アラタナミチヘ
明治大学演劇研究部
アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)
2008/04/18 (金) ~ 2008/04/20 (日)公演終了
初々しい。それだけでも価値あり。
サークルでバンドを組んで大会に出ようとする学生4人。やる気はあるけどみんな初心者。そもそもボーカルがいない。そこにタイミングよく入会希望で来た子は歌が上手かった!とはいえ難題はまだまだあって…。
開演して割とすぐ、観る為のテンションが決まりました。台詞の初めに「あ、」とか「え?」が多く、役者に演技でさせるべき反応を言葉でやらせようとしている。そして作者の言いたい事をそれぞれの登場人物に同じ観点に割ってしまっている。なので疎通し合い過ぎて遣り取りが平坦になっていました。作・演の方はまだあまり本を書き慣れないのではないかなぁと。なので評価する為でなく、頑張っている姿を観るほうにシフトチェンジ。彼らは学業があった上で芝居を好きでやってるんだろうから、こんな感じでもいいのだと思います。
客席に、OBで多少婦人の渡辺さんの姿を見付けました。
ほろ酔い果実
創像工房 in front of.
慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)
2005/12/16 (金) ~ 2005/12/18 (日)公演終了
古き。
学生運動の時代の話です。とはいえ登場人物みんながそれをやる訳ではなく、むしろ「やる人もいるけど自分達はねぇ」くらいの意識。でも友達が参加してる事への不安や、誘われる事への戸惑いがある。そんな気持ちの揺れで紡がれる物語。違和感のある人物造形はなかったし、結構綺麗にまとまっていた気がします。その分、何処かで意図的に壊しても良かったかも。
深緑が燃える
空中バレエ
吉祥寺シアター(東京都)
2005/11/19 (土) ~ 2005/11/23 (水)公演終了
あ、行ってた。
吉祥寺シアターって行った事ないなぁ。今度のデスロックで行くのが初めてだな、と思っていたのです。なんだ、行ってたんじゃないか。
人類が一度消えて新たに再建された二度目の世界の話。科学の発展などもなく「太陽と月は糸で繋がっている」とかそういう考えが広まっている世の中。ある国を治める王女とその周辺の人々。近隣の大国がここを支配するという噂が流れ、途惑い始める中で起きる物語。様々な身分の人々が登場し、それぞれの視点で生きる事への葛藤を観せてくれました。舞台美術に深緑はなかったけど、終盤のほうでは見えた気がしました。なんか。
風の中の少年
演技集団 朗
笹塚ファクトリー(東京都)
2005/11/03 (木) ~ 2005/11/07 (月)公演終了
何処に辿り着いたのか。
終盤は主人公の内面世界で物語が進み、そのまま自己完結して終わる。そんな感じだったと思います。「まさかこのまま終わらないだろうな」という心境でしたが、そのまさかでした。その終わりをするなら、主人公にはもっと劇的な発見をして欲しかったです。何を納得して自己完結したのかが分からなかった。
ノスタルジック・カフェ 1971・あの時君は
劇団ムーンライト
SPACE107(東京都)
2005/10/27 (木) ~ 2005/10/30 (日)公演終了
1971年。生まれていませんでした。
ある女子大生が立ち寄った喫茶店。その店内には1971年を暮らす人々がいた。何故か、ここに来ると過去に来てしまうらしい。という話。
現代以外の設定を具現化するには、未来よりも過去のほうが難しいですね。未来はあくまで予想だから好き勝手にやっても説得力さえあれば何とかなる。でも過去は現実に既に一度あった事。それこそ当時に生きていた人が観て違和感を得たらアウトですからね。それと同時にやるからには現代を生きる人々にも共感を生まないといけない。大変ですね。
カゲロウ稲妻水の月~我こそは内弁慶~
劇団正宗
シアター風姿花伝(東京都)
2005/10/14 (金) ~ 2005/10/16 (日)公演終了
ぶち壊せ、そんなもの
創像工房 in front of.
慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)
2005/10/06 (木) ~ 2005/10/09 (日)公演終了
バックトゥ。
未来から来た男と、現代の若者。遣り取りをして絆が生まれるものの、男はその内の一人を殺しにきたのだった。という、まぁよくある話。その男が初めは記憶喪失だったんだっけかな?ちょっとうろ覚え。それに映像を使いつつの見せ方をしていました。完成度は別として、その試みは正しかったと思うのです。脚本が全てであるならば人が演じたりしてまで具現化する意義はない。創造の方法をどうするかです。
身から出たボルシチ
劇団ギリギリエリンギ
セントポールの隣り(レストラン)(東京都)
2005/08/31 (水) ~ 2005/09/04 (日)公演終了
…ん?んんん!
内容は今でも覚えています。色んな意味で好き勝手でした。今また観たら苦言を呈するかもしれませんが、やりたくてやっているというのが見えたので良しとします。またいつかこういうのをやるのでしょうかねぇ。とても気になる点。キャストに「鈴木裕子(テアトルジュンヌ)」とあります。先日の劇団競泳水着に出ていた方と同名。というか、同一人物ではないかと。気になっている方なので過去に自分が見たのか確証を得たいなぁ。
約束
演技集団 朗
東京都児童会館ホール(東京都)
2005/07/30 (土) ~ 2005/07/30 (土)公演終了
再び。
1年越しで同じ演目を観ました。役者には若干の変更あり。でも演出は完全に前と同じ。もしかしたら何処かは変わっていたのかもしれないけれど、だとしても気付きませんでした。新たなものを生み出す労力も大変ですが、引き継ぐのもまた大変な事ですね。
昭和13ノロマンチカ
ANTプロデュース
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2005/07/15 (金) ~ 2005/07/17 (日)公演終了
お。
都会から訪れる人々と、出迎える島人。過去の出来事から蘇る愛憎劇。
第1回公演に続いての観劇でした。前回の脚本は何とかまとめたという感じがあったものの、これに関しては少し余裕が生まれて演出にも幅が出ていた様に思います。
ら抜きの殺意
劇団ムーンライト
SPACE107(東京都)
2005/07/07 (木) ~ 2005/07/10 (日)公演終了
オッス!オラ…
ねぇ。だって野沢さんと言えばどうしてもそれを連想しますよ。芝居とまるで関係のない所で知り合った方がこちらの劇団員で、お誘いを受けての観劇でした。
印象は、THE・お芝居。もっとやり過ぎてもいいんじゃないだろうかと思う部分もありつつ、踏み外す様な事はせず。脚本を大事にしてあえて奇抜な捉え方はしない演出でした。観ていて安心ではありました。
枯井戸スコオプ
劇団活劇工房
明治大学和泉校舎第二学生会館地下アトリエ(東京都)
2005/07/01 (金) ~ 2005/07/03 (日)公演終了
和。
貞子じゃないです。でも、井戸ってそれだけで雰囲気がありますよね。時間が経過したからか失礼ながら物語そのものはちょっとうろ覚えになっているのですが、観ていたものを絵図としてならばまだ結構覚えています。
出演者には現・国道五十八号戦線の方々の名前が。もう一度ちゃんと観たいからそっちで再演してくれないかなー。
月夜の狐は夢を見るか
明治大学演劇研究部
アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)
2005/07/01 (金) ~ 2005/07/03 (日)公演終了
恋人としては無理
柿喰う客
ギャラリーSite(東京都)
2008/04/13 (日) ~ 2008/04/13 (日)公演終了
祭りと勝負を繰り返す。
大人数での柿は祭りで、少人数だと勝負に思えます。「傷は浅いぞ」の時にそれを確信しました。そして今回、フランス帰りの5人芝居。特定の配役という制約がなく、それぞれの人物に1つ小道具が当てられていてそれを手にすると該当人物になるというルール下での演出。それを柿のハイスピード&ハイテンションで行うので、あれよあれよと変わっていきます。ちょっとした手品の域。最近で言えば小指値(現・快快)「霊感少女ヒドミ」とか東京デスロック「3人いる!」みたいな感じですかね。様々な意図があってこの形にしたのでしょうが、選択肢にこれを入れられるだけの演出力が中屋敷さんにあった時点で勝負の結果はほぼ決まっていた感じ。とはいえ、それを実演する役者にも相応の力があってこその勝利。3月の第4週まで玉置さんは別現場の本番があって、フランスに飛んだのはその数日後。一体いつ稽古をしたのやら…。恐れ入ります。
私、わからぬ
空間ゼリー
赤坂RED/THEATER(東京都)
2008/04/09 (水) ~ 2008/04/13 (日)公演終了
これが空間ゼリーですか。
勝手にアングラ方向な芝居をやる団体だという印象を何処からか持っていたのですが、いざ始まってみると昼ドラでした。先日の箱庭円舞曲「お前がダメな理由」にちょっと似た感じ。
ちょっとした違和感。空間ゼリーに所属の役者同士で演技スタイルにちょっとした差があったのです。客演の人々は方向性を合わせている感じがあったのに、何故所属役者に差が?演出の意図ではなさそう。その役者自身が気付いているのか気になります。岡田さんの名前はちょくちょく目や耳にしていましたが、個人的には北川さんをチェックしたくなりました。
醜い恋
核ベビ~コアベイビーズ~
タイニイアリス(東京都)
2008/04/09 (水) ~ 2008/04/13 (日)公演終了
そんなにダメかなー。
とある宗教内での話。教祖は主人公の母親。彼女はキスをすると相手の精力を奪う事が出来る。主人公は母親に精力を奪われる度に外的年齢を1つ重ねていく少女に想いを寄せていた。でも、インポ。
過去と比べてどうだったかという話をすると、別にそんなに悪かった訳ではないかと。ちゃんとやればやったで出来るんだからそうすればいいものを、遊び部分を多めに入れちゃうのなんてむしろいつも通りだった。でも確かに中盤辺りでそれが強くなり過ぎて物語を進める気があるのか怪しく感じたのも事実。最終的に物語の落ち所がハッキリしなかったのが不評の元だと思います。「結局何が言いたかったのか」に対しての答えがない。観るべきは醜い恋をする主人公の心情でした。しかし、そこが難点。既に起きた出来事への追憶で物語が進むものの、その心情自体には終始変化がなかった。その分、観る側にしても感情の込め所を見付けられなかったのではないでしょうか。
うちのだりあの咲いた日に
青☆組
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/04/05 (土) ~ 2008/04/13 (日)公演終了
混在。
人物が客席に背を向ける。複数の会話が同時進行する。その辺りには「あぁ、現代口語演劇らしいな」と思わされます。しかし平田オリザさんのそれと比較するとちょっと異質な混じり物も散見。現実には有り得ないディフォルメの強い人物がネタ的に登場したり、終盤の某2人が煙草を吸う場面での発言内容についてなど。これを吉田さんの個性と捉えるか、それとも省いたほうが純粋な現代口語演劇になると捉えるか。個人的に今は後者寄りなのですが、むしろこの混じり物を上手く特化させる事が出来ればそれはそれで新たな作風が生まれる様な気もするのです。
コブタが野バラで夢をみた
カナデコトビート
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2008/04/11 (金) ~ 2008/04/14 (月)公演終了
無理に略すと、野ブタ。
旗揚げ団体なので面白かったら早い内にクチコミを流したほうがいいんじゃないかな、とか思って初日に観劇。三角関係どころか何角関係なのか分からなくなるくらいに色んな人々の色んな繋がりが引き起こすドタバタ劇。ネタ的な台詞や間の使い方はコントチックで、結構笑いを取っていました。パンフレットには演出から各役者の紹介文が載っていて、個人的にはまず初めに思ったのは「あ、内輪っぽくてやだな」と。でもちゃんとイメージに合った役を与えていたとも思います。なので結果的には悪くなかった。
早稲田から高田馬場まで歩いて帰る途中、ある店で夕飯を食べていたらさっきまで同じく客席にいたらしい2人組みが隣の席に。言われていたのは、『なんだかラジオドラマっぽかったよね』。聞き耳を立てつつ、勝手になんとなく「あ、そうかも」と合点。その後、その理由を考えました。多分、台詞が綺麗過ぎるからじゃないかな。決め台詞というか、ちょっとした歌詞みたいなフレーズが多いのです。その辺りはどうも「聴いている感(同時に、聴かされている感)」が強かった。目の前にいる役者が発している言葉として感じるにはまだちょっと馴染みが足りない気がします。
あと、タカハ劇団の「もう一度スプーンを曲げよ。」も観た事がある方に御注目頂きたい点が。それは以下に。
スケッチ・オブ・ザ・ピザ・ナイト ~香ばしい、春の一夜~
劇団競泳水着
王子小劇場(東京都)
2008/04/01 (火) ~ 2008/04/07 (月)公演終了
こういうのだったか。
構成で見せるってそういう事でしたか。あっちもこっちも話が進むのでその度に観る側の意識も切り替わるものの、ずっと集中していられました。「トレンディードラマシリーズ」。なるほどね。色々なテレビドラマを思い出しました。人物相関図が面倒だけどつい見ちゃうんですよね。芝居を見慣れていない人にも受け入れやすいのではないでしょうか。重過ぎないし。他の方々から脚本への指摘などがありましたが、個人的に台詞選びはそう悪くないかと。テレビ的だな、とは思いましたが。少なくとも舞台脚本でやらかしがちな「その場に居る人々だけで物語を進めるにあたって都合のいい台詞選び」ではなかったし。
ふたり
はらぺこペンギン!
ギャラリーLE DECO(東京都)
2008/04/01 (火) ~ 2008/04/06 (日)公演終了
そうだったのか。
帰宅してからパンフを読み直したら、これが初の団員のみで行った公演との事。あ、ここでの説明文にも載ってたんですね。それであればもっと無茶をしたり欲張ったりしても良かったのではないかと思います。
他の方々からの評判が良い様なので目の敵にされたくはないのですが、個人的にはイマイチでした。白坂さんは人物の心情を正確に捉えるよりも、場面の雰囲気から脚本を書いていくタイプなのでしょうかね?観ていて急な方向修正を感じる瞬間とか、逆に細かい所は結構お座成りになってる印象がしたもので。