) ~ 2014/02/01 (土)公演終了
満足度★★★★★
蜷川さんの演出力、圧巻!
4時間30分の公演、全然眠くならなかったし、つまらなくならなかった。ひとえに、演出家蜷川幸雄が観客を飽きさせない工夫を凝らしたからだと思う。見せ場もいろいろあり、「ダレ場」も「ヌレ場」もしっかりと作り込み堪能できるようになっている。戯曲から演出家は何を工夫し料理するべきなのか?といういい教科書になっているような気がする。台本の台詞に忠実にやる事でも演出家は、個性をだし得るものだし、そこでキラリと光らなければ、演劇作家としての才能はあったとしても演出家の才能としては認められないと思う。(たとえば西尾佳織は、作家として優れていても、演出家としてまだまだであるといえる)
「空のハモニカ-わたしがみすゞだった頃のこと-」
てがみ座
座・高円寺1(東京都)
2013/08/01 (木) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★
傷。
作品は良かったが、舞台美術に難があったのではないかという気がしてならない。狭い京都と広い座・高円寺と空間それぞれに対応したツクリではなかったのだろう。焦点がぶれた印象を持った。
演出が空間によって変えてないとするとそちらの問題かもしれない。いずれにしてもスタッフワークに不満の残る作品となってしまった。
対面式舞台を上手く使い切れていなかった。
アトミック☆ストーム
流山児★事務所
座・高円寺1(東京都)
2013/05/31 (金) ~ 2013/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
演出家!
中屋敷さんは同世代の演出家としては抜きん出た存在なのじゃないかと思う。この作品は素晴らしかった。世代の枠を超えて演出を任せられるという域まで達している演出家だと思いました。
発情ジュリアス・シーザー
柿喰う客
青山円形劇場(東京都)
2013/02/21 (木) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★
うまいけど。。
演出がうまいなという印象。
けど作品としては駄作の部類。
何かポイントがズレているのだろう。
女優の演技を観て、80年代演劇の焼き直しじゃないかという感想を持った。
国語の時間
風琴工房
座・高円寺1(東京都)
2013/02/22 (金) ~ 2013/02/28 (木)公演終了
人数の足りない三角関係の結末
tea for two
「劇」小劇場(東京都)
2013/10/17 (木) ~ 2013/10/20 (日)公演終了
満足度★★
面白いが。。。
ウェルメイドの作品は結局ホンだけで80点が取れるお芝居の事だが、それでも公演の成功は役者の熱意と稽古量に掛かっていると思う。稽古不足それ以外のなにものでもない。
レミング ~世界の涯までつれてって~
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2013/04/21 (日) ~ 2013/05/16 (木)公演終了
満足度★
駄目だった
寺山修司というよりも松本雄吉だったし、単調な音の連なりが苦痛だった。常磐貴子は歌が下手糞だし。アンサンブルは総じて素晴らしかったが、松本雄吉と常磐貴子の歌は私には合わないらしい。
God save the Queen
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/09/12 (木) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★★★
心が騒いだ
うさぎストライプ
よくある感じ。たいへん上手くまとめてました。だから何?という感じ。
役者の声・BGMの音の量が雑。というか効果的じゃなかった。
タカハ劇団
空間と時間尺を上手く生かした作品。安心と安全の設計。
鳥公園
奇天烈だった。五本の作品の中で一番作家性があると思った。
高低も上手く使って大きな空間がちゃんと使えていた。
ワワフラミンゴ
シンプルで演劇的、会話と身体で演劇を見せるということが一番出来ていた。どこででも出来る普遍性のあるクオリティーの高い作品。
Q
鳥公園も獣姦を扱っていたけれど、こちらの方がグロかった。凄まじかったけれども、下品。
5本の作品を観て、なにが「クイーン」なのか「セイヴ」なのか、「ゴッド」なのかよくわからなかったけれども、観て良かった.
Aftershock
PLANT M
ギャラリーLIFT(東京都)
2013/12/09 (月) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
せりふの素晴らしさ
演劇において、セリフの先に風景が見えるというのは素晴らしい事だ。樋口ミユがそういう、風景が見える作家であるということがこの作品を観るとよくわかる。本人が書きたいものを、作品として書ききれているかは、本人しか分からない所だが、とても覗いてみたい闇というものが其処にある。だから観客として観る分にはとても申し分無い作家だ。
あとは、役者の技量と演出が何処まで追いつき、追い越すことが出来るのかだが、今回長期に渡り公演を行ったのもそこを勝負する気概があっての事だったろう。
私は残念ながら初日しか観る事が出来なかったが、初日と千秋楽では世界が天と地ほど入れ替わって体現されている事は容易に想像出来た。
見世物革命ゴウマちゃん
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シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2013/08/23 (金) ~ 2013/08/25 (日)公演終了
満足度★★★
祝祭があった。
とても勢いがあり、狂躁のうちに公演が終わったという印象です。ダンス・衣裳・化粧・歌詞・歌・テクニカル・客対応、どれをとっても満足のいくエンターテイメントでした。
このテンションを維持して大きな所に羽ばたいていって下さい。
紙風船文様 Vol.2
カトリ企画UR
atelier SENTIO(東京都)
2013/07/22 (月) ~ 2013/07/28 (日)公演終了
満足度★★
俳優の魅力
同じ作品を二人の演出家で違いを際立たせるという、カトリさんの策略はとても成功していました。俳優の演技力がとてもノーブルで対応力が素晴らしいことも、この公演を観て実感致しました。この企画を今後も見続けて行きたいと思いました。西尾さんの演出ですが、テキストを弄った点と弄った結果としてこの作品がどのように変わったのかということを考えて併せて評価しなければならないと思います。戯曲をどのように上演するのかという問題意識は凄く高い人だなと思いましたが、今回は私の好みではありませんでした。何故ならば、戯曲の作品性よりも西尾氏本人の作家性が色濃く反映した作品になっていたからです。演出家ではなく演劇作家としてそういう作品はアリなのですが、中途半端だなあという感じでした。ホンを解体するならば、居抜きじゃなくて本腰入れて解体しろよと。その覚悟をもってやれば、もっと違う作品になりえていたと思います。期待は持てる作品でした。
紙風船文様 Vol.2
カトリ企画UR
atelier SENTIO(東京都)
2013/07/22 (月) ~ 2013/07/28 (日)公演終了
満足度★★★★
良い演出家
戯曲に書いてある事をどのように表現するのかというのが、演出家の求められている事だと考えるならば、山本さんはその任を充分応えている満足の出来る作品となっておりました。
現在地
チェルフィッチュ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/11/28 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★
完成形。しかし、押し詰まった感
とても魅力的に洗練されている作品だった。すべてが狙い通りに配置されて実行されているのがよくわかる作品だった。しかし、完成度が高いので、余計な夾雑物が無く純度が増しているように見える反面、行き詰まりの絶望感も露わになっている印象を受けた。絶望の先には別のものを作るという未来の創作の意欲というものがある訳だが、そういうものも垣間見えた気がする。
みんなヒリヒリするって言うけれど、普段90点取っている人が100点とったという素晴らしさがある反面、驚きは無いなあと。
驚きを求めて演劇を観ているわけじゃないけれど、魂を自由にする驚きって何だろうと考えてしまう。
ライクアプラスチック
あひるなんちゃら
ザ・スズナリ(東京都)
2013/07/19 (金) ~ 2013/07/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
型に嵌まって最高でした。
演劇に型を求めるとつまらなくなる芝居もある。しかしこの劇団は型に嵌まって強さを押し出す事が出来る劇団なのだという事が今回の公演を観てとてもよくわかった。頭に乗らずに素晴らしい作品を作り続けて欲しい。
ギプス不動産
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
(飲めない人のための)ブラックコーヒー
岡崎藝術座
北品川フリースペース楽間(東京都)
2013/06/14 (金) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★
空間構成能力が圧巻
北品川の楽間での上演、どうなるのかととても興味津々だった。
空間の中で凝縮されたシーンの数々がとても印象的だった。大袈裟な舞台装置をつかわずとも、劇的なるものは表現出来るというアングラの教科書のような公演でした。
小さなエール
643ノゲッツー
OFF OFFシアター(東京都)
2012/10/02 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★
小さなエール
人間関係がドロドロしたドメスティックなものが嫌いな人は、この芝居は向かないかもしれない。けれども、この芝居は人間関係のドメスティックなドロドロ部分を描く為に創られた作品ではない。ドロドロした部分を描くのは、その先の「小さなエール」がおくられる光景を描くためなのだ。
コンセプトの「俳優が舞台上で照明操作をすること」が、人間の野獣性を描いた部分への歯止めとなり抑制された枠として機能することによって、ストーリーのバランスを保っている。
まるでボクシングの野獣性がゴングという時間の制御によって興行のバランスを取っているように。
出来た作品なのだが、もっと先を観てみたくもなる。
ナカフラ演劇展
中野成樹+フランケンズ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/06/07 (木) ~ 2012/06/20 (水)公演終了
満足度★★★★★
成熟した演劇
とっても大人な劇団だと思う。
くだらないこともやっているのだけれども、ちゃんと見通しが立ってヤリ過ぎない。酔わない。溺れない。山の手の都会的スマートさというべきか。
特にCプロの3本はそれぞれ持ち味が異なりながら、とてもクオリティが高く、笑えたし空寒い怖さを秘めたユーモアが絶妙に輝いていた。
俳優も個性的で魅力的。けれどもアクが強いとうよりも洗練されている持ち味という感じである。30分~1時間の短編物としての切れ味のよさは、長編物の時にはエグ味となったり、人工的な印象につながるのだが、短編は素晴らしい。
10年目のペンギン
はらぺこペンギン!
ザ・ポケット(東京都)
2012/06/20 (水) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★
10年すごい
10年続けることは、とてもすごいことだと思う。
出演者同士の信頼感というものが、舞台上であるのが感じられた。
劇団というもののいいところは、そういうことだろう。
悪くいえば、馴れ合いなんだけれども。
自己規定が強すぎる。話の筋は面白かったけれども、変人さのアピール大会は面白いというよりも気味が悪かった。