ことほぐ
intro
生活支援型文化施設コンカリーニョ(北海道)
2012/05/31 (木) ~ 2012/06/04 (月)公演終了
満足度★★★★
みんな、ことほがれたい
誰もが不安と闘いながら生きているんです! みんな、祝福されて暮らしたいんです! 登場人物からそんな心の叫びが聞こえてきました。
翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2012/05/24 (木) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
劇場を出た瞬間の脱力感。
まず、配布されたレインコートのあり得ない薄さに「ひぃ!」となりました。手早く手荷物をビニール袋に包んだ際、パンフレットも入れてしまったのですが、目を通してから観た方がよかったかなと後悔。
私の観た回は客層も多種多様で、日ごろ小劇場、ましてや王子では見かけることができないような雰囲気のお客さんもいて、現象としてのバナ学を感じました。1日3回公演ということで、片付けや客席の準備が大変なのは推察されるのですが、開場を待つお客さんが劇場前に放置になってしまっていたのは気になりました。彼らのパフォーマンスを評価するためにも、そこはちゃんとして欲しいところです。
内容は「演劇」で「シェイクスピア」であることをうたっていましたが、そのために表現が狭められたというかパワーが削がれてしまった感はありました。しかし、終盤の「田園」からガガ様にかけて襲ってきた高揚感は何なんでしょう!?演者の力一杯のパフォーマンスに心打たれる、これぞバナ学!
そして、あの空間にあっても、七味さんの惹きつけるパワーはすごい。惚れました。
余談ですが、帰宅後すぐに倒れこむように寝てしまいました。観る側にもパワーが必要なんです!
夢!サイケデリック!!
範宙遊泳
アトリエ春風舎(東京都)
2012/04/25 (水) ~ 2012/04/29 (日)公演終了
満足度★★★
夢ってサイケデリック
「これは夢の話です」と言い切ってしまうことで、かえって表現の範囲が広がるという構造は面白かったと思います。範宙遊泳らしいトリック。入口でチケットの代わりにピンポン玉が渡されるのも、もう演出なのか意表を突かれて面白かったです。
とにかく今回は、熊川ふみさんの魅力に尽きます! 所狭しと飛び回る身体、クルクルと変わる表情、七色の声を駆使して変幻自在に夢の多重構造の世界へ観客を引き込んでいってくれました。
内容は、もう少し物語が欲しかったところ。もっと何も考えずに見られたらよかったのかなぁ。でも、考えずにはいられないのです。クライマックスのピンポン玉は衝撃的。めくるめく夢の世界の狭間にふっと訪れる目覚めの瞬間があまりに静かでリアルでドキッとしました。このリアルこそが現実。
オーシャンズ・カジノ
北京蝶々
王子小劇場(東京都)
2012/04/18 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了
満足度★★★
コージャスなエンターテインメント
カジノの妖しい煌びやかさ、その裏に群がる黒い社会の恐ろしさをエンターテインメントでくるんでいて楽しめました。
チャイナドレスのコンパニオンたちのスリットの隙間と胸元には、女性である私もクギヅケ(笑) ギャンブルにはまり崩れていく人々の描写はリアルでした。
舞台を縦横無尽に駆け回る登場人物たち、疾走感のある演出はとても良かったと思います。終盤のカジノでの息詰まる大勝負までに、もう少し緩急が欲しいところでした。ちょっとオチもお約束だったので。
日本にカジノを、とどこかの知事が言っていましたが、それが政治と日本経済を救うものと成りえるのかどうか、起爆剤となりえるのかどうか?ということが下敷きになっていると思うのですが、もっと斬りこんじゃって欲しかったかも。
深海のカンパネルラ
空想組曲
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/04/15 (日) ~ 2012/04/22 (日)公演終了
満足度★★★
繊細過ぎる心の行方
『銀河鉄道の夜』の作品世界に寄りすぎていたように見えてしまって残念
。途中まで『銀河鉄道の夜』を見ているのかと思ってしまう程でした。超有名作品がモチーフなので、物語の展開、登場人物の心の行方はある程度予想がついてしまいました。モチーフとなる作品に主人公を絡ませることでオリジナルの展開が見られることを期待したので、予想を越えてこなかったことが残念でした。
しかしながら、舞台装置、音楽、照明、衣裳などで宮沢賢治の世界観が違和感なく表現されていたのは見事。キャラクター一人ひとりも魅力的で、くらげと黒蜜星の乙女という真逆の女性の対比が良かった。登場人物たちが主人公の精神世界を揺さぶっていく様はドキドキしました。
ストレンジャー彼女
tsumazuki no ishi
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/03/28 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了
満足度★★★
「死」を思う。
「どうして殺しちゃいけないの」。
現代の倫理観では論じることさえ憚られるテーマについて深めていく時間でした。死後の世界なんかない、この現世が全て…という突き放しも良かったと思います。
寺十吾さんの地底人ポール役、飄々とした物言いに笑わされ、核心を突いたセリフにドキリとさせられましたが、ご自身で演出されて舞台に上っているのだと思うとちょっと反則かな。
ラスト、家族で食卓を囲むシーンで、もりもりとご飯を口へ運ぶ食べっぷりに、清濁併せのむ人間の逞しさが眩しいほどに感じられ、私も明るい現実世界へ戻ってこられたように思います。「死」を思うことは「生」を考えることなのだと感じる舞台でした。
あと私が観賞した日は、現実の世界では死刑囚の刑が執行されたことがニュースになった日で、偶然とはいえ重く心に刻まれる日となりました。
「4 1/2」 「キッチンドライブ」
劇団子供鉅人
ポコペン(大阪府)
2012/03/25 (日) ~ 2012/04/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
匂い(「キッチンドライブ」)
劇場では味わえない臨場感。
キッチンにただようご飯の湯気だとか、ガスの火の熱さだとか、人の住まう生活の匂いに浸って眺めていると、他人の(恋人同士の)生活を覗き見しているようなイケない気分にさせられます。
もう向き合うことすらできない恋人同士の家に次々と現れる珍客たちは、ちょっとどこかダメで、一生懸命で、とても愛らしい。
深夜のバカ騒ぎの後に訪れる突然の静けさがリアルで、淋しくて、やっぱり何も変わっていないどうしようもない現実を突きつけてきます。私の人生にもきっとあった、誰の人生にもきっとあった、空しい夜明け。
お芝居が終わって外へ一歩出たときに、私も一歩踏み出せたような気持ちになったのは、築100年を超える長屋のパワーかしら。
くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】
DULL-COLORED POP
アトリエ春風舎(東京都)
2012/03/14 (水) ~ 2012/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
母親という人生
お母さんの闇サイドの描写はリアル。家族としてひとつ屋根の下に暮らしていても感じる孤独。失われる自分。広がらない世界。どこにでもあるような珍しくない人生。
醜悪なまでの家族の心のぶつかり合いを描いていながらも、嫌悪感やエグさは感じませんでした。抱きしめてあげたいくらい。私が女性だからかもしれません。
開演前の猫カフェ、キュートな猫ちゃんたちにおもてなしされたかったけど、ちょっと勇気が足りませんでした(笑)
【耳のトンネル】満員御礼!ありがとうございました。
FUKAIPRODUCE羽衣
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/03/09 (金) ~ 2012/03/19 (月)公演終了
満足度★★★★
唯一無二の味
人類の愛と情と変わらない歴史そのものをギュウギュウに詰め込んだ妙ージカル。
オープニングの時点からオチは読めてしまっているのですが、懐かしいような、これから出会うような、愛すべき登場人物たちの人生にしみじみします。
うれしい悲鳴
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
最終公演と銘打つ覚悟と気迫を感じた
脚本が秀逸。
改めてじっくり読んでみたい。
男と女、最小単位の人間の関わりを描きながら、表現しているものはスケールが大きく、我々が日ごろ気づいていながら見ないフリをしている現実。痛く、切ない。
乱舞の迫力は合唱におけるユニゾンのようなエネルギーと説得力をもって訴えてくる。身体表現のうつくしさ。演者の呼吸、感覚を合わせ、ひとつの乱舞にするには相当訓練を積んでいるのでは。
舞台美術も空間を上手く使っていてよかった。
降りそそぐ百万粒の雨さえも
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2011/08/06 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
『ナツヤスミ語辞典』
演劇集団キャラメルボックス
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2011/08/03 (水) ~ 2011/08/11 (木)公演終了
満足度★★★★
アナザーフェイス
アナザーフェイスならではの各々「違う顔」が見られたと思う。欲を言うならば、キャラメルの古株のキャストにも出演して欲しかった。それでこその異文化接触企画だとも思うので。
愛情爆心地はボクのココ
ぬいぐるみハンター
王子小劇場(東京都)
2011/07/07 (木) ~ 2011/07/18 (月)公演終了
満足度★★★★
やっぱ愛なんだぜ。
前回の「くちびるぱんつ」に続いて2回目。おとぎ話のような虚構の町を舞台に、当たり前のラブを描くのがとても好きです。ラストシーンの切なさ一瞬でグッと物語が引き締まったと思います。
座席の位置がとてもよかったので、奥行きのあるお芝居や小ネタも楽しめました。前回から気になっていたのですが、浅見さん(ラスカル顔)がとても良いですね。あと、八幡さんはリアルピノコで可愛い!!!
【公演終了】『完璧な世界』【ありがとうございました!!】
タカハ劇団
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/07/05 (火) ~ 2011/07/17 (日)公演終了
満足度★★★
誰にでもある、完璧な世界。
何もかも自分の思い通りになる「完璧な世界」ってみんな大なり小なり持っているものだと思う。それをエロゲーだったり体操着姿の妄想彼女をモチーフにわかりやすく具現化してくれたお芝居。
主人公は、妄想世界に入り込んで現実を否定しているのだけれど、最後は現実世界へ歩み寄っていく。だからといって妄想世界を否定しないラストがとても良かった。現実だけに生きるには、とても生きづらい社会だから。
NUMBERS-再開ー【無事閉幕。ご来場ありがとうございました。】
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2011/07/14 (木) ~ 2011/07/18 (月)公演終了
満足度★★★
見ごたえたっぷり
「確率」をテーマにした、4つの劇団の競演。持ち時間が30~40分と限られている中で、存分に各団体の持ち味を盛り込んでいてよかった。どれも2時間モノのお芝居にできそうなのに、凝縮したのがまたよかったのかも。
特に、世田谷シルクのやりきった感はすごかった。あんなに紙吹雪散らしてどうするのかと思ったら、全員で休憩時間に地味に片付けているのも含めて(笑)
5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)
MU
王子小劇場(東京都)
2011/06/28 (火) ~ 2011/07/04 (月)公演終了
満足度★★★
リアルとフィクションの狭間
壊れてしまった学校を舞台に、壊れてしまった社会、親子関係、人とのコミュニケーションを見せつけてくるお芝居。この醜悪さは現代社会の暗部をリアルに描いていて、うすら恐ろしい「ギリギリフィクション感」を感じる。
不都合な四日間≪終演致しました!沢山のご来場ありがとうございます!≫
クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)
テアトルBONBON(東京都)
2011/06/29 (水) ~ 2011/07/03 (日)公演終了
満足度★★★
脚本家も舞台上にいるような
4人のリレー脚本ということを含んで観ると、各々が試行錯誤、苦労して書きすすめたことが見てとれて、それも観劇中の面白味となる。普段、なかなか脚本家のことまで想像しながら観るお芝居なんかないわけで、これは企画の勝利だと思います。終盤に向けて強引なストーリー展開があるのもご愛敬。
今後、コメディとかラブストーリーとかジャンルを決めてやるのも面白いかもしれませんね。
「2」
コロブチカ
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2011/06/28 (火) ~ 2011/07/03 (日)公演終了
満足度★★★
二人芝居まつり
「二人芝居」という括り以外は全く異なる三作品でした。
1本目『sweet motion』、美少女二人の会話劇。やりたいことは伝わったが、ちょっと間延びした感があったのが残念。
2本目『グッドフェローズ』、痛みや血がリアルで辛かったが、前半の日記のくだりがおかしくて。オチはわかっていても怖い! 思わず声をあげそうになってしまった。
3本目『来週は桶狭間の合戦』、お芝居のテンポが良くて、ずっとこの二人のアホな会話を見ていたくなる。コントっぽい展開からの終盤のまとめが見事。
銀河旋律
演劇集団キャラメルボックス
山野ホール(東京都)
2011/07/03 (日) ~ 2011/07/05 (火)公演終了
銀河旋律
演劇集団キャラメルボックス
山野ホール(東京都)
2011/07/03 (日) ~ 2011/07/05 (火)公演終了