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2025年度 1-10位と総評
パンジャンドラム

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パンジャンドラム

少年社中

実演鑑賞

生で浴びる少年社中、さいっこうでした!!
場内入った瞬間からもう素敵でした。めっちゃ遊園地。客席図から受ける印象よりしっかりみっちり舞台取り囲んでました。舞台は丸ごと回転木馬で、なんか回りそうだな、いやまさかこんなどっしりしたのが回るわけが…回ったぁ!!?の衝撃。
しかもあの回転木馬、びっくりするよなスピードで回る…いや回してるのです。上にいる人吹っ飛ぶんやないかという勢い。コーヒーカップとか絶対無理な私ならあれはしんでるわw
人力馬力やけど実質最大でも四人くらいで回してて、マッスルが過ぎる
衣装がねぇ、いつも以上にカラフルで可愛くて、細部まで凝ってる。常に360°の角度で観られる衣装だけあって、立体的で細部までそれどうなってるの??とマジマジ観察しちゃう。ファションショーイベあったらめっちゃ盛り上がるやろなぁ。夢みちゃう。
夢…夢。どうしても回帰しちゃう。わたしにとってはそれはやはり少年社中に回帰しちゃう。少年社中を愛し続けたいし少年社中と夢を観続けたいし少年社中がつくる舞台という遊園地に通い続けたい。この世に、自分自身にも、何が起ころうとも。そっか、それこそが夢なのかもしれない。
いろ〜いろと、いろいろと思っちゃって、それこそ振り返れば震災もあればパンデミックもあり見えてないであろうあれもこれも乗り越えてきての、今。うるっときちゃった。またこうして観られるのは、観せてくれるからで居てくれるからで作り出し続けてくれるからで。
観終わった直後の今は、パンジャンドラム、掃除屋の人生であり自分の人生であり、大好きという感情やまた観られた感動等が意識の表層上を暴れ回ってるわけだけれども。もう少し落ち着いたら台本さらに潜っていくんやろな〜と思いながら…。初見の一回目通しではまずこの世界の成り立ちを考察し、込められた想いを受け止めるので頭も心もパンパンに。
とりあえずあれだ。井俣さんは今どれなのかは、まぁまぁ難易度たけぇぞ!でもどっちにしろ主要だからほぼ出ずっぱりの勢いで至福なんだぞ!ゴリ観したわ!近いからメンタル強でいかんと目逸らしちゃいそうになるけど!そこは強めで!
帰ったらテーマパーク的なのでなく、昭和のかほりのする昔ながらの遊園地行きたい。メリーゴーランドと観覧車乗りたい。ひとりで行くのは…だいぶきびぃな。観覧車はともかくとしてさ。同行者募るかな、でも誰もかれも12月は多忙なんだよな。行くならひらパーかしら。

クリームチーズクラッカーズ

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クリームチーズクラッカーズ

竹内尚文プロデュース

実演鑑賞

最後の最後で気が抜けない!おっもしろかったぁ!なんて魅力的なキャラクター達なんだろう…。途中途中、んっ?おっ?あれっ??って何度もなりました。
昼観てからの夜公演、えーと、今がいつで、これがこうなってるからあぁでーって、複雑なパズルを頭で組み立てながら。なんとか整理できたかな!?ってなりつつ・・・また円盤届いたら無限ループしてやるんだ〜!と固く誓い。
そして色々と答え合わせできてひと繋がりになってスッキリして改めて残ったのが。んあぁ!甘酸っぱい!あぁあまずっぱいいいいいい!!甘酸っぱさがたまらん!甘酸っぱいの洪水だよ!甘酸っぱさに身悶えでした!
キャストみんなキャラがハッキリしてて作りこまれてて、尚且つみんな可愛くてみんな格好良くてスタイル良過ぎる、愛らし過ぎる、最高。
わたしにしてみれば、尚くん森さんたろさんがいて、奥方なゆきちさんもいて、そこにいつかこんな日がと願ってたたかみつさんもいて、よもやよもやの七味さんまでいる。きっと十数年前のわたしに言ってもそんな夢みたいな…と信じないだろうなぁと(笑)
あとさらに個人的には開演10分前のもりたろライブも感無量でした。。。声の張りが身体に染み渡る。久しぶりに間近で観るアクションのスピードが半端ないし。本編でもあのお二人はガッツリペアで、それをあの座組の中で観られて、もお総じて尚くんありがとう!!のきもちでした!

SMOKY ROAD

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SMOKY ROAD

ステージタイガー

実演鑑賞

観終わった後の帰り道の興奮たるや!うおおお!さいっこおだぁ!!こころ燃えたぎる!この景色が観たかった!最高の景色!語彙力がどっか遠くへいってしまう!落ち着けるわけもなく!燃えたぎりながら熱く帰る帰り道でした!
ステージタイガーの舞台にはランマイムがある作品が多い。だがしかーし!今作はあの協走組曲をも凌ぐ勢い。オープニングから、うわ〜身体仕上がってるなぁ!と目ん玉ひん剥き。劇中のランマイムシーンの疾走感、躍動感のクオリティの高さに爆裂に興奮する。しかも台詞クリア。
剛さん作品でよく描かれる、ひとは誰しもひとりでは生きてないというところ。描かれ方がいつも作り物めきてなくストンと入ってくるし、真正面からしっかり乗せてるの、好きで。自分の人生だけでなく、誰かの人生も共にある。だからままならなくもあり、また自乗されることもある。
もうなんか、みんなみんなめちゃくちゃ頑張ってて。頑張れ〜って思わず握り拳ぎゅうってしちゃうくらい目の前で頑張ってて。必死に生きてて。胸が熱くなる。天才じゃないし、頑張らなくても楽勝な人生でもない。頑張り続けるのしんどくもなる。でも頑張ろ〜って励まされる。
不倫して他所で子供作って離婚して…っていうの、ステージタイガーではあんま観なかったかもしれないなぁと、ちょっと意外性をもって観てました。不倫の理由も、走ることしかないと思い込んじゃうところも、根っこ同じやなって。
それしかないなんてことはないんだよって。あなたが持ってるものが、持てるものが、ひとつしかないなんて、そんなこと思い込んじゃだめだよって。極めるなら他の全てを捨てててでもって考え方も個人的には賛同しかねる派です、尊重はするけど。
プロランナーとは。その定義は、やはり広く一般的なプロと定義されるものと同一で、それにより収入を得られるか否か、らしい。でもプロ意識というものの定義に関しては人それぞれに異なるだろう。ランナーに限らない、その対比が明確に描かれてるの良きで。
毎日それなりに幸せ。そう思える環境で生きられることは、それは本当に幸せなこと。そう思えない環境なら…幸せになりたいと思うのなら、抜け出さないと。それがたとえ困難な事だとしても。幸せと思えるようになりたいなら、努力、根性、忍耐だ。うおー。
マラソン大会ラスト。先に完走し終えた堂林さんが何のメリットもないのに灰島さんの元に引き返してきて一緒にゴールする場面。あそこ最高だった。たまらんかった。いくつになったって、ちゃんと独りよがりではない誠心誠意で向き合っていれば友情は育める。いいシーン。
その場面、模して作られた劇中の作品舞台である番西市の広報紙に写真が掲載されててエモくて、終演後に頂いて帰ってきたのですが。できればもっと本番みたくボロボロに、なんならリアルに走った後に撮影とかでも…と鬼のような事を思った鬼ファンがここにいます。
開演前には読んでなかった当パン読みながらさらに気が付くこと、振り返ることも多々。榊さんから堂林さんへの恋心に気が付かず当パンで知ったり。湯浅さんと愛寿香さんのなんともいえない雰囲気にはもう元サヤに戻っちゃえばいいのにと思いながら。
堂林さんに対する荒川さんの気持ちもすごい良かったよねって思ったりも。堂林さんは怪我させてきっと恐れてた。罪悪感に打ちのめされてた。でも荒川さんは事故に関しては悪感情なんて抱いてなくて。ただただ逃げられた事に怒ってた。勝負したかった一心だけ。なんて気持ちの良いひと。
観ながら思ってた事、ぜんぶアウトプットできてはいない気はする。そういうのもきっと、これから日常生活送る中でふわっふわっと蘇るのだと思う。今年は一回こっきりの観劇だったけれども、それくらいにはしっかりと私の中に染み渡ってる。共にあり続けるよ。

MAGENTA

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MAGENTA

東映

実演鑑賞

いやもうほんとそう、ほんとそうなんですよね。素晴らしい俳優さんの一人芝居って、めちゃくちゃ贅沢で至福な時間。あの大きな空間で1時間半くらいだったかな、全ての時間を一人で魅了し続ける。瞬きすることすら忘れてる時間。
一人芝居の魅力って、やっぱそこなんやなって原点回帰する思い。ただひとりの俳優さんの素晴らしさを心ゆくまで堪能できる時間。梅津くんは色んな面を魅せてくれて深く深く潜らせてくれる。とても至福な時間でした。
言葉で表現される絵画って、実際にはどんなんなんやろな〜?って絶対に見たくなるじゃないですか。それを舞台上に設置されたキャンバススクリーンで観せてくれるの、すごい良かった。絵画は見方によって見え方違う。炎から赤子に。その変化までも。赤子現れて感動した。
無から何かを生み出す芸術家というものは、特別な感性を持っている分、理解されにくい面もあったりなど。でも伝わりにくいからといって、愛情とか感情とか、存在してないわけじゃなくて。でも相互理解には時間がかかって。切ない。切なかったけれど、温もりが残った。

ミュージカル『憂国のモリアーティ』大英帝国の醜聞 Reprise

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ミュージカル『憂国のモリアーティ』大英帝国の醜聞 Reprise

マーベラス

実演鑑賞

いったんはエンドロールのついたモリミュ。よもやまた劇場で浴びれる日がくるなんで思わなかった。感動で震えながら。キャストはメインのお二人以外は一新して複雑な思いもありつつ・・・新しいキャストで観られた景色が音楽が歌声が新しい世界で、失われることなんてないんだ、むしろ拡がっていくんだって実感しました。
また劇場で観られる日が来ることを願って。

プラネタリウムメロディ

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プラネタリウムメロディ

DOOR

実演鑑賞

観てきました。笑って泣いての振り幅が成層圏でした。不器用なひとばかり、でも優しさが深くて。器用に卒なく世渡り上手に生きられなくてもいいんだよ、不器用で躓いても不恰好でも生きてて良いんだって、生きようって、励ましてもらえる。
そう思わせられるのは、自身もしんどい思いしてるから、不器用な側の人間だからこそで。誰にも頼らず強気で生きていけるというのは、それは強いとは言わないんじゃないかなって。隣人に寄り添えないないのは理解が足りないだけ、寄り添えない弱さなんじゃないかな。色々思う。
自身も重たい荷物抱えてしんどい思いしてるのに、目の前にいるしんどそうな人に寄り添える人は尊くて真に強い。全く当たり前ではなく。本当にしんどい時にこそ分かる。優しさくれる人、言葉をくれる人、どれだけ尊いことなのか。それをちゃんと言葉にして伝えてくれる心ある作品でした。
あと、今回ねプラネタリウムのお話じゃないですか?今頃千秋楽始まった頃だからもういいかな⁈ラストの灯りが…さいっこ〜綺麗でした!満天の星。最後尾一番高い席からの風景が…床壁天井はおろか観客の頭や背中そして自分の腕まで星に埋め尽くされて。なんという景色。まこと宝石箱でした!
そして強く感じたのは劇場を包む多幸感。開演前ロビーがにっこにこの笑顔に溢れてて、客席内も楽しそうな様子に溢れてて。終演後の客席内は目元を拭う感涙が溢れてましたが(笑)あぁここにいる人々は皆さん今日のこの日を楽しみにしてた人ばかりなんやなぁって。幸せ頂きました。

クリスマスギャロップ (2025)

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クリスマスギャロップ (2025)

三等フランソワーズ

実演鑑賞

大好きな作品の何度目かの再演。やっぱすっきやわ〜。何回観ても好き。面白いやり取りはやっぱり面白いし、心に染みる場面はやっぱりじんわりするし、キュンキュンするところはより一層キュンキュンしました。なんかより一層群像感が増しているように感じて、あの愛おしい人物達がそれぞれに掘り下げられてスポット浴びてて、ますます好きに。
昼間にあった嫌な事も、もう明日なんて来なければいいなんて思いも、ぜんぶぜんぶ溶けてく。そんな幸福感に包まれる素敵な公演でした。願わくば毎年この時期に観たい。通れ助成金(笑)

デマゴギージャズ

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デマゴギージャズ

MONO

実演鑑賞

年に一度のMONOさん今年もお腹いっぱい満喫。入ってまず目を引く美術の安定の素晴らしさ。こういうの生で間近で見られるのも観劇の魅力のひとつだと思うのです。一気に非日常に連れていってくれる。今回はその同じひとつの舞台で現代と明治が代わる代わる。
演じる人物も現代と明治で皆さん一人二役なのがまた妙を得る。古来よりデマというのは真偽をさて置いて少しのキッカケで勝手に広まり真実になり変わる。歴史においては覇権者の権力に寄ったり近年ではデジタルの進化で加速的に広範囲になる傾向に。デマという魔物について思い巡らす。
デマゴギージャズにおいてはふたつの時代を同時に描く事でデマの発祥が詳らかで、そんなんよなぁそんなもんなんよなぁって。古い古い言い伝えって、それだけでなんか敬われたりするけど…果たして真実は?とか。デマの種類も色々あるけど調べていくと面白そうなのもあるよねー。
観た後も、観たものきっかけで、どこまでも思いも思考もとめどなく拡がってく。なんて面白くて楽しい観劇。やっぱりMONOさん良き。時代の入れ替わりが、一人二役だからあまり混乱を生まないように…という優しさを感じるクッキリさだったのだけれども。一回だけあったあれくらいのシームレスさが全編にあったらと想像したら…ゾクゾクする。まあなかなかの度合いで混乱するかもしれないけれども。ゾクゾクしたい欲。あと、なんか一作品に一人はいる気がするクズ男のクズっぷりがクセになります。今回もなかなかいいクズ男でした(笑)
観た後、タイトルの由来も気になって。デマゴギージャズ。デマはデマとして、ジャズはジャズでいいのかな?じゃあゴギーは?いやもしやゴギージャズ?とここでゴギージャズで検索かけたらゴー⭐︎ジャスさんが出てきたので深追いすることをやめることにしました(笑)

こどもの一生2025

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こどもの一生2025

中島らも作品をしがむ会

実演鑑賞

観てきました!観て思い出すまではすっかり忘れてしまっていたけれども、わたしにとっては2012年ドラマシティぶり。とても剛腕な役者さんがとてもミニマムな会場に押し込められ飛んだり跳ねたりも思い切りはできない、そんな空間。そんな空間だからこその生々しい質感を纏っていて。大きな空間ではけして出せない良さでした。
舞台と客席の境がどこかへいって。一体感とか融合とかそういうんじゃなくて、侵食と呼ぶのがしっくりくる。まあおじさんが出てくるまでは、そりゃあの方々だもん、どえらく楽しく満腹にしてくれる。肝はやっぱおじさんが出てきてからの恐怖の質よ。。。
おじさん出てた後もまだ笑っておられるお客様もいたりして、それすら恐怖のひと味になる(笑)ただ劇中で怖い事起こって怖いということでなく、そこで起こってることに対するキャストさんの怯えの演技が、空間に恐怖を生み出してるような。まさに集合的無意識の具現化みたいな。
観た、というよりは、体験してきた。そんな舞台でした。いや〜いい観劇体験したわぁって。なんだか観劇後の客席の雰囲気も一緒に侵食された一体感みたいなの感じました(笑)こういう感覚もなんだかちょっと懐かしい。良き夜となりました。
道中の道頓堀、また仄かに登ってくる同ビル店舗の美味しそうな匂い、食欲を刺激されがちで。
きつねうどんのビジュアルが脳内にでっかく浮かんだり、作中のお食事のシーンでは献立はなんだろな~?と思ったりしつつ。
おじさんは大食いで人が食べてる食事まで奪って食べ尽くす。
登場直後もその大食いが発揮されて食事強奪しては次々完食してて、しまいには飲むように食べてたのだけれど。それ観ててわたしは思った。
あれはきっとカレーに違いない。カレーは飲み物。
ワンチャンとろとろ卵の親子丼。

伝票と弾丸

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伝票と弾丸

遊気舎

実演鑑賞

初めての遊気舎さんでした!
いんや~おっもしろかったぁ!!
あらすじがだいぶカオスなのですけれども、やっぱりまんまカオスでした(笑)

とても達者な役者さんばかりなので、きっとオフィススキャンダルだけで描いたとしても、それはそれはヒリヒリとする見ごたえのある舞台になってたと思うのです。
でもそこにね、西部劇を混ぜ込んでくる、それもちょっと様子のおかしい西部劇。
初手、飛び出てくるなりグラスをダン!カシャーン!とマイムだけでなく擬音を全部口で言ってこられた瞬間に、すっかり撃ち抜かれました(笑)
以後、ご丁寧に擬音全部口で言うし、アクションが無駄に派手だし、でも拳銃は持ってなくて握りしめた拳で擬態するし。
だいぶ面白過ぎた。。。

オフィスパートと西部劇パートは、シームレスでくっきり場面を分けてない。
ぬるっと切り替わる、それが如何にも白昼夢らしくて。
いくら白昼夢とはいっても、本当に拳銃撃ち合ってる中に居るのは生命の危機で恐怖だろうけれども・・・。
主人公の台詞からしても、芝居の中の彼女が見てる白昼夢でも拳銃は本物ではなくて、にぎり拳。
つまりは彼女の見てる風景と、観客である我々が見てる風景は同じというわけで。
しまいにどこから現実でどこから白昼夢なのか分からなくなっていく彼女の混沌を、オフィスと西部劇の境がシームレスで分からなくなっていく私たちも追体験できるという粋。

初めての遊気舎さん、最高満足でした!

総評

以前に比べると、自制心をもって(笑)かなり観劇本数を減らすことができました。
観る舞台を厳選して絞りに絞っている分、観た舞台ほとんど大好きになる舞台ばかりで。。。
とっても悩みました。決めかねる。
あまり我慢し過ぎると飢えてしまうので、毎年せめて今年くらいの本数くらいは観られたら。
2025年、幸福をくれた全ての公演に感謝を捧げます。

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