満足度★★★★
思考ゲーム
ハルメリの定義は一応あるものの、実践する上ではややこしいことがありました。
ネタバレBOX
ハルメリとは自分の能力の限界を認めて分をわきまえること、そうすることによって、自分が、自分がといった自己主張がなくなり穏やかになれる、人に優しくなれる…、とすると、ハルメリミューズ決定戦なるものは本来あり得ない話なのでしょう。色々と矛盾を孕んだ思考ゲームでした。
派手な衣装も自己主張と捉えると反ハルメリですが、一つのアイドル像として国民の総意を得て着ているとなるとハルメリを肯定することになり、またハルメリアイドルがイケイケな行動をしている自己を否定することで逆にハルメリになるなど面白かったです。
夫婦仲が良くなったと喜んでいた奥さんですが、ハルメリにのめり込んでいるうちに夫は若い女と浮気をしている、全ては程々に、です。
ハルメリ、ハルメリと言っているうちはまだまだで、ハルメリが身に付けばハルメリを口にしなくなり、さらに次の段階では、ハルメリが身に付いたことを喜び、感謝の気持から自然にハルメリが口から出て来るようになる、ですかね。
前日のダックスープ『音楽家のベートーベン』じゃないですが、考えて、自分なりの結論が出たら部屋を出ていくといった感じで、理解した顔をして劇場を後にしました。
満足度★★★★
そ、そうだったのか!
美人戦士に釘付け。そして、驚愕の事実。
ネタバレBOX
スカイツリーにうんこビルまであって、正に実写版でした。
そして、女子高生戦士はなんと1,000メートルの背丈があって、地球を守るために危機が起こる都度ある星から派遣されていたとは全く驚きの真実でした!ずーっと別の星の話だったなんて信じられませんでした。
受けても受けなくてもめげずに最後までギャグを押し通す心意気が素晴らしかったです。特にダリア先輩のゆるキャラ風芸人魂が良かったです。
ただ、劇団員の登場機会を増やすために無理に立たせているというような楽屋オチは少々不快でした。
満足度★★★★
OH!ナンセンス
こういう構成のお話かぁ、すごいよねぇ。
ネタバレBOX
ナンセンスギャグのオンパレード、バラバラなギャグコントの集合体かと思いましたが、さすがテーマであるベートーベンで括られていました。
幼い頃のベートーベンが父親から虐待を受けていたなんて知りませんでした。そして世の中には胸にナイフ傷のある人が意外と多いことも…。
ブルー&スカイさんの手法を存分に堪能させてもらいました。来月の『入江雅人グレート一人芝居』にもこんな感じのやつがあるのでしょうか。ただ、人を裁くということを考えて、自分なりの結論が出たら部屋を出ていくというギャグはいかにも尺調整高校で禁じ手だと思いました。
それにしても、超絶技巧ならぬ超絶した木工技術によって作られたテーブルと椅子でしたね。
池谷のぶえさんは相変わらず玉を転がしたようなお声でよろしゅうございました。
満足度★★★★★
覆水
大馬鹿野郎な二人でした。
ネタバレBOX
最初何となく冗長で、耕平の婚約者から電話があったときにかつての恋人シンコが声を上げて騒ぐなどあり得ない光景もあってちょっと引き気味だったのですが、長い半同棲生活を経ての別れの真相、婚約者の肉じゃががシンコの味に似ていた理由、そもそも彼女が突然来たのは単なる偶然ではなかったことなどが会話から明らかになっていく過程が素晴らしく、次第に引き込まれて行きました。
真相の内容自体はちょっとベタな漫画風でした。
IT企業を立ち上げた耕平らしくスーパーシンコというゲームを作ってプロポーズ、シンコは最後までたどり着けずゲームオーバーを別れの言葉と誤解して去っていく…、その後耕平は思いをDVDにして送付するも会社の封筒に入れて送ったため企業のPRと誤解してろくに見てももらえなく捨てられた…。詮なきことですが、やはり会話が大事なのであって、ゲームは二人でいるときにさせなくっちゃですし、ラブレターも会社の封筒に入れて送る人はいないでしょうって。
肉じゃがはシンコが作り直したってのは驚きの新事実でした。その後婚約者の肉じゃがは食べてないんでしょうね。食ったら分かるって。
結婚式場担当者の予定表を偶然見て次の日に耕平の結婚式があることを知り、マリッジブルーだったシンコに火が付いたのが今回の騒動の発端でした。
お互い愛し合っていたのに誤解から別れたことが分かったものの、思い出の当事者は過去に留まっているわけではなく、現在を生きていて未来もあるということで、耕平は結婚式に向かいました。一年半後の未来に富士山でお互いに今は幸せだと言えたらいいですね。
満足度★★★
いい話
なんですが、ワクワク感、ドキドキ感がありませんでした。魅せるというなら見せてほしかったです。
ネタバレBOX
清掃をエンターテイメントのように魅せる、みんながエンターテイナーのような意識を持つまでのバックヤードストーリー。
いい会社にしようとする専務の焦りもよく分かりました。クーラーを付けるなど職場環境を整えた上でスローガンを掲げましたが、それだけでは誰もついてきません。しかし、現場の人にユニフォームを選んでもらったことで、事業運営への参加意識と責任感が生じ雰囲気が変わりました。正社員化への道筋も作り、働く人にやる気が出て素晴らしい会社になりました。
しかし、いい会社になったことは分かっています。予定調和感は否めませんでした。舞台は休憩室、上部にホームらしき物があって、あそこで作業をするんだろうなと思っていましたが、休憩室の位置関係を表現しただけのことでした。そして、作業の解説みたいなのはありましたが、実際の作業シーンはありませんでした。
7分間のドラマを見せないで、何が清掃をエンターテイメントのように魅せるですかって言いたくなりました。元SDN48のダンスよりも、清掃員さんたちによる作業風景をデフォルメされたダンス風でもいいですから見たかったです。
そのダンスですが、元SDN48のメンバーは休憩室のテーブルの上に乗って踊っていましたが、清潔をモットーにする彼らのプロ意識からはあまりにもかけ離れているようで、絶対にあり得ない行為のように思えてしまいました。
主役は杜けあきさんなのでしょうが、最後の舞台挨拶で特別出演の木の実ナナさんに気を遣うこと遣うこと、別に木の実ナナさんが嫌いってわけではありませんが、特別出演ってカンパニーにとって何だろうって考えました。浮いた存在なら要らないのではないかと思いました。
松本明子さんは終始いい味出していました。
満足度★★★
おとなしめ
劇団の日々を教えてもらいました。
ネタバレBOX
劇団員と客演の関係とか気持ちの持ちようとか、アップしたり、エチュードをしたり、本番の練習風景を描いたりしていましたが、劇団の日々を表面から見せただけのような印象で、劇団を維持するための苦労とか、役者がどんな生活を送っているとかの本音部分はあまり見えてきませんでした。
ロックボーカリストの奈々子は人気があるのに自信がないようで、そんな気持ちでもノリノリでボーカリストが務まっているのが不思議でした。
演劇やって自信が付いたのでしょうか。二足のわらじで行くのでしょうか。少なくともロックをやめて演劇界に入るということは無さそうで、このお芝居からは断然演劇が最高だぜいというほどの主張は感じられませんでした。
劇中劇である演劇祭参加作品も役者が絡んだところを少し見てみたかったと思いました。
満足度★★★★
大きな話
そんなことがあったのかと。
ネタバレBOX
世界平和の陰に多くの犠牲者がいたなんて。
人を笑わせることによってセロトニンの分泌を促し、人類の暴力性を抑えて戦争を無くし、世界平和に貢献して何度もノーベル平和賞を受賞した五郎の、そうなった経緯を描いた物語。
セロトニンが不足する病の五郎を助けるため、セロトニンが不足する度に分泌を促そうとギャグで弟を笑わせるきょうだいは大変でした。読むと笑い死にすると言われる殺人ジョークなる本を手に入れて、五郎にとっては特効薬となりましたが、それを読んでしまったきょうだいたちは笑いが止まらずセロトニン過多で死んでしまいました。
なんともリアルな展開でした。
みんなちょこっと見ただけで笑い死にしました。笑い死にを防ぐため、部分部分に分けて何人もの人によって翻訳したはずなのにとか思ったりもしましたが、じゃあ製本した人はどうなったのかとか色々あって、あまり考えてもせんなきことでした。すみません。
研究員の解説から始まる手法はあまり好きではなく、途中からは良くなりましたが、ケバい子の出だしがちょっとぎこちなかったことも気になって、初っ端今一ノリ切れなかったというのが実感です。
金貸しの人は雰囲気が出ていました。
満足度★★★★
ああファンタジー
ところどころに発想の素晴らしさはありました。
ネタバレBOX
目の見えない人の視力的な闇、若年性アルツハイマー症のような障害による記憶の闇、遺伝子操作という医学界の闇の領域に手を出してまでも欲望には歯止めが効かない心の闇、これらの闇の世界の話をまとめ上げたファンタジー。
最初の一、ニ分は真っ暗闇で、大川興業の登録商標「暗闇演劇」かと思いました。そして次第に見えてきて、そのうちスカートをはいたようなボサボサの髪の人が登場、阿曽山大噴火さんかと、本当に大川興業かと思いました。
どんなに素晴らしい記録を樹立してもさらにさらにと止まることを知らないスプリンター…、100メーターをマイナス秒なんて、おおタイムマシーンじゃないですか。
生まれつき目の見えない人が視力を得る直前に想像した風景を求めての旅…、何年旅しても見つからずに戻ったら自宅がそうだったとは、おお青い鳥。生まれつき目の見えない人が視力を得ても、いきなり脳内で像を結ぶのは至難の業のはずなのですが、それはさて置き、色は当然として柄という概念を認識する発想はさすがだと思いました。
ただ、何か具体的な事件が背景にある社会派的ストーリーを期待していたのも事実で、やっぱりファンタジーはファンタジーでした。
長時間走り回るのは大変だったことでしょう。しかし、その後のエンディングまでがダラダラと長く感じられました。
呉城久美さんはアイドルっぽくて素敵でした。
満足度★★★★
うーんとドライで…
大人な感じ。後半の一連のシーンと、ラストの二人のやりとりは素敵でした。
ネタバレBOX
昭和34年の話。戦後の混乱期に悪さを働いた元詐欺師で今は国会議員になっている男を騙す大芝居は、スティングを彷彿させなかなかのものでした。
騙す方法が野球賭博というのは、当時としてはありふれたことかもしれませんがあまりいい気分ではありませんでした。因みに昭和34年の日本シリーズ南海対巨人は南海の4連勝に終わりましたが、第1戦は南海が何とか逃げ切って勝った試合のようです。
ラストの謎解き、そして南野陽子さん演じる依頼人の女に自首を促し、戻るのを待つと言う探偵、そのときはうーんとドライなカクテルで…、大人な感じでした。
ただ、依頼人の気持ちを斟酌して、みんなで協力して悪人から金を騙し取ったのはいいのですが、バーだってそこそこだろうし、工務店だってそこそこ調子がいいのに、各自が逃走資金を持って散り散りバラバラになってしまうのでは何か本末転倒のような気もしました。
だって東風万智子さんもせっかくレギュラー取れたのに次回作ができなくなってしまうじゃないですか。ま、ほとぼりが冷めてみんな戻って来たってことにするのでしょうが。
ところで、探偵の妻と子供が亡くなっていることに関しては、事件にでも巻き込まれたのかと思っていましたが、空襲で死んだと聞いて時代を感じました。
沢田研二さんは今年タイガースの復活ということもあってか、ほんの少しだけですが、前回よりは細くなったようにお見受けしました。声を張るシーンにおける声量の大きさにも驚かされました。
満足度★★★★★
【生徒会室編】観劇
様々な思いが交錯する主に二人芝居、良かったです!
教室編よりも良かったです。こっちがメインだと思いました。
ネタバレBOX
ボーイッシュで下級生からも人気のあった生徒会長の光と、クラスの委員長で生徒会委員でもある咲子の主に二人芝居。
如何にも女子校らしい下級生が先輩を慕う擬似恋愛、もう少し深刻な同級生に対する恋愛感情、さらに先生という異性に対する恋愛感情と嫉妬、こうした思いがよく現れた作品でした。
井上先生の抽象画が好きで先生のことも好きな光は、抽象画の中にあかりの姿を見出してしまい、あかりに対する嫉妬から学校側に告げたようです。あかりの処分に抗議したかのこが卒業式への出席をボイコットしたのに誰も気付かなかったというエピソードはありましたが、先生が処分されずに、生徒だけが処分されたとすればはおかしなことですから、恐らくあかりの自主判断なのでしょう。ここらへんの詳細は分からずじまいでした。
梨花の殴り込みを楽しみにしていましたが、光を突き飛ばしただけで、告げ口した理由を訊き出すこともなくすぐに帰ってしまったのは少し拍子抜けで残念でした。
咲子の光に対する恋愛感情については、告白はしなければいいのにと、禁断の恋にちょっとドキドキしていましたが、終盤告白し、拒否され、最後受け入れられました。ま、咲子も大学に行けば普通に恋愛もするでしょうし、二人がいいお友達として長続きすればいいなと心から思いました。
満足度★★★★
軽快な音楽もあり、
長帳場の不思議な話ながら退屈はしませんでした。
ネタバレBOX
全体としては効率の悪いお役所仕事を皮肉ったような話に思えました。城で働いている人たちは社畜のような感じで、その社畜たちによる稟議書作成ダンスともいうべきパフォーマンスは、上司と部下の関係、同僚間の出世争いのようなものがとても良く表現されていると思いました。
地元に妻子がありながら何のためらいもなく結婚しようとする測量士K、不思議な行動ですが情報が伝わらないので権力者に接近するためには女に手を出したり何でもするということなんでしょうか。
学校の小使さんは教室で寝起きするものだったのかもしれない、当時の事情を窺い知ることができました。
時々背景の壁に映されるカフカの名言はさっぱり意味不明でした。場つなぎの余興のようなものですから、見切れになったりして見づらかったこともありますが、見ても見なくてもどちらでもいいものでした。それでも、「綱渡りの綱は地面すれすれに張ってある、まるで人をつまずかせるために」みたいな文章には、高いと危険、低いと邪魔、うーんと唸らされました。
ところで、時代は女性が長いズロースのようなものをはいている頃の設定です。それなのにKの靴底には赤いマークが付いていてもう最悪、ゲンナリしてしまいました。
満足度★★★
【教室編】観劇
三館同時公演は面白いアイデアですが、場面転換でやれば十分だと思いました。
ネタバレBOX
女子高生がグループになって行動する実態が分かりました。仲良しだからグループになるのかと思っていましたが色々で、面倒臭いと思っても相手に合わせたり空気を読んだりの本音の無い付き合いもあるものなのですね。
もう一つの話題、あかりが退学した件については、井上先生の車からあかりが降りたところを芽以が目撃し、生徒会長の光(ヒカル)に相談したところ、光が学校側に報告して事が大きくなり退学に至った模様です。
事情を知った親分肌の萩原舞さん演じる梨花が生徒会室に殴り込みに行きました。さて本当に殴るのか、はたまたどんな話が光の口から飛び出すのかについては【生徒会室編】の楽しみです。
しかし、グループ内のいざこざとあかりの退学の件だけで80分をもたせるのは至難の業です。少々退屈でした。商業主義の極み、三館同時公演でなく場面転換でやれば十分だと思いました。
アフタートークで、小学生や中学生のときのイジメと和解みたいな話があって、高校生のときの思い出は無いのかなと思っていましたが、今が一番楽しい、大学に行かずに高校生のままでいたいなんて言葉があって、うわぁ現役女子高生かあ、そりゃ高校生の思い出は今作っている最中だと改めて彼女たちの若さに驚かされました。
本編だけでなく、アフタートークも三館を行ったり来たりで楽しそうでした。
満足度★★★
【*TypeA*空キャスト】観劇
青春群像劇としてはそれなりでしたが、不要な部分が多過ぎました。
ネタバレBOX
演技はなぞっているだけ、ストーリーは中学校卒業から12年後の青春群像劇としては、世間の荒波に揉まれて思うようにいかない苦悩を表現した部分はそれなりに良かったのですが、タイムカプセルを探す部分は、ことさらストーリーを複雑化、長時間化しようとした作家さんの魂胆がミエミエでくだらなく思いました。
地域の思い出を守るために、あえて建設会社に入って桜を移植したり、歴史的建造物を移築したりを推進した女性には、会社に入って数年で上司を動かした力量に敬服しました。
それにしても、女優志願だったあんな可愛い子が30前にアル中とは恐れ入りました。
五十音を数字に置き換える暗号から発展して、いろはを数字に置き換える暗号を当時の少年は考えたようですが、観客の誰が気付いたでしょう。そして観客の誰が謎解きに挑戦したでしょう。黒板に書けば観客も考えたかもしれませんが、そして確かに何かを黒板に書いていましたが、廃校から12年も経てば黒板も色褪せてあれが正しい姿なのかもしれませんが、ホワイトボードに白いチョークで書いているようで全く読めませんでした。舞台の隅の方から女性が分かったーといきなり叫んで出てきても、なんだかなーと思いました。
未だに立ち退かない人に対して強制執行を知らせる文書を役場の人が一人で届けに行って不在だから置いてきたって、そして読まないお前が悪いって、そんなことあり得ないでしょう。裁判所の仕事のようにも思えますが、せめて複数で行くとか、もう一度出直すとか、内容証明郵便を配達証明付きで送付するとか、相手に確実に届く方法を考えるのではないでしょうか。
そもそもこの同窓会がいつ開催されたのかは明示されていませんでしたからまあいいのですが、てっきり今現在の話だとばかり思っていたのでカバンからカセットテープ対応のウォークマンが出てきたときには、あまりのご都合主義にビックリしてしまいました。
満足度★★★★
少し無理っぽい
そろそろワンパターンも考え時、題材によってはケースバイケースで臨機応変に対応しなければいけないのではないかと思いました。
ネタバレBOX
韓国人に、武器の使い方も知らずに平和を語るなみたいなことを言われ、武器を持つと使いたくなってしまうと反論していた外交官が、尖閣に住み始めてからヤギを退治するために猟銃を使っているという話を聞いたとき、これは使いたくなるんだろうなと思いました。
それにしても、やわな中国大使でした。色々な事を想定していないのでしょうか。
そしていつもの第二部ですが、第一部の関係者のその後ということで作らざるを得ない面はあるのでしょうが、と言うかそんなこと誰が決めたんやって言いたいですが、日中戦争休戦後に全員が外務省を辞めて尖閣に住みますかぁってんです。今回は少し無理があったと言わざるを得ませんでした。
それに、第二部の山崎直樹さんは全くの別人として出ているとばかり思っていましたが、自殺した中国大使の腹違いの兄弟、具体的にはお父さんのお妾さんの子供で、顔も見たことがなかったのが、領有権を巡るいざこざで自殺したことを聞いてお国のためにと一肌脱いで尖閣に住むようになった漁師さんとの設定で、もう無理でしょう、笑いというよりも失笑ものでした。
俺の言霊を聞けというナレーションがありましたが、言霊という表現は嫌いです。言葉は言葉です。俺の言葉を聞けで十分です。
満足度★★★
げんなり
華がなく、退屈でした。
ネタバレBOX
何もTシャツの販促、劇中に二回もやることないでしょ。
全てはアリシアの財産を手に入れようとする悪者たちの企てによるものでした。新興貴族のライセンは暴君だった父親を殺しはしましたが、民のことを考えてのことだったことが分かり、アリシアが貧困生活の中で肥料いらずという毒を持つ野草を食していたお陰で敵の毒針が効かず敵を倒すことができましたというあらすじを知ることができたのが唯一の収穫でした。
満足度★★★★
歩く
淡々とした空気感が素敵でした。
ネタバレBOX
大手建設会社を定年退職した男が過去に少しだけ知り合い、突然いなくなった女性を懐かしく思い探す旅。
企業戦士の家庭崩壊的家庭の話、大型団地のこと、そして桜の精…、『世界最終戦論』と異なり、随分分かり易い作品という印象でした。
結局は仕事に真面目なお父さんのような男性を選んでしまう…、それは違うな、世の働く男性は皆真面目なんですよ。一応働いている人を結婚相手に選んだらそういうことになってしまうんですって思いました。
満足度★★★★★
素晴らしい彼の人生!
とっても素晴らしいストーリー、感動しました。
ネタバレBOX
人は社会に何がしかの影響を与えている、しかもジョージの場合は貢献という前向きのものだったことに素直に感銘を覚えました。そして彼の窮地を救おうとした人々の優しさにもグッと来ました。
そして、人は社会に影響を与えている、それはそうなんですが、しかし彼がもし存在していなかったら彼の生まれた町が荒んだ町になっていたかのようなことは、自分には当てはまらないだろうとつくづく思いました。自分の会社があるわけでもなく、いくらでも代わりの効く歯車感を禁じ得ませんでした。
アフタートークで、金を隠したポッターが天罰も下ることなくそのままだったことへの言及がありましたが、人生は他人と比較することでは無いということかもしれませんね。
素晴らし過ぎる彼の人生、彼もなかなかそのことに気付くことができませんでした。程度の差はあれ、いやそんな比較なんかしないで、私も素晴らし過ぎることに気付いていないだけと考え生きていこうと思います。
ところで、バック・トゥ・ザ・フューチャーを初めて観たときに未来は変わるんだと新鮮に驚きましたが、こんなところに元ネタがあったのだと思いました。
例えば、小説を書くお芝居で登場人物が生身の身体で出てくる話を初めて観たときはこの人凄いと感動しましたが、その後過去に同じような話がいくらでもあるということが分かりました。それぞれの観客者にとって初体験が強く印象に残ってしまう現象は当然のことですが、先人がいたことへの無知については本当に申し訳ないと常々思っています。
満足度★★★★★
最後の最後まで
幾重にも重なった仕掛けられた層の中に引きずり込まれました。
ネタバレBOX
ああそう来たのか、ちょっと奇をてらっているような気もしましたが、さらにもう一回来てからはどっぷりハマりました。最後の舞台挨拶でももう一回ヤラれた感じでした。
マンションの一室で男女のもつれから女がナイフで男を刺す、しかしそのナイフは手品用の刃が引っ込むタイプのものだった、気持ちは伝わるが事故にはならなかった。で、演出家のダメ出し。ああそう来たか。演出家が自ら役になって指導中に本物のナイフで刺殺され、さあここからお芝居の世界から現実の愛憎劇へ移動してさらに人が死んで、と思ったら演出家のお褒めとダメ出し。現実もまたお芝居の世界でした。もう一回来ました。そして真犯人役だった役者が恋人と将来のことを話していると、それは妄想の世界で、そのことを別の役者たちが話していて、ああもうどの次元にいるんだろうと思っているところで演出家登場、ようやく終わりました。
と思ったら、演出家が演出家さんこれで良かったですかと演出家を呼び出し、究極のメタフィクションでした。
首を絞められたり刺されたりはちょっとベタでしたが、確かに腕時計が光って見えるなど細かいところにも気が配られていて素晴らしかったです。
ただ一つ、友人の連帯保証人になって保証債務に苦しむ男がいましたが、男の恋人も同じく連帯保証人になっていたのは何とも納得できませんでした。連帯保証人を二人必要とする借入だったとしても、それは当の友人の方が別ルートでもう一人探すべきで、よしんば本当に頼まれたとしてもそこは断るべきで、フィクションの世界ですからそういうこともあったのかもしれませんが、ちょっと強引な筋立てに思えました。
満足度★★★★
OH!ナンセンス!
肩の力が抜けたナンセンスな笑いに溢れ、緩い雰囲気が素敵でした。
ネタバレBOX
ゆるキャラのようなたたずまいの作演さん、一方でスタイルのいい役者さんもいたりして、体型の極端な違いを活かしながら強烈な言葉遊びで笑わせてくれました。
大方の五割とか、非想像妊娠とか、殺人者のプロファイリングなどのバカバカしさに一瞬間を置いてから笑う心地良さがありました。
主宰さんの気負いを感じさせないところも良かったです。
満足度★★★★★
しっとり、しみじみ、しんみり、
落ち着いたこんなお芝居もいいものです。
ネタバレBOX
『雨空』 今はお互いに好いたもの同士と認識しているものの、女の方に縁談があって断り切れず、指物職人の男は東京を離れようと考えるそんな大正9年頃の男女の話。
元々は姉の方を好いていた男ですが、大工だった女の父親が死んで困窮した家を救うために姉が商家へ嫁ぎ、失意したところを初めから男のことが好きだった妹に優しくされて、二人はいい仲になったようです。
女が三味線をたしなんでいたり、家に出入りする役者がいることや、その役者の言葉の端々から、父親が生きていた頃は随分と粋な感じの家だったことが窺えます。2月にお亡くなりになったのが十二代目ですから古い話になりますが、堀越の旦那なんて九代目市川團十郎のことらしいです。
思うように行かない世の中ですが、最後女が声を掛け、さて…、何も起こらないのか、何か決断でもするのか、余韻の残るお芝居でした。
『三の酉』 14歳のときに関東大震災で身寄りを無くし、以後芸者として生きてきた女が、彼女の言葉で言うところの「心の棲家」、即ち心から安心できる家庭というものを一度持ってみたいとしみじみ考えていたことを、馴染みの男がしんみり思い出す話。
昭和30年頃の粋な遊び方、心構えのようなものを教えられました。