ササロックの観てきた!クチコミ一覧

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ヒールのブーツ

ヒールのブーツ

オーストラ・マコンドー

JORDI TOKYO(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/19 (水)公演終了

満足度★★★★

センスがいい
観客が室内にいて、ガラス越しに役者の演技を見るようなシーンがあるなど、魅せ方は創意に富んでいて面白い。

物語自体は、ありがちな青春が素材ではあるけれど、それを役者が色濃く味付けしていて、見ごたえのある物語になっている。美男美女の集まりとは違って、土臭い素朴などこにでもいるような容姿の若者を濃くした感じの若い男たちが、良い味を出していた。

ダサさを上手く演出して味付けしたところが一番の魅力。

無伴奏

無伴奏

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2011/01/12 (水) ~ 2011/01/19 (水)公演終了

満足度★★★★

好感
綺麗に美しく旋律を奏でる人間模様が、荘厳な重低音の上を走る主旋律の軽やかさにも似て、柔らかで滑らかな気品があって、美しい。

個人的には、もっとチェロの女が徹底的に性悪でエゴイストな感じがするともっとラストが際立った感じがすると思うけれど、それぞれの人物の役割が明確で、物語にさながら合奏にも似た統一感があって、落ち着いた心地よさがあって良かった。

アルバイトの女の子に華があって、なかなか面白いのも好感。

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKY

王子小劇場(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

勢いのある混沌
「ワイルドオタッキー」。ヌキバカという団体名(?)が、最後に当意即妙の面白さ。

真下かおるさんのライトなアホっぽさが、引きもせず乗り遅れもしないちょうどいいリズムを作ってて、5分間にエピソードが上手く入り組んでいる。ネタの肝は誰でも思いつきそうな駄洒落に近いノリながら、それを見事に仕立てあげた演出が楽しい。

司会がかなり狭いもどかしさをウマク使ってる感もなかなか。

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKY

王子小劇場(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

5分のメイド
5 minutes maid というタイトルが、思い返せばなかなか味がある。きわめてシンプルなネタながら、見せ方のシチュエーションで贅沢で濃い演出に仕上げているところが、他にはないであろう味わい。ご主人様の、それ以前とそれ以後の物語が浮き彫りになるようで、5分で尽きない余韻が面白い。

坂本龍馬戦場へ!

坂本龍馬戦場へ!

月蝕歌劇団

ザムザ阿佐谷(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度

ちょっと・・・
大島朋恵さんの二役が見所。二役で顔も背丈も動きも何もが違う別人に見える。

正直、脚本や演出は作家の創作に対する情熱が失われていることを如実に示してるけれど、大島朋恵さんを筆頭に数名の役者は頑張ってる感と見所があって、そこは良かった。

ログログ

ログログ

キリンバズウカ

シアタートラム(東京都)

2010/08/26 (木) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ゆる~い雰囲気
色々な出来事が起こりながら、悪人らしい悪人が出ないまま、かみ合わなかったりすれ違ったりする人間模様をうまく組み合わせた雰囲気が、ゆるーく、けれども奇妙な広がり方をする不思議な雰囲気が秀逸。

シンプルで解りやすい構成ながら一点の隙もないキャスティングと役者の技量で、物語の底を見せない雰囲気が、話の展開を予想したり先を急く気にならず、むしろそのリズムの中にどっぷり浸かった安心感を感じさせる。

人間関係の設定に多少強引さも見られるけれど、それが非現実的というよりはむしろファンタジックな味付けのリアルを演出しているようで、世界観が集約されていて面白い。

悪役志願

悪役志願

黒色綺譚カナリア派

座・高円寺1(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

不思議
夫々場面の各々の言動は非常にわかりやすく共感しやすいのに、全体としてみると構成はわかるのに本質がつかみきれないイメージが、“解らない”というよりも“不思議”で綺譚の名に相応しい物語。舞台装置も役者も物語りもチラシの美術も華やかなのに、どこかしら本質的なストイックさがついて回るのも不思議。

今回は、場面転換や演出の端々に解りやすい劇的な雰囲気が散りばめられていて、過去のカナリヤ派より解り易く見える第一印象が、本質を捉えきれない不思議さ加減を尚いっそう引き立てている。舞台装置もすごい。

express

express

PLAT-formance

王子小劇場(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★

疾走感溢れる
全力疾走で80分間走り続けたような爽快感が見事。入った時点で広く見える空間演出もすごいと思うけれど、役者二人の動きがその空間を存分に使いこなしていて、二人の距離を遠く見せたり、クローズアップして表情に焦点を当てるような、映像的な演出にも似た臨場感が秀逸。

役が違うと顔が違って見える役者二人の技量もすごいけれど、持ち味を壊さない程度に伏線を回収してくる脚本も、ちょこちょこと面白いツボを押さえていて、役者任せのコントとは違った味を添えているところが、楽しい。

『ラプンツェルの聴き耳』

『ラプンツェルの聴き耳』

ネリム

スタジオアキラ(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★

細やかに気の配られた演出
出来事としてのエピソードの入り組んだ面白みではなくて、それぞれのエピソードを細かく演出したような線の細かい脚本が面白い。個人的には、猫や鳥に名前聞いといて「猫って呼んでいい?」というところがツボ。

役者の技量はもはや言うまでもない感もありつつ、今回は、今までにあまり見せたことのなさそうな、柔らかで人間くさいほんわかした笑いもあり、きりっとした硬質の演技もあり、見所は満載。

舞台美術というか、舞台の設営も秀逸。欲を言うなら、もう一題目増やして、ラプンツェルが小さくなっていく過程を描いても良かったと思う。一人で70分空気を作り続けられる演技の幅には感服。

午後の銀河

午後の銀河

劇団東京イボンヌ

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/14 (土)公演終了

満足度★★★★★

予想以上に
場所柄のどことなく高級感が、作品世界と合っていたと思う。過去公演の抜粋など、エッセンスを凝縮して魅せてきたにも関わらず、背後の全体のストーリーがすぐにイメージできるところが、一本筋が通っていて秀逸。

大掛かりな舞台装置はないものの、音と光で舞台演出がシンプルになされているところが、逆に色々な想像力をかき立てるようで、非常に楽しい。

前作から推して期待していたよりも面白い仕上がりで、余韻が綺麗で良かった。

15 Minutes Made Volume9

15 Minutes Made Volume9

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★

各劇団のクオリティは高い
多様性という点ではVol.8の方がバラエティに富んでいた気はするけれど、6団体とも個々のクオリティは高めに揃っていて、各団体のイントロのような見方をすれば、見所は多かったと思う。

15分という時間をうまく使ったキレの良い作品というよりは、始まって15分で終わる短編のようなイメージの作品が多かったので、のめりこむ前に終わってしまったような感が若干あるけれど、「シンクロ少女」の『性的人間』は、個人的には短編として、トップスピードの盛り上がりまで巧くリズムを作って魅せられた感。

パーティーが始まる

パーティーが始まる

TOKYO PLAYERS COLLECTION

王子小劇場(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★

空間が
王子小劇場は、毎度どんなセッティングになっているのかも楽しみになっているとはいえ、今回は舞台(?)が三角で、客と役者が近いという、かなり大胆な設定。

内面描写と現実の入り乱れ方と、役者と観客の位置関係の入り乱れ方が、現実と幻想をまぜこぜにしているようで面白い。

現実的であることの接点としての、大学生兼女優の卵の女性が、一見地味ながら話の要所をしめていてよかった。

組曲「空想」

組曲「空想」

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

一日目と二日目
軸はぶれていないものの舞台の顔がちょっと変わって見えるところが秀逸。昨日見た物語が今日見て全く飽きない。

ネタバレBOX

一日目の日替わり短編は、ライトな笑いを誘うオチのあるサクサク感。
二日目の日替わり短編は、『僕らの声の届かない場所』でも出てきた「奥様と橘」のアナザーストーリー(?)。

二日目の方が一日目よりしっとりしてたせいか、舞台全体の芝居の顔が、最後に涙を誘いやすかった気がする。
組曲「空想」

組曲「空想」

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

圧巻
前作と方向性とテイストは変わったものの、圧倒的な空間支配力は変わらず。

多様な雰囲気の短編が1まとまりの芝居として修練している、色とりどりの模様の広がり方が面白い。言葉の使い方や動きなど細かな演出の一つ一つが、センスの鋭さをかもし出していて、細かいところに注目しても楽しめるし、対極的な物語としてストーリーも楽しめる。

役者が役ごとに個性も出しつつ、役ごとに違った人間に見える物語りの奥行きも圧巻で、器の大きさに飲み込まれて、舞台との距離が心理的にほとんどなくなるような臨場感。

好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、”好き”なら圧倒的に飲み込まれる作品。

Zyklon B (再演)

Zyklon B (再演)

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2010/06/02 (水) ~ 2010/06/07 (月)公演終了

満足度★★★★

骨太な物語
人物造形が、フィクションのそれよりもドキュメンタリーのそれのような、多々唐突で整合性がないようなところが見られるけれど、それがリアリティの欠如ではなく、よりリアルに感じられる、骨っぽい作品。

人物が多くて舞台が賑やかなのだけれど、シンプルで解りやすい構成がいい。状況と物語りの設定は見事。ラストは一歩手前で終わってもいいかとも思うけれど、蛇足の感も中だるみの感もない、濃密なストーリーが面白い。

MUKAIYAMA ザ・トラブルマスターズ

MUKAIYAMA ザ・トラブルマスターズ

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI(東京都)

2010/05/22 (土) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★★★

設定がいい
荒唐無稽な設定にリアリティを上手く添えた、シチュエーションの爽快な物語。

舞台美術はシンプルだが、役者が華やかなので、舞台が彩り豊かに感じられる。物語がある程度進むと話のオチは見えてしまうけれど、それがなんらマイナス要因にならない優れた脚本と演出がいい。

おのおのの心情の急展開が、無理や違和感ではなく、爽快に見える演出と役者の技量はなかなか見事だと思う。

家族4人の動きがコミカルで、静動がはっきりしてるアニメのような見やすい画面構成が分かりやすくて、作品世界に入りやすいのも見事。

ココロ

ココロ

ココロ舞台化計画

シアターサンモール(東京都)

2010/05/08 (土) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★

キレイな物語
シンプルで解りやすくきれいな構成。物語としての起伏がそんなに大きくなくて、感情的に盛り上がる部分は少ないけれど、代わりに切々と、無邪気な笑いに照れ隠しされたような寂しさが見え隠れする、ストレートな流れが好感。

いかんせん元ネタを知らずに観劇したのだけれど、原作を知ってることが前提ではなく、舞台だけ初めて見ても分かりやすい物語がよかった。

R.F.D

R.F.D

PLAT-formance

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★★

脚本も役者も巧い
脚本と役柄の設定が見事。よくも15分に収めたなというくらい、なかなか濃密かつテンポ良く楽しめる構成。ベタなくらいの解りやすいコメディタッチが面白い。役ごとの役者の演じわけがなかなか見事。(特に三つ子の刑事キャラ)

15 Minutes Made Volume8

15 Minutes Made Volume8

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★

味のある空間
それぞれの劇団の個性が出ていて面白い。舞台美術も、糸の演出がなかなか風情があって入った瞬間から楽しげ。

プログラム順も、なかなか凝っていて面白かった。特に、出だしに「さっき終わったはずの世界」を最初に持ってくるところと、「池袋から日暮里まで」のところで、乗客に、さっきまで別の演目で出てきた人がちょいと出てくるところが心憎い。

個人的には 『R. F. D』 のPLAT-formance と『TOKYO が始まる』の TOKYO PLAYERS COLLECTION が特に好き。15分という時間であることをうまく生かしていた気がする。

単に6本並べただけという以上の、ひとつの企画としての完成度が高かったと思う。

美しい手紙

美しい手紙

ライオン・パーマ

王子小劇場(東京都)

2010/04/22 (木) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★★

綺麗な人間模様
笑いと切なさのブレンド具合が面白い。悲しく切ないハッピーエンドが綺麗。
主人公の思い出を仲間たちとたどるうちに、他の人たちの物語が順に結末がついていく構成が見事。

劇中劇も面白く、記憶を失った主人公と再会した仲間たちや手紙の送り主等に、多少心情的に無理や強引な設定もあるけれど、脇がしっかり固まっているのでリアリティを失わずに楽しめる。

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