満足度★★★★
リリー・マルレーン
この曲が歌われたシーンは感動的でした。
ネタバレBOX
全体を通してパッとしないミュージカル曲のために、ばら色の人生(親友エディット・ピアフの曲)、リリー・マルレーン、花はどこへ行ったなどのマレーネ・ディートリッヒの歌が引き立ったのは皮肉です。
それでも、感動的なシーンもありました。慰問先の戦場で敵に囲まれてしまった中で彼女が瀕死のドイツ少年兵に対して歌ったリリー・マルレーンは、生きて祖国に帰ろうという日本語だったこともあり、彼に生きる勇気を与えたことが素直に伝わってきました。
さらに、戦後15年経って祖国でコンサートを開いた際に、民衆の反発が強い中、メディアに気持ちを訴えたシーン、そこに先ほどの少年兵が訪ねてきたシーンも良かったです。
それにしても、最初の歌が今陽子さんというのはどうなんでしょう。和央ようかさんでスカッと行ってほしいと思いました。
満足度★★★★★
答はあるのか無いのか、
生きるって難しいけど、先ずは身近な人と話せば少しは開けるのかなと思った次第でした。
ネタバレBOX
漫画家の作業場で、漫画家、アシスタント、編集者などを通して漫画業界の特殊な事情が垣間見られる中、何が正解か分からない、決められない現実と葛藤する人たちの話。
美容師を主人公にした漫画で髪を切る切らないの決断ができず、何週間も引っ張る原作者や、嫁ぎ先である福島に住みたくないと悩む彼の妹など、世の中には決められないことが多々あります。
イエス、ノー以外にも答があったりして厄介ですが、偉そうに独立独歩の振りをしていた原作者は作画者とも相談できるようになったようです。二人を隔てていた作業場の仕切りが外されたことが何よりでした。
顔しか描けないに近い漫画家や、顔が描けないというか、皆同じ顔になってしまうためアシスタントに甘んじていて少々ひねくれている漫画家、人生を切り売りしてネタの尽きた漫画家、そもそも漫画家を諦めた編集者など、それぞれの人生模様を見せてもらいました。
個性的な役者陣でしたが、それにしても、須貝さんのキャピキャピっとした初々しさには驚きました。
満足度★★★★★
宇宙人を考えてみる
高校生向け人権啓蒙活動という感じで少し青臭く軽いタッチでしたが、宇宙人に対して考えることを人間に対しても考えてみようというメッセージ性の高いストーリーでした。
ネタバレBOX
宇宙人に敵対する団体のデモンストレーションですから旗が出てくるのも有りかとは思いますが、いきなり旗を振るのを見ると、何か古臭く、なんだまた革命好きの芝居かあーと思ってしまいます。
しかし、差別の問題を扱っていることが分かり、宇宙人を題材に使うことで自分の素直な本心が見えてくると、考えさせられ、次第に面白くなって行きました。
宇宙人に対してなら差別があって当然という気持ちがある一方で、性格が良さそうな難民と聞くと受け入れなくてはならないとも思い、現に国連としても正式に受け入れているわけで、何より彼女が可愛いのでそう思いました。
彼女が太ったり戻ったりするのは受けました。私たちが例えば馬の顔を見て、一頭一頭がそんなに異なっていると思わないように、宇宙人が地球人の微妙な外観の違いを全く理解できない、気にしないのは面白いのですが、西洋人が日本人と中国人を見分けられないことを考えると、種の近さ遠さで反応が異なるという結構重たいものを感じました。
敵の敵は味方のような、内政に苦しい時の外交問題のような、宇宙人差別問題が騒がしい間は、在日、被差別部落、ゲイなどの差別が表面化しないので楽に暮らせるという四重苦の男の言葉が印象的でした。
愛する宇宙人のために、自分が反宇宙人団体と手を組んだことにして悪者になり、反宇宙人運動を沈静化させた彼はカッコ良かったですが、子孫を増やし、いずれは地球を乗っ取ろうという考えも宇宙人にはありそうですから、やはり油断は禁物、子沢山の裏側も見ておく必要がありますね。
ところで、第八位と聞こえましたが、第八位王位継承者が第一番目の王位継承の権利を持つというのは変でした。高位の人が亡くなったり、新たに生まれたりしてその都度順位は変わるものです。
満足度★★★
【[♯]バージョン】観劇
本当の満足とは何か、普遍的なテーマでした。
ネタバレBOX
愛する人を思い遣ることの尊さをテーマにしたミュージカル。
心から満足するまで死ぬことのできない不老不死の狐たちの中の一匹桔平が、怪我をした妊娠中の女性に血液を与えたことで、その女性と生まれてきた子供は不老不死と死の条件の影響を受けてしまいます。
女性は生まれてきた赤ん坊の笑顔に心底満足して死んでしまいますが、不死身になった息子健は怪我をしてもすぐに治ってしまうような身体になっています。普通の人間になりたい健の気持ちを汲んで、そして健の幸せが自分の幸せと気づいた桔平は、健の身体を普通の人間の身体に戻し、満足して死んでいくのでした。
女性は曲に乗っていました。桔平は、ハモるときに低音部を歌うのは分かりますが、ソロのときも半音ずれたような歌い方をしていたので心から満足できませんでした。
片足立ちでもう片方の足を持ち上げるなどのダンスは素晴らしかったです。
狐の衣装も良かったですが、尻尾の生え際の上部が一直線に見えるのはいかにも縫いつけた感がありました。あそこは半円状に見えるように工夫してほしいと思いました。
満足度★★★
【ゆかたキャスト】観劇
舞台の周りには祭りの出店も演出されていました。
劇団員だけいうことで和気あいあい、劇団の雰囲気や俳優さんたちの個性も知ることができました。
ネタバレBOX
第一部はスカイツリー開業から10年、商店街復興のために地元アイドルグループが復活する話。第二部は墨田区の戦後から現在、近未来の様子(ただし近未来については良く聞き取れませんでした)を解説しながらの歌謡ショー。
俳優さんたちも楽しそうで何よりでした。
満足度★★★★★
初日、非常に良い!!
アメリカがまだ植民地時代の魔女裁判の話ですが、つい最近起こった日本の出来事のようで、正に今日的でした。休憩を入れての3時間45分は緊張感が途切れることがありませんでした。
ネタバレBOX
大の大人がガキに騙される愚かさ、騙されたことに気づいても今度は正すことができない愚かさ、人間社会は時として愚かで、人間の思考や行動様式が全く進歩していないことには虚しさを覚えます。
既に10人が処刑されていることがあって、法の平等という名の下に今更変更できないとするダンフォース判事の対応は、自分に責任が及ぶことのないようにしながら、かと言って良心の呵責もあって、悪魔と取引をしたことを告白すれば死罪は免れる、どうか告白して下さいと取り繕うものでした。
自分の非を認めないのは日本の検察や役人の現状と同じです。告白すれば死罪は免れるは、認めれば少年院送りは免れるという遠隔操作メール事件の取り調べと同じです。
狂気が蔓延しているときには、転んでいい、嘘をついてもいい、生きていることが大事というヘイル牧師の言葉は人間の生き方に安寧を与える言葉でした。
プロクターは家族の生活を支えるために生きたいという気持ちが強く署名までしたのに、結局は告白文を破棄して処刑されました。彼の行動は、真っ正直な生き方を選択したというよりも恥をかくことを避けたという印象でした。
例えばですが、武士道の芝居を海外でやるときには恐らく武士道の精神について日本では分かり切っていることについても丁寧に触れると思います。同じように、署名のある告白文を教会の壁に貼るということが彼らの社会ではどのような重要な意味を持つことなのかの説明があれば良かったのにと思いました。
プロクターの行動故にこうして愚かな事件が告発された訳ですが、良心の呵責に苛まれていたのか、開き直っていたのか、ダンフォース判事のその後が気になりました。
プロクターの妻の静かで信念のあるたたずまい、ダンフォース判事の低音の響きが素敵でした。
満足度★★★★
夢見る世界
男性としては、ただただ見守るだけでした。
ネタバレBOX
捨てられてしまったお人形が、なりたかった女子、あるいはなりたくない女子の姿を想像し、夢見るファンタジー。
お化粧したり、恋したり、傷つけたり傷つけられたり、もしかしたらレズになっていたかも、はたまた自分はドMかも、そしてやはり子供を産みたいなどと想像したりするのが少女なんですかね。
お人形はブスということでしたが、お人形の想像する女子像は、即ち女優さんたちはとても綺麗でした。
その女優さんたちが出入りするドアの外は大雨、お疲れっす。
満足度★★★★
占い好きさえいなければ
営業のあり方、社会正義とは、いい話でした。
ネタバレBOX
何が歴史よだよ、蓄積だよ。個人に合わせて読み解くと言っていましたが、そこですよ本質は。ああ言えばこう言うのの蓄積なんて、ホント、インチキ占いが大嫌いです。馬から落馬です。インチキも占いも同義語だという意味です。
ライバル企業の漏洩情報に基く営業だろうが何だろうが、とにかく成績が上がれば自信がつくという現実には、悲しいながらもあり得る話で鬱々としました。現在ではこんな情報を持ち込むコンプラ無視の上司はさすがに減っていると思いますが。
そんな上司ですが、彼が顧客から信頼されることが重要との名言を会話に混ぜると、正に正論だけに顧客に接触した経緯のいかがわしさがごまかされてしまい、いつの間にか目の前のお客さんに真剣に営業すればそれでいいという気になってしまいます。この老獪な話術は、相手に合わせて読み解くという占いの本質に繋がっています。
で、占いの愚かさに気付いた日下でしたが、結局は占い好きの営業ウーマンに占いをするわけで、占い好きの存在にはやっぱり後味の悪さを感じました。
乗り換えたことで失敗したお客さんについては、元の保険に難病に罹ったら保険金が下りる特約が付いていたのでしょうか。あまり考えられないので不思議な気がしました。むしろ入院特約に入っているのに保険会社が出し渋っているような様子に違和感を覚えました。
ところで、いかがわしさを醸し出している上司ですが、ヒゲはまあ許すとしても、スーツ姿でスニーカーインソックスを履くかなあとは思いました。
満足度★★★
平坦
事件が起きたのに盛り上がらないまま終わりました。
ネタバレBOX
日常の中に非日常が持ち込まれるストーリーはシアター・ナノグラムらしい点ですが、いつも思うように、今回もやはり事件は舞台の袖の外で行われているという感じが強くしました。
外国人労働者の暴動が起きたのに、舞台上に緊迫感は感じられませんでした。結局、舞台上はグダグダしたまま役者がハケて暗転、アレっこれで終わりって感じで終わってしまいました。
暴動と分かれば普通家族が心配になるはずです。みんなが帰るとお芝居として成立しないのかもしれませんが、囲まれたりして外に出られない状況でもないのに様子を見に行ってまた戻ってくる事自体が不自然でした。
こんなに盛り上がらない話なら、いっそのこと怪獣が暴れているという設定の方が良かったのではないかと思いました。
外国人の台詞で、カタコトは日本語で流暢なのは母国語という設定も、途中から理解しましたが、気付くまではちょっと変な感覚でした。
満足度★★★★★
SQNY、DQN、
楽しいひと時でした。「S.Q.S」の真相には驚きました!
ネタバレBOX
徹底的なおバカさ、小説の登場人物の造反、亡くなった娘との確執などの話から、実は痴呆のおばあさんの妄想だったことが分かり、ふと正気に戻ったところで娘と和解、素直に世の中をそのまんま見いやってことで、ダンスのショータイムへとなだれ込む。
S.Q.Sが、それはQ太郎さんです的な言葉の略称だったとは…、でも何となくDQN的なことかなとは思っていました。
濱田マリさんの回だったのでQ太郎に違和感はありませんでしたが、:シルビア・グラブさんがやられるなんて想像するだけで驚きます!
ショータイムのダンスは素敵、基本私はダンサーです♪でしたね!
ちっちゃい警察官役の女優さんは役者としての華がありました。
満足度★★★
安直
『誰が為にベルはなる』が良かっただけに少し残念でした。
ネタバレBOX
幽霊物は嫌いです、妄想ならいいのですが。妄想は妄想している人のエネルギーを使って思考しますが、幽霊にはエネルギーがありません。
さらに、幽霊と会話ができるなんて一番安直な方法で気持ちを伝え合いました。死んだ彼女はシナリオの中の言葉やト書きを通して伝え、生きている人間は演じることで真意を汲み取る、そのようになってほしいと思いました。せめて、ラストシーンのように物を使って伝える程度に止めてほしかったです。
先輩女優が劇団を去った理由も、彼女の思っていたのとは違う何か別の事情があって、今回二人は和解するのかなと思っていましたが、正に彼女の思っていた通り、売れ出した後輩に嫉妬したからなんて、何の捻りもない、先輩女優は嫉妬するほど心が狭く、死んだ彼女は正しい人間でしたみたいな、何ともつまらない展開でした。
宅配便が思い出の品を運ぶなんて…、棺桶に物を入れる流行も粗大ゴミの日じゃないんだからと思います。
満足度★★★★
鉄板!
落ち着いた演技から繰り広げられる笑いは鉄板です。
ネタバレBOX
人気漫画家と後を託された漫画家たちの思いを中心に、漫画の内容を再現したシーンや、本屋で漫画を待つ人たちの思いを綴った物語。
JAROネタや空想マージャンのバカバカしさは最高でした。
ところで、バンカラという言葉が最後の方に一回だけ出てきました。ひやまかざんという漫画家が恋愛物が書けなかったからという意味でバンカラと呼んだのかもしれませんが、彼はギャグ漫画は書いていて別に完璧な硬派というわけでもなく、時代も現在なのですからこの言葉は不要だと思いました。題名にバンカラが付いていると、何か古臭いような印象を受けてしまい、損のような気がします。
満足度★★★★
【Bチーム】観劇
合間合間にMCのイケてるしゃべりがあるので休憩入れて3時間15分ぐらいのイベントになっていました。楽しかったです。
ネタバレBOX
オパンポン創造社『王様大脱走』(大阪) 敵方に囚われた王様と一般の囚人の話。腕力は弱いが自国の民衆のために王様は脱走しますが、家族を守るために囚人は牢屋に留まります。守るべき対象や役割が異なると行動も異なりますみたいな。
超人予備校『絶滅さん』(大阪) 頭にニホンオオカミやニホンカワウソなどの帽子を被って、絶滅種や天然記念物の優劣を付けたり、言葉遊びをするお話。おかあさんといっしょに出てくるお兄さんのような優しい俳優さんとちょっと個性的な女優さん二人によるゲーム感覚の遊びは小学生向き。
犬と串『新宿~SHINJUKU~』(東京) キャバ嬢殺人事件を捜査する刑事と関係者たちの話。問い掛けに対して、ラーメン店用語しか使わないラーメン店従業員と、ガソリンスタンド用語しか使わないガソリンスタンド従業員の対応やそのテンションの高さが可笑しくて最高でした。鈴木メアリさんも可愛かったです。
テノヒラサイズ『テノヒラサイズの天国と地獄』(大阪) 事故に遭い、クイズに答えて正解だと天国に行ける状況に遭遇したクイズ同好会のメンバーの話。ラストクイズの選択で、いい人はいい人のまま終わるのかといったシュールな展開は秀逸。客演の田中美甫さん(アマヤドリ)が素敵でした。
劇団ZTON『幕末浅葱桜 ばくまつあさぎざくら』(京都) 新選組に志願した若者の話で、崩すところは崩し、真面目なところは真面目にやるという感じのチャンバラ劇。
空想組曲『深海のカンパネルラ~R・O・D version~』 『深海のカンパネルラ』の短縮バージョン。一発芸的な受けが無いのでどうなるかと心配でしたが、深海と宮沢の親友振りをやり切り、短いながらも感動的なラストシーンに持ち込みました。
満足度★★★★★
お芝居を観たーって感じ!
ちゃんとセットがあって、終始一貫地に足がついていて、謎めいていて、謎の余韻が残るような家族物を観たのは久し振りのような気がします。
ネタバレBOX
浅利ねこさんが素晴らしかったです。ゴミくずちゃんのときの放射能で内臓がボロボロになって死んで行った少女の、走って走って走りまくるハツラツとした演技やエンディングの素敵なハイタッチは忘れられませんが、今回は一転、母親思い故に留年目的で登校拒否をしようとする中学生役、表情をあまり表に出さないどこにでもいる女子中学生らしい感じが良く出ていました。過去のシーンの小学生姿も良かったです。
散髪屋のおじさんも変態ロリコンではなく、真に政美ちゃんのことを心配しての行動だったように思えますし、何が真実か分かりません。
お父さんの死も、最終的にはお母さんが壺で殴ってとどめを刺したようですが、お父さんの浮気癖については分かって一緒になったはずなのに、傷ついた状況を見て発作的に不満が爆発したのでしょうか。
政美が中学を卒業したら自首しようと考えていたお母さんも、今は一応穴に落ちて死んだと思い込んでいるフシがあります。現に商売を拡大しようと考えています。政美もお母さんは自首しないと確信したのでしょうか、登校拒否を止めるようです。ただ、政美と異母兄との別れ際のやりとりは、異母兄に罪を押し付けた意味なのか、黙っているようにと伝えただけなのか謎でした。
それにしても、世界を股にかけて異母きょうだいを作り続けたお父さんってどんな人なのか気になります。
担任の先生役の加藤ちえりさん、あんな先生に教えてもらいたかったです。
お母さんを男優が演じることに違和感はありませんでしたが、劇団フライングステージじゃないんだからという気はしました。
満足度★★★
【普通の人々バージョン】観劇
一人による芝居、二人による芝居、そして多人数による芝居もありました。
ネタバレBOX
そして、最後は不思議な縁で繋がった関係者全員が集合したシーンでした。
一人による二人芝居では、見えない相手に対する反応などが少し大袈裟で、わざとらしさが感じられました。
草加次郎が警察勤務だったことが書かれていたため、公安に目を付けられ告白文は日の目を見ませんでした。事情を知らないままに公安の影響で仕事が無くなっていく社長さんが一番可哀想でした。
すべてがFになるというミステリーや、fというお芝居があったことから、Fが福島とは事前には気が付きませんでした。福が付く地名は他にもあるので決め付けてしまうのも困ったものですが、改めてFの記号性について考えさせられました。
ところで、時代設定は平成の次の時代なのでしょうか。テロリストが檄文の中で今上天皇と言わず平成天皇と言っていました。
満足度★★★
こういう旅は北に向かうのが似合う
次回作『剛力彩芽VSスペース剛力彩芽(仮)』がめちゃくちゃ楽しそうで、こういうのを次回作に期待します!と言うんでしょうね。
ネタバレBOX
箸が転んでも可笑しい年頃向けの笑いが、そして実際に青い未来人の変な雄叫びが歌に移行していくような長めの一発ギャグが繰り返される度に喜んでいるお客さんもいるのですが、全く好みでなく、時間の無駄のように思えて仕方がありませんでした。
何組もの人たちにそれぞれの事情があり、結構人情話でもあるのですが、出会えればそれで解決かいってくらい薄っぺらな内容でした。
満足度★★★★★
千秋楽
東京バンビとしての最後の舞台を見届けました。
ネタバレBOX
同一公演期間中に全く同じものを二回観たのは、初音映莉子さんと故深浦加奈子さんのお芝居以来二回目でした。
お芝居としては初日よりもこなれていました。地下室の発見などもより自然でした。ちょっとした伏線も丁寧すぎるくらいに全部拾っていたことにも気が付きました。結構完成度の高いお芝居だったと再評価しました。
それでも王選手はやっぱり右打ちのままで、頑固なところは頑固でした。
東京バンビは解散ですが、劇中で熱く語っていたように二人が演劇を続けることは間違いありません。一緒に行動するかしないかは今のところ分かりませんが、お二人は腐れ縁だしね…。
満足度★★★
喜劇?!悲劇?!
可もなし?!不可もなし?!
ネタバレBOX
記憶喪失の青年の話。面白い人たちと出会い、連続殺人犯に間違えられたりしながら街をさまよい、そして記憶を取り戻すと、会社の上司から叱責され、家でも奥さんから叱責小馬鹿にされ自殺をしようとして拳銃を入手したことを思い出し自殺、…したのかな。
突飛な人も登場させていましたが、ストーリー的にもお笑い的にも可もなし不可もなしという感じで、喉を刺激するようなビタミンCの摂取とまでは行きませんでした。
ところで、時々思いますが、この劇場は階段席が近過ぎます。役者さんが正面を向くとすぐそこの階段席の人と目が合ってしまうので、どうしても泳いだような目をして少し上を見ながら演技をすることになり、その結果何か不自然に見えてしまいます。
満足度★★★★
何やかや言っても、
玉ちゃん愛されてましたね。
ネタバレBOX
部屋の奥の方に地球の絵、数人の社員で地域を細分化して担当…、何か地球人を管理するような会社を辞める辞めないの話かと思いましたが、若いあんちゃんが単に義理のお父さんの跡取りを見据えて夫婦で花屋を開店するために運送業みたいなところを辞める辞めないの話…、
と思っていると、演出家が出てきて演技指導。
結局、グダグダなシナリオを練習風景でごまかすといったここ最近よく見るパターンの一つでした。
明日開幕というのにまだ通し稽古ができていない状況で、気弱で頼りなさげな演出家とそれでも付いて行く役者たちの珍騒動に大いに笑わせてもらいました。
満足度★★★★★
【Aプログラム】観劇
状況が分かると、とたんに身につまされました。
ネタバレBOX
役者たちが集まって、宇宙、地球、日本、北海道、青森県、岩手県、リアス式海岸…、といった頭を使った言葉の連想ゲームをしてスタート。『童話が生まれた』で精神を病んだ女性たちの話を、『妄想カレンダー』で再び連想ゲームをする男性たちを見て、家族に見捨てられて病院で過ごす精神を病んだ若者たちの話かと思い、家族の訪問も少なくなり可哀想だなあと思っていました。
しかし、彼らが特養ホームで暮らす老人たちと分かると、急に現実感が増し、他人事とは思えず思わず身につまされました。
痴呆が進めばみんなで連想ゲームができるはずもなく、ああして輪になっていても、もしかしたら自分の殻に閉じこもったままで、一人ひとりが勝手に妄想しているだけなのかもしれません。
そして、彼らの一人のように自分の殻の中で17歳を堂々巡りしている老人もいれば、大好きなシーンに浸っている老人もいるのだろうと思いました。
なりたくてなる訳ではありませんが、もしそうなるとしたらどのシーンを堂々巡りするのだろうと考えてしまいました。