1
少年は銃を抱く(満員御礼で終了しました。御感想お待ちしています)
MU
ハセガワアユムさん渾身の戯曲。小沢道成×斉藤マッチュという実力派俳優を主演に、少年期独特の切なさや色気で魅せてくれました。マッチュさん演じる晴臣が制服姿で教師に銃を突きつけるクライマックスが秀逸。脇も魅力のある実力派俳優達が確りと固め、MU独特のキレキレのフェティッシュを存分に堪能。
2
従軍中のウィトゲンシュタインが(略)
Théâtre des Annales
戦時下で極限状態にいる兵士達の、生死の狭間で「生きる」心理表現が壮絶。自殺願望に苛まれながら哲学を導き出す過程で、同時に「生」への希望を芽生えさせる様が、鈍色の世界で花が咲くように鮮やかだった。脚本・演出・俳優はもとより、美術や照明等舞台を構成する何もかもが重厚かつ緻密。凱旋公演も観ます。
3
追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場という広い舞台でもあの濃密な空気感で圧倒。美術も照明も美しく、あの広い空間全体がチョコレートケーキのものと化していました。なお、年末の『ラインの向こう』は全く違う雰囲気で、パンダラコンチャンと創り上げたものとはいえ、劇チョコの良さは発揮できていなかったように思います。アリランが圧倒的だったので、こちらの路線で突き進んでほしいなと勝手ながら思います。
4
もっと超越した所へ。
月刊「根本宗子」
初めて観た根本宗子さんの本公演。こんなにも等身大でこんなにも面白い演劇を作れるその才能に脱帽です。カーテンコールを待たずに拍手が起こるお芝居は初めて。終盤、楽しすぎて涙が出ました。
5
彼らの敵
ミナモザ
役者の大原さん曰く「載せるエンジンが違う」お芝居。主演の西尾さんは特に凄まじく、人ひとりの壮絶な人生を背負って芝居中に人相さえも変わっていました。読売演劇大賞の候補になってもおかしくない秀作。
6
悲しみを聴く石
風姿花伝プロデュース
戦時下のイスラムを舞台に、一人の女性の独白を通して戦争や男尊女卑等様々な悲しみを通して「人間」を目撃させられました。照明や美術の研ぎ澄まされた美しさのクオリティも高く、奇跡のような演劇とはこのことを言うのだなと思わされる珠玉の舞台でした。
7
さようなら、どらま館
ろりえ
大好きなろりえがついに宇宙に。岡野さんとみのりちゃんの温かな愛に泣き笑い。作演の奥山さんの人間に対する優しい視線が見えるような作品で、またひとつろりえから素敵な思い出をいただきました。ろりえと出会って5年。ずっと観たい劇団です。
8
すばらしい日だ金がいる
アマヤドリ
鬱に関する考察にのめり込んで観てしまいました。アマヤドリの物語はいつも難解ですが、この作品はスルスルと心に入り込んできて沢山のことを考えさせられました。日本人の10人に1人は鬱と聞きます。避けられない社会問題として、いざとなったら自分に何が出来るのだろう・・・。
9
文化祭大作戦
20歳の国
ダサかっこいい学園モノの中にハムレットの劇中劇、そのクライマックスが長くて幸せでした。私にとって20歳の劇団は終始楽しく観られる貴重な存在。甘酸っぱい青春を描く演劇に、これからも期待をしています。
10
ナイゲン(全国版)
Aga-risk Entertainment
伝説の演目をやっと観られました。コメディをあまり観る機会はないのですが、笑いの時間をその空間にいる人達と共有する一体感が素晴らしく、コメディの良さを知った思いです。このキャストでの再演は年齢的にもう難しいとのことですが、元学校のにしすがも創造舎でこの演目を観られて良かったです。