ニッキーの観てきた!クチコミ一覧

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アルペンループ

アルペンループ

サイバー∴サイコロジック

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2010/02/19 (金) ~ 2010/02/22 (月)公演終了

満足度★★★

立山にある地獄とは
立山山腹にある地獄アミューズメントパークで繰り広げられる会話劇。
地獄を体感するアミューズメントパークという発想は面白く、当然、そこに集まる人々は心に傷持つ人々。

ネタバレBOX

登場人物は、なにやら魂胆のありそうな、坊主でかつパークの経営者である人物、パークの運営に協力している守銭奴の立山市役所の職員、自分の体を痛めつけることで何かから逃れようとする女、地獄の苦痛を楽しむ女、スリをやめることができずに苦悩する男、物見遊山にパークにくるも、その魅力に取り付かれ抜け出すことができなくなる若者二人、そして、本物の地獄からときどき様子を見に来る雪女。
アミューズメントパークであるがゆえに、個人が希望すれば、当然、地獄から抜け出すことはできるが、多くはそのまま、延々と地獄に留まる。

もっと、登場人物個々人に焦点を当て、なぜ、地獄に留まり続けるのか内心に迫るなどの描き方がされれば、SFの設定が生きてきたのではないか。
早稲田どらま館という狭い空間に、工夫を凝らしたセットを組んだことには敬意を表する。
当劇団の今後に期待したい。
空いっぱい

空いっぱい

アンティークス

OFF OFFシアター(東京都)

2010/07/01 (木) ~ 2010/07/05 (月)公演終了

満足度★★★

目の前の光景は夢か?現実か?
当劇団初見。
余命半年を宣告された20代後半の男性が遭遇する夢と現実のはざまを描く。

ネタバレBOX

主人公波男は頭部に腫瘍がみつかり、医師から余命半年を宣告される。
そんなある日、とある公園で、幼馴染みの凛子と再会する。

波男は自分の病気を凛子に告白するとともに、かつて実家があった場所に、一緒に行ってほしいと誘う。
波男の実家は、民宿を営んでいたが、女主の母親が死んだのをきっかけに、民宿をたたんでいたのだが、残された余命をその民宿再建にささげ、生きた証を残すのが波男の目的であった。

ところが、凛子とともに足を踏み入れた民宿跡地で、波男は数々の不可思議な経験をする。
死んだはずの母親が生きていたり、いないはずの妹弟が存在したり、幼馴染の凛子が
波男には、死んだ母親のほか、幼いころに死に別れた妹と弟がいたが、余命半年は自分ではなく、フィアンセであったり。はたまた、自分のフィアンセが凛子であったり。そして最大の謎は、「心の声」が目に見える存在として、彼の目の前に現れたことであった。

しかし、それらはすべて波男が「こうあってほしい」と願ったことであった。

ラスト、波男が黄泉の国に旅立って十数年後、凛子と波男が結ばれたこと、そして、凛子と波男の間に、ソラという女の子が生まれていることが明らかとなる。


SFの設定を使い、不思議な空気感につつまれた舞台であった。
話が混乱しがちであったため、もっと整理されればわかりやすくなるのではないだろうか。





アルトゥロ・ウイの興隆―それは抑えることもできる―

アルトゥロ・ウイの興隆―それは抑えることもできる―

ピーチャム・カンパニー

シアターPOO(東京都)

2010/02/05 (金) ~ 2010/02/08 (月)公演終了

満足度★★★

古典は現代にも通じるのか?
アルトウロ・ウイというシカゴの鼻つまみ者が1930年代の世界恐慌が吹き荒れるシカゴを舞台に、暴力を背景に、近隣の街々をも牛耳る大物ギャングに成り上がるまでを描いた、1941年に発表されたベルトルト・ブレヒトの原作を忠実に、かつ、ずいぶんとコンパクトに上演。

アルトウロ・ウイというギャングは、1930年代にブレヒトの母国、ドイツで急速に力をつけ、人々を恐怖のどん底に突き落としたヒトラーに重ねて描かれる。

物語が作られた当時の時代背景を踏まえれば、原作がどれほどの説得力を持ったかは想像に難くないが、本上演でも、原作が描いた暴力の連鎖は時代を乗り越えて、生き生きとよみがえるのだろうか。

それを表現しようとした劇団の意図は十分に感じることができたが、平和ボケした私の頭では、本作の中でそれほどのリアリティを見出すことはできなかった。
古典作品の上演の難しさといわざるを得ない。

本年秋には、新作による本公演があるとこのこと。
昨年の「イヌ物語」で見せた劇団合同のメリットを生かした現代劇を期待したい。

フジヤマタイガーブリーカー

フジヤマタイガーブリーカー

MCR

駅前劇場(東京都)

2010/03/17 (水) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★

TrackBackSystem。。。
前作、リフラブレインがとても良かったので、一気にファンになった。
フライヤーを見て、MCRのもうひとつの側面を見れるかと期待して、あえて、
「TrackBackSystem」を観劇。
しかし。。。
う~ん、見る作品を間違えたかも。
次回は切なさあふれるMCRを見ようと思う。

ネタバレBOX

デパートのヒーローショーのバックステージを描く。
ヒーローに扮する人物は、アルバイト生活を送っており、それぞれに背負う人生があって。。。悲哀が描かれ、大人の哀愁が漂う。
ところどころに笑いがちりばめられており、それほど、退屈させられる舞台腕はないものの、自分の思い描いていたMCRのイメージとはあまりにかけ離れていて、大きな戸惑いを感じた。
いつものMCRを期待する方は、是非、もう一本の「マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック」を。
北守の騎士とカルボナードの踊る魔女

北守の騎士とカルボナードの踊る魔女

青果鹿

テアトルBONBON(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度★★★

混沌としたまま終わってしまい残念。。。
宮沢賢治原作の「グスコーブドリの伝記」、「北守将軍のと三人兄弟の医者」、「貝の火」という作品をモチーフに紡ぎ出される詩的なイメージ。

ネタバレBOX

物語は、「グスコーブドリの伝記」をメインにし、主人公のブドリが失明してしまったというあたりは「貝の火」から、また、疲れ果てたとある公職者がその職を譲ろうとするあたりは「北守将軍のと三人兄弟の医者」から設定を借りている。

賢治のそれぞれの作品は童話、または寓話として、それぞれ素晴らしいものであるが、本作はそれをうまく一つにまとめ上げることができたのであろうか。

それぞれの作品の詩的なイメージは端々で伝わってくるものの、一体感、イイタイコトを伝えるという意味においてはそれは十分に伝わってこなかった。

グスコーブドリの伝記がメインテーマとした自己犠牲について、本作では何故、ブドリが犠牲となって人々を救おうとしたのかが今一つ明快に描き切れていないことがその例であろう。

面白い作品だけに、改作によってブラッシュアップを期待したい。

役者陣では、ブドリ役を演じた樋口浩二が熱演。
また、今村美乃は、1980・梁山泊の「宇田川心中」とは違った光を放っていたのが印象的。
グッバイ・マイ・ダーリン

グッバイ・マイ・ダーリン

世田谷シルク

小劇場 楽園(東京都)

2009/08/06 (木) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

実験的な舞台
とある「おっぱいパブ」と、その「おっパブ」の階上に居を構える4人家族を描く。題材を寺山作品においているというだけあって、実験的な試みがなされている。寺山作品と異なり、リアルな部分が多いものの、象徴的なダンスが繰り返され、見るものの嗅覚を刺激し続ける。前衛をめざしているであろう、作品なのだから、何を伝えたいのかを理解する必要はなかろうが、70年代の前衛と比べ、リアルな部分が多い分、メッセージを解読しようとしたが、うまく理解できなかった。もう少し、どちらかを鮮明にすると、より観客に伝わる部分が多かったのではないか。相当に好みの分かれる作品のように思う。

庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』

庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』

庭劇団ペニノ

シアタートラム(東京都)

2010/06/06 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★

う~ん
話題の劇団だと期待しての観劇。
が、予想に反して、一般的な演劇とは程遠いきわめて実験的な舞台であったように思う。

ネタバレBOX

舞台は、とある病院の手術室を再現したかのよう。
そこに、ストーリー(!?)テラーとなる怪優・マメ山田と、手術を受ける患者、手術を施すスタッフが現れ、患者の体を切り刻み、すべての内臓を取り出すまでをショートしてみせる。

あくまでもショーとのことだが、内臓をすべて取り出す手術とはどのようなものなのだろうか?
一切の必然を感じさせることのないものであった。

テラヤマ的な、見世物小屋をめざしたのだろうか?

評判の高い劇団だけに、次回は、普通のストーリーのある物語をみたい。
作品No.7

作品No.7

OM-2

日暮里サニーホール(東京都)

2010/02/12 (金) ~ 2010/02/13 (土)公演終了

根源への問い
言語に頼らない身体表現、ダンス、音楽を駆使し、人間の根源へと観客をいざなおうという趣向は今までに経験がなかったため、どのように理解すべきか一晩悩んだが、現段階でも結論を出すことができない。
佐々木敦氏の演技、およびドラムパフォーマンスは(パフォーマンスアート上級者には)一見に値しよう。

【公演中止】ソニックユース

【公演中止】ソニックユース

かもめマシーン

小劇場 楽園(東京都)

2010/03/04 (木) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

お詫び公演?
本公演「ソニックユース」が公演中止となっていることを知らずに、来場。

ネタバレBOX

受付でもあまり説明がなく、着席。
座席においてあった綴じ込みのチラシを見て初めて、公演中止に気づく。

お詫び公演ということなのだろうか?
次回公演になるのだろうか?ハイナーミュラー作「ハムレットマシーン」の公開稽古としてリーディング形式で30分ほどで上演。
リーディングではあったものの「ハムレットマシーン」の雰囲気を味わうには十分。
次回公演に向けて期待を持つことができた。

公開稽古終了後、主宰が挨拶を行うも、なぜ公演中止にいたったのか詳しい経過の説明はなかった。
せめて来場予定者には、公演中止であることを伝えるべきではなかろうか。

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