ペンギンアートの観てきた!クチコミ一覧

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新・ワーグナー家の女

新・ワーグナー家の女

Brave Step 

アトリエ第Q藝術(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/08/31 (木) 14:00

価格5,000円

ジークフリート・ワーグナーの妻であるヴィ二フレッド・ワーグナー。
彼女の証言を聞くため、バイロイトで開かれた委員会。
そこには証言台に立つ娘のマウジ(フリーデリント・ワーグナー)と再会し、
当時ヒトラーのナチス政権、ユダヤ人迫害などの真実を独自の視点で物語る。
ピアノの生演奏とR.ワーグナーの楽曲が散りばめられた、クラシックファンにも嬉しい世界観が広がります。上演時間は休憩なしの2時間ちょい…少し長かったかな。

ネタバレBOX

今作品は自身もクラシック音楽をしている影響からか、
主演女優2人(ワーグナー家)の長ゼリフも心地良く感じました。
独白に関しては台詞の古典的な言いまわし。この台本が好きですね。
滑舌の良さもさることながら、テンポ感が良い。
観世さんの品のある低声域と新澤さんの少し鋭った強めの発語が舞台全体を引き締めます。

特に良かったのは、小劇場の狭さを感じさせない照明の使い方。
ピアノの音響効果とリンクして、非常に繊細な光の魅せ方なんです。
場転から最後のシーンまで、効果的にキャストの配置や当てるポイントを工夫されています。
細部にこだわった視点から、例えばトスカニーニとフルトヴェングラーの序盤の登場ですが、
照明時に指揮を振りながら登場するのであれば、ピアニストと呼吸を合わせて
アイコンタクトやテンポ感をもっと同調させるように演じるともっと良かったかな。
のちにフルトヴェングラーの指揮も相まって、
ライバル達の指揮とピアノから、周りのキャスト陣のパフォーマンスを更に広げて…と言うのも、
舞台に拡がりが出来てくるように思う。
親の顔が見たい

親の顔が見たい

劇団昴

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/08/31 (木) 19:00

価格5,500円

「いじめ」から考え得ることの大切さを痛感させられる秀作。
テーマは重いのですが、話の筋はとても分かりやすい。
自殺した中学生の残した手紙(遺書)には、当時の仲間達が名指して書いてある。
そこで学校側は事情を聞くために、急遽会議室へと集められた親たち。
それぞれが自分の子どもを擁護し、保身に走る余り様々な行動を見せ始める。
いじめ→自殺→そこから見えた親たちの本当の顔とは…まさに親の顔が見たいよ!

ネタバレBOX

東京芸術劇場で公演とは、観る側も演る側も気合が入りますよね。
そんなシアターウエスト公演ですが、舞台装置は学校を再現したパネルのみ。
今回の作品の規模を比較すると、必ずしも適切な会場だったかどうかは疑問です。
もう少し小さな舞台でも見応えがあって充分かなと思いました。

劇団昴の団員ですが、
ベテラン勢の自然な演技から思わず魅入ってしまう均整のとれた配役。
演技っぽくない演技。これがリアルで心情にスッと入って来るような品性を感じます。
台詞のテンポ感や相手との間も耳馴染みのする良い芝居なのですが、
やはり舞台の影響か、控えめな台詞の立ち合いでは聞き取りにくかったです。
そこは恐らくこう言ってるんだろうと想像の中で処理していましたが、
後ろの席からは少々ご不満の声が聞こえたり・聞こえなかったり。。

音響には信号機や車の音など、自然音を上手く使った表現も良かったと思います。
こういった社会的テーマを盛り込んだ舞台は、是非是非現役の中高生に観てもらいたい。
そんな風に思える作品でした。
ウルトラハイパースーパーノヴァ

ウルトラハイパースーパーノヴァ

Gentlemans

さいたま市地域中核施設プラザノース(埼玉県)

2023/08/25 (金) ~ 2023/08/26 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/08/26 (土) 13:00

価格4,800円

男性オンリーGENTLEMANSの5年ぶり公演。
初見の劇団でしたが、お芝居と言うよりパフォーマンス主体のエンタメ舞台。
映像と音楽とダンスが融合され、短編作品が折り重なって徐々に引き込まれていく感覚。
個人的には映像のクオリティの高さ。多様な楽器を用いた生演奏。
途中トラブルもありましたが、今後もっと密度の作品が出来るような予感がしています。
会場の「プラザノース」は大宮駅から更にニューシャトルで加茂宮で降りて徒歩10分近く。
幸い自宅からそこまで遠い距離ではなかったから良かったですが、県外から来られる方は大変かも。

ネタバレBOX

大小の白い箱で覆われた空間(前列167個分かぞえた)。
絶対何かあるなと思ったら、案の定箱をぶち破って登場!!
分かっていたけど格好良かった。後列の箱もプロジェクター用かと思いきや、
中に電子レンジや冷蔵庫、TVモニターが設置されている隠し扉もあり発想が良い。

白箱に絵を描いた、桃太郎的なミニシアターも特にBGMが良いです。
舞台前で演奏担当が鍵盤ハーモニカやリコーダーを吹いたり、近くにある小道具でリズムを刻んだりと、個々のパフォーマーの力量がよく反映されていたように思います。

スターウォーズを模した映像劇…あれはカメラの電池が切れてしまって
本当にしょぼかったです;映像を売りにしているだけに残念でなりません。
ですが、色んな得意ジャンルを持ったキャストたちが集まって1つのエンタメ作品を完成させる。
この点については将来性を感じますし、彼らはそういった力があるように思いました。
燦々

燦々

U-33project

王子小劇場(東京都)

2023/08/16 (水) ~ 2023/08/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/08/17 (木) 14:00

価格4,000円

ユーサンサンプロジェクトの短編作品を3本観劇。
開場入りがギリギリになってしまったにも関わらず、舞台役者から近い距離に着席できたことは幸運でした。
物語は『謝ったら死ぬ病』
○○フィラキシー症候群にかかってしまうと、最後は死ぬことになりますよ?
というイマドキのウイルス系。人の心の病を上手く表現した短編劇。

『ワンダフルな人生』は、17歳の女子高生が他人の人生を羨み
自分の人生が辛いのは環境のせいだと言い張ります。
そこで神さまに相手の人生を生きてみたいとお願いする作品。
隣の芝生は青く見えるじゃないけれど、きっかけは共感出来るものがありました。
けれど人生は各々ハードモードな部分も見えてくるわけで…若いって良いなw

最後は、やたら神保町ワードが出てくる作品『意味不明』
エンターテイメントとは、他人を喜ばせる行為。
私とアナタが違う人間だからこそ、考えている事も同じではない訳で…。
良かれと思って行動していることが実はすれ違いだったり、勘違いになってしまったりといった二人芝居。

ネタバレBOX

忖度なしの意見を述べさせていただきますが、
平穏な会話の中に見え隠れする「笑い」や「ユーモア」。
真意を隠す日常と非日常。これをテーマに体現するって、すごく難しい。
言われれば「なるほど」って気付けますが、普通に演じているだけだと面白さを感じにくいんですよね。
学生演劇のノリで、キャッキャしている印象しか残らなかったです。

特に強い個性派が主キャスで入ると、
同年代の役者たちは役作りが引っ張られてしまうのか…3作とも似たような印象の舞台。
物語のオン・オフや起承転結が見えづらく、もう少しBGMやセリフの間
配役の細かい部分(発声、台詞回し、しぐさ、動き方など)の研究・底上げが必要だと思いました。
集中して観ることが難しかったです。
ノストラダムス、ミレニアムベイビーズ。

ノストラダムス、ミレニアムベイビーズ。

劇団身体ゲンゴロウ

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2023/08/06 (日) ~ 2023/08/11 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/08/10 (木) 19:00

価格3,500円

東京藝術大学のメンバーで立ち上げられたフレッシュな劇団。
芸大の講義「身体言語論」→「身体ゲンゴロウ」と捻って名付けられたそうです。
小学校と言う小さな社会には、教室の中にヒエラルキーが存在していて。
自らを主張できるのは強い者・それを擁護する者たち。
どんな立場にいる子どもたちも、決して周りに置いて行かれないよう
それぞれの想いが劇中で錯綜する。東日本大震災の起きた翌年2012のお話です。

ネタバレBOX

ピアノ曲がメインの音響。ラジオが天上から暗転の中出てくる序章が美しい。
ブレイブボードを乗りこなす役者の動きも、情熱を感じられて良かった。
しかしながら小学校が舞台の本作…どんなに頑張っても小学生には見えない笑
いっそ高校を舞台に、被災者の心情やヒエラルキーを描いたセンシティブなドラマ劇にしたら
もう少しリアリティがあったようにも思います。

全体的に若い役者が多く、演劇に対する直向きさこそ伝わるものの
完成度と言う意味ではイマひとつと言った印象。学生演劇を観ている気分でした。
脚本演出のご本人が被災され家が流され…と言ったアフタートークを聞いて
ピンと来たのですが、ゆきのり達が生きた2012年を自らと照らし合わせて書いているからか
観客側からは、小学校と被災の出来事が別世界の様に感じてしまう点。
クラスメイト達も被災者な訳ですから、人間関係以外に被災者側の心情をもっと感じられる
シーンがあっても良かったかな。でないと震災のワードを使う意味が薄れてしまうから。

また、チケット料に加えて活動費の為に支援金を求めるのは、ちょっと解せないです。
他大学公演のようなフリーカンパ制なら分かりますが、
劇団としてやっていくなら、ご支援はチケット料金でその対価を取るべき…と考えるからです。
コロナ禍で芸術活動が難しいのも価格高騰も皆さん同じなので、
私たちはその中でご支援頂けるようなクオリティのものを今後も魅せて行くしかないかなと。
みんなのえほん

みんなのえほん

9-States

小劇場B1(東京都)

2023/07/26 (水) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/07/29 (土) 19:00

価格4,300円

小劇場B1です。いつも舞台側からどっちへ座ろうか考えます笑
なるべく手前側に座っても、見たいときに役者の表情が反対側へ行ってしまったりして。
この劇場の面白いところでもあるのですが。

今回の「みんなの絵本」
絵本作家としての幸せが「グリム賞を取る」という表向きの動機に振り回され、
余命宣告中なのに、彼女は絵本を描く。絵本を描かなければ、存在価値がない。
担当者は自らの私欲の為、共に世界一の優しい絵本を目指そうと続ける。

これはもう洗脳だよね。そもそも世界で一番優しい絵本って何でしょう?
ピエロの猿が出てきて本当に感動するのでしょうか。カオスな作品。

ネタバレBOX

チケットがステッカーになっているところ。作品の挿絵が素敵です。掴みはバッチリ!

ヒューマンドラマとしての内容ですが、もう少しリアリティが欲しい。
いろはの病名は過労?ツッキーと同じく白血病なのか、どうして余命半年なのか。
絵本をダメ出しする黒崎の意図も、イチ観客としてはもっと共感したかったかな。
結局は絵の雰囲気なのか。何をもって優しいのか・良作なのか。なんか切り口が浅いんです。
いろはの素晴らしさを台詞として伝えるだけでは、受け取る側からすると優しくはない…弱いです。
ダンスを後半に組み込むなら、絵本の魅せ方と共にキャスト全員で途中にパフォーマンスしても良かったかなと。

最後のシーンでは、新しい患者さんとして新人作家になった正岡さんが登場するのですが、
こんなブラック企業で良いのかよってくらい、絵本業界やばいってなりました笑
畑は違えど同じくコンクールを受けたりする身としては、ちょっと無理くり感の否めない作品に私は感じます。
これが戦争だ

これが戦争だ

劇団俳小

ザ・ポケット(東京都)

2023/07/22 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/07/27 (木) 19:00

価格4,500円

劇団俳小。前回のマギーの博物館に続く2度目の観劇でした。
マギーもそうでしたが、芝居のテンポ感や俳優の持つポテンシャルを十分に引き出している印象がありますね。「これが戦争だ」アフガン戦争から帰国した4名のカナダ軍兵士たちのインタビューから、各々配役の視点で物語が解釈されていく本作品では、戦争の惨さはもちろん…どんな極限状態であっても人間の持つ欲望や想いは、同じくらい強く「生きる」という意味を再確認させられるものと感じた。

ネタバレBOX

スティーブン、ターニャ、ジョニー、クリスの4人が語るのは、共同作戦前夜での出来事。
男女関係のもつれ等から、仲間の若手兵士ジョニーの負傷させてしまう。この一連の流れと配役視点の回想シーンが繰り返され…という流れは、正直予測ができてしまうので面白くはなかったです。日本人キャストがカナダ軍兵士を演じるという点で、ややオーバーなリアクションや台詞回し。台詞の受け身では所々に日本人っぽさを感じてしまう点。作品が戦争をモチーフにしているということもあるが、中盤からの芝居の盛り上がりという部分ではやや欠けているようにも感じました。個人的な感想としては、まるでエチュードのような「役者のためになる作品」だったように思います。
ザ・ショルダーパッズ この身ひとつで

ザ・ショルダーパッズ この身ひとつで

劇団鹿殺し

本多劇場(東京都)

2023/07/13 (木) ~ 2023/07/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/07/18 (火) 16:00

価格5,900円

「鹿版 銀河鉄道の夜‘23」を堪能して参りました。
本多劇場での公演が(しかも千秋楽)チケプレで当たったのは嬉しい。
照明・音響の力強さと演劇を愛してやまない暖かいファンの声援。
平日の昼間からこんな贅沢なひと時を与えてくれた劇団に感謝。

「ザ・ショルダーパッズ」ですが、
第一印象はヤバい作品に当たったと思いましたw
市販の肩パッドを股間につけただけの最小限の衣装。
「この身ひとつで~」と歌唱が始まるのだが、極貧時代に団員が見つけた肩当てから閃き、それを縫って作り上げられた俳優陣の肉体を最大限に生かした風貌。よくこんなこと思い付いたという創造性と、自分の中には絶対にないだろう世界が混合し、初めて見る銀河鉄道の舞台へと変貌したのである。

ネタバレBOX

実は、銀河鉄道の夜は学生時代に上演した思い入れのある作品。
ジョバンニはボーカル兼役者兼演出の座長・菜月チョビさん。前説と歌と役者としての発声。これを全部やるというのは声帯のいろんな所を使っている筈なので疲れますよ。結構ガラガラだったので歌えるかなと心配でしたが、割れることなく最後まで走り抜けた姿は素晴らしかった。しかも楽曲が良い。ガタンゴトン…オノマトペを芝居の中にも、歌唱にも効果的に取り入れたのが良い。これは当時の自分にも教えてあげたい位の魅せ方。

カンパネルラ含む男性俳優は、全員ショルダーパッズ姿。
せめてカンパネルラも、普通の洋服で良いのでは!?と舞台絵面が気になります。
雰囲気が出ないんだよね。銀河鉄道の童話作品に裸の男たちがワラワラ…しかも本多劇場で。二度とこんな状況作り出せないのではと思ってます笑

総じて初見の感想ですが、良くも悪くも商業演劇という印象。
細かい台詞・役者たちのニュアンスや個々の表現はどうしても、ジョバンニ+カンパネルラを含むアンサンブルで統一されてしまっているパフォーマンス。ダンスも歌も豪華絢爛で素敵だけど、これが商業的でもあり、個人的にはもっと芝居くさい芝居を観たかったかな。
もし違う箱で本公演を行っていたら…これも考えました。どこでやるかも大事ですね。
正義の人びと

正義の人びと

オフィス再生

六本木ストライプスペース(東京都)

2023/07/13 (木) ~ 2023/07/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/07/13 (木) 19:00

価格3,500円

1949年に戯曲として書かれたアルベール・カミュの「正義の人びと」
1905年、モスクワで実際に起きた「セルゲイ大公暗殺事件」がモデルとなっている本作では
テロ組織の若者たちは大公の乗った馬車が走り出す中、爆弾を投じて暗殺を企てるが…そこには幼い子どもの姿が。
革命に身を投じた青年たちの「正義」「苦悩」「葛藤」を描いた群像劇。

本公演は六本木のギャラリーでの公演。
初めて行きましたがアートスペースのようで、舞台中央には折り返し階段が設置されている。
ここを演出上、上手く利用して場転を行っているように見受けられた。
奥行きのある舞台とは裏腹に、客席側はフルでも30席ないような省スペース空間。
ここに関係者と撮影者が加わり…経営は大丈夫なのだろうか。もう少し客席があっても良いかと。
5人のメイン女優の内、4人は男性役をやっているのも面白い。

ネタバレBOX

本公演について感じたのは、
配役自らの考え・状況・行動を言葉にした長台詞が多く、動きが少ないこと。
観る側も気を抜くと、ただ台詞の掛け合いを聞くだけで情景が入ってこない。疲れてしまう。
特に開演後から大公を殺害するまでの物語の進行は、個々の心情を台詞からどう表現して行くか。
熟練した演技の力量を必要とする難しい芝居だなと感じた。

演出に関して、賛否両論あると思いますが
まず舞台の奥行きが広く、後ろの方の客席からだと観にくいです。
秘密基地(地下室)のような薄暗い地明かりで進行していきますが、
役者の表情がどうしても見えにくい(ピンスポなどで当てられない)ので、終演後は印象に残りずらい。
最奥には語り手がタイプライターを打ちますが、これはアルベール・カミュの幻想?なのだろうか。
最初はタイピングの刻む音が心地よかったのだが、このシーンも長いと飽きますね。何してるのって。
ならば、プロジェクターでタイピングした文字を階段の白壁などに反映させるのも面白いかも。
姿見の使い方。照明の使い方など独自性は見られるものの、個人的にはもう一工夫欲しいです。
丹下左膳'23

丹下左膳'23

椿組

新宿花園神社境内特設ステージ(東京都)

2023/07/11 (火) ~ 2023/07/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/07/11 (火) 19:00

「姓は丹下、名は左膳」お決まりの科白が終演後も耳に残る。
真夏の夜、花園神社の野外劇・舞台初日にて約3時間の椿組公演を観ました。
近くに座っていたお客さんが「お祭りみたいで楽しいね」と一言。
そう、夏祭りには欠かせない太鼓と笛の音、キンキンに冷えた缶ビールとお茶が販売されて
劇団員からも直接買うことが出来ます。うちわで仰いでもやっぱり熱い!熱中症対策にお気を付けください。
以下、本公演の感想です。

ネタバレBOX

丹下左膳は大衆文学や時代劇などに登場する、左腕一本の架空の剣士。
時代劇を観るのは今回初めてだったが、想像以上に手が込んでいる舞台装置。
客席から役者がロープで降りて来たかと思えば、組み木の橋が崩れ落ちて龍蛇が現れるシーンは圧巻。
芝居はセリフ回しが古典的で、アンサンブル(乞食や一座)が一同に発すると言葉が聞き取りにくい。
(斉唱はむしろ音程がまばらな方が雰囲気があって良かった)
殺陣の演技が爽快で、皆が剣を持ち戦う場面は観ていて気持ちが良かった。
初演の1981年から42年、当時とは気温差もかなり大きいとは思うが
夏が来るたびに思い出せるような、季節を感じる1作品となった。
チョビ

チョビ

ここ風

シアター711(東京都)

2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/07/06 (木) 14:00

価格4,000円

主人公チョビを中心に繰り広げる「夏のひと夜」
舞台設定、配役、脚本・演出など総合してレベルが高いです。
他の舞台と何が違うのだろう…やはり台本と演出の流れが「自然」だからではないかな。
配役にも無理がなく、チョビの日常に各々の役たちが生きている風景を私たちが垣間見ている。
この世界観が「自然」だからこそ、徐々に感情移入して、最後は心がじんわり温かくなる。
今年の夏は良いスタートをきれました!

ネタバレBOX

シアター711の古典的な劇場と相まって、和室の舞台が映えますね。
カエルの泣く声、洗濯機の音、物語が始まりが本当に自然で映画の1シーンの様。
チョビの脚本は、話を強引に引っ張っていない所に品性を感じます。
例えば兄弟ではなく、養護施設で育った仲間たちであること。
施設が経営不振で、チョビ本人がなんとかお金を作ろうと里親の所へ養子縁組に入ったこと。
後に母親が経営していたレストランがどうなっていくか。川でおぼれた真意など。
場転の切り替えも現在と過去が分かりやすく自然なんです。よく練られた脚本だと思います。
或る女

或る女

演劇企画集団THE・ガジラ

シアター風姿花伝(東京都)

2023/06/30 (金) ~ 2023/07/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/07/06 (木) 18:30

大正時代の長編小説をお芝居にした内容です。
初見でしたが、3時間にも及ぶ超大作。休憩挟むけど長いね。
まるでオペラのような2幕編成ですが、音楽や歌唱の代わりに怒号や発狂。
舞台装置を叩く音やたばこの煙が臭い立つ、悍ましい世界観がそこにある。
主演を演じた早月葉子役は殆ど出っ放し。倉地三吉との掛け合いも凄いパワーを感じる作品でした。

ネタバレBOX

開場してから暗闇の中で少女がじっと佇んでいる。
止まない赤子の泣き声と、ぼんやり映る照明…ここは地獄だろうか。
早月葉子の狂った世界観がよく出ていたと思います。

芝居の内容はWikiで検索して頂くとして、
見事に原作を3時間でまとめ、重く抽出した癖の強い舞台でした。
薄暗い中での掛け合いなので、動きは多い様に見えて簡潔。
→煙草を吹かす。マッチでろうそくに火を付ける。お酒を飲む。
この3つの動きがやたらと多く、特に火をつけるシーンは観客の目線が明るい方向へ向くので
毎度毎度、少しくどい様にも感じます。

音響と舞台装置の使い方ですが、急な衝撃音・音量の大きさに最初ドキリとしました。
演出効果かなと容認するも、後々になって地下の扉を何回も開け閉めする音が気になってくる。
船の出入り口や、自宅の収納、移動通路など使い勝手が良いのは分かるけれど…繊細さに欠けるように感じた。
讃美歌の音量も気になります。何回も同じパターンで来られるとガサツに感じます。
何パターンかの入りは、弱めから入っても良いんじゃないかな。

あと私の個人的なところですが、1シーンくらいは明るい照明で役者たちの顔を観たかったです。
マリコの神像

マリコの神像

劇団森

早稲田大学学生会館(東京都)

2023/06/30 (金) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/06/30 (金) 19:00

早稲田大学公認の劇団森。
今回は花園というか、女子大サークルを観ている様な作品でした。
物語の中心となるのはフランス・リヨン地方のミッション系スクール(寄宿舎ものと呼ばれるそう)。
舞台そのものを額縁のように彩るプロセニアム・アーチが印象的。
視界を少し遮ることで、舞台の奥行を感じさせる工夫が感じられました。
音響も全てクラシック。ピアノやチェンバロの音色が心地よくステージとマッチしていました。

ネタバレBOX

まずチケットの予約が成立してから、お知らせ・行き方・当日変更点など、
決まったことを細かく何通も伝えて下さることに安心感がありました。
観劇する前からチームワークがしっかり出来ていると感じるので好印象。

芝居の内容ですが、開演時に「華麗なる大円舞曲」で華やかさ・盛上を狙うのであれば
8人も板付きがいる訳ですから、メインの台詞以外のキャストはもう少し動きが欲しいかな。
例えば小さい声でもガヤを入れるとか。小芝居を挟んでみても良いですね。
アーチや大道具等が殆ど木材だと思うので、声が吸引されている印象も受けました。

それからステンドガラスに映る影の演出、とても素敵で気に入りましたが
讃美歌312番だったかな?…歌うならもっと魅せた方が良いと思います。
最初から音源を使うのか。全員で影歌するか。
独唱なら今回のようだと自信がないようにしか映らないので、朗々と歌って頂きたいです。

脚本に関しては宝塚のような、女性ならではの詩的な台詞まわし。
哲学的な要素や言葉に品位を持たせている様子が、愛を慈悲深く高貴なものに感じさせます。
その一言一言に含みがあるように感じさせているように考えるけれど、
意外と内容は入ってこなかったです。万人受けは難しく、役者たちも理解して演じきるのは
ちょっとハードルがあるように感じました。まだまだ伸びしろがあると思います。
Hey ばあちゃん!テレビ点けて!

Hey ばあちゃん!テレビ点けて!

Bee×Piiぷろでゅーす

新宿スターフィールド(東京都)

2023/06/28 (水) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/30 (金) 14:00

エンタメ系のお笑い作品だと思って観始めましたが、
サチ子さんの第一声がとても良い声で、芝居にグッと引き込まれました。
声圧のある落ち着いた通る声。劇団の大黒柱ですね。

作品内容はとてもシンプル。説明欄にも記載されているように、
亡くなってしまったサチ子が夫の治の前にロボットとして現れる。
死んでからさせたかった100のコトをミッション形式にして、1つずつ家族や仲間たちと
協力して叶えて行く。それが治のためにもなっていき…あとは乞うご期待!

ネタバレBOX

オープ二ングでは、ダンスときらびやかな照明が物語の期待感を高める。
治とサチ子のテンポ感も観ていて飽きないが、特にサチ子さんの笑かすところ。落とすところ。泣かせるところ。
ロボットだけに表現が入っても役の土台がブレず、常に劇団員たちの中軸として機能している。
夫婦だけで成立して行けそうな濃さに、更にアクの強い脇たちが物語を固めます。
小劇場で比較的響きやすい会場に、若手俳優の張った声が少々ミスマッチだったかな。
張るところがあるのは勿論良いのですが、配役作りが殆ど同じように感じました。ノリが似ているというか。
サブキャストも誰が演じても同じようにならない繊細さが、芝居の中でもう少し感じられるともっと良いです。

最後にこの日は、主題歌を歌っている相澤香純さんのミニライブも入るラッキーデーでした。
相澤さんのことも初めて知りましたが、話し声は結構強い胸声なのに、歌声は頭声多めの柔らかい声質。
笑って泣いて、ほっこりしたてんこ盛りの内容だったので、5つ星付けさせて頂きます。
雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/15 (木) 19:30

オフ日でしたので、この時期にぴったりのテーマ作品を2本観てきました。
下北の「劇」小劇場。歴史を感じるローカルっぽい雰囲気が良いですね。
「雨の世界」は、星組を鑑賞。大嵐の中、訪ねた男とその館に住む雨男のお話。
何故、雨男が住んでいるのか。雨男とは何なのか。如何にして雨男になったのか。
ちょっぴりファンタジーで個人的にはこの不条理っぽい世界観、好きです。

ネタバレBOX

意外と嬉しいのが客席に置かれたエコバッグ。
舞台を観たぞって思い出せるし、プレゼント感があって良い案だと感じます。

小劇場ながら、イス→ドア→机→まっさら等、場転を台詞と共に上手に差替える手法は演出家の腕。
そして常時薄明り状態だった舞台に「最後の希望の光」とも言えるような、窓から指す光には
今までの物語って何だったんだろう…って笑ってしまう位の、感動がありました。
雨男の話自体に、面白くもそそられもしないけど、最初と最後の掴みが強烈だからこそ!
良い作品だったなって思ってしまう魔法があると思います。演出を称えるべき劇作。
Family~明けてほしくなかった梅雨~

Family~明けてほしくなかった梅雨~

ヒューマン・マーケット

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/06/13 (火) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/06/15 (木) 14:00

オフ日でしたので、この時期にぴったりのテーマ作品を2本観てきました。
「Family~明けてほしくなかった梅雨~」
タイトル通りの、家族や人間模様の日常風景を切り取ったような作風のドラマ演劇。
「Family」は初見でしたが、シリーズ化していて10作品ほどあるそうですね。
お話の前後を知らなかったので、最初はパンフと登場人物を照らし合わせながら観ていましたが、徐々に理解しました。
総じて良い人たちと言うか…アットホームな印象の劇団。主宰の船戸さんの和装姿も板についてますね。

ネタバレBOX

天井の広いコンクリートスタジオ。恐らく黒幕で覆われた客席側が本来のステージかな。
通路階段の真下に舞台があるのだが、そうなると途中で客の出入りが困難に…。
結果、公演中誰も途中で出入りが無かったのは救われたように思います。
階段の下は本当に大きな倉庫のようになっていて、雰囲気は抜群。本当にそこで働く従業員のように感じます。

お芝居の内容に関しては、ホームドラマに小さな事件が巻き起こる。
個性的な風貌の役者さんもいる中、これが休憩なしで2時間近いと流石に飽きます。
音響が全く無く、いきなりドラマが始まり、日常を客観して平穏に終わって行く。
恐らく脚本の中だけで物語が完結されていて、読むだけで想像出来てしまう内容だから
実際に舞台化すると何か尖ってないというか、平坦なステージになってしまうのかな。

個性と言えば、黒づくめの女は陰湿っぽくてハマり役ですね。
新興宗教に勧誘する幹部みたいな…台詞の間、高低の言いまわし等とても良かった。
ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/12 (月) 20:00

シアターミラクル最後の公演と言うことで、今回観られて良かったです。
ラブホテル(ホテル・ミラクル)の一室で繰り広げられる男女のロマンス劇。
「STAY ver.」と「REST ver.」があり、それぞれ短編劇が5本ずつ。今回は「STAY」を観劇しました。
俳優たちが体を張った多様な性の在り方。一度の過ち。片想い。割り切り。不倫。風俗。
欲望の街、歌舞伎町だからこそ映える!そんな一夜のアバンチュール的芝居です。

ネタバレBOX

短いシーンを5本分。基本的には2人芝居+αですが、
男女の営みやリアルな性生活の断片を垣間見た感じがして、表紙からも興味をそそられます。
舞台上がラブホの部屋になっていて、Wベッドとソファにイスとテーブル。
手前側にはお馴染みの冷蔵庫などが設置されていて、非常にリアル。
シアターミラクル内のコンクリートとマッチしていて、生々しい感じが良いです。

初見としては、1シーンのドラマを見ているかの様な雰囲気。
脚本としてはどれも面白かったが、ラストの章では無理矢理に前回までの物語を
こじつけたような言いまわしがあり、そこ出さなくても…と個人的には残念でした。

会場がサウナのように、観客と役者の湿度・温度が時間を追う毎に伝わってくるので
後半はすっかり集中力が切れ、飽きてきた感が否めません。
5話分観られるお得感も良いですが、2時間40分パイプ椅子に座りながら
ラブホ監視をするのも、なんだか滑稽で斬新でした。
引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/03 (土) 19:00

悪天候の後、交通機関の遅延などが心配されましたが
無事に上演時間に間に合いました。今回は「引き結び」の紬チームを観劇。
紬ぎ結ぶは命の糸…自分たちが今この場に居られるのは、遠い遠い血縁者のおかげ。
人間に生まれる確率が1400兆分の1から辿り辿って…と、コンセプトは壮大です。
開場から暖かい雰囲気で、前説あり物販ありの盛り上がりが熱いです!

以下、公演について

ネタバレBOX

主人公の一輝が、初めて出来た彼女(香澄)を妊娠させてしまう。
出産を覚悟した2人が互いの家族、友達、同居人の幽霊もろもろの絡みが
笑い・涙を織り成すコミカル作品。

そもそも少年漫画のような設定で、キャストの関係性と筋道を
ハッキリと認識出来る感覚になるまで時間がかかった。
個性派役者たちの、よく分からない新喜劇を見せられているような状態。
台本に統一感がなく、シンプルな物語に色んなネタを肉付けしている印象でした。
大衆的なエンターテインメントに近いかな。

役者陣は、総じて声を前に張ろうとする意識が強いです。
大きな小屋ではないのですが、音響は結構大きめ。そのせいもあるかもしれませんが
連日キャストの役者は喉を傷めやすいだろうと心配になりました。
若さ溢れるパワーに押されたせいか、終幕では生まれてきたかった命や
幽霊の正体とお別れのシーンに、切なく涙をさそわれました。癖強めの劇団です。
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界

La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界

劇団東京座

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/01 (木) 18:30

「La vita è bella」これは「Life is beautiful」のイタリア語。
「人生は美しい」と言う直訳の副題には「とある優等生と壊れた世界」
一筋縄ではいかない人生には、自分の思い通りにならない事が沢山ある。
思春期ならではの葛藤、自己同一性、両価的感情、恋愛感など
想像以上に生々しい描写が舞台上で表現される。シンプルだが奥深い。
イタリアオペラの持つ、知的でずる賢いイタリア人女性と詩的で情熱的なイタリア人男性。
これを田舎の青年たちに照らし合わせて観てみると、より良作に感じられると思います。

ネタバレBOX

一見、日本の田舎話と西洋音楽の組み合わせはミスマッチかと思いきや
青春群像劇をオペラ作品の音響と合わせたのは心が揺れました。良かったです。
段々と観客側が登場人物の世界に没入して行けるような作品かと思います。

「気になったこと」
冒頭部で声楽曲を音響効果に使うのは、ちょっと無いかな。
音量を下げても、オペラ歌手の声が役者よりも気になります。ドミンゴかな?デルモナコかな?
聡介くんの声と敵対してしまうので、発声がより映えるような選曲をすべきと思いました。

涼子さんの不倫時に入るQuando me'n voだったかな。
あの演出はマッチしていてエロい。脳に刻まれるシーンです。

何度か出てくる聡介くんの弾き語り。
コードが合ってないフレーズが何か所かあって、個人的に気になりました。
せっかく泣ける所なのに成立してないコードで歌が入るとざわざわします。
声楽曲やクラシック音楽をモチーフにしているので、劇中曲も合唱曲のような
選曲にした方が統一感が出るのかなとも感じました。
アクターズハイ

アクターズハイ

LUCKUP

劇場MOMO(東京都)

2023/05/10 (水) ~ 2023/05/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/05/11 (木) 14:00

「アクターズハイ」
俳優が役を演じる(生きる)事により、強い幸福感や高揚感を得る。
演じ切った後のエネルギーのような感覚でしょうか。
主人公であるトニーと彼を取り巻く、新選組たちの多様な人間模様が垣間見れる本作品。
売れない俳優の手にした天国と地獄の悲喜劇を、本日は小劇場MOMOにて観劇しました。

ネタバレBOX

作品名が良いですよね…「アクターズハイ」。
恐らく「ランナーズハイ」が語源かなって思いますが、タイトルのチョイスが素晴らしい。
主役の新井將さん。とにかくデカい!彼の身振り手振りと表情は魅入ってしまいます。
「舞台映え」という言葉がありますが、主役がこんなに目立つ舞台は久しぶりでした。
悪役もどんどんやって欲しいです。映えるんじゃないかな。

内容に関しては「芝居が分かる」と言うことが重要だと思います。
初見でしたが、物語の伏線拾いが難しかった。
だからって何回も観たいほど魅入ってしまう物語かと聞かれると難しい。
小劇場に13名役者を配置したのはインパクトがあるものの、歓喜や悲観、嘲笑する場面など
どうしてもオーバーアクションになってしまい、俯瞰するとチープに見えました。
あの芝居を今回の小屋でやるなら、13名も招集する意味はあったのかな…。

事務所側の都合もあるとは思いますが、当日券¥6,000⁻はちょっと高いよ。
金額設定に対する舞台装置。作品内容を加味して個人的な評価とさせて頂きました。

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