満足度★★★★
鑑賞日2019/05/07 (火) 19:30
ロジカル・コメディの雄、電夏だが、本作では社会派の色合いを出しているのが興味深い。帝銀事件と思われる戦後の時代を背景に、出版社のさまざまな対応をコミカルに描きつつも、メディアの役割を問うかのような作りは珍しい。一種の夢落ちとも言える部分はあるけれど、電夏らしい「擦れ違い」「ダブル・ミーニング」を活かした作劇は相変わらず巧み。演出にレトロノートの中村公平を招いて、若干テイストが変わった印象もなくはないが、楽しめる112分だった。新たな劇団員も頑張ってて、良い意味での新陳代謝が進んでいるが、久々に出演した、なしお成の健闘が嬉しい。