少女仮面 公演情報 オフィス3〇〇「少女仮面」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    (笑えた度)3(今感)3(完成度)5

    唐十郎追悼公演。 

    小劇場の聖地スズナリで、ワーグナーあたりを始祖とする総合芸術の完成形と邂逅。これ以上の幸せはない。

    ネタバレBOX

    チェロが印象的な生演奏は、三味線、アコギ 、アコーディオン、ヴァイオリンとのコラボ。タップダンスにフレンチカンカン、生粋のエンターテイナー川村さんの歌も見事。喫茶肉体のモダンでリアルな舞台美術、雨の表現が抒情的なライティング、扇風機に舞う花吹雪、オーセンティックな軍服に清楚なドレス。悠久の時を超えて変わらず流れるロシア民謡の調べ。あれこれの舞台芸術の果実をスズナリの桟敷、かぶりつきで観られる贅沢といったら、、、

    今に続くその後の小劇場演劇の原点ともいえる唐の思想は胎内回帰して、また、幾度も誕生する。

    唐の本の中に女性版ハムレットを見いだした渡辺が若き日から追い求めてきた女性が躍動する舞台。ご本人の身体を張った大芝居も、歌も、あと説も、見事すぎて感無量だ。
    社会性も性差もない、あるのは肉体だけ。唐の芸術論では肉体が舞台芸術の頂点だ。がしかし、その肉体こそ、実在が危うい。
    偽りだらけの無名の人生。ほんの少しの実在の実感は愛の記憶なのか、むしろ愛そのものが実在なのか、それさえも幻か。全ては演劇のように消え去るのか、そもそもこの芝居は上演されていたのか。演劇をアウフヘーベンして無に至る。東洋の美学。

    噴火と噴火の短い間、戦争と戦争の短い間に我々は生きている。奇跡的な平和のうちに生を受け、一念発起して一芝居打つ。芝居が終わったら、客出しして、セットをバラして、思い出を携えて小屋をあとにする。

    「人生は歩く影、哀れな役者にすぎない。しばらくの間、舞台の上で、見栄を張り、怒り狂って、あとは消えてしまう。」(ウィリアム・シェイクスピア)

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    2025/06/17 20:55

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