歳月/動員挿話【3/28-29公演中止】
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2020/03/17 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了
バロック
鵺的(ぬえてき)
ザ・スズナリ(東京都)
2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
物語の設定が前回観たものの続編のように見えるが、今回はゴシックホラー風、それも舞台ならではの上質で格調高いホラーで、期待を裏切らない。
すべてうす暗い屋敷の中のシーンで、逆光が多く、後方の客席で見ていると俳優の顔が最後までよく見えなかったが、それがかえってじわじわとした恐怖を高める。
田所さんのキャラというか役割が途中で変わってしまう感じがしたが・・・。その役割はNPOの人ではなかったの?と。
亡者の時代
タテヨコ企画
小劇場B1(東京都)
2020/03/04 (水) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
「帽子と預言者」 「鳥が鳴き止む時-占領下のラマッラ-」
名取事務所
「劇」小劇場(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
後半の「鳥が鳴き止む時・・・」は、ベテラン俳優の巧さに感嘆させられる。前半の「帽子・・・」は、パレスチナ問題と重ねて理解しようとすると意味がはかりかねたが、純粋に不条理劇として観ると面白い。カフカふうの始まりから奇妙な物語がどんどん展開していくが、肝心なものがついぞよくわからず、迷宮の中に置き去りにされてしまうような感覚が、不条理劇鑑賞として何とも楽しい。
悪霊
CEDAR
シアター風姿花伝(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/29 (水)公演終了
満足度★★★★
「群盗」に次いで、この劇団は2度目だが、今度はドストエフスキーのこの作品を取りあげたか、と。重厚でオーソドックスな演出で、台本によるのかもしれないが、物語の流れがわかりやすく、俳優たちも、総じて良く演じていた。この劇団の重厚な舞台をまた観たい。
蜜の沼
Lumeto
OFF OFFシアター(東京都)
2020/01/16 (木) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
優しさや暖かな眼差しが感じられる台本でホッとさせられる。
主役の一方だけダブルキャストになっているが、あのテンションのキャラクターだと、一人の役者が全回演じるのはかなりきついだろうなと思えた。両バージョン観てみたかった。
雉はじめて鳴く
劇団俳優座
俳優座劇場(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
赤子はゆりかごの中で
IN EASY MOTION
シアター711(東京都)
2020/01/07 (火) ~ 2020/01/12 (日)公演終了
Crime - 1st -
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2019/12/21 (土) ~ 2019/12/27 (金)公演終了
タージマハルの衛兵
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2019/12/02 (月) ~ 2019/12/23 (月)公演終了
モジョ ミキボー
イマシバシノアヤウサ
シアタートラム(東京都)
2019/12/14 (土) ~ 2019/12/21 (土)公演終了
満足度★★★★
ベテラン俳優一歩手前ぐらいの二人の俳優が、少年になって広い舞台を動き回る。それぞれ何役も兼ねているが、役を切り替えるときの強引さもおもしろい。
餌
TinT!
新宿スターフィールド(東京都)
2019/12/11 (水) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
多重人格がモチーフになっている作品は過去にも見たことがあってそれはミステリー仕立てであったが、これはもっとヒューマンな内容。
人の生き方のテーマと多重人格ひいては虐待の問題をこのように絡めてくるとは、よくできた台本で、ツボを得ており、観劇の喜びを素直に味わわせてくれる。次に期待できる。
メモリアル
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2019/12/03 (火) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
外国の作家でこういう実験的な作品はいくつか観たことがあるが、これは日本人の作家。だから、某宗教団体のブラックな小ネタなど日本の事情が揶揄される。
こういう演劇も見慣れてくるとそれなりに楽しめる。筋道の通るストーリー展開は感じられないが、個々のセリフは妙に具体的で、それを聞いた瞬間だけ成立する意味のイメージや連想する日常の出来事の記憶が浮かんでは消え、うつろな夢を見ているような気分になる。
8月のオーセージ
劇団昴
Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)
2019/12/05 (木) ~ 2019/12/18 (水)公演終了
満足度★★★★★
芝居としてはよくある家族の葛藤と秘密の物語だが、その家族の女性たちは極端にシニカルで盛大にキれていてとにかくうるさい。パンフレットに書いてあるとおりブラックな作品で、シリアスだからかえって可笑しくて笑いが生まれる。
幅のある劇場空間の使い方が興味深い。俳優たちもうまいという印象。最初のほうで家族の名前だけがバンバン出てきて誰のことかわからないので、事前にパンフレットの相関図を見て家族の名前を頭に入れておいたほうがとっつきやすいか。
フィクション
JACROW
駅前劇場(東京都)
2019/12/04 (水) ~ 2019/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★
東京五輪に絡める必要はなく、典型的なデフレ経済下(リーマンショック後長らく、とくに地方はこんな感じだった)で人々の心が萎縮していることが背景にある3つの物語。
それぞれのストーリーは深刻になりすぎず、掛け合いで笑いもとる。熟キャバの場所もリアル。
あの出来事
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2019/11/13 (水) ~ 2019/11/26 (火)公演終了
満足度★★★★
この作品の着想の元となったという事件のことについて、知っておいたほうが理解しやすいかもしれない。でもその事件を具体的に用いた内容ではなく、ずいぶん変形され抽象化されている。
主人公の内面の葛藤や分裂が示された対話による多数のエピソードが、一見前後のつながりなく並べられていて、難解な印象はある。最初からそういうものと思って観れば、そういう演劇を観慣れている人なら、合唱団の使い方が古典ギリシア演劇を連想させる点や、観る者の想像力に依存する非具象的な演出などを楽しめると思う。
インコグニート
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2019/11/12 (火) ~ 2019/11/24 (日)公演終了
ドイツの犬
演劇企画体ツツガムシ
シアター風姿花伝(東京都)
2019/10/31 (木) ~ 2019/11/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
あちら側とこちら側、という単純な構図でなく、複雑で深みのあるストーリーで、普遍性のある人間の物語と感じさせる。アーチ型の回廊のような舞台セットも印象深い。
当日パンフレットにあった「現政権」云々は、作品のもつ普遍性を弱めてしまい、かえって作品の鑑賞を妨げてしまう気がする。
燃えつきる荒野
ピープルシアター
シアターX(東京都)
2019/10/30 (水) ~ 2019/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★
日本近代史の中で最もきな臭い時期、それも満州を舞台にした三部作の完結編だが、今回、後半ほど展開をはしょった感があった。この時代の歴史に詳しい人、好きな人でないとついていきにくいと思う。3年かけて三部作として上演してきたんだし、どうせなら、今回、休憩を2回ぐらい入れて3時間半ぐらい時間をかけてじっくり最後の物語を進めて欲しかった。ただ、非常に複雑で硬派な内容だけに、そんなことをしていたら興業として成り立たないのだろう。
荒涼とした草原を意識したような舞台セットが印象深い。俳優たちの演技も手堅い。
コンドーム0.01
serial number(風琴工房改め)
ザ・スズナリ(東京都)
2019/10/25 (金) ~ 2019/10/31 (木)公演終了
満足度★★★★
内容はおもしろい。が、あんなに皆がやる気満々で前向きな会社は見たことがない。売上落ちてきているのに。異様というか非現実的というか、そこが気になってしまった。芝居でそんなことを気にしても意味ないのだが・・・。