ITOYAの観てきた!クチコミ一覧

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いやむしろわすれて草

いやむしろわすれて草

こどもの城 青山円形劇場/ネルケプランニング

青山円形劇場(東京都)

2013/05/16 (木) ~ 2013/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★

四姉妹、病人のいる家族の日常を淡々と描く。
今乗っている満島ひかりさん主演。
四姉妹、病人のいる家族の日常を淡々と描く。
大きな事件が起きるわけではない。
外出できないベッドにいる自分と、自分だけがいない外の世界の家族。
自分に気遣い、自分のために生活を変えなくてはいけない家族に、
感謝はしても、非常に息苦しく、むしろ忘れてもらった方が気が楽になる、ということだろう。

繊細な心の動きを感じさせる満島ひかりさんの演技がいい。
それと同時に、小さい子がいる姉妹の日常的なケンカの何気ないシーン、本当にどこでもありそうな場面が、観ていて楽しかった。

断色~danjiki~

断色~danjiki~

ヴィレッヂ

青山円形劇場(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

大満足、充実の1時間50分!麻生サン面白い!
出演がこの3人(特に麻生久美子サン好きです)で、脚本いのうえさん、演出青木さんという顔合わせで、
しかも私の大好きな「囲み円形舞台」の青山円形劇場!!(廃館反対!!)
間近で3人の演技が観れる!というだけでもたまらない!
話はSFありファンタジーあり親子愛、ミステリーあり、コメディあり、エロ?あり、
劇場内壁円周スクリーン映像まで投入、
大満足、充実の舞台1時間50分!
特に麻生さんのコメディエンヌぶりは大好き(「時効警察」とか)ですので、舞台で観れて良かった!
しかもエロい(失礼)けど、あっけらかんともしていて。
もう何回も観たかったんですが、結構長い間やってますけど、複数申し込んでも1回分しかチケットが取れなかったので、人気があるのでしょうね。

獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2013/05/10 (金) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

さすが、イキウメ。壮大なSF叙事詩にびっくり!
以前、短編オムニバスの「図書館的人生」で観た1エピソードだった、

SF的テーマの本作が拡大していって、物語がこういう形にまとめるとは思わなかった!

さすが、イキウメ。

最初の隕石を拾って・・・の話だけを観たのですが、それを「御柱様」に持っていくなんて、やっぱりすごい!

当時の短編での「醍醐味」は、地方で拾った隕石の話が、一気に全国規模、新聞一面トップに載る渋谷駅前スクランブル交差点での大事件につながっていくところで、鳥肌が立ちました。

その作品が、今回のものではもっともっと壮大な話になっていて、びっくりしました。


ちなみに、当初「まとめ 図書館的人生(下)」というタイトルで、短編集ですよ、

という印象がかなりマイナスイメージになっていてもったいなかった。

その後、「獣の柱」のタイトルがついたようですが、こっちだけで十分です。

完全姉妹

完全姉妹

トム・プロジェクト

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/05/11 (土) ~ 2013/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

この企画は絶対観るでしょう!これまでお二人を混同していました。姉妹競演を楽しめました。
企画の勝利!

「ごめんなさい。私はこれまでお二人を混同していました!」

真野響子、眞野あずさ姉妹による二人芝居!

これは観るしかないでしょう!

お姉さんの真野響子(夫は柴俊夫、娘は柴本幸)は、「御宿かわせみ」「ちゅらさん」「ナサケの女 〜国税局査察官」「相棒」に出演。

妹の眞野あずさは「はぐれ刑事純情派」、土曜ワイド劇場「検事・朝日奈耀子シリーズ」でおなじみ。



同じ男性を好きになった姉妹の、数年おきに3つの時代を描いた物語。

さすが実際の姉妹だけあって、息が合っているし、細かいやり取りが実に自然。

肉親であるが故の衝突、葛藤もありながらも、いくつになってもやはり姉妹として支えあっていく。

ご都合主義的なところもありましたが、深刻になりすぎず、姉妹競演を楽しめました。

オセロ

オセロ

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2013/06/09 (日) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

客席を含む舞台装置と演出が面白く、深く響くコントラバスの生演奏が素晴らしい。
劇場建物の内壁をそのまま隠さないシンプルな舞台、
客席中央にゲネプロなどでみる演出家+スタッフの席を設置し、
役者もその席や、空けてある客席に座ったり、
灯油缶をたたきながら通路を通ったり、
途中でヴェニス公は入場する際には観客全員が起立したり…、
観客・客席と舞台・役者の一体化を図った演出、
と事前に席に置かれたチラシに書かれていました。
起立・着席程度だけでは観客も参加しているとは言い難いですが、
客席をも取り込む舞台とそのような演出は面白い。
けれどそれよりも、深く響くコントラバスの生演奏が素晴らしかったです。
超有名な物語ですが、なぜにオセロは、こうも簡単にだまされてしまうのか。
純粋で朴訥なイメージに、仲村トオルがぴったり。
父親をうまくだませた娘なら、夫も同様にだますかもしれない、ということは言えますが。
唐突にすら感じられる、クライマックスの劇中劇的な二重構造もまた面白い。

SADAKO-誕生悲話-

SADAKO-誕生悲話-

劇団EXILE

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/05/03 (金) ~ 2013/05/12 (日)公演終了

満足度★★★

「リング」の恐怖が舞台に…描ききれず、学生運動劇団物語になってた・・・。
Jホラーの原点「リング」の恐怖を、原作小説作者自らの手で書下ろした完全新作。

これまで映画「リング0~バースデイ~」でも単発ドラマ版などでも貞子が劇団に居たことが描かれましたが、
本作では劇団所属時代、学生運動の真っただ中にあったという新たな要素が加えられました。
というより、むしろ鈴木さんは「学生運動」の閉鎖的なグループ内での葛藤を描きたかったようで、
ホラー的恐怖は物語に関係ない冒頭数分(映画テーマ「来る~きっと来る~」が流れる)と
クライマックスのみ。

当然ながら、そこを結構期待して観に行ったので、しかも原作者自らの書き下ろしだったので、肩透かしという感じでした。

ネタバレBOX

(ちなみに呪いのビデオはまったく関係なく登場せず、唯一「白紙の手紙に顔が浮かぶ」という者だけで、しかも見てから何日とか期限は一切無関係でした・・・)
ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/05/11 (土) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★

原作:東野圭吾、でも、笑って泣けて、見事キャラメルテイスト!
原作:東野圭吾、でも、笑って泣けて、見事キャラメルテイスト!

悩み事相談の「手紙」を通じて、自由自在に時代を変えて展開するストーリーは見事!
そりゃあ、きれいごとと、ご都合主義もあるけれど…
かなり泣けました!

スウィーニー・トッド

スウィーニー・トッド

フジテレビジョン

青山劇場(東京都)

2013/05/16 (木) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

満足度★★★

主演2人のガチの競演が楽しいが、連続大量殺人でその上ラストが悲惨、ブラックすぎて、私には心から楽しめなかった。
主演2人のガチの競演が楽しいのですが(特に時事ネタがサイコー)、
連続大量殺人の話でしかも、ラストが悲惨すぎる…。
これを楽しめるのは、ブラック・ユーモアにとても理解がある
かなりの大人の方ではなかろうか。
それとも私が幼いのか??

通常より大人数のオーケストラがとっても良かったのですが、
歌のほうは、音響のせいか、音がこもって歌詞が聞き取りにくかった。

そして、本日は東京千秋楽。
カテコでは、メインの方一人一人の挨拶が聞けましたが、
市村さんが「誰のせいでファイナル?私のせいではない」と言ってましたが真相は?
権利問題か何か?
すぐに「ファイナル・アンコール」なんてことはないですよね…。

※ほんとに青山劇場はなくなるの???!!!

あかいくらやみ~天狗党幻譚~

あかいくらやみ~天狗党幻譚~

阿佐ヶ谷スパイダース

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/05/05 (日) ~ 2013/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★

時間を自由に行き来して。迷い込んだ長い悪夢から覚めたような、それでいて希望も未来もあり・・・
少しおどろおどろしい幻想的な時代劇。
時代を自由に前後し、終盤では同じ人物が一瞬で数十年時代を経てしまう。
恐ろしい悪夢のようでありながらも、過ぎてみれば懐かしくもなり、
ノスタルジックな気分にも浸れてしまう。
観客の現代に近い、登場人物たちの現代、
長い悪夢から覚めたようなエンディングでは、
未来への一縷の希望すら感じさせる。
不思議な浮揚感と余韻が残る、いい芝居でした。
(ちなみに、長塚さんの役の男が、常に探されている?というのが妙に可笑しかったです。)

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

東宝

帝国劇場(東京都)

2013/04/23 (火) ~ 2013/07/10 (水)公演終了

満足度★★★★

初めて見た新バージョン、回らないレミゼ。全体的に歌がスキルアップ。
さて、ドキドキの待ちに待った新バージョン。
先に観た映画版は大感激!だったけど、キャスティングや上演スケジュールがいろいろ変わったりしたのですごく心配。
でも、最初の場面で驚き!
船! 海! 
そう、映画版はこの新演出版の舞台を映像化したのですね。
次に気付いたのは・・・『盆がない!』
回り舞台では無くなったのですね。
その分、どの場面もキャストが迫ってくる迫力があるけれど、私の大好きな『ワンデイモア』の最後、行進+決めポーズで舞台は回りながら暗転!・・・のシーンは、前後に行進左右に展開に変更。
またまた気付いたのは・・・『巨大変形バリケード・セットがない!』
あお左右に割れて回転合体!ある時は貧民街、ある時はバリケードのセットが、小型のものだけになって、そのぶん役者は余計な気遣い、段取りが減って、より役に専念できるそう。
変わった部分が気になって、気持ちの方まで気が回らなかった・・・。
皆さんの歌が、アンサンブルも含めて、スキルアップしたような気がしました。
あと2回は観ます!

Princess MONONOKE~もののけ姫~

Princess MONONOKE~もののけ姫~

ドワンゴ

【閉館】AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京都)

2013/04/29 (月) ~ 2013/05/06 (月)公演終了

満足度★★★★

原作の感動をそのまま伝える良心作。
あのジブリのアニメ「もののけ姫」がイギリスの劇団によって舞台でよみがえった!
大量のビデオテープでタタリ神を表現するなど、廃材を使った素朴な手作りの舞台。
コダマはパペット、とはいっても人が小さなぬいぐるみを手で支えているだけで表現。
ストーリーも音楽、歌も、アニメ・オリジナル作品をそのままま舞台化。
原作の意図をうまく表現していて、感動、面白かったです。

ただ、観て感動したのも、良きも悪しきも、アニメ・オリジナルの力と言える。
忠実だったから伝わったけれども、その分、オリジナリティや独自にはみ出した部分とかがなかったということだ。

それでも、海外では、アニメは子供が観るものという認識が強いらしいので、
アニメではなく演劇なら、海外で大人も見てくれるのだろうから、原作の精神を広げる意味での役目は大きいのかもしれない。

男嫌い

男嫌い

コマ・スタジアム

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2013/05/11 (土) ~ 2013/05/23 (木)公演終了

満足度★★★★★

沢口靖子さん好演!アラフォー女の本音炸裂!
40代独身女性の今を描いた東京下町の人情喜劇。
老舗蕎麦屋を舞台に、帰ってきた勘当された息子とか、行かず後家の娘の恋とか、昔ながらのパッケージでも、展開は少し今風、部分的に過激。
でも、誰にも楽しめる内容になってて…気軽に楽しめました。
こういうの好きです。

私の好きな沢口靖子さん好演!
歌あり、ダンスありの大活躍。
ただいいお嬢さん…ではなく、本音炸裂!
中でも陣内さん相手のラブ・シーンでの激白カミングアウトは、沢口さんの普段見せない面を出していて、良かった!
脚本がいいんですね。
劇中で大衆演劇の踊りのシーンもあって、作品がにぎやかでいいのですが、曲数が多すぎ。
そのため、せっかく調子のいい芝居の進行が、そこに来ると止まってしまって残念。
2、3曲減らして、その分、沢口、陣内、の演技を見せてほしかった。

ちなみに今日は、陣内さんがやっちゃいました!
一番大事なセリフを間違えて、ご本人はその場で気づいてなかったようで、言い直しても同じセリフしかでなくて…。

「ル テアトル銀座」は5月末で閉館!と今日知った。
同ビル売却に伴って「銀座テアトルシネマ」も閉館。
残念です。

レミング ~世界の涯までつれてって~

レミング ~世界の涯までつれてって~

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/04/21 (日) ~ 2013/05/16 (木)公演終了

満足度★★★★★

シュールでリズミカル、心地よい幻夢…
寺山作品と聞くと難解なイメージがあり敷居が高かったのですが、
俳優のステップによるリズムと
足踏みしながら前後運動したりすることと、
短い無意味なセリフの連続のリズムなどが重なり合い、
実に心地イイ初めての感覚。

映画内映画が、診療治療なのか、夢なのか…という多重構造。

常盤貴子が映画女優はなまめかしくスタイル良く、八嶋さんより確実に背が高く見えたのが、
学生服で少年を演じたときには背も低く華奢にみえ最初常盤さんと分らなかったのが不思議。
カテコで並ぶと八嶋さんより背が低かった!

シンプルな舞台装置に舞う「黒い紙吹雪」もかっこよく、
懐かしい夢から覚めるようなエンディングの感覚がとっても心地良くて、
演じている八嶋さん同様に自然と涙を流しながら夢から覚めるような感覚が素晴らしかった。

効率学のススメ

効率学のススメ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/04/09 (火) ~ 2013/04/28 (日)公演終了

満足度★★★

ステレオタイプな結論が残念。 新しい『効率化』はこういうものをススメます、と主人公が推し進めるような展開が良かったのに。
『効率学のススメ』という題名とは裏腹に、結局「効率至上主義」は
悪として、それを勧めたコンサルタントも、「一見非効率な放任主義」
がスタッフの自由な活動と創造性を生むため「新たな効率化といえる」
という逆説的な?結論に至り、効率一辺倒な生活から解き放たれて
自由になることを思わせて終わる。

結局、効率化=非人道的=悪、非効率=人間的=善という、これまでの
古い安直なステレオタイプに落ち着いてしまって、非常に残念。

現代の現実は、もっと複雑でありシビアであるはず。
「効率化=非人道的」=リストラではなく、これからの「効率化」は、
もっと人間的で、現実的で、複雑だ、あるいは単純だ、
新しい『効率化』はこういうものをススメます、と主人公が
一見破天荒だけれど論理的な展開を引っ張っていくような、
要するに『ドラゴン桜』のような展開が本来ではないか。

私の大好きな「囲み舞台」+四辺の壁面と、舞台四辺の床面(回廊)を
一周する細長いスクリーン、というユニークな舞台装置は良かった。

二都物語

二都物語

フジテレビジョン

東急シアターオーブ(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/30 (火)公演終了

満足度★★★

 「世紀のラブ・ストーリー」と言うコピーの割に「想い」が伝わらない…熱くはない草なぎくん、役不足大人しめの堀北さん
命がけの熱烈なラブストーリーであるはずが、その「想い」が伝わらないのは、草なぎくんのキャラクターと、演技が「熱くはない」せいか、

女戦士との二役といえ、メインのは「守られる」「待つ」という大人しめのヒロイン役では、すでに「ジャンヌ・ダルク」で主役座長公演を張った堀北真希ちゃんには役不足( 【注】「役者に対して役が不足」の意味。)。

西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を

西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を

シティボーイズ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2013/04/02 (火) ~ 2013/04/13 (土)公演終了

満足度★★★★

シュール、あぶないネタ、出ずっぱりで「ひっこめさせてもらえない」中村有志さん 
恒例、年に一度(約1年半ぶり)のシティボーイズです。
これまでもいろいろな人の演出に挑戦されてましたが、
今回の作・演出は、「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」のメンバー
宮沢章夫さんが担当して、同メンバーのいとうせいこうさんも出演!
得意のシュールなネタ満載です。
特に、放送自粛用語連発のネタや、テレビでは絶対いじれないネタも・・・。

中村さんが出ずっぱりで「ひっこめさせてもらえない」という
長~いネタ??が一番気に入りました。^^;)

趣味の部屋

趣味の部屋

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/03/22 (金) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

凝った脚本、凝縮された2時間の演技を楽しみました。
中井貴一さんが企画、凝った脚本を依頼して、自ら声をかけて集めたキャストによる作品。

出演俳優さんに普段の得意技は封じて、挑戦してもらったと
パンフレットで語ってた通り、
ミュージカル出演が多いのに一切歌わない川平慈さん。
実際はガンダムヲタなのに、それには触れさせてもらえない戸次重幸さん。
最近演出が多く特にシリアスで難しい作品のイメージが強い白井晃さんが、
久々にコメディに出演、しかも全く興味がなかったであろう「ガンダム」
オタ役でマニアックにネタを語る語る。

唯一、ストレートプレイ初出演の原幹恵さんは、
コスプレやら脚線美やら得意技を披露しながらマッスギにまっすぐに演じる。

二転三転するクライマックス、最後まで充実した内容でした。

舞台「銀河英雄伝説」 第三章 内乱

舞台「銀河英雄伝説」 第三章 内乱

舞台「銀河英雄伝説」実行委員会

青山劇場(東京都)

2013/03/31 (日) ~ 2013/04/13 (土)公演終了

満足度★★★★

あの中盤のクライマックスまでを描く、見ごたえある群像劇。
気付いたら舞台版ももう7作目。
長期にわたる戦火の中、同盟ではクーデターが勃発。
ヤン・ウェンリーは英雄としての偶像を利用される。
同盟、帝国、両国内で勃発した「内乱」と、
それぞれの顛末を描く。

ついにあのシーンを舞台で観るときがきましたね。
今回、ラインハルトは、配役の順番ではトップでなく、
数番目という微妙な位置。

河村隆一、中川晃教の競演は本作でも実現。
きっとスケジュール調整が大変だろう、と思ったら
やはり次作の外伝ではヤンは別人に。

河村さんは今回観ても富山敬さんの声と作り上げられた
キャラクターをうまく継承しています。
のびのびとことん自由な中川さんは、余裕の下ネタ(?)全開。
「ジェシカの戦い」好演、馬渕英俚可さん。
天宮良さんも好演。
注目は渡辺裕之さんのメルカッツ!
抑えた渋さが良く、次作での活躍に期待大!
こちらもかっこいいローゼンリッター岩永洋昭!
「仮面ライダ―オーズ」の仮面ライダ―バースと、
「仮面ライダ―電王」の仮面ライダ―牙王(渡辺さん)の
競演が実現。
ただし、他の演劇経験の少ない俳優さんたちは、
せめて発声法やセリフについて、もっともっと基本から
鍛えてほしい。

艦隊戦やスパルタニアンの接近戦は舞台奥のスクリーンと手前の幕にCGを映写。
舞台上では、ダンスと格闘の殺陣でその宇宙戦を表現する。
でも、舞台奥のスクリーンの上部は2階席からだと見切れて見えない!

それよりも、一幕は主に、上下する舞台3台×3列、
全床スライド式のメイン舞台(※)を中心に、
これに対して二幕目は「廻り舞台」を中心に、効果的にフル活用。
   ※間口116m、奥行き16.6m「大迫り」「スライディング・ステージ」

他に何本ものピンスポットによる演出がとても効果的でした。
また、正伝恒例?今回もエンディングの全員合唱は盛り上がって、
とっても良かったです。

次の正伝あたりでは「あの」クライマックスを演るのだろうか。
(そうしたら当然絶対河村さんがヤンでしょう。あたりまえか…。)

AMUSE×PEOPLE PURPLE ORANGE 東京公演

AMUSE×PEOPLE PURPLE ORANGE 東京公演

劇団PEOPLE PURPLE

本多劇場(東京都)

2013/03/28 (木) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

阪神淡路、震災の記憶は消えない。繰り返し上演することに意義がある。悲劇を笑いでカバーして観やすくする工夫がある。
劇団「ピープルパープル」の人気演目を「アミューズ」との提携による上演で、
メインの役の多くは外部の俳優、脇を同劇団キャスで固める布陣。

以前、劇団公演を観て大泣きし、
地方(確か青森)から上京した「飛び道具的」女性隊員を演じたりんごさん
(当時の本作の役名を芸名にされた)の破壊力に圧倒されました。

今回、その役は上地さんが演じることで沖縄出身に変更。
相変わらずの破壊力ですが、これがあるから他のシリアスなシーンも
受け入れられる、バランスが保てる重要な役割があります。
これがなかったら「重すぎてしまう」。

やはり何といっても、直接隊員たちから取材した事実に基づく
「阪神淡路大震災」の再現シーンが印象的です。
ニュースでみる数値や風景ではわからない、「どうしようもない現実」が
人間が目の前で演じるという「演劇」ならではの、迫力、訴求力で
訴えかけられる。

今後、もっと繰り返し上演すべき演目と思います。

旅猫リポート

旅猫リポート

スカイロケット

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しく優しく明るく、泣ける;;
小説「図書館戦争」の有川浩が、キャラメルボックス所属の俳優
阿部 丈二と組んで旗揚げしたユニット「スカイロケット」公演第1回!
原作・脚本・有川浩、プロデューサー兼主演・阿部 丈二、
その他キャラメルゆかりのスタッフ・キャストによる作品は
やはりキャラメルテイストにあふれた、楽しく優しく明るく、泣ける
いい作品でした。
何といっても細見さんの猫がいい。
人におもねることなく、必要以上にベタな猫演技をすることでもなく、
それでもたまに出る猫らしさ。
他の方が演じる猫や、犬も登場しますが、みんなかわいらしくいい味です。
パンフレットには、没になったエピソードが小説として載っていて、
さらにシナリオも掲載されていて、お得。
早くも次回作に期待します。
劇団やユニットは「継続」が大変なんでしょうね。

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