1
治天ノ君
劇団チョコレートケーキ
当劇団の公演は他に「あの記憶の記録」「起て、飢えたる者よ」を拝見していてそちらも素晴らしいクオリティでしたが、この演目を選んだのは演劇として完璧すぎるほど完璧な上に、時代考証に忠実(であると思われる)美術や衣装がこれまでになくフェティッシュで私好みだったから。次回作でこれを超えられるのかと思えるほど完成された演劇でした。
2
国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~
アロッタファジャイナ
新国立劇場小劇場。素舞台で、客席まで縦横無尽に駆け回る役者さん達の「人間力」が圧倒的。シンプルなのにフェティッシュ感溢れる演出、脚本に載せられた密度の濃い思想、そしてそれを後世に広く受け継がれるほどの一生を見事に演じきった最澄役の遠藤雄弥くんに感服。
3
淡仙女
あやめ十八番
堀越涼さんの演出は他に類を観ないユニークなもので、観る人を幸せにする温かなもの。作品のクォリティはもとより、私の人生に大きく関わってくれた大切な大切なこの舞台、どんな風に関わってくれたのか、口にしたら壊れそうで・・・思いをそっと宝箱にしまっておきたい。大切な人にだけ伝えたい。そんな珠玉の作品でした。
4
怪誕身毒丸
花組芝居
立役・女形ともに紋付袴で統一された衣装、シンプルな美術。匂い立つようなフェティッシュ感に溢れた神話モチーフの物語で、役者さん達の麗しさに見惚れながら過ぎる時間の早いこと早いこと。これが26年続く劇団の力か、と。座長の加納幸和さんは人間とは思えない存在感。まあそしてやっぱり、堀越涼さんが素敵。男性的な振付で踊る姿にも釘付けです。ちなみにリーディング公演「婦系図」も素敵でした。
5
アクアリウム
DULL-COLORED POP
今まで演出家としての谷さんの力量に引き付けられて観てきたダルカラですが、今回、脚本の魅力にも強烈に引き付けられました。尖った部分はそのままに、笑いの中にもどこか闇を感じる、既存の枠には収めることのない、深く複雑な脚本。すみませんやっぱり私ごときではこの脚本の魅力を伝えることは出来ません><とにかく極上の演劇。12月は多忙でリピートできず残念でした。。
6
『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)
アマヤドリ
「月の剥がれる」もかなり好きでしたが、完成度ではこちらの公演、特に「太陽とサヨナラ」に軍配。太陽の化身・シャイを演じた糸山さんの驚異の身体能力、そしてシャイのツンデレ(と書くと軽く聞こえてしまいますが、)キャラに胸キュン(とこれまた軽い書き方ですが、)。広田さんの描く世界には難解ながらもいつも虜にさせられ、舞台の上の役者さん達の清らかさに心を洗われます。みなさん本当は妖精なんじゃないかと思ってしまうほど。
7
あんかけフラミンゴ11【ご来場ありがとうございました】
あんかけフラミンゴ
愛し合っているのに決して寄り添えない男女の、壮絶なまでの純愛。観ていて震えが止まらず、終演後にロビーで大号泣をしてしまいました。今回、作家としての島田さんを強く意識しました。これからも島田さんの作る演劇を見続けたいです。ちなみに笹木皓太くんが佐藤佐吉賞主演男優賞ノミネート。これからも目が離せない劇団です。
8
で・あること
明治大学実験劇場
狂気で描かれるタブー満載の芝居に、クライマックスから終演まで動悸が止まりませんでした。作演出の金子鈴幸くんの将来性は計り知れず、きっと演劇に映画に所狭しと芸能界を駆け回るのではという予感。学生のレベルではありません。凄まじかったです。
9
木
ろりえ
大好き。ろりえ大好き。奥山さん作演出の独特の空気感が本当に本当に大好きで、いつも最初から最後まで目をウルウルさせながら観ちゃいます。2時間で描かれた一人の男性の人生。見た目は全然違うのに、ちゃんと繋がっていて最後には太った髭の人がちゃんとあの美少年の成長した姿に見える・・・絵面は爆笑なのに涙を流してしまう、ろりえワールドは今回も健在。ああ、ろりえ大好き。
10
花園
20歳の国
「保健体育」とどちらにしようか迷ったのですが、当劇団初見の衝撃でこちらを。誰もが胸を焦がせる青春物としての楽しさ面白さはもちろん、作演出の竜史さんと役者陣との強い絆・竜史さんの演劇への思いや思想までもがひしひしと伝わってくる、そしてその熱量の高さがちゃんと実を結んでいた素晴らしい舞台でした。