jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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そこまで言わんでモリエール

そこまで言わんでモリエール

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/21 (水) 19:30

 笑える社会派と言えば、東の「チャリT」,西の「笑の内閣」と言うべきところだが、今回は、社会派的要素は若干少なくなっている。主宰で作・演出の高間が、立憲民主党から選挙に出る可能性があるということで、一定程度史実に基いたモリエールの物語を展開する。それだけの制約がありつつも、時事ネタも入れて笑わせる作品に仕上げるあたりは見事だと思う。特に、最後に高間が出てきて現実に戻す場面などは面白いのだが、やはり、社会派に徹してほしいという気はしないでもない。

『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/27 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/20 (火) 19:30

 『眼球綺譚』TTSを観た。怖かった(-_-;)。綾辻行人のホラー小説を朗読用に戯曲化して朗読の上演。「言葉の楽譜」と呼ばれる独自の脚本、だそうだが、役者の言葉を聞いているだけで怖くなる、というのは、脚本の力と役者の力量の両方が必要だと思うし、それをそう感じさせるだけの仕掛けが出来上がっていたのだと思う。久々に観た(聞いた)大島朋恵を初めとして、役者陣の存在感もしっかりしていた。

贋作 桜の森の満開の下

贋作 桜の森の満開の下

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2018/11/03 (土) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/18 (日) 14:00

 1日置いて3度目の観劇。前から2列目という強烈な席で、役者の表情がよく見える。他の役はともかく、深津の夜長姫は遠目だと表情が見えなかったのだが、今回よく見て、しっかり演技しているのが分かる。

贋作 桜の森の満開の下

贋作 桜の森の満開の下

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2018/11/03 (土) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/16 (金) 19:00

 2度目の観劇だが、1回目は9月でフランスに行く前だったので、印象が大分変わった。全体にこなれてきていて、役者が役を更に自分のものにしている感じが出ている。物語の壮大さに改めて圧倒される。

四つの理由

四つの理由

よしもとクリエイティブ・エージェンシー

あうるすぽっと(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/17 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/16 (金) 14:30

 久々に後藤ひろひと大王の芝居を見たが、やはり面白かった。17年前に、同じキャストでやった芝居ということだが、大王の作劇は時代を超えて巧みに笑わせてくれる。血液型に関する4つのコントを巧くつなげて80分。物足りない感じもあったが、クスクス笑って過ごした。大路恵美が17年前にも出ていたということは、26歳での出演ということになるので驚いた。

サンザル、月をとる。

サンザル、月をとる。

電動夏子安置システム

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2018/11/13 (火) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/14 (水) 19:30

 ロジカル・コメディの雄、電夏が少し新しいパターンに入ったかのように思う。とあるアパートの1室を舞台に、奇妙なツールを使った、コミュニケーションの擦れ違いを見せる、「擦れ違い」パターンだが、死者が多く出るのと、親子の話題が多いあたりは新しい。劇団員以外は「初めまして」の役者が多いが、電夏ワールドはシッカリ構築されていて、確実に笑える。むしろ、いつもより分かりやすい作品かもしれない。ちょっと切ない終わり方もいい。今回は新野アコヤが大活躍である。

The Silver Tassie 銀杯

The Silver Tassie 銀杯

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2018/11/09 (金) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/13 (火) 18:30

 不思議な舞台だった。アイルランドのショーン・オケーシーの作品の本邦初演で、反戦悲喜劇と書かれているが、確かに、そういう作品ではあった。4幕仕立ての戯曲を、1幕と2幕、3幕と4幕と休憩1回を挟んでの上演だが、1幕で輝いていた男たちが、2幕の戦争のシーンを経て、帰還後の3・4幕で全く違った人生を送るようになる、という、ある意味で分かりやすい流れではある。だが、時代のせいもあってか登場人物の内面の変化の要因が今一つ分かりやすくなく、そこが芝居に入り込めない状況を産んでいるのが惜しい。
 ジャニーズお決まりの3回のカーテンコールで3回目はスタンディングというような舞台ではなかったと思う(そうやっていた観客は少なくなかった)。

遺産

遺産

劇団チョコレートケーキ

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2018/11/07 (水) ~ 2018/11/15 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/09 (金) 19:00

 10月の『ドキュメンタリー』と対をなす形の、731部隊を正面から扱った快作。かつて731部隊にいた老医師の死の直前(1990年)と、敗戦を目前にした731部隊の時代(1945年)の間で、時間軸が交互に動くが、正面から扱っただけに物語が、当時の表現が重いのは確か。老医師の死で、若い医師が立ち上がろうとするが…、という物語はよくあるが、その結末を観客に委ねるというのは、ある意味で大事な選択をしたように思う。紅一点の李丹が中国人の女マルタ役で出ているが、その存在感は重要。

さよならはここにいる

さよならはここにいる

こゆび侍

王子小劇場(東京都)

2018/11/07 (水) ~ 2018/11/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/07 (水) 19:30

 2年ぶりの「こゆび侍」の本公演は、少しテイストが変わった作品だった。開演前にパンフレットを見ると、同じ「一子」の3世代を別の役者が演じ、3世代の物語だということが分かる。書道教室の先生をする母の後を継ぐことになる一子の高校時代・30代・40代の物語だが、なぜか30代の一子にだけ高校生の時に事故で死んだ少年の幽霊が現れる……。失われたもの,失われていくものへの郷愁と、新しい生活への少しの希望とが混じり合い、何とも言えない感触の舞台になっていた。初日からダブルコール。

テツガクするキカイ

テツガクするキカイ

888企劃

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2018/10/31 (水) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/04 (日) 14:00

 チラシに「アシモフのロボット3原則」と書かれていたので、観に行った。ちょっと残念な芝居だった。舞台中央のカーテンを開けると、ガールズバーで語る男とバーテンの女。カーテンを閉めて、近未来のAIに関わる物語が展開されるのだが、やや薄っぺらな知識で脚本が書かれている印象がある(あえてそう思わせているのなら凄いが)。AI=ロボットではないし、「哲学」と行っているのは哲学(的思索)の結果であり、方法論としての哲学でない、等、ツッコミ所がいっぱいある。暗転が多いのも気になるし、つまらないダジャレや、過剰に異常に見せる演技も邪魔に思える。着眼点は悪くないのだが、勿体ない。それでも、笑って満足する客が多いらしいのだが、そこが劇団にとっては不幸かもしれない。

パンセク♡

パンセク♡

カミナリフラッシュバックス

千本桜ホール(東京都)

2018/10/31 (水) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/02 (金) 19:30

 ニシオカ脚本の作品を観たことはあるが、本劇団は初見。何かいい芝居だった。パンセクという言葉は知らなかったが、LGBTを真剣に扱って、笑いあり、ちょっと泣かせる流れあり、の巧い作劇になっている。LGBTの扱い方については異論のある人もいるだろうが、ある立場に立たねば書けないだろうし、ややご都合主義的展開もコメディということで許せる範囲だと思う。役者陣も丁寧な演技である。

七本の色鉛筆【劇 えうれか】

七本の色鉛筆【劇 えうれか】

劇 えうれか

SPACE EDGE(東京都)

2018/11/01 (木) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/01 (木) 19:00

 矢代静一が1972年に書いた戯曲だが、何回も上演されているらしい。田園調布に住む大学教授とその娘たち7人を軸とした作品だが、7人がそれぞれのキャラクターを演じて、それなりの物語を描く。だが、たとえば末娘が修道女になる、というのが、ごく自然に受け入れられる家庭というのはどういう家庭か、と考えてみると、現実を描くというより、ファンタジーに近い感触の戯曲と観るべきではないかと思った。終盤は、ストーリーテラーの次女と双子の六女・七女の物語で、エンディングはちょっと切ない。生演奏を入れた工夫は買うが、それで休憩込み2時間45分というのはシンドイ。

『ソウル市民』『ソウル市民1919』

『ソウル市民』『ソウル市民1919』

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/10/14 (日) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/31 (水) 19:30

 『ソウル市民1919』を観た。本編から10年後だが、舞台は同じ家の同じ居間。オルガンがあるなど、一部変わっているが、基本的には変わっていない場所で、やはりさまざまな出来事が起きるものの、ある一家の日常が淡々と紡がれる。本編に比べて、「朝鮮」「朝鮮人」という言葉が頻繁に使われ、三・一独立運動の当日という設定なので、支配-非支配の関係に気づきやすいとは言える。

虹をみたかい?

虹をみたかい?

文月堂

劇場MOMO(東京都)

2018/10/30 (火) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/30 (火) 19:30

 ヒットである。児童養護施設で育った7人と、その周辺の人々の群像劇。30年前に児童養護施設で一緒に暮らした人々が、現代に集まって過去を振り返る…、という芝居で、時間軸は30年前と現在を行き来する。文月堂馴染みの役者陣をメインに集め、三谷の得意とする人間を信じる作劇が展開され、最後は美しいエンディングである。気持ちよく観ることができた110分だった。30年前の「自粛」が昭和天皇崩御直前ということが分からないと、ちょっと理解しづらい部分があるのは勿体ない。

『ソウル市民』『ソウル市民1919』

『ソウル市民』『ソウル市民1919』

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/10/14 (日) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/30 (火) 14:30

 『ソウル市民』を観た。平田オリザの代表作の一つで何回も再演されているそうだが、個人的には初見。日韓併合前年のソウルの、とある家族の居間のみで展開される芝居。いろいろな出来事が起きるが、大事件というわけではなく、淡々と日常が展開される、平田の「静かな演劇」の典型とも言えるだろうか。支配-非支配の関係に思いを及ぼすべきなのだろうが、残念ながら、それが見えるだけの観劇眼は私にはなかったとしか言いようがない。

美しい村

美しい村

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/26 (金) 19:30

 緊張感はある舞台だった。実話ベースとのことだが、元の事件はちょっと調べても分からなかった。十七戦地の柳井の脚本だが、タテヨコの方向性とは少し違うのではないかという気もした。冤罪が生まれる「村」社会を扱いたいのか、人間の「業」を扱いたいのか、やや明確でない印象が惜しい。それでも緊張感を維持できるのは、役者陣の力量と言えるだろうか。

ライク・ア・ファーザー

ライク・ア・ファーザー

自転車キンクリーツカンパニー

OFF OFFシアター(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/31 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/25 (木) 19:00

 ベタにはベタなりの良さがあるという芝居だった。電車に飛び込もうとする男(久松信美)を助ける、男女2人(樋渡真司・歌川椎子)。実は幽霊の2人だが、男の方は娘(内田亜希子)に心残りがあって…、という物語を、ひたすらベタな展開で送る。歴史あるユニットだが、ベテラン勢と力量ある若手が巧くマッチして、気持ちの良い舞台になっている。ベタはベタだが、ベタにはベタなりの良さがあるということを改めて痛感させる舞台だった。ただし、チラシ等に書かれている物語とは全然違うというのは、ちょっと別な意味で期待外れとも言える。

背に描いたシアワセ

背に描いたシアワセ

やみ・あがりシアター

APOCシアター(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/30 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/24 (水) 19:30

 巧妙な作劇だった。新婚の「わたし」は、脱サラして郊外に引っ越した「旦那」の親の家で甘い新婚生活を始めるが、脱サラに失敗した舅・姑・義妹と同居する破目になり、嫁姑の戦いが始まる。そこに、「わたし」の友人、旦那の幼馴染み、コーヒー豆の販売員などがからみ、「わたし」の秘密が明らかになるが…、という物語。昭和の三種の神器「冷蔵庫」「洗濯機」「カラーTV」を自慢する「わたし」のセリフから、昭和の物語かと思うと、スマホも出てきて時代が分からなくなるが、それこそが秘密のヒントという脚本が巧みだ。ただし、これはこの劇団のスタイルなので、しょうがないのだが、芝居のテンポは感心しない。それと、タイトルは余り活きていない気がして勿体ない。

わたし、と戦争

わたし、と戦争

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/24 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/23 (火) 19:00

 流山児事務所にとっても、作・演出の瀬戸山にとっても、珍しい作劇となっていたように思う。日本に軍隊ができ、男性に徴兵制が敷かれ女性も軍隊に入る近未来。戦争に行くこと/行ってきたことを、男女3人の個人的な物語として描く。社会派と呼ばれる瀬戸山だが、徹底的に個人の物語として社会を描くのに成功していて、タイトルが、その意図を表している。瀬戸山を起用した流山児事務所も、役者のしっかりした力量が芝居を支えている。メインの林田は、役者としてまた成長したところを見せていると思う。

古書パラレル浪漫譚

古書パラレル浪漫譚

はらぺこペンギン!

神保町花月(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/21 (日) 14:00

 古書店を舞台にパラレルワールドを扱って、ロマンチックに終わる、まさにタイトル通りの芝居だった。最初の内は、辻褄が合わない物語に???となったが、パラレルワールドものと分かると腑に落ちる。いくつかの恋愛や親子の愛情の物語が絡み合うのだが、パラレルワールドを逆手に取っての解決は見事で、脚本がよくできていると言える。役者陣も好演で、見ていて楽しい舞台だった。

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