公演情報
「尾を咥えたり愚者の口」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
ルールの明示がある完全なるシチュエーションコメディ
しかしミステリーのような小説のような物語性がとても強く
笑いながらも序中盤に振りまかれた伏線要素がどう収束するのか引き込まれる
帝銀事件をモチーフにしながら謎を解き謎を残す良い作品
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/10 (金)
下北沢・駅前劇場にて電動夏子安置システム『尾を咥えたり愚者の口』を観劇。
一度見聞きしたら記憶に残るインパクトの強い劇団名を冠する電夏さんの作品観劇は昨年11月の『サンザル、月をとる。』以来、半年ぶり2回目。前回は予備知識ゼロで伺い、前座からの異様な盛り上がり、開演直後の大拍手などその独特なシステムに戸惑いましたが、2回目の今回もやはり戸惑い…。それだけ個性的な幕開けをする電動さん。2回目ではまだまだ慣れず戸惑いは隠せませんでしたが、個性的で悪くないと感じました。開演時間が数分遅れても、終演時間は定刻を目指すというシステムもユニークで面白い。観客を楽しませることに長けている団体であると改めて感じました。
本編は1948年、都内の銀行で不可解な毒殺事件があった年が舞台。一見すると真面目な社会派作品であるかのような印象も受けましたが、それ以上に劇団のスタンスであるコメディ要素が強く反映され、基本的には笑いシーンが目立った120分でした。「表現の自由」は今も昔も変わらない。様々な圧力や規制があるのも確かですが、表現の自由は守られても良いことなのではないかと感じました。前作同様、今回もお笑い芸人・アンジャッシュさんのスレ違いネタを彷彿とさせるようなシーンもあって面白かったですし、駅前劇場の横に長い舞台空間を生かしたようなよく創り込まれた舞台セットも良かったです。
強引過ぎる笑いシーンや、小劇場でのお芝居にしてはやたらと声を張り上げての演技など聞き取りにくく若干疲れるシーンもあったのは確かですが、個性豊かな顔ぶれのキャストさんの熱演は見応えがありました。中でも前座からテンションMAXだった道井良樹さん、なかなか威圧感のあったドロンズ石本さんなど印象的でした。
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/07 (火) 19:30
価格3,700円
昭和の真っ只中、とある出版社の文芸部を中心に、当時起きた事件や訪れる人々が織り成す物語。
いつもながら構成が緻密。「さっきの場でウワサに出ていたのはこの人?」とか「あの人って実はその人の〇〇じゃないの?」とあちこちが結びついたりそう思わせて実は違ったりとかのバランスが巧み。もう「This is 電夏!」な感じ。
また、出版社が舞台だけに表現の自由、検閲、自粛などイマの現実にもチクリとすることが含まれているのもいかにも。
大好きな「胡蝶の夢」モチーフもイイ。そう言えば冒頭場面、当日パンフレットにある役の説明・配役と異なる人物たちで始まるのもトリッキーで面白い。
満足度★★★★
劇団名は言はずもがな劇タイトルも独自思考が滲む劇団(個人の感想)を初観劇。
予想に反して役者力あり、エンタメ性あり、もっとも解読困難な混み入ったストーリー、だが娯楽重視らしく「物語」は役者の飛躍からステロへ着地する演技と雰囲気をヒントに、流れに乗って観られる。
作劇は、相互に微妙な接点のある5、6組の対話(ほぼ2人一組)がリレーしながら快速で走行、数組の逸話がどう繋がるのか判らずもどかしいまま、しかも二つの異なる次元(時代)を跨ぎながら場面としては隣接して展開し、その事態の観察者であり渦中から脱しようとする者(主人公的グループ)が、今見ている場がどの次元の話なのかが判らないらしいという事が観客に判るまでの滞空時間も結構長い。事態は冒頭より何やらドラマティックに、面白おかしく展開するが、事態の推移は見守るしかなく、思わせ振りでクリアな演技で役者らがこの滞空時間を甲斐甲斐しく繋ぐ訳である。
ミステリーな物語の裂け目から世相への皮肉が覗き、馬鹿馬鹿しい騒ぎの末絡まりに絡まった糸が解けると、元来利害相容れない者らが(図らずして)困難を共に克服して大団円を迎えるという、「構造」だけは王道、テイストはかなりの程度亜種な人情喜劇。
満足度★★★★
■約120分■
検閲がまかり通っていた帝銀事件発生当時の日本と今の日本は似ているのでは?と問いかけてくる風刺的一作。社会色を打ち出す一方、アンジャッシュのコントのようなわかりやすい行き違いギャグも例によってふんだんで、今回も笑ったけれど、入れ子になっている二世界がどんな関係にあるのかをはじめ、今作はいつにも増して不明瞭な部分が多く、観ていて少しもどかしかった。
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/07 (火) 19:30
ロジカル・コメディの雄、電夏だが、本作では社会派の色合いを出しているのが興味深い。帝銀事件と思われる戦後の時代を背景に、出版社のさまざまな対応をコミカルに描きつつも、メディアの役割を問うかのような作りは珍しい。一種の夢落ちとも言える部分はあるけれど、電夏らしい「擦れ違い」「ダブル・ミーニング」を活かした作劇は相変わらず巧み。演出にレトロノートの中村公平を招いて、若干テイストが変わった印象もなくはないが、楽しめる112分だった。新たな劇団員も頑張ってて、良い意味での新陳代謝が進んでいるが、久々に出演した、なしお成の健闘が嬉しい。