黒点の観てきた!クチコミ一覧

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イヌ物語

イヌ物語

劇団サーカス劇場

シアター711(東京都)

2009/06/24 (水) ~ 2009/07/05 (日)公演終了

満足度★★★

圧倒されたかった
演出のしようとしていることと、脚本の世界とが、乖離しているように感じた。

作家、演出家、それぞれの視点を持ち寄って世界の有り様を提示していることに一定の理解は示せるが、本音を言えば、合同だからこそ生まれ得る、圧倒的なパワーが見たかった。

芍麗鳥(シャックリ)

芍麗鳥(シャックリ)

乞局

駅前劇場(東京都)

2009/06/17 (水) ~ 2009/06/22 (月)公演終了

満足度★★★

必死でついて行く
話について行くのが必死で、どこを見たらいいのか、焦点を絞りきれないままラストまで。
奇天烈な設定・演出なので、例えば「死んでいるという演技が本当に死んでいるのか、そうでないのか」ということまで考えてしまい、衝撃や感動が半歩遅れて届くという不思議体験をしました。

ヘッダ・ガブラー

ヘッダ・ガブラー

メジャーリーグ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/07/08 (水) ~ 2009/07/14 (火)公演終了

満足度★★★

薄味なイプセン
俳優が、脚本の中におとなしく収まっている印象を受けましたし、作品を通しての「狙い」が、漠然としすぎているような気がしました。

演出家は、この脚本が何を伝えたいかを理解していると思いました。
けれどもそれは、作品を通して強烈に伝えていただきたかったですし、
古川さんでなくてはできない演出方法を駆使して表現してほしかったです。

73&88【満員御礼!】

73&88【満員御礼!】

カニクラ

アトリエヘリコプター(東京都)

2009/07/15 (水) ~ 2009/07/19 (日)公演終了

満足度★★★

繋がりたいと思えるかどうか
好意的に見ている自分と、斜に構えて見ている自分とが同居していて、感想を残すのが困る舞台でした。
なんかもったいない、というのが、今の感想を表すのに一番近い言葉です。

面白そうな設定を面白そうなやり方でやっているのですが、主題に対しての焦点がぼやけているせいなのか、俳優さんに興味を持ちづらかったからなのか、舞台から強い引力を感じませんでした。劇場の大きさも、表現しようとしていることに対して広すぎる気がしました。もっと小さなところで見ていたら、印象も違ったかと思います。

それでもやはり、柴さんでなくては作れなかった舞台だと思いましたし、とても優しい気持ちで帰路に着くことが出来ました。

ネタバレBOX

今の自分とは違う自分を想像するということと、「テレパシー」や「繋がる」という題材が、うまく溶け合っていなかったように感じたのが、引っかかっています。
それぞれを表現するために、演出のアイデアもそれぞれに分かれてしまっているような気がしましたし、使い古されたテーマなだけに、ひとつのことをもっと深く掘り下げていただきたかったです。

アイデア優位の作品のためか、普段圧倒的な魅力を持っている俳優さんに対しても、それほど魅力を感じられなかったことは、残念でした。
村井美樹のmono*mono語り vol.1

村井美樹のmono*mono語り vol.1

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目白庭園(東京都)

2009/07/20 (月) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

満足度★★★

好感の持てる語り
誠実な語りと、会場となった目白庭園の緑とが相俟って、のんびりとした気持ちの良い時間を過ごし、村井さんに対して好感をもって会場を後にすることができました。

引き込まれるほどの語りとまでは至りませんでしたが、作品自体に吸引力があるため、最後まで集中して聞けました。

ハッシャ・バイ

ハッシャ・バイ

虚構の劇団

座・高円寺1(東京都)

2009/08/07 (金) ~ 2009/08/23 (日)公演終了

満足度★★★

思わせぶり
導入から序盤にかけてのスムーズな情報提示や、演出のクオリティはすばらしいと思いました。ただ継続して大技を見続け次第に慣れてしまい、最終的には過剰な表現になってしまったように思います。

面白いところもたくさんあり、流石だなとうなるところはもちろんありました。
ただどうにもそれらは結局、思わせぶりなまま終わってしまいました。

ネタバレBOX

物語の動き出しも非常に面白かったのに、どんどん吸引力を失っていった気がします。起きていることに対しての情報がすべて後出しになっていることも、後半にかけて興味を持てなくなった原因かと思います。

選曲も合っていなかったように思います。メインどころで使われているチャットモンチーの曲も、お芝居のテンポやテンションとずれていました。音にのれないと、芝居にはのれません。
クライマックスの一つのカーニバルのシーンのチープさは、本当に残念でした。

俳優さんも熱演ではあるのですが、必死さのベクトルが演出に応えるための必死さで、観客に対してや、舞台の上で生きることに対してではないように感じました。もっと衝動的に動いていただきたかったし、動機も自発的なものであってほしかったです。

13年前の「自分探し」と、今の「自分探し」は、違うのかなと思いました。
レストラン ル・デコ

レストラン ル・デコ

角角ストロガのフ×elePHANTMoon×犬と串

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/08/18 (火) ~ 2009/08/23 (日)公演終了

満足度★★★

楽しめました
短編の中にそれぞれの良さが出ていたと思いますし、それぞれの団体が演劇に対してどう取り組んでいるのかも見え、興味深かったです。

ネタバレBOX

「角角ストロガのフ」 素材はいいけれど、満足に料理できていないように思いました。やりたいことをやっているのは分かるのですが、脚本の構成があまりうまくなく、良さが100%届いてこないもどかしさがありました。

「犬と串」 とてもおもしろかったです。見に来た人を楽しませようという姿勢に非常に好感が持てました。いい意味で、演劇って何をやってもいいんだな、ということが出ていたのも好印象でした。

「elePHANTMoon」 主役の方がとてもよかったので、きちんとお話に乗れましたし、クオリティに関しては他2団体とは別格な印象。ただ、クライマックスに向けての一連の流れで、脚本家の作為だけが見え、3人の俳優の体から説得力が失われてしまい、残念でした。
アルバトロス

アルバトロス

ホチキス

王子小劇場(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/07/28 (火)公演終了

満足度★★★

誠実な舞台
演劇という媒体を借りて、バラエティをやろうとしているのかなと思いました。

ただ、導入部で登場人物に乗れず、おいてけぼりをくったまま話が進んでしまい、感動できるはずのシーンが自分の中でするっと流れていってしまったのは残念でした。

ネタバレBOX

企業サイトにハッキングして相方捜しをする点で、それを北海道ローカルとはいえ、放送してしまっていいのかなど、舞台上でのリアリティの取り方に、困惑する箇所が何点かありました。

それでも、舞台全体から幸せにして帰ってもらおうという誠実さを感じ、とても気持ちよく帰ることができました。
proof

proof

コロブチカ

王子小劇場(東京都)

2008/12/25 (木) ~ 2008/12/29 (月)公演終了

満足度★★★

翻訳劇の言葉
おもしろくなりそうなところで終わってしまった印象がありました。
女優陣が翻訳劇の言葉をものにして、自分のことばで話し、感情も豊かに表現できていたことが、すばらしかったです。

五人の執事

五人の執事

パラドックス定数

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

大胆な美術
圧倒的な空間から生まれてくる間を楽しむような舞台だったように思います。
登場人物の感情や行動のすべてを空間が吸い込んでいくような感じは、異様なものがありました。

ただ、観客がこの物語を読み取り、瞬間瞬間を楽しむのには、舞台上で立ち上がっている情報量の少なさは致命的な気がしました。何に対して集中力を持って見たらいいのか、ということも分かりませんでした。

ネタバレBOX

ラストも、狙っているほどの効果は出せていないような気がしました。
空間が勝ってしまっていて、主人ひとりと執事ひとりのやりとりに収束しきれていないような印象を受けました。

主人が執事100人を生み出して、それが全員消えてしまっても、許容できてしまうくらい空間の力は強かったし、また、いつのもような台詞の応酬で、一度か二度くらいはあの空間を埋めてほしかったです。
花とアスファルト

花とアスファルト

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2009/08/01 (土) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

想像力の使わせ方
きれいだなと思うシーンが、いくつかありました。
どのシーンもとても丁寧に作られていて、非常に心地よい時間でした。

要所で観客に想像力を使わせ、演劇ならではたのしさも味わえました。

ネタバレBOX

クマという存在をどう捉えたらいいのか分からなかったので、ざっくりとした楽しみ方しかできませんでした。
反重力エンピツ

反重力エンピツ

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2009/08/19 (水) ~ 2009/08/23 (日)公演終了

満足度★★★

演出家不在
この世で一番重いものの答えには、納得でした。

ネタバレBOX

楽しめましたが、期待していたよりも小さくまとまっていて残念でした。

演出家が、この物語によって何を見せたいのかに焦点を絞り切れていないように感じました。物語において見るべきポイントがはっきりしないため、最後までぼんやり見てしまいました。ラストで衝撃を与えたいのかなと思いましたので、逆算して、物語の導入から中盤を、もっと丁寧に導いていただけたらなと思います。
後半にかけて、脚本家が望む展開にするために、都合良く登場人物を動かしているだけという印象が強くなりました。登場人物の持ってくる情報によって状況をひっくり返していくのであれば、もっと俳優の体に説得力が必要なのではないかなとも思います。
ばべるの塔の僕とガイジン【ご来場ありがとうございました】

ばべるの塔の僕とガイジン【ご来場ありがとうございました】

ザ・プレイボーイズ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/08/01 (土) ~ 2009/08/05 (水)公演終了

満足度★★★

「黒」観劇
コメディとして非常に分かりやすい設定で、笑いやすかったです。
登場人物も3人ということで、中盤を過ぎるまでは、話にもしっかりとついていくことができました。

前回公演よりもずっと面白くなっていたように思います。

ネタバレBOX

ただ、大家さんの設定が都合良すぎる気がして、受け入れることができませんでした。また、ドッキリへの流れもあまりに安易すぎて、後半からはちょっと、ストレスでした。

見せたいことややりたいことの爆発力は感じたので、もっと緻密に物語を組み立てていただきたいなと思いました。
トラベリング・オン・ザ・シャーレ

トラベリング・オン・ザ・シャーレ

カムヰヤッセン

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/09/02 (水) ~ 2009/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

丁寧な演出
見せ方がとてもうまく、最後まで安心して話についていくことができました。
物語を丁寧に立ち上げているとは思ったのですが、物語の枠組みにきっちりと作品が収まってしまったように感じました。
前作のほどの吸引力が感じられず、残念でした。

グロテスク

グロテスク

国分寺大人倶楽部

王子小劇場(東京都)

2009/09/02 (水) ~ 2009/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

不思議な吸引力
グロテスクなはずのやりとりを、非常にうまく見せていると思いました。
そのため、観劇しているときの印象も悪いものではなく、不快な気分にはなりませんでした。

ネタバレBOX

後半に向けて、個々の感傷に焦点を当てていくシーンは、脚本として急ぎすぎていて、雑だと感じてしまいましたが、リアルなやりとりの中からそっと切なさを引き出す、不思議な吸引力のある劇団だなと思いました。
旅がはてしない

旅がはてしない

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/07/17 (金) ~ 2009/07/21 (火)公演終了

満足度★★★

水の循環のよう
90分くらいしてようやく、状況が飲み込めてくるようなつくり。起きているシーンの、何を見ていいのか分からないため、ぼんやりと見てしまいました。

時折強烈な光景を見せつけられ、おぉ、と思うことはありましたが、2時間半は長すぎました。

ネタバレBOX

ラストシーンのダンスは、水滴がぴちゃんと落ちたようで、とてもうつくしかったです。
サスラウビート

サスラウビート

カナデコトビート

王子小劇場(東京都)

2009/08/06 (木) ~ 2009/08/10 (月)公演終了

満足度★★★

シニカルでロマンチック
情報の出し方や出ハケが不自然で、妙にちぐはぐしているような印象を受けました。また、日常を切り取ったような見せ方にこだわっているからだと思うのですが、見せたいシーンになったときに、そのシーンの良さよりも、演出家の作為の方が立ってしまっていて残念でした。

脚本から出ているシニカルさとロマンチックさが同居している感じは、とても好みでしたので、もっと思い切った演出で届けていただいていたら、すごく、感動していたかなと思いました。

ネタバレBOX

美術はとてもよかったです。まるで南国にバカンスしに来たような感覚になれました。
リチャード・イーター

リチャード・イーター

劇団銀石

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/08/12 (水) ~ 2009/08/16 (日)公演終了

満足度★★

届いてこない魅力
圧倒しようとしている意欲は感じられたのですが、突き抜けていかないもどかしさがあり、とても残念でした。

空調の寒さで舞台に集中できなかったというのもあるかもしれませんが、ほとんどの俳優の体に、役としての説得力を感じることができず、結果として舞台上に立ち上がっていたものは、台詞をきちんと言おうとしている姿勢や楽しく演じようという姿勢だけだと思ってしまいました。

主役の2人に空間を制圧するほどの抜きん出た技量を求めてしまいましたし、そうでなくてはならなかったと思います。

ネタバレBOX

善と悪を分けるというアイデアは非常に面白いと思うのですが、母親への執着をイーターに乗せてしまったことで、イーターが徹底的に悪であることのかっこよさが半減してしまったように思います。

衣装に関しては、複雑な人物相関を分かりやすく視覚化されていて好感を持ちましたし、俳優の体に説得力があるシーンは、楽しんで見ることができました。
15 MINUTES MADE  VOLUME6

15 MINUTES MADE VOLUME6

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2009/06/25 (木) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★

小粒な印象
どの団体も既に見たことがあるのですが、それぞれが存分に個性を発揮できていなかったような気がして残念でした。
それぞれの個性をもっと突き詰めて考えて、強烈な15分にしてほしかったです。

Play#2 「ソヴァージュばあさん / 月並みなはなし」

Play#2 「ソヴァージュばあさん / 月並みなはなし」

4x1h project

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2009/01/23 (金) ~ 2009/01/30 (金)公演終了

満足度★★

演出家の格闘の様子
どちらの作品も、素材となる脚本とそれぞれに戦ってはいるのだけれど、その戦いの様子を見せられ、肝心のお客さんをどう思わせたいのかということを置き去りにしてしまっているような気がして、残念でした。

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