コナンの観てきた!クチコミ一覧

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超人類

超人類

BACK ATTACKERS

テアトルBONBON(東京都)

2019/01/08 (火) ~ 2019/01/13 (日)公演終了

満足度★★★★

「神」とは、人間と全く次元の異なった存在で大自然に宿る聖なるもの。といった概念で、観終わったあと「人間やり過ぎると、こういう時を迎える考え方もあるのか~」と、描かれていた「神」の振る舞いに対して物思いにふけっていた私と、私よりずっと合理的で分析力旺盛な劇友の方との見解が大きく異なっていて面白かったです。
人間社会の飽くなき知的向上の戦いを描いた物語としても楽しめたのですね・・・なるほどなーと
どちらにしても空恐ろしい事に変わりませんが、基本的な作風はいたってコミカル。
ただニヤニヤ観ていたところも『シックスセンス』方式というのでしょうか、観終わった後もう一度、ここは、ここはと確認してみたくなる衝動にかられてしまう作品でした。

阿波の音

阿波の音

ゴツプロ!

本多劇場(東京都)

2019/01/09 (水) ~ 2019/01/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

まだパワハラという言葉など日本には無かった頃、清濁合わせ持った働く男達の物語。
人間臭い舞台はいつも通りながら、お馴染みゴツプロメンバーの他、パンチの効いた役者さん、若い衆の役者さんも加わる事で今までにはないコントラストが生まれていたのが新鮮でした。
大きいサイズの劇場になっても、セットの何気ない所や役者の袖口からチラチラ見える紋々の図柄など細かいところまでしっかりとした作り込み。
舞台いっぱい生命力溢れる渾身の祭り、泣けて笑えて一足早い夏がやって来たようです。

はなれ瞽女おりん

はなれ瞽女おりん

平常

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2019/01/05 (土) ~ 2019/01/05 (土)公演終了

満足度★★★★★

「瞽女」とは、三味線と唄を生業とした盲目の女旅芸人。
「はなれ瞽女」とは、掟で禁じられた男性との性的行為を破ったが為、たった独り仲間から放り出されてしまったはぐれ者。
主人公おりんはアッ晴れなほどに情が深く、遅かれ早かれ(実際めっちゃ早いのですが)必ず「はなれ瞽女」となる運命だったであろうと。

人形劇といえば操演者は黒子に徹したイメージですが、たいらじょうの世界はフライヤーにある通り、たいら氏自身も前面に出ており、普通なら不自然に映ってもおかしくないところ全くもって違和感が無く、むしろ情感たっぷりに物語が伝わってきました。
無理に想像力を働かせなくとも、たいら氏が「おりん」になったり、「おりん」に引き寄せられる男そのものになったり、その他の者を独自に表現したとしても、全てがすんなりと入ってくるから不思議です。

雪降る日本海、北陸。
美しい「おりん」の造形はどことなくいびつで、厳しい現実から逃れられない哀しみだけがまとわりつく世界観かと思いきや、観た後には全く違った思いがこみ上げてくる、ダイナミックにて繊細、とても美しい公演でした。

島田のかなまら祭りDX

島田のかなまら祭りDX

宇宙論☆講座

スタジオ空洞(東京都)

2018/12/28 (金) ~ 2018/12/30 (日)公演終了

満足度★★★★

特別公演「べろべろ忘年回」を観劇。
ちょっと早めに会場前に到着し数名で待機していると、既にほろ酔い加減の役者さんが地下から上がって来て「寒いのでもう中に入っちゃって下さい」と言いに来てくれました。
降りていくと会場の中には酔っぱらった役者さんだらけ!
受付の人もまだスタンバってなかったので、とてもおいそれとは入っていけない状況でしたが、そのお気遣いどうもありがとう(笑)
それでも少し早めに受付して頂きました。
この様な酔っ払いモード全開でスタートした本編は、案の定 台本と無礼講の境目を区別するのも無意味な破天荒さ。
お約束の非効率的な展開もしっかり健在。

ただ、綺麗に整っているモノを汚しまくり、とっ散らかして突き進んでいくのが宇宙論☆講座さんの持ち味だと思っているので、最初から下ネタ全開の今回のテーマは、あまり相性が良くなかったのではないかと思えてなりませんでした。
下ネタ用語を連発すればするほど、いやらしさから遠ざかっていくのは、そもそもそこに狙いがあるわけではないからでしょうし。
いつかシェイクスピアでも童話でも良いのですが、誰もがよく知った題材を宇宙論☆講座さん流で解体し表現した作品というのも観てみたいものです。

コマツ大博覧会

コマツ大博覧会

コマツマツリ

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2018/12/25 (火) ~ 2018/12/26 (水)公演終了

満足度★★★★★

迫力ある一人舞台。
最初の時間で場を暖めながらもしっかり客席を観察し、いろいろ計算していたのですね。
この後大阪公演を控え演目のネタバレは禁止となっていますが、趣向を凝らした作品の数々、場内の空気をたった一人で支配する力量に恐れおののきながら大いに笑わせて頂き、あっという間に過ぎていきましたよ1時間30分。

個人的にはパートの合間くらいは小休止タイムで良いと思うのですが、それをも許さぬ徹底的なエンタメ根性。
その厳しさは観客にも・・・ってこんなのあり得~ん、支配されてるっ!(笑)
でも選別眼は確か。
結局皆が楽しめれば勝ちということなのですね、恐るべし。
エンターテインメントをとことんしゃぶり尽したい猛者は是非アリーナ席へ。
コマツさんのあまりの顔力の強さにクリスマスの余韻も吹き飛んでしまいました(笑)

多摩美能楽集Ⅱ

多摩美能楽集Ⅱ

多摩美術大学 演劇舞踊デザイン学科

多摩美術大学 上野毛キャンパス 演劇舞踊スタジオB(東京都)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/22 (土)公演終了

伝統ある能のエッセンスを抽出した能楽集ということですが、かなり独創的なオムニバス公演!
場所がカラオケスナックだったりコンビニだったり、大学生の飲み会だったりと今どきの若者を描いた作品もあれば、海を舞台に神や人や生物が入り混じった賑やかで生命力溢れる不思議な作品、復讐スペクタクル劇等々ホントに盛り沢山でした。
特に素晴らしかったのは総勢38人の肉体が舞台を埋め尽くしての躍動感あるセットになったり群像になったりと目の前一面に広がる壮観なシーンの数々。

美大公演だけに今回も期待が膨らむのは舞台美術。特に衣装においては見どころに事欠きませんでしたが、どんなカラフルなものよりも役者さんの肉体を強調した衣装がやっぱり一番美しかったかも。

小作品が集まった公演というわけではなく、どの作品も練りに練られており、役者総出演のオープニングや力作2編も勿論良かったですが「海水にさらされた女たち」版「道成寺」飲み会の最中トイレで嘔吐しているどうにも恋に不器用そうな女子の恋愛ストーリーが男女の心理描写も巧く、かなり衝撃的でした。

ERA

ERA

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/23 (日)公演終了

「自由」を与えられ「自由」を持て余しながらも「自由」をこねにこねくり回して、結果「自由」を謳歌しまくった演劇が出来上がりましたという印象。
学生演劇だからこそ 否、でなければこの様な公演は実現できないでしょう。
演技スペースが広々していて役者さんたちの動きも実に伸びやか。

高校を舞台にしたレジスタンス。もう少し悩ましい一面があってもいいんじゃないのか云々のツッコミも野暮に思えてくるほどに総勢23人の個性が青春していました。

happiest

happiest

みどり人

新宿眼科画廊(東京都)

2018/12/14 (金) ~ 2018/12/18 (火)公演終了

満足度★★★★★

感情移入とは何も自分と同じ境遇だからするとは限らないことを強く実感できた作品でした。
たとえ生活環境や性格、性別さえも違っていても、今何を思い何に苦しんでいるのかしっかり伝わってくる人物を目の前にした時、その人物の喜びや哀しみがダイレクトに突き刺さってくる醍醐味。

鋭い観察眼、それをしっかり演じきった全ての登場人物の姿に逐一頷き、そしてついつい笑わかされてしまいますが、時折襲ってくるヒリヒリする痛み。
この痛みがきっと「孤独」という厄介な感情なのでしょう。

作者の視点は意地悪いほどに人の言動を掌握しており、それが故にひょっとして人間嫌いなのではないかと思えたりするのですが、いやいや人間愛がしっかり根底に流れておりました。
もう、どうしようもなく泣けてきます。

ネタバレBOX

舞台は基本的に素舞台なのですが、奥の一角だけ超リアルで明らかに独身男のものと分かる部屋が。
もう住人の体臭が漂ってきそうなほどリアル。
その部屋の住人は観劇マニアにして、とある劇団の大ファン。
何故ここだけがこんなにリアルに創られていたのか・・・
舞台を魅せるセンスに完全脱帽です。
喜劇新オセロ

喜劇新オセロ

アトリエファンファーレ

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2018/12/12 (水) ~ 2018/12/19 (水)公演終了

満足度★★★★

「Bチーム」を観劇。
60分の公演時間と知って、短っ!と思いましたが、なるほどこれだけのジェラシーパワー劇ならば。と観て納得。
ちょっと台詞を詰め込み過ぎている気がしたもののストーリーはいたってシンプル。
そのぶん役者さんの魅せる力量が求められる作品だと思いました。

お喋りでちゃっかり者のメイド。美人だけどちょっと要領が悪い新妻。
女性のお二人も良かったですが何といっても強烈だったのが嫉妬に狂った旦那。
身体も声量も大きく、血管浮きだすわ、汗吹きだすわのド迫力。
今にもゴージャスなセット(部屋)をぶっ壊しそうな勢いでヒヤヒヤもの(笑)
対する浮気相手と勘違いされたお隣さんも、これまた違った強烈キャラにて笑わかせの達人。
ちょっとピースの綾部に似てると思ったのは自分だけでしょうか。

私のそばには芝が居る

私のそばには芝が居る

藤一色

王子小劇場(東京都)

2018/12/13 (木) ~ 2018/12/18 (火)公演終了

満足度★★★★★

観劇が好きで演劇を創り上げる人達の苦労や想いを多少なりとも感じている自分にとっては実に刺激の多い作品でした。

舞台上には役者はもちろん、制作、演出家、美術、技術スタッフをはじめとする具体的な役職の演劇人がズラリ。
最初、こりゃ一体どんな作品なんだと・・・しばし唖然。
いわば演劇人による演劇人を描いたストーリーということになるのでしょうが、あえて生活臭を払拭した演出、バーチャルな世界観で演劇の存続をかけた決死の戦い。
シリアス、サスペンス、コメディー、いろんな味付に加えて、思わぬサプライズが満載でめちゃくちゃ楽しい!
うらやましい程の自由な発想力とエネルギーが合わさって、波に乗っちゃってる感じが爽快でした。
会場スタッフ間の連携がとれた感じも、とても良かったです。

ネタバレBOX

これってバーチャルゲームがモチーフということでいいのだろうかと思いつつ観ていましたが、あ~っ!もろピッタリ当てはまるモノがありました。
これは非常に考えぬかれたヒーローショーですね!
ヒーローはもちろん演劇人・・・観客はお子様ではなくしっかり大人ですが(笑)
道理で楽しいはず。

演劇の敵となる因子は内部だけでなく観客側にも潜んでいると思うのですが、そこはちょっと抑え気味。
さすがにちょっとそれを表現するのは難しいか・・・う~ん
エダニク

エダニク

ハイリンド

シアター711(東京都)

2018/12/07 (金) ~ 2018/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

生きた家畜(牛や豚)を屠殺、解体加工するという職業。
休憩室には二人の解体職人。
舞台に存在するお二人は見事なまでに、発する台詞のひとつひとつ、表情、何気ない所作に至るまで全てが、本当にそこで生活で送る人間そのもの。
包丁の研磨室を休憩室に使っている様子など、見たことの無い業界ですがガッチリ雰囲気を掴んでいるのだと思えます。

やがて休憩室に入る「延髄」紛失事件の連絡と、間の悪い珍客(正体はネタバレになるので自粛)
職人二人に引けを取らない活きた登場人物の登場!
そう、この一見場所違いな珍客の存在が3人の絶妙なコミュニケーションを大きく揺さぶり、更に滑稽で深刻なドラマ空間へと仕立て上げていきます。

職業モノとしても考える部分が多くとても感慨深かったですが、より味わい深く伝わってくるのは、その仕事に携わる人達の日常から滲み出る感情、ひょっこり顔を出す感情、事件に巻き込まれて思わず噴き出し露呈する感情の数々。
不満、狡猾、自尊心、傲慢・・・特殊な職場の中、あまりの人間臭さに思わず笑ってしまう場面は多く、何よりその時々においての状況場面が逐一面白くて期待通り、いやそれ以上の濃厚な男芝居でした。


※「延髄」を紛失すると品質検査が出来ない為、せっかく解体した肉が出荷不可能となってしまします

イキザマ3

イキザマ3

RISU PRODUCE

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

厳しい規律にキツイ練習、何よりどんなに頑張っても注目される主役はスポーツ選手であり、応援団のモチベーションは一体どこにあるのか謎だったのが解き明かされた思いで観終わりました。

幕開けはちょっと笑えて、めちゃくちゃ威勢のいい応援団パフォーマンス。
そしてこのパフォーマンスを見たという新入生の目線で応援団の世界に足を踏み込むことから物語は始まるので、とても入り込みやすく(私は図々しくも主役青年の目線から。他にもオジサンや女子の新入生もいて、この二人も異色ゆえにイイ味出していきます)が、彼等とのファーストコンタクト、勧誘の絵面はまるで悪徳セミナー(笑)
それでも日々の活動を通して見えてくるのです。
先輩たち4年生、3年生、2年生それぞれの立場ゆえの生き様が、そして個々の生き様がひとつひとつ染みわたってくるのです。

彼等流のやり方で部内の絆が強くなっていくのを実感していく日々。
決してスマートではなくても、春から夏へ輝く時間と共に人の成長していく姿が克明に描かれ演じられているのが素晴らしく、やがては新入部員それぞれの生き様が・・・
否が応でも胸が熱くなる芝居。久々に泣きました。

悪食娘コンチータ

悪食娘コンチータ

劇団ブリオッシュ

カメリアホール(東京都)

2018/12/08 (土) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

ボーカロイドが歌い上げる楽曲の歌詞のままに、たっぷり2時間の舞台作品。
呪われし欲望の赴くまま破滅まっしぐらの物語にいろいろと肉付けがされていてかなり見応えがありました。
特に王子とのロマンス部分の功績は大きく、悪食娘コンチータの、悲しみまでもを快楽に変えてしまう貪欲さには何ともいえない哀れを感じました。
衣装で見せる世界観も統一され、フライヤーのイメージをしっかり守っています。
悪食になる前はくいしんぼうな美食家といった娘さんだったのに、食欲も突き詰めていくと、あり得ないモノに手をつけてしまうのかと思うと、グルメもどきくらいで充分満足だなぁと

獰猛犬~DO‐MO‐KEN~

獰猛犬~DO‐MO‐KEN~

ICHIGEN

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2018/12/06 (木) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

幕開けに広がる異様な光景。
なんだ今の!
ラストシーンを冒頭から見せちゃったのか、それとも何かの暗示?

そんな中、物語がスタート。
概ねあらすじ通りというか奇妙な人ばかりが隠れ家のようなBARに集まって(避難して?)きます。
並行して描かれるのは主人公翔太が記憶を失う前のサイドストーリー。
胡散臭い人もどんどん集まって来て何か悪い予感がうっすら漂うもののBARの中は案外ひょうきんで和やか。
偶然つけたラジオニュースを聴くまでは・・・

劇中、何度固唾をのみ、何度足元をすくわれた事か。
裏と表、善と悪、死に急ぐ人、見える人にしか見えない女、眠っているかもしれない死体等々々々
目まぐるしくヤバい要素が積み重なっていく展開に「さぁ一旦ここで整理してみようか」という思いも虚しく容赦なくやってくる修羅場。
ぐわ~ッ!危ないっ殺される!(思わず手にチカラッ)
やがて辿り着くラストはやはりバッドエンドか、それともハッピーエンドなのか?
実際この目で観たエンドですら日によって変わっているのではないかと思ってしまうほどにパラレルワールド感ある世界観。嵐が通り過ぎていったよう。
何だか前に書いた主人公のサイドストーリーさえ過去ではない気がしてきた。
あ~頭がクラクラする(笑)

「関係」

「関係」

有機事務所 / 劇団有機座

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2018/12/05 (水) ~ 2018/12/06 (木)公演終了

満足度★★★★

1パート目「関係」
主人公と一緒に早くここから出ていきたいのに中々出られないイライラ感。
果たして明確な答えなど導き出せるのか?という焦燥感。
ライトな感じもまた腹立たしく、これぞ不条理の醍醐味なのかと・・・なるほどっ、これは苦手です(笑)

2パート目「アフロレンジャーズ」
いきなりアフロの不条理。
「こんな大人の役者さんが」というパンチがあって、よりライトなミニ作品。
コメディーとしては笑えなかったけれど、会話自体は面白かったです。

3パート目「ナンセンスショートショート」
お馴染みのドリフのメロディーにのせてのミニミニコント集。
おまけ的位置づけ。
小出しすぎて笑えなかったけどちょっと好き。

役者さんの演技に集中したままラストまで見届けられましたが、あれっ思っていたのと違うぞ。
いや、うっかりコメディー公演と思い込んでいた自分の間違いでした。
実際は不条理劇が主体の公演だったのですね。
わずか3回公演のためによくぞここまで。という思いと同時に、コメディーにしつこくこだわっているようですが3パート目くらいのテイストを思いきって前面に押し出す冒険があっても良かったのかなぁと。
有機座さんにとっては未開拓かもしれない分野でも、それでも敢えてのチャレンジ精神と垣間見えるイタズラ心が良かったですし、なんてったってイベント公演ですから・・・ねえ思いきって。

倉橋勝の喜劇向上委員会

倉橋勝の喜劇向上委員会

喜劇団R・プロジェクト

遊空間がざびぃ(東京都)

2018/11/29 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

シュールコメディライブ喜劇向上委員会の「シュール」たる所以は、どうやら向上長である倉橋勝さんのキャラクターにあるようですね。
ちょっと脱力系の独特な仕切りで、終始ツッコミ感満載なコメディライブに。

タイトルから連想できる某人気番組がモチーフということでテレビ版のひな壇にはタレントさんが並びますが、こちらの向上委員会では若い役者さん達がズラリと並びます。
ちなみに鳴り物入りで紹介、出てきた喜劇人ゲストも本公演で下から3番目の若手さんでした(笑)
タレントの場合、毎度おなじみのキャラが勢揃いなのに対して、若い役者の場合はキャラ付けこそしているもののどうしても苦戦を強いられるわけで・・・ハイ、実際しっかり苦戦されておりました(笑)
でも彼らなりの体当たりの姿勢は好ましいですし、ハプニングinの演出も嫌いではありません。
もしこの場に知人が出演していたりしたら随分楽しいだろうなぁと。

当日パンフで倉橋勝さんは、これは「演劇」ではありません。「娯楽」です。と書いておられますが、私は「奮闘記」として楽しませて頂きました。

思い出すならAnotime

思い出すならAnotime

演劇集団 Z-Lion

シアターサンモール(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

過去の記憶を呼び起こす装置開発に勤しむ研究所を舞台にした物語。
近未来で進化している生活様式がいろいろと想像力を刺激して楽しいです。
中には過去の記憶を呼び起こすより、ずっとインパクトある発明品が散らばっているにはいるけど、あくまで軸となっているのは「記憶」

思ったより笑いはずっと抑え目、その分ドラマ性や人物描写に力が注がれており、丁寧な演技に加え要所要所で役者さんが順々に語り手となり進行していくのも分かりやすさの手助けになってイイ感じの流れ。
そして、こちらに語りかけてくるような演技をかなりバックアップしていたと思えたのが見事な舞台美術!
設定となる「50年先の田舎町にある研究所」がモチーフなのでしょうが、限られた舞台スペースにこだわりのアイデアと美意識がびっしりと詰め込まれ、一瞬美輪明宏さんの舞台かと思ってしまったくらい。
これが照明によって様々に表情を変えていくのがイイ。
衣装や音響効果もさり気なく世界観に溶け込んで公演を上質な時間に彩ります。
非現実世界へと容易にふんわりと導いてくれる強力な美術力が強く印象に残った公演でした。

ネタバレBOX

研究で扱われる「記憶」には、その時の感情も付随してくるのかどうかハッキリ言及していないのが気になりました。
感情込みではない純粋な体験情報の掘り起こしではファンタジー色が薄れてしまうし、感情込みとなるとそれこそ頭の中が感情の渦で溺れてしまいそう。
ストーリー的にはおそらく前者だったと思えるのですが、そうなると果たして記憶喪失の解決とダイレクトに結びつくのか?というモヤモヤが。

10年前の体験を詳細に思い出せるということは365日×10年分の記憶が蓄積されているということであり、それって情報量の多さで脳はパンクしないのかといった邪念をファンタジーの力で拡散させたかったのですが、丁寧な表現演出が中々そうさせてくれない足枷となる一面も感じました。
人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

劇団鋼鉄村松

萬劇場(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

初日からガンガンかっ飛ばしていましたね。
マッド・サイエンティストがド迫力でほんとヤバい人(笑)

創り手の恋愛シミュレーションゲームに対する愛情と畏怖が熱量高く伝わってくる作品。
個人的には「畏怖」に関しては共感できるモノが多かったのですが、恋愛感情を持つまでの感覚はやっぱり分からないかなぁ。と認識しました。
2次元が好きな方には、いろいろ多角的に楽しむことのできる作品なのかも。
どんでん返しのラストは全く予想もつかない展開だったので、あっ、これはやられた~っと。

ばけものがでた

ばけものがでた

ソニー・ミュージックアーティスツ

小劇場B1(東京都)

2018/11/23 (金) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

「ばけもの」の存在は不条理な何モノかと置き換えられるのだろうか?等、どこか深読みできそうな要素を振りまきながら、お洒落なピアノの旋律が耳に残る大人のおとぎ話みたいな作品でした。
「大人の」というのは登場人物が全員大人だからであり、大人ゆえに皆いろんなモノを背負っているわけで。
結果、血生臭い薄気味悪さと、人間臭い笑いが同居した独特の世界観に。

ばけもの退治であれば、昔々の農村が舞台というのが相場なイメージですが、現代風の時代設定というのは、これまたSFとも違った不思議な感覚。
ヤクザでガテンな男社会の中、女優さんの存在が花を添えていました。
ただひっそりと大人しく咲いている花ではありませんが。

お父さんの休日

お父さんの休日

劇団娯楽天国

駅前劇場(東京都)

2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

ホントだ、セットが素晴らしい!
開演前の舞台はまだ薄暗くなっているものの、よくここまでクラッシックな調度品が集まったものだとずっと眺めまわしていました。
そしてコーヒー牛乳などの品数乏しい壁のお品書き。
こんなに鄙びた所で、まさかのぼったくり価格に目を疑うものの、それもそのはずコンビニなど近所にあろうはずもない、とんだ山奥の温泉旅館なのでした。(でも誰も買わなそう)

そこに連泊しているのは企業戦士のお父さん、ひどくお疲れ気味。
事前のイメージではカトちゃんみたいな人だったのですが、意外にも長身でインテリタイプなお父さん。
当然ゆったりした時間を求めてわざわざここまで来たのでしょうが、おそらくその願いは叶わないであろう匂いが最初からプンプン。
やがて笑いの矢が次々と放たれ、全てが的中とまでいかなくとも、その矢のあまりの多さに思わず笑ってしまいました。
お父さん、気の毒なほど可笑しな休日に。

娯楽のテーマパークだったなぁ。という印象で、批評めいた事はどうでもよくなってきます。
「愛されつづけて30年」の理由がよく分かる劇団さんでした。
当日パンフというにはあまりに豪華仕様の「娯楽通信」特大号で、余韻を楽しみつつ、今からじっくり娯楽天国さんの歴史に浸ってみたいと思います。

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