実演鑑賞
満足度★★★★★
(笑えた度)5(今感)5(完成度)5
別役、ラジカル、健康あたりに端を発する東京の小劇場ナンセンス界隈の、最も正統な後継者であり最強の第一人者、ブルーさんによる渾身のナンセンスコメディ。
円熟の極致。
笑いすぎて痰と唾と変な液体が絡まって呼吸ができなくなり、顔中涙がびしょびしょに溢れ、全身汗まみれになり、記憶がアルプススタンドのはしのはしのはしまで遠のき、晩夏と言うには暑すぎるスズナリの奥の方で脳○寸前まで逝ってしまう。
いやあ、客席は手だれの人ばっかだし、始終引き攣り笑いに大笑い、噛み殺した笑いに満ち満ちていて異様なグルーヴ感。笑いどころがわかっている人たちが揃うと、ここまで心地よいのか、という多幸感とともにトリップ。楽日までに、きっと誰か○ぬ。スカイダイビングではないが、笑いすぎてもしものことがあったらいけないので、全員から誓約書をとらなければ、といらない心配をしてしまうくらいの完成度。
ネタバレBOX
ガチ勢という言葉、聞いたことがありますか、から入ってきた時は度肝を抜かれ、狩人のアメリカ橋を初めて聴いた時以来の衝撃を受けた気がしたものの、知ってるよ、と心の中でツッコむ余裕もあったが、外科医ガチ勢でないから手術を失敗、に展開してからはもうダメ。笑いがとまらない。
ストーリーらしきものがあるがペラっペラで、ほとんどが鋼の強度のナンセンスの放置。ここが最上質のナンセンスたる所以。ツッコむ、とか、重ねるとか、笑いを上書きする手法も用いはするものの、もともとのナンセンスの強度が強いので、テクニック的なものが全て霞んでいくところが、心底震える。
古典的な言葉のずらし、論理のすり替え、変な比喩、おかしな動き、歌う、叫ぶ、話を聞いてない、漢語や単位の違和感といったものからすかいらーくグループにロイホを混ぜる違和感、富士そばを畳み込む力技、備蓄した(正直なところ)の放出といった時事ネタ、唐突な下ネタ、罵倒、形態模写あるある、突飛すぎる不条理キャラ、アルミホイルの近未来感、空から焼きそばパンなどなど、その攻撃力は半端ない。
今回は神がかった役者陣が出演されているので僭越ながら少々コメントをば。
池谷のぶえ…
言わずと知れたブルー作品に不可欠な猫ニャー旗揚げメンバー。この人の狂気のベース重低音が、えもいわれぬグルーヴ感を醸成し、作品を下支えする。名バイプレーヤーとして、映画、テレビドラマ、CM、舞台など出演多数。
大堀こういち…
伝説の人。あのケラさんの健康の旗揚げメンバーでフォークシンガー小象として音楽活動も。まさか生ギターで歌が聴けるとは思ってなかったので大感激。やはりというかなんというか、抜群で味のある歌唱力。
映画、テレビドラマ、CM、舞台など出演多数。
佐藤真弓…
狂乱の90年代後半、コンプラという単語の存在が薄かった最後の黄金期、原恵一が今ではアウトな表現をこれでもかと盛り込んだ傑作アニメを世に放った頃、一方で勢力を増していた静かな人々をガン無視しつつ猫ニャーとともに混沌の小劇場界を牽引した猫ホテの人。日常と狂気を縦横無尽に行き来する元祖ナンセンスコメディエンヌ。本作品における股ぐらぬめり太郎はその本領が余すことなく発揮された世紀の絶品。
映画、テレビドラマ、舞台など出演多数。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)5(今感)3(完成度)5
4幕4年間の暑くてやるせない夏の記憶。
好転することなく坂を下る一方のざらついた日常をクールに描く。
高度にピュアなナンセンスでオブラートされたかなりビター少しスイートでミニマムなファンタジー。
ネタバレBOX
主人公お椀は母と二人暮らしで、引きこもり。
ぬいぐるみ2人を交え、楽しく暮らす。
パートの母の具合が悪くなり、渋々コンビニバイトを決意するまでの4年間。
芥川賞作家、今村夏子の「あみ子」ほど変わった子ではないが、なんとなく読後感が近い。
お椀の人生はきっとどこかにあるのかもしれない、ということ、
お椀自身はまったく悲しみや不幸とは無縁に生きていること
星を探すラストシーン、夕暮れのアンバーの叙情に導かれ、一筋の希望を感じる。
と、まあ、いつもながら、ここまで書いておいてあれですけど、、、、、、
もはやストーリーはどうでもいいレベルで特筆すべきは、やはりナンセンスの強度。
ところどころ会話の流れで拾われてはいるものの、
ほとんどが単独で繰り出されて強烈なパンチを生む衝撃の強さ。
それをこれほどまでに沢山仕込んでくるとは。
この、笑いの完成度が文句なしの星5です。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)4(今感)3(完成度)4
ワンアイディアナンセンス演劇。
ネタバレBOX
カリフラワーがブロッコリーに見える、という破壊的ワンアイディアを1分間程度観せるために、残り89分程度かもう少しの時間、演劇をやっている風で取り繕うという確信犯的所業(笑)。
褒めてます。
演劇風部分は、ナンセンスの系譜で、ゲラゲラ笑えるものではなくニヤッとする読後感。笑いの素を置くだけで拾いに行かないのがコメディ作劇と異なる点。
アウトバーンを進む速度が時速30キロ程度まで落ちているので、
暑すぎる夏ですっかり溶けてしまった脳に優しく、まったりと楽しめる。
通好み。
常連さんばかりだと思うが、みんなニヤニヤしていたので、
そういうことなんだろうなあと。
それにしても、こういうの慣れていない人が見たら、どうなのか、
下ネタもやってるし、と不安になるくらいだが、
置いてきぼり余裕な感じが、20度にガンガン冷やした客席温度と相まって盛夏に涼風を感じて清々しい。
ところで、タイトルには堂々と書いてあるし、でも、どう攻めてくるかが楽しみではあったのだが、蓋を開けてみればかなりベタ。
しかしそのベタさをグダグダ芝居の中に置いてきたので、逆にかなり強烈なインパクトになっていたように思うが、個人的には半分以上読めていたので、別のタイトルだったらどういう印象になっていたかとか考えるのが楽しい。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)4(今感)3(完成度)5
ドタバタスラップスティック色濃厚なナンセンスシットコム。
最近は夜間も暑くてソワレだったため、頭が回っていないが
かなり高度なことをやっていると思料。
25周年おめでとうございます。
客席もほぼ常連さんなのかな。
ネタバレBOX
前説から観客を温めるも、ちゃんと温まっていないのを想定してスロースタート。
比較的わかりやすい笑いから、客席のヒートアップに呼応するかのように後半からマニアックな笑いを多用していく。
ロジックを拗らせていく設定も秀逸。
結果、120分があっという間。個々のネタは多すぎるので割愛。
さすがです。
個人的には、誰にもツッコまれないで放置されるナンセンスが大好きなので、
しっかり用意していただけて感激でした。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)4(今感)4(完成度)4
2015年、キッパリと失われてしまった青春を探して。
軽妙な会話でみせるSF青春群像劇。余韻はジュブナイルに近くて、爽やかな後味。
一瞬を焼き付けた過去への往来は、未来に続いている。どの世代にも響く「永遠」。
ネタバレBOX
1幕は過去、2幕目は未来である現在。
左右に客席があるB1の構造をうまく使って、過去から未来へ90度の場面転換。
2つの時代の同じ当事者が行き来する同一シーンをリフレインして両面から見せる手法は鮮やか。
脚本は正攻法で、物語を紡ぎつつ、SF設定のドタバタと日常のちょっとした会話で笑わせてくる程よい湯加減。
2015が舞台なので、iPodなど、濃厚に漂う平成感。
松潤ドラマもサンボもオレンジレンジも10年くらいは前な気がするけど、
中学の時に熱中した的なやつね。
一方、2025の今の描写は、少し薄いかな。
野田くんと崎原さんのやりとりが面白すぎて、ずっとw w
これだけでスピンオフのラブコメを作って欲しいくらいの完成度。
崎原さん、前前前世を教え込む、テレ東の佐久間さんなどなどのエモいボケの存在感は天賦の才能か迫真の演技か。
ラストシーンを飾る画ヂカラ。
野田くんの「あいだみつを」ボケの重ねもいい味出してます。
相変わらず手堅い演技の村上さん。ツッコむ迫力がいいですね。
皆さん爽やかで、楽しい時間を過ごせました。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)4(今感)5(完成度)4
富士山麓のペンションが舞台のシットコム。
隙のない脚本。さすがベテラン、文句なしです。
シリアスな芝居は圧巻ですが、コメディの演出はもう少しデフォルメ方向に振ってくれた方が好みでした。でも本の力が強くて、充分笑いました。
ネタバレBOX
いたって真面目なピアノ曲をかけて、いたってシリアスな芝居をしつつ変なことを言う、
というのはもともと個人的に大好物の演出なのですが、
ネタがしっかり設定と絡んでいて思いきり笑いました。
水谷さんの演技力!! 後方からツッコむのもダメ押しでGOOD。
坂本さんは演者として抜群でしたね。
ゲレンデを置いて、テスラで来るww 、、短パンww、、
キャラに深度が出ていて最高です。
ウバック(ウーバー配達用の黒バッグですね)を今や機材入れに使っているという大矢さんの人物造形もメチャクチャ今年を感じましたし、ここら辺は、流石です。
ラップと歌とダンス。なんともいえないヘタウマの味、、、最後はショーで幕引き。圧巻でした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
(笑えた度)5(今感)5(完成度)5
そんじょそこらの演劇愛を軽く謳いあげたくらいの表現ではもはや何も感じなくなり、引き返せなくなってしまった小劇場観劇フリークの麗しい皆様に向けて、南阿佐ヶ谷の中心の席数80やそこらのちっこい小屋(失礼!)で、小劇場愛を、上天丼にうなぎの蒲焼と三元豚のロースカツをトッピングするが如くこれでもかというくらい屋上屋の過剰さで謳いあげた極めてマニアックなPOP、パンク、ファンキー、トランスMAXな逝っちゃってる系形而上学的メタシアター。
褒めてます。
ネタバレBOX
ダンス、照明、音楽、衣装、最高にクール。
アングラや野田あたりね、と思っていたら大○計画、松尾○ズキをガチ目に○○しだす、○○さ、(自主規制)
幕開き、暗転板付からのカーテンコール。
アフタートークをアウフヘーベンするうちに遡って入れ子の本編が完成していく鮮やかさ。
演劇のことを考えすぎておかしくなってしまった人でいっぱいの地獄、
阿佐ヶ谷○妹やもたい○さこ、ワンピースにセカオワ、奇妙奇天烈、豪華絢爛、
ありがとうございます。世界に充満する数多のナラティブに囲まれて、もう満腹です。
え、物語の工場?これって、わんこそばなの?
小劇場演劇最適上演時間は90分という奇しくもかの澤田育子氏と全く同じ結論に到達した作者モへー氏が劇中に素のまま登場し、小劇場演劇はカネがかかるだけという関係者大喜びの自虐ネタをひとしきりボヤいたあと、白塗りでダンスしたせいで上演時間が90分を超えるという味わい深いオマケ付き。
激狭な小劇場空間を野田秀樹真っ青な過剰な言語で満たしまくった挙げ句の果てに、言葉は無意味でダンスするしかないという世界の真理に到達するやり口は、見事すぎて思わず入信契約書に実印を押す寸前だ。
もう2度と観られなさそうな雰囲気を醸し出しているが、こういうものは本当に奇跡の一期一会。うっすら寂寥感。
実演鑑賞
満足度★★★★★
(笑えた度)4(今感)5(完成度)5
ビターでスイートな“笑”撃のジェットコースターロードムービー。
骨格は家族の危機と再生を描くホームドラマ。
何それ、矛盾してない? 観た人にしかわからない斬新さ。
軽妙な会話で綴られているので、楽しく見ていたら、、あらら。
※後日、ネタバレ追記しました
ネタバレBOX
後半。
突然、地獄が出現。
すわ、フロムダスクティルドーンか、阿修羅城の瞳か、と思ったが、
180度世界が変わるわけでもなく、ホームドラマとして、とても綺麗に終わる。
個人的には、作者の、適度な軽さとわずかな重みの適温ヒューマンドラマが好きなので、
途中で大ボケがかまされていてもなお、
会話の細部がとても洒落ていて少しドッキリの仕掛けがあるホームドラマに見える。
ビターな現代社会の現実を軽妙な笑いに昇華する技の妙。
地獄をネタとして半ば放置しているが、ご自身の鬼キャラも含め、
少しシリアスに寄りすぎてしまったメインストーリーの照れ隠しなのか。
ラストシーン。娘が粉からパン生地を打つ。舞う小麦粉がリアル。
父が見かねて手を貸す。こういうミニマムな表現はとても上手い。
結果、笑いと軽妙さとシリアスと、バランスがとてもいい塩梅に収まっている。
不思議な読後感。ある意味、個性的、現代文学の香り、唯一無二である。
と、いやあ、以上のコメントを当日書いたのですが、バックパッカー2人の存在が少し弱いよなあ、と、なんか引っかかっていまして、、、
後日になってそのヒッチハイクを始めた理由が「世界が終わるから、金を使いはたしたい」みたいなことだったことに今更ながら気づきました。
地獄になった瞬間にタランティーノの顔が思い浮かんで余計なことを考えてしまい、つい、7月地球滅亡説が壮大な前フリだったことを、すっかり見落としていたのですね、、、、
「愛が終わることに比べたら、たかが世界の終わりなんて」みたいな感じでしょうか。
セカイが滅亡してもなお、いや滅亡したからこそ再生する家族のおはなし。
今年の7月に観るのがまさに旬。
めちゃカッコいいです。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)4(今感)4(完成度)5
エンターテイナー澤田育子ここにあり。
前説で祭り気分を盛り上げる、
ミュージカル+演劇+ショー。
ネタバレBOX
歌とダンスにグダグダさはなく、ネタ曲もありつつの、かなりウェルメイド。
好みは分かれるところ。
演劇部分はお馴染みのハチャメチャ。
大好きなくだらなさ加減。
アングラ、80年代オマージュ、大衆演劇、シットコム、またアングラと様式を駆け抜けて、縦横無尽。
タクシー運転手であるところのキャンドルならぬハンドルジュンからのストリートピアノならぬリコーダーのくだりが秀逸。
上から楽器、下からオケピw w。
リコーダーで音外す強風オールバックがバズったの、もう2年前か、早いなあ。
尿もれw w。拙ムニとか遊園地とか、最初の頃、まだ20代だったもんね。ひらがなに変わった頃のどらま館。演者も観客も年取ったもんだ。
そしてトドメは、ツムラの漢方の番号暗記が役に立っている!!
小劇場界広しといえど、およそ澤田育子しか思いつかないであろう若者置き去り渾身のネタ。
滋味深い。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)5(今感)3(完成度)5
圧倒的にリアルで豪華絢爛な舞台セットを背景に、
(師弟関係)(世代交代)(成長と葛藤)などの典型的なドラマの構造を、
徹底的に換骨堕胎したナンセンスコメディ。
笑った。
ネタバレBOX
ナンセンスなボケ、ツッコミ、お約束、繰り返す(天丼)、繰り返すと見せかけて繰り返さない、変なキャラ、突飛な言動、罵詈雑言、力技(泣く)、声を出さない、かぶせる、しつこい、移動するだけのボケ、など数多の笑いの要素を網羅。
バックライトを浴びてパイの実の袋を開ける
いなり寿司作る人はイナリスト
棒を机の上に置く瞬間のなんともいえない不条理な味
終わりそうで終わらないエンディング
など、熟練のネタもさることながら、
放っておいて十分に味わい深い威力あるナンセンスを、丁寧にツッコんで笑いを取りこぼさないその職人気質に感服致しました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
(笑えた度)5(今感)5(完成度)5
「ギフト」「ふれあい」「夏祭り」全部入り。
全くもって期待を裏切らない会心の出来。
再演もあるかもだし、ネタバレは書けませんが、
それでも核心を外してうっすらと書きます。
※これからあるかもしれない再演含め、観る予定の人は、
私のを含め、一切のネタバレをあらかじめ読まないことを強くおすすめ致します。
ネタバレBOX
アマギフ、パソコンモニター、Switch2、ポケットティッシュ。
リアルすぎて臨場感MAX、ああ、手に汗握ったぜ。
人口に膾炙する「ストーリー」をディスりまくるパンクマインドは冴え渡り、
役者、装置、劇場などの演劇資産の壮大な無駄遣いは後光がさすレベルに達しています。
今回は藤原さんが見当たらなかったの、少し残念。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)4(今感)3(完成度)5
下北の中心で小劇場愛を叫ぶ。
レディースの生き様に関する小劇場公演と、そのメイキング・裏側を描くメタシアター。
さすがベテラン、の作り込み、軽さと重厚さの絶妙なバランス。
ホラー風味ありの青春コメディ。
随分と昔になってしまった80年代へのオマージュ。
刺さりまくり。
ネタバレBOX
小劇場の役者は世界を変えることはできないかもしれないけれど、
きっと、その存在を待っている人がいる。
中途半端な公演に終わった数多の下北演劇関係者の亡霊として、
観客もしっかり参加。
役どころが自分にドンピシャすぎて怖い。
素舞台と劇中劇の対比がさすが。
楽屋の蛍光灯がいい味を出している。
悲惨な現実から、はるか遠く、宇宙へ。
小劇場演劇の無限の可能性を高らかに謳い上げて、爽快!
群読、同時発声で声を重ねていく演出は、ギリシャ古典に源流のあるトラッドな手法で、
万有引力や第三舞台も多用していた80年代小劇場の流行り。
なめ猫、レディース、暴走族は80年代前半辺りかな、時代が完全にマッチ。
無条件に好きです。
淡いパステル調のバックライトがとても美しい。
宣美のカラーリングとリンク。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)4(今感)3(完成度)4
カフェが舞台のシチュエーションコメディー。再演を重ねている戯曲で、安定の出来。小ネタ満載で飽きさせない。 虎のマスクを被ったヘルタイガーさんがいい味を出している。恋愛ものなので、個人的にはもう一捻り欲しいところ。あとで話を聞いたら、なんと黄色イコールカレーを知らない女子がいたので、パロディーが通用しないこともあることに涙目、、、、プリキュアでやってくれたらわかる、と言われ、ナニいいい、、、、、、、あとは、アクションが満載で、とても良かった。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)4(今感)5(完成度)4
今日は7月4日。予言通りなら、みんなノーフューチャー。
明日、セカイが終わるかもしれないそんな日は、
ハチャメチャな芝居を観に行くしかない。
近所の店でグチャグチャなカレーを食してからゴチャゴチャした駅前を抜け、バス停へ。
都バスが環七をぶっ飛ばしているが、大丈夫なのか。
司法解剖されたら、腹の中がマッチャッチャだ。
そんなことを考えながら王子へ。
ネタバレBOX
そうこうしてたどり着いた芝居は、意外にもかなりウェルメイド。
確かに、予想した通りのはっちゃけナンセンスが基調なのだけど、
セカイもとい、地球であるダンス君が生まれる前から、
滅亡する7月5日当日までの物語の語り口がしっかり文学風味。
人生に意味はあるのか。
無情にも、セカイはただのナンセンス、踊るしかないのか。
劇中、生アコギやパンクチックなエレキがいい味を出している。
ダンスもGOOD。
漫画を描いて物語に閉じ込められている地球であるダンス君は、
終末の最後の最後に何を見たのか。
バックサスのブルーを背後から浴びたダンス君の表情がたまらなく良い。
さすが演技派、大宮さんの主演は叙情性が高く、心に響く。
7月6日がもし来たら続編をやるようで、大変気になる。
さてさて、ネタですが・・・・
自走式ツチノコの声が天の声
今、逆にクリープハイプを聴いてる
CO2が四畳半にジェット噴射されて、温暖化が進む
置き配の置き場所に悩むウーバーが妙にリアル
男なら青い炎
トランプが米を輸入しろと言ったニュースが流れる
地球の母は網走出身だった
父自作の子守唄が10番まである
などなど。
POPだし、なかなか攻めている。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)4(今感)4(完成度)5
ありふれたラブストーリーについて語るオーセンティックにしてモダンなメタフィクション。
完成度はすこぶる高い。
和製オフブロードウェイの傑作ストレートプレイ。
ネタバレBOX
読書家リイガ君がちょっとした事故をきっかけに年下の女性と出会う。
ボーイミーツガール。
典型的なロマンス。
「鈴木愛。ありふれた名前。」
笑いに包囲されていて聞き逃しそうになるが、
これは、リイガ君がセリフとして言っている。
やがてリイガ君と鈴木さんは一晩を過ごし、
彼女に
「鈴木さんて呼ぶの、やめない?」と言われ、
初めて「愛?」と口にする。
愛は答える。「そう、愛、愛なんだよ」、、、
ありふれた愛に関する物語。
リイガ君までもが作中人物かは判断しかねるが、そう考えられなくもない。
リイガ君が読んでいたストーリーは、
鈴木愛、つまりありふれた愛が生まれる前後から成人する前後までの、
これまたありふれた、「大したことじゃない」愛に関する物語。
ラストシーン。
妻はやっぱり出ていく。
男はオムライス。男にとっては「大したこと」ではない。
ジオメトリックでシンメトリーの効いた美しい舞台装置をサスが鮮やかに照らし、
文学的余韻を醸成する。
書を捨て街に出た青年のビルディングスロマンとしても読めるが、
結末は悲しいかな、
街は変わらず本の中で、愛についての幻想に包囲されている。
一方、エンタメ作品としても、とてもよく出来ている。
コンビニ限定品、ネカフェ9時間パック、ラテのヴェンティサイズ、
など最小限のアイテムで時代感を出すのは流石だし、
笑いの作り込みもかなりのこだわりを感じる。
中でも蔵田さんのキャラクターが素晴らしい。
「僭越ながら(浮気をする)」、
「観たことない具のバランスの巻き寿司」、
「課長はミロのヴィーナスなんです。」などなど。
いうことなすこと全て面白い。
笑った。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)5(今感)3(完成度)4
ホラーコメディーといえば、その昔、、、
ナンセンス業界の大御所にして巨匠、
ケラさんが深夜の地上波でやっていた傑作ドラマをイメージして観てしまいましたが、、、
ネタバレBOX
本日の芝居は
ホラー色はほぼない。
ラブコメもほぼない。
「廃ホテルロビーのワンシチュエーションコメディー、ナンセンスを添えて」
でした。
今の時代感に左右されない、
怪異が暮らす廃ホテル別館の世界観の作り込みがエンタメ性高く、
とてもよくできていて、引き込まれました。
照明やキャラのメイクが美しかったです。
楽園の端っこに座ってしまったのですが、
観やすいように立ち位置をカミシモに平等に振るココロ遣いもよかったですね。
散りばめられた数々の笑いの仕掛けは種類豊富で鮮やか。
キャラ立ちまくり、
役者の皆様のバカ全力投球の演技力が光ってました。
てか、とか言いつつ時間をすっ飛ばしながらツッコむ、
袖にハケること自体がボケになっている、
カーナビ幽霊の指示通り動く、
などなど、
高度なワザながら味わいがあって良かったですね。
歌の上手い紅ヒデキ、佐々木さんの飛び道具感や、
タヌキ村上さんの怖がり演技のキレもなかなかでしたが、
日常を演じながらそこからの地続きで唐突にピュアナンセンスを炸裂させる技において
右に出る者がいない孤高のコメディエンヌ・麻生久美子を彷彿とさせる梶川さんの演技にはシビレました。
実演鑑賞
満足度★★★
(笑えた度)2(今感)5(完成度)3
超お久しぶりのブディスト。
お洒落なカフェが出来たりして、周りも変わりましたね。
緞帳あるようなしっかり舞台の小屋にリアルなセットが建て込まれていると、
開演前から気分が高まる気が致します。
ネタバレBOX
作品は、宣美のビジュアルからもっとコメディー寄りかと想像していましたが、
意外にもしっかりリアル群像劇。
西部劇風下町人情芝居。
これはこれで好きです。楽しめました。
荒野の酒場にヒーローがやってきて、問題を解決して去って行く。
物語論でいうところの、((みんな大好き))放浪のヒーロー(Wandering Hero)というやつですね。
このパターンはハズレなしです。定食屋のおばちゃんが黒幕だったのもいいですね。
役者の皆さんがフレッシュな感じでよかったです。。
キラキラしない今の等身大、リアルな感じがよく表現出来ていたと思います。
令和の等身大はミセスの歌と、
あと少し意外にも根強い人気の夜ふかし。
近ごろでは、
愛を歌えばそりゃ 平成中期
今 愛を笑えばそりゃ 令和初期
なーんて歌詞が頭の中でヘビロテしてたりも致しますが、
この芝居のように令和になってもちっとも変わらない都会の片隅の不器用な愛の讃歌も、
しみじみと、いいものです。
まさに、「愛を言葉にできるのは 才能かもです。」
よね。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)3(今感)3(完成度)5
唐十郎追悼公演。
小劇場の聖地スズナリで、ワーグナーあたりを始祖とする総合芸術の完成形と邂逅。これ以上の幸せはない。
ネタバレBOX
チェロが印象的な生演奏は、三味線、アコギ 、アコーディオン、ヴァイオリンとのコラボ。タップダンスにフレンチカンカン、生粋のエンターテイナー川村さんの歌も見事。喫茶肉体のモダンでリアルな舞台美術、雨の表現が抒情的なライティング、扇風機に舞う花吹雪、オーセンティックな軍服に清楚なドレス。悠久の時を超えて変わらず流れるロシア民謡の調べ。あれこれの舞台芸術の果実をスズナリの桟敷、かぶりつきで観られる贅沢といったら、、、
今に続くその後の小劇場演劇の原点ともいえる唐の思想は胎内回帰して、また、幾度も誕生する。
唐の本の中に女性版ハムレットを見いだした渡辺が若き日から追い求めてきた女性が躍動する舞台。ご本人の身体を張った大芝居も、歌も、あと説も、見事すぎて感無量だ。
社会性も性差もない、あるのは肉体だけ。唐の芸術論では肉体が舞台芸術の頂点だ。がしかし、その肉体こそ、実在が危うい。
偽りだらけの無名の人生。ほんの少しの実在の実感は愛の記憶なのか、むしろ愛そのものが実在なのか、それさえも幻か。全ては演劇のように消え去るのか、そもそもこの芝居は上演されていたのか。演劇をアウフヘーベンして無に至る。東洋の美学。
噴火と噴火の短い間、戦争と戦争の短い間に我々は生きている。奇跡的な平和のうちに生を受け、一念発起して一芝居打つ。芝居が終わったら、客出しして、セットをバラして、思い出を携えて小屋をあとにする。
「人生は歩く影、哀れな役者にすぎない。しばらくの間、舞台の上で、見栄を張り、怒り狂って、あとは消えてしまう。」(ウィリアム・シェイクスピア)
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)1(今感)5(完成度)5
小さな物語を演劇として立ち上げる意味について。
なんか、見方が間違っているかもしれないが映画として見ていた。
ロングショット長回しで1日を描く。その集積で、数日の出来事。
ネタバレBOX
いつからか羽田着陸の航路が変わっていて、中野上空を飛行機が横切る。その小さくはないジェットの騒音は、画面を上にパンして、空を映しだすような不思議な映像的効果として作用している。
会場は中野の街と地続きで、弱くはない午後の光が差し込んでいる。ガラス戸越しに外が見えるし、外からも見える。80分の公演で、多くの人が通り過ぎて行くが、近寄って覗きこんでくる人1名、横目で見てくる人十数名。案外少ないものだ。
そのリアルな光が、映像のように感じる要因かもしれない。ソワレになって自然光がなくなると、また、印象が違うだろう。
ラストシーン。1年が経ち、映画で観ていた世界が現実となる。演劇が現れた瞬間だ。
小さな物語を演劇として立ち上げて、わずかな人数の観客とリアルに出会う奇跡。多くの人は、ここで演劇の公演が行われていることに気づかない。実際に外の通りを歩いていた人でも、だし、世間の多くの人々も同じだろう。
誰にも注目されていないように感じる、不毛に思える創作活動も、誰かとリアルに繋がっている実感があれば、きっと続けていける。理解者が、世界でたったひとりであっても。実際には、一人どころではない人々がリアルに舞台に集まり、一本締めを共有する。
エンドロールと音楽が欲しいと思ったが、せっかく演劇が立ち上がったのだから蛇足だろうと思い直す。作る側が観客に感謝するなら、観る側も大いに感謝している。舞台は生もので一期一会。
二度とはない時空間が心に残る。
自然光は弱まったものの残っていて、暗転も出来ないので、現実とは地続きだ。
飛行機が羽田へと急ぎ足で降りていく。
ブロードウェイを通り、中央線に乗って家路を急ぐ。
実演鑑賞
満足度★★★★
(笑えた度)3(今感)3(完成度)5
始まる前からただならぬ気配を感じていた。
なにい、平日マチソワ2ステのみだとおおお、こんなのプラチナ以外の何ものでもない、おっと案の定予約できない、えええー、予約再開するだとおおおお。
お代は観てのお帰り。往年の川村毅や河原総代のような凄腕の興行師みを感じる。少し気温があがっていて、フラフラしながら浅草に向かった。吸い寄せられている。あぶないあぶない。
ネタバレBOX
先人は言った。
「僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る」
(高村光太郎「道程」)
最新の科学では、こうなるらしい。
「私が観る前に芝居はない。観る時、そこに芝居ができる」。
眉唾だ。
しかし、ちょっと信じてしまいたい時もある。
そんなことを感じさせる芝居。
魅惑的な言説で騙すなら、とことん嘘をつき通してほしい。
私のためだけに演じてくれていると信じたい。
愛すべき虚構の、目眩く世界。
寺山、唐、蜷川からの小劇場50余年の歴史を彷彿とさせるシーンが、仮設や手持ちのライトに照らされて、走馬灯のように展開していく。お迎えが来たのかと、錯覚するような出来栄えだ。あぶないあぶないあぶない。
AI曰く、
「エントロピーは観測によって決定的に減少する場合があります。これは、観測対象が特定の状態に収束するためです。観測によってエントロピーが減少する場合、観測者側の系でエントロピーが増大する可能性があります。」
観測を観劇に変えて読むと味わい深い。構築された芝居を見ると、観るほうがとっ散らかっていくというのだ。どうりで心がかき乱され、脳が破壊された訳だ。
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シンプルに万感を込めて「面白かったです。」でいいのではないかとも思ったが、同じプラットフォーム内で、よそ様の芸風を丸パクリするのも気がひける。だが、改めて今回の作文を読み返すと、衝撃のあまり、結局「面白かった」ということしか言えていない。うーん。
面白かったです。