byassistの観てきた!クチコミ一覧

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イエノゾク

イエノゾク

リアベンチ企画

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2018/02/02 (金) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/02/04 (日)

4日大楽の舞台(1時間35分)を拝見。

序盤から、崩壊した家族の典型例な描写が淡々と続き、終盤に、伏線のカレーライスがああいう使われ方をするとは全く予想できなかった。

そんな意外性も含め、障害年金やら健保やら行政の支援やらに何故頼らないの?という無粋なw ツッコミはさておき、客観的にはよく練られた話だと思った。
ただし、主観的には大いに不愉快な「読後感」が残ったことも付記しておく。

なお、あくまでも個人的な印象だが、若い男優さんお二方の演技、説得力が乏しく感じられた。こんな深刻なテーマの作品世界においては、まだ荷が重過ぎたのではないか?

浮気だ!ニンニン

浮気だ!ニンニン

東京にこにこちゃん

荻窪小劇場(東京都)

2018/02/03 (土) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/02/04 (日)

タイトルの語感の良さだけで気に入って、4日マチネの回(90分)を拝見。

思いっきりバカバカしい設定・発想、かつ、途中、話の流れがダルく感じられる時間帯もあったものの、いざ終わってみれば、エエ時間過ごせたなぁ!とプチ感動。ひょっとして忍術に化かされたのかなぁ?w
まっ、影分身vs影分身の4対4の浮気合戦、とても素直に愉しめました。

役者陣。
二列目中央に座ったにも関わらず、前の座高の高い客に遮られて、るんげさんがよく見えなかったのは誤算。
Hocotenさんは、フジタタイセイさん共々、初めて拝見した、新宿眼科画廊の舞台並みに、しっかりと⁈演じる「勇姿」を拝ませてもらいました。
そして、初見の黒澤郁香さん、熱演かなぁ♪
男優さんでは、常にミステリアスな⁈笑みを浮かべていた、ふくしまけんたさんが印象に残りました。

『カザカミ』

『カザカミ』

kazakami

王子小劇場(東京都)

2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/01 (木)

小雪混じる雨の中、2月1日のソワレ(80分)を観て来ました。

ネタバレBOX

80分の舞台、観させて頂いている間、ヒロインの早川の心情はもちろんのこと、彼女の同期の要領の悪い男性社員・松井や、内心は心優しい人間ながらも部下への接し方が不器用過ぎる上司の重沼に、ワタシ自身の過去が重なりました。
気持ちのあちこちが疼き始め、なんだか、自分の半生の反省会を終えた気分で、会場を後にしました。
簡素なセットと、ほのかな照明に包まれた本作品、当日の肌寒さに臆せず観に行って…ヨカッタ!

【配役】
早川あおい…森山景さん(とても共感させられました)
アヤメ(あおいや重沼の先輩社員、あおいの「メンター」役)
…石井舞さん(役から醸し出される信頼感が凄い!)
松井(あおいの同期)…中西崇将さん(駆け出しの頃の自分と重なりました)
重沼(あおいの上司)…内山拓磨(管理職の頃の自分と重なりました)
海野(先輩社員☜よくいるタイプ)…安味誠貴さん
鳴海(先輩社員☜よくいるタイプ)…鑑恭司さん
川瀬(アヤメの同期、面倒見のいい女性社員)…沖野沙弥さん
瀬田(バイトの女子大生)…西風生子さん
長谷川(バイトの女子大生)…早舩聖さん
法則(あおいとアヤメの「旅」の途上で現れる、謎の存在)…レベッカさん
Weのために

Weのために

松澤くれはプロデュース

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2018/01/23 (火) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/27 (土)

27日16時の回『あなたの短編集』(80分)を拝見。

ネタバレBOX

4本の短編に関して、それぞれに感想を述べると…

最初の『あたしのまくら』は、今回、唯一、自分の理解の範囲内にあった作品。
当初、滑らかだった江幡朋子さんの口調がだんだんと押し寄せる感情に心もとなくなっていき…「まくら」で流れを断ち切ったラストが、その後の「演目」への想像力を掻き立てた。
ストーリーとは別の意味でだが、江幡朋子さん、「女流」落語家の「女流」を武器にせずとも高座に立てる資格、充分かと。八つぁん・熊さんの長屋モノ、一度、マジで聴かせてもらいたいなぁ。

2本目の『あなたの月が消える前に』は、オスカー・ワイルドの『サロメ』に捧ぐ詩、とのことだが、当方の読解力不足のせいか、『サロメ』と相通ずる雰囲気にただ浸るのみで終わってしまった。
そんな観客なもんでぇ、自席すぐそばにおられた、「美少女」な福富朝希さんをただ見つめるためのみに伸ばした首を、いきなり斬られてお盆に載せられても、あんまし文句は言えねぇなぁ。

3本目『失われた文字を求めて』は、鈴木朝代さん演じる女子高生の、良い意味でのはっちゃけぶりが印象的で、そんな彼女が卒業式で蘇らせた「奇跡のコトバ」には思わずニヤリ。
ということで、今度、限定の「鯛とあさりだしの塩らぁめん」でも食べに、あのノリの鈴木さんがおられる、らぁめん山と樹さんに足を運ぼうかなぁと。

ラストの『生きているって知っていた。』。
「悲劇」の動機は、結局、謎のままで残ったが、それはそれで、各々の観客の想像力に委ねるって意図なのだろうか。余韻が残る、というよりも消化不良な感じがした。
あと、江幡朋子さん除く4人の女優さん、私の思い過ごしかもしれないが、リラックスした雰囲気の愉しいお茶会であるはずの序盤から、中盤以降の「熱演」に備えて、グ・グ・グッとチカラがこもっていたような印象を受けた。
ところで、リアルな世界での自分にとっては、何がアノ「ぬいぐるみ」に当たるんだろう?…上演中、ストーリーの本筋とは離れたところにも想いを巡らせた作品だった。
滅びの国

滅びの国

ロ字ック

本多劇場(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/21 (日)

21日千穐楽の舞台を拝見(2時間半)。

ヒロイン透子役の吉本菜穂子さん。登場時の、まるでコメディエンヌのような素っ頓狂な声に、最初は場違い?とさえ思えたが、終盤の感情爆発の怒号を経て、ラストシーンでの悟り切った穏やかな声への変遷を体験した今、そんな彼女だからこそ、作品世界にリアリティを与えていたように感じられた。
対する相手役・祥示の三津谷亮さんは、W主役ながら、過度に前面に出過ぎて、透子とのバランスを崩すことのない堅実な演技。オクイシュージさん(透子の夫役)、東谷英人さん(祥示の父親役)と合わせて、この3人の男優さん達の存在感は、これまでの□字ックさんの舞台には無い、オトナ向けドラマな円熟味を作品に与えていたようにも思えた。
ただ、反面、若い連中によるバイオレンスなシーンが何回か挿入されていたものの、□字ックさんの持ち味(と自分では認識している)である、観客の良識に剃刀で切りつけて来るような鋭利さが影を潜めたかなぁと。
良い悪いは別にして、今回、□字ックさんに抱くイメージに、大いなる修正を強いられた気分だった。

まぁ、いずれにせよ、2時間半の長尺も気にならないまま、終演後、いつまでも途切れぬオベーションの渦の中に身を委ねることに…。
世代・性別・国籍を問わない、初めはささやかだった自己承認のストーリーの、ささやかながら力強い大団円に対する客席の反応には、ただただ頷くばかりだった。

千に晴れる

千に晴れる

制作「山口ちはる」プロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2018/01/17 (水) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/18 (木)

18日ソワレを拝見(2時間)。

ネタバレBOX

プロデューサーの山口ちはるさんの虚実ないまぜな半生記かなぁw

何よりも演劇が好きな千晴は、ごく普通の生活を望む夫との離婚の報告をしに、大阪にいる母のもとへ帰省する。

新大阪行きの新幹線の車中、千晴の脳裏をよぎるものは…
夫と別れ、女手一つで自分と妹を育てた母のこと
自分の演劇好きに理解を示してくれた祖父のこと
地区大会優勝を目指した、高校の演劇部での日々
上京してからの出来事…後に夫となったヒトとの出逢いetc

まだ公演中なので、これ以上の詳細は伏せますが、最後、母親からのコトバで、千晴は気持ちを新たにします…といった2時間のストーリーでした。

私にとってはお馴染みの、倉本朋幸さん作・演作品なので、登場人物達が舞台中を駆け巡るパフォーマンスなど、ところどころに既視感がある舞台でした。
とはいえ、演劇への道を真っ直ぐに歩んでいく、素直過ぎるエゴイスト「千晴」の半生を、その周囲のヒト達との関わりを交えて描いた情景は、赤の他人であるワタシにさえも懐かしくもあり・うらやましくもあり…
観劇後も胸熱・目頭熱な気持ちがなかなか冷めませんでした。
良い時間を過ごさせてもらいました。感謝!

あと、個人的な記録用に配役を記しておきます。

千晴…田島冴香さん(熱演!)
妹・陽子…清水みさとさん
母…池田由生さん
店長(夫)、かつや先輩…奥田努さん(☜「店長」には心から同情しました、苦笑)
もえ(高校の友人)…青木真美さん
なっちゃん(同上)…でく田ともみさん
あいり(同上)…佐藤千夏さん
ゆな(同上)…絵理子さん(困り眉がチャーミングな方!)
みどり(同上)…藤井美緒さん
ひか(同上)…竹本みきさん(魔性の女、汗)
星丸(同上)…佐野剛さん
蓮池・大沼クン…佛淵和哉(ほとけふち・かずや)さん(『1999の恋人』に出てた方)
原先輩…中林翔平さん
あやか(同上)…郷間楓子さん
しずか(同上)…佐藤友美さん(終演後、ようやくご挨拶できたぁ♪)
森くん・黒っち…山脇辰哉さん
おじいちゃん・桑原先生…真心(しんしん)さん(大阪いるいる!タイプなおじさん)
旅人…松永大輔さん(人懐っこいスナフキン?!なキャラ)
非国民的演劇

非国民的演劇

しあわせ学級崩壊

王子小劇場(東京都)

2018/01/11 (木) ~ 2018/01/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/11 (木)

11日ソワレ(90分)を拝見。

ネタバレBOX

しあわせさんの作品、以前、上野小劇場で『チル、幻滅。』を拝見しているので、ハウスミュージックな大音響「演劇?」への免疫はあったものの、正直なところ、今回もまた、只々圧倒される90分でした。
でぇ、聴覚(セリフや音楽)・視覚(役者の挙動、セット)などから、感覚的には伝わってきた、作者からのメッセージだったが、終演直後、あまりにも曖昧模糊とした頭ん中の状態が気持ち悪くて、思わず台本買って・勝手に解釈を試みてみたものの…余計に理解が遠ざかったかも?(苦笑)

誤った解釈だったら申し訳ないが、本作品、出自・思想・信条の多様性にあまりにも不寛容な、「普通」とみなされない存在は「排除」することでしか対処し得ない、今の日本の一定の人々への異議申し立て、だと理解しました。
イザナギとイザナミに「猥褻」「生理」の名を冠した、国生み神話のエピソードからは、プリミティブな「性」へのアプローチを経て、人々が平等に・平穏に豊かな暮らしを享受していくという、この国の理想の在り方を感じ取りましたが、ミサイル発射→警報発令の現実下にある、この舞台を体験された若い観客の心に、どう響いたのかなぁ…そんな思いにもかられる作品でした。

役者陣。
梢栄さんの佇まい、木村みちるさんの悲痛な叫び、サカモト一家(息子・飯田紘一朗さん、父・源馬大地さん、母・小島望さん)のもろかった家族の絆、そして福井夏さんの絶叫、が印象に残りました。
エンれぱ!Vol.3

エンれぱ!Vol.3

しむじゃっく

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2018/01/04 (木) ~ 2018/01/08 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/01/07 (日)

7日13時・亀さんチームの回(85分)を拝見。

ネタバレBOX

最初の『紙風船』は何度か拝見したことのある古典だが、妻役の白須優里さんの佇まいが役柄に大変マッチしていて感心させられた。夫役・北川コヲさんの鷹揚な雰囲気が白須さんの魅力を引き出したのかなぁ? 

2番目『つくりばなし』(柴幸男作)も何度も拝見したことのある作品。
笑い所をわきまえた上で拝見させてもらったが、神谷春華さん&小西孟憲さんの演じ手お二方の、いかにも若夫婦なやり取りが微笑ましく思われた。

3番手『193』(表情豊作)は初めて拝見する作品。
途中でオチが読めてしまったのはご愛敬として、作者の実体験なのかなぁ?と終始ニヤニヤしながらの観劇だった。
鈴木健太さんの「ウザさ」は特筆モノ(☜褒めてマス!)。
出口晶美さんは、以前拝見した『女生徒』ではドンピシャのはまり役だったが、今回は…やや演技が単調だったかなぁ?
勝手にPV

勝手にPV

制作「山口ちはる」プロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2017/12/27 (水) ~ 2018/01/07 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/04 (木)

4日ソワレ(90分)を拝見。

ネタバレBOX

ストレートプレイというよりも、レビューというか、往年の歌番組を視た気分。
選曲と、着替えシーン(笑)と、ラスト前の『COLOR』に、作・演の倉本朋幸さんの色を強く感じた。
あと、個人的には、池上明杜さん振付の愉快な『♀』、教育テレビみたいな『ごはんが炊けたよ』(振付・椎田香王子さん)が視覚的に愉しめた。

役者陣。
久しぶりにジェットラグさん以外の舞台で観る、安定感抜群の安楽信顕さん
過日のヒロイン役よりも活き活きと舞台映えしていた田中愛実さん
このお二人と…初見の石垣エリィさん(堀内敬子さんとイメージが重なりました)が印象に残った。
前世でも来世でも君は僕のことが嫌

前世でも来世でも君は僕のことが嫌

キュイ

アトリエ春風舎(東京都)

2017/12/14 (木) ~ 2017/12/24 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2017/12/17 (日)

17日ソワレ(90分)を拝見。

ネタバレBOX

大学生の男の子が、夜の公演・異国の長距離バスの車内・大学の教室・喫茶店の4つのシーンで理不尽にも殺される夢を、順番アトランダムに、何度も何度も繰り返し見ては、目が覚め、前回までの記憶をもとに、なんとか夢の運命の輪廻を断ち切ろうとするストーリー(ただし、ラストは男の子からカノジョに主役交代?)。

序盤は迫力と意外な展開に圧倒されて、集中して舞台を観ていたが、さすがに1時間経った辺りからは、どうせ死んでも、すぐに蘇るドラゴンボールの登場人物達のゲームでも覗いているような気分に陥り、正直、興醒めした。
ト書きなセリフ回しとか面白いと感じる部分もあったが、夢の輪廻、90分も引き延ばすネタではなかったと思う。

ところで、本作品は、この作・演コンビの最高傑作!とのツイートを目にした。となれば、この作・演の作品、私はもう観る必要はないようだ。
サバンナモンキーの憂鬱

サバンナモンキーの憂鬱

くによし組

王子小劇場(東京都)

2017/12/06 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/12/07 (木)

7日ソワレを拝見(90分)。

ネタバレBOX

観劇後、真っ先に感じたこと。
非現実的な設定なのに、一向に不自然さを感じさせない…映像作品ではなく、観客との黙示の約束事が通る舞台だからこそ実現可能な、現代の寓話だと。

観劇後、しばらく経ってから感じたこと。
サルであれヒトであれ、結局、誰一人として「理想の自分」になれない・なりきれない…で終わるところだったのに、それでもまだ「理想の自分」に挑み続ける、音多衣子さん演ずる人物の執念深さ?が、主役たちを差し置いて、後からじんわり効いてきました。

最後に、記録用に配役をばっ!
青介(ヒト&猿)…梅田優作さん(☜とりわけ、目で訴えかける演技に説得力!)
トモ(猿)…澤原剛生さん
世話山(飼育係)…牛尾茉由さん
シャワーを浴びた後の世話山…市川賢太郎さん
山田(動物園職員)&ヤマダ(猿)…山田健太郎さん
タナベ(飼育係)&モメン・キヌ(猿)…三宅もめんさん
チャ子(猿)…赤猫座ちこさん
ランランカンカン(子猿)…大内瞳さん
マドンナ(絵が好き、実は風俗嬢、結婚間近)…小畑はづきさん
蒲郡(手癖の悪い動物園職員だが化学力有)…永井一信さん
偽獣医・後に飼育員…音多衣子(おと・たえこ)さん
桃テント

桃テント

ろりえ

駅前劇場(東京都)

2017/12/06 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/12/06 (水)

6日ソワレ(途中休憩5分込・125分?)を拝見。

ネタバレBOX

前公演『逮捕(仮)』とは全くテイストの異なった作品。
観終わった後、一体、どこをどう叩けば、これほどの荒唐無稽・ワールドワイド?な設定が出てくるんだと、エラく感心させられた。
とはいえ、おはなしのテイスト自体は、オトナのホームコメディというか、ハートウォーミングなストーリー。
主演の後藤剛範さん&加藤夏子さん、お二人の好演で、あと味の良過ぎるぐらい良い芝居となりました(二人がよりを戻す、という安易な結末にしなかったも好感!)。
共演者も、洪潤梨さん&安藤理樹さん、七味まゆ味さん、神戸アキコさん等、キャスティングの妙を充分に堪能出来ました。

それから、今回の公演、客入れ時の対応、途中休憩時・終演時のアナウンスなど、お客さんを愉しませようとする、作り手側の工夫が随所に見受けられました。
こうした試みがクチコミとなって、本公演、さらには次回以降の公演の、集客に繋がればなぁと願わずにはいられません。

最後に記録用に配役をばっ!

SP護闘…後藤剛範さん
護闘の妻ナッツ子…加藤夏子さん(『THE VOICE』の女子高生以来?)
デュオの男・A RIKI…安藤理樹さん
デュオの女・雲丹…洪潤梨さん
護闘の友人・テント屋の店長・尾倉…尾倉ケントさん
尾倉の妻…岩田恵里さん(『逮捕(仮)』での印象よりずっと若い!)
尾倉の母…久保亜津子さん
護闘の部下のSP…徳橋みのりさん
自撮りギャル?…奥山雄太さん
JAL機・機長…岡野康弘さん
副操縦士(ナッツ子の同期)…鈴木研さん
アテンダント(ナッツ子の先輩)…七味まゆ味さん
護闘の母…木村香代子さん
護闘の弟…満間昂平さん
某国のテロリスト…神戸アキコさん
某国の空港職員…山本周平さん
ナッツ子の父…松下伸二さん
『なんども手をふる』ご来場ありがとうございました。

『なんども手をふる』ご来場ありがとうございました。

Antikame?

ギャラリーLE DECO(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/11/29 (水)

11月29日ソワレ(125分)を拝見。

目を閉じて、役者さんのセリフに耳を傾けていると、渋谷のスクランブル交差点や駅前の状景が浮かんでくる感覚…
すれ違った赤の他人の心の声が、一方的に、自分の心に流れ込んでくる感覚…
静かな会話劇、居眠りすることなく(笑)、きっちり最後まで起きていられました。

役者さんで印象に残ったのは…女優陣でなく、杉原敏行さん・壇上太郎さんのお二方。上演中、その「駄目な中年男ぶり」に身につまされて、肩身の狭い思いをし続けていました、とさ(苦笑)。

終わらない世界

終わらない世界

ジェットラグ

紀伊國屋ホール(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/11/30 (木)

11月30日ソワレ(125分)を拝見。

ネタバレBOX

2014年12月の『私はスター』(初演)が大層気に入って、それ以来、全ての公演に足を運んでいる、ジェットラグさんの舞台。
全ての作品が素晴らしい…とは個人的にはいきませんでしたが(汗)、宝塚出身者をヒロインに据え、唄やダンスをふんだんに盛り込んだ舞台には、好感を抱くことが出来ました。

さて、今回のヒロインは大和悠河さん。
ズカの歴史に疎い私でもお名前を存じ上げていた、宝塚の元・トップスターです。
そんな彼女が「大女優・七瀬ミワコ」を演じる訳ですから、ジェットラグさんの従来作品以上に、主演の魅力を前面に押し立てた作劇。会場で大勢見受けられた大和さんのファンのみならず、他の役者さんのファンも巻き込んで、観客全てを魅了したんじゃないかなぁ…客席の反応をみて、そう感じました。

役者陣。
個人的に印象に残ったのは

まずは、藤田奈那さん。
『みんなのうた』『罠』とジェットラグさんの舞台で拝見してきましたが、芸達者な他の出演者たちと並んでも負けない舞台映えの良さ…今回は過去2作品から一足飛びに巧くなったなぁと(素人がいうのもおこがましいのですが汗)思われます。

次に、頼りない?プロデューサーを演じている、野口オリジナルさん。
小劇場の世界で何度も舞台を拝見している方ですが、今年の4月に拝見したnophonic orchestra『グリーン・マーダー・ケース』の執事役と同様、今回も役柄以上の存在感を感じさせてくれました。

最後に自分の記録用なんですが、配役一覧を掲載しておきます。

大和悠河さん…かっての大女優・七瀬ミワコ
百名ヒロキ(ひゃくな・ひろき)さん…ミワコの復帰舞台の小道具係
野口オリジナルさん…ミワコのプロデューサー・タカオ
帆風成海さん…ミワコのライバル女優
渡辺慎一郎さん…中堅舞台俳優
廣瀬響乃さん…タカオを脅迫する3人組の一人
藤田奈那さん…抜擢された新進女優
森田匠さん…タカオを脅迫する3人組のリーダー
伊藤真奈美さん…演出家・熊川の妻
安楽信顕さん…熊川の息子(ニート)
椎田香王子さん…タカオを脅迫する3人組の一人
鈴木歩己さん…演出家・熊川
音楽劇 チンチン電車と女学生

音楽劇 チンチン電車と女学生

劇団往来

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2017/12/02 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/12/03 (日)

12月3日マチネ(2時間40分+途中休憩15分)を拝見。

ネタバレBOX

平成22年、大阪での初演を皮切りに、広島、大阪、そして広島と上演を重ねて来た作品の、満を持しての東京公演。

純粋に音楽劇としての本作品に触れると、何度も上演を重ねてきた脚本に、稽古を重ねたのであろう出演者たちの演技・歌唱は、当時の若いヒト達の心情がわかりやすく・丁寧に描かれており、途中休憩をはさんだとはいえ、上演時間2時間40分の長丁場も苦になりませんでした。

ただ、自分だけかもしれませんが、メインの戦時中パートの合間に挿入される現代パート、祖父・真太郎と孫娘・マユのやり取りのみに留めておいた方が良かったのでは?と感じました。
今の社会に向けた警告を、現代の少女達が踊り・唄う場面の歌詞に託した作者の想いは大変共感できるのですが、ココで芝居の流れが途切れるのが難点に思われました。

さて、今回の東京公演は2日間のみでしたので、もしでき得れば、都内での再演を期待したいと存じます。
もっと多くの、特に若い方達に観てもらいたいので!
ホテル・ミラクル5

ホテル・ミラクル5

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/12/01 (金) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/12/01 (金)

12月1日20時の回(125分)を拝見。

ネタバレBOX

本編4本観終わっての印象は、過去のホテル・ミラクルと比べて、随分、味つけが濃くなったなぁと。

まず、トップの『ミラクル戦隊』。
坂本七秋さん演じるブルーの(土壇場でビビッている故の)屁理屈を並べ立てる弁舌には素直に笑えた…が、さすがに「弁舌」に取られる時間、ちょい長過ぎかな?
あと、後半での、石井智子さん演じるピンクとの攻守逆転?は素直にウケた。

お次は、『クロースチーム』。
ホテル・ミラクルを4を除き、初回・2・3と観て来た者には、一番、ミラクルらしく感じられた作品。
白野熊子さん演ずる小娘(☜失礼ッ!…でも、褒めてマス)に翻弄されっ放しの、依乃王里さんの中年作家に限りないシンパシーを覚えたw

三番手は、今回の『ホテル・ミラクル5』で、一番吹っ切れた印象の『やっちゃん×チャーコ+ミズオ』。
小劇場界隈の男性作家にはシャイな方が多いから、このテイストは多分、女性の…と思った通り、mizhen(みずへん)の藤原佳奈さんの作。
好悪が分れる作風だろうが、個人的には好み。
なお、蛇足だが、後半から登場する、坂本さん、依乃さんのお二人の恰好を目にした瞬間から、「ピアノ売ってちょーだい♪」のタケモトピアノのCMが脳裏に浮かんでしまい、笑いをこらえるのに往生して…セイシに耐えかねた。

トリを務める『きゅうじっぷんさんまんえん』。
接客側なのにぎこちない女B(演・大田彩寧さん)の突飛な言動の中に見え隠れする可憐さに、次第に惹かれていく、手慣れた客の女A(大和田あずささん)の様子が丁寧に描かれた佳品。延長料金払ってもいいから、もっと長い時間、二人のやり取りを観ていたかった。
月はゆっくり歩く

月はゆっくり歩く

シアターノーチラス

新宿眼科画廊(東京都)

2017/11/23 (木) ~ 2017/11/28 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/11/28 (火)

当日パンフに目を通した時、以前、この劇団さんで拝見した『スカイ』の二の舞…頭ん中でこしらえた感の強い芝居かなぁ、と一瞬引いてしまったが、いざ拝見してみると、「今」の日本社会を強く意識させられる、リアルな作品(85分)でした。

ネタバレBOX

Twitterの呼びかけで集まった、月が2つ見える人々の群像劇。

いつものノーチラスさんらしく、登場人物一人ひとりにスポットを浴びせ、丁寧に描写していく手法は健在。ただ、個々の人物造形、どことなく、過去作品で見かけた人物像のような気がします。

決して軽い題材を扱っている訳でもないのに、ノーチラスさんの作品にしては珍しく(笑)、観ていて肩の凝らない85分でした。
過熱しがちなストーリーの展開を、石田茜子さん演ずる(ノーチラスの芝居には珍しい、過度に深刻ぶらないキャラである)千枝が示すクールさが、程よく冷ましてくれたからかなぁと。

ただし、肩が凝らずに観られた代わりに、ノーチラスさん独特の、ジリジリした焦燥感が、今回、希薄だったように思われます。
例の座間の事件に影響されて、筆が…いや、キーボードを打つ指が鈍ったのかなぁ?
それとも、今回、木村香織さんが出演されていないからかなぁ?

色々と考えさせられる、水準以上の良い芝居だったと思います。個人的には満足しています。
ですが、ノーチラス印の包装紙を信頼して来られたお客さんには、封を開けてみて、中身の、ちょい喰い足りなさに拍子抜けしたんじゃないのかと、勝手ながら案じてしまいました。団体さんのカラー、というか持ち味、大切になさった方がよろしいかと。

最後に、記録として役者陣に関して。
鈴木響さん…引きこもり。呼びかけ人。隠れた目的を持つ。
北村とうこさん…姉と交代で、父の介護。未婚。主婦売春等。実は…
山岸香菜さん…主婦。妊娠中。夫の性格が面倒。
石田茜子さん…医療系の専門学生だが、実は画家志望。今回、唯一のクールな人物。
渡辺航さん…面倒な夫。外弁慶。オトナ子供。
竹田真季さん…母と二人暮らし。独身。初めはクールでシニカルだったが…
小玉賢太さん…かっての売れっ子SF作家。今は小悪党の詐欺師。実は…
愛と死をみつけて

愛と死をみつけて

劇団ハッピータイム

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2017/11/18 (土) ~ 2017/11/19 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/11/19 (日)

ファニーフェイスに似合わぬ強い声質の、ヒロイン役・まついゆかさんは、今回の「悪女」のような印象の強いキャラを演じると、舞台映えするなと感心しきり。
同じくファニーフェイスながら声質もファニーな白井あんさんとの相性も良く、安心して観ていられた。

作品自体に関しては、他の方もおっしゃっておられる通り、合間に挿入されたギャグが、脚本のセンスが古いのか・演じ手の力量不足なのか、大半が滑ってしまい、シリアスドラマでの息抜きを意図したのだろうが、私には不要に思えた。
ストーリー自体はよく練られていたので、シリアスなトーンで首尾一貫した方が、より印象深かったのでは?と惜しまれる。

『青いポスト』/『崩れる』

『青いポスト』/『崩れる』

アマヤドリ

王子小劇場(東京都)

2017/11/04 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/11/16 (木)

16日の晩、今度は女性キャスト・オンリーの『青いポスト』(110分)を拝見。

ネタバレBOX

『崩れる』とは対照的に、今度は群舞あり・ソロパートありの、スタンダードな「踊るアマヤドリ」。
2組の姉妹を軸とした、住民たちの群像…いや、感情の交錯劇は、(まだ公演中なので内容は伏せますが)何気に尾を引く結末が感慨深い作品でした。

双子の姉妹ユリナ・カンナは、いわゆる、賢◯愚◯ではなく、複雑な家庭環境の下で育ったせいか、2人とも、狡猾で自己本位。この「2人とも…」だからこそ、ラストで、相葉りこさん演ずる姉ユリナが躍るソロパート、ひと際、胸に応えました。

理性的には「無謬(むびゅう)なヒト」故に、かえって妹エリカの反発を招き、カンナを無謀な行動に走らせたミズキ…演ずる小角まやさんの面差しには、「慈愛の(無意識な)悪意」を痛く感じさせられました。
また、ミズキの妹役・古澤美樹さん(てっきり、アマヤドリのヒトだとばかり思いこんでいました、汗!)の熱演も忘れられません。
『青いポスト』/『崩れる』

『青いポスト』/『崩れる』

アマヤドリ

王子小劇場(東京都)

2017/11/04 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/11/14 (火)

出演者が全員男性の『崩れる』(110分)を14日ソワレにて。

ネタバレBOX

アマヤドリさんにしては珍しい「踊らない」作品。
序盤からクスクス笑いを取っておきながら、人間不信と、それに抗おうとする善意との、せめぎ合いの終盤が圧巻の会話劇は、随分と見応えがありました。
ただ、松田正隆さんの古典的名作戯曲『蝶のやうな私の郷愁』的な結末で、全てを『崩』すしかなかったのかなぁ?と。

劇中、険悪な空気が漂う夕食のシーン…にも拘らず、箸を止めずに飯を喰らい続ける、同窓5人組の一人・江田。客演の 『哀しい夢すら、忘れてしまう』に引き続き、演ずる倉田大輔さんの惚けた・醒めた味わいが強烈に印象に残りました。

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