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ロミオとジュリエット=断罪

ロミオとジュリエット=断罪

クリム=カルム

スタジオ空洞(東京都)

2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/03/21 (水)

23日マチネの回(100分)を拝見。

ネタバレBOX

ロミジュリの基本設定・セリフ・登場人物を使った、オリジナルのストーリーだったが、単なる借り物に成り下がることなく、テンポ良く・わかりやすく・瑞々しい若さの溢れる舞台に仕上がっていたと思う。

役者陣。
個人的には、森本あおさん&高嶋友行さんの、劇団木霊のお二人が醸し出すフレッシュさに好感。
なお(自分がスピーカーのほぼ真下に座っていたからだと思い込んでいたが)他の方も指摘しておられたように、何人かの役者さんのセリフが不明瞭な場面が少なからずあった。ただ、これは声量ではなく、基礎的な発声の問題だと…(私は演劇の素人なので、以下略)。

あと、作品自体の話ではないのだが、上演中、ちょっと理解しがたいタイミングで声を出して笑う観客がおられ、大変、戸惑わされた。まぁ、こればっかりは文句を言う訳にもいかないので、運が悪かった、と諦めるしかないのだろう。

最後に配役を記しておく(※原作と設定の異なるキャラ有り)。
ジュリエット(キャピュレット家の娘)…能澤ゆかりさん
ロミオ(モンタギュー家の息子)…炬鉄刀さん
ヴェロニカ(殺されたローレンス修道士の後を継ぐ。ティボルトと恋仲)
…長田咲紀(おさだ・さき)さん
ロザライン(ロミオの片想いの相手だったはずが…。パリスの妹。ジュリエットの親友)
…森本あおさん
ベンヴォーリオー(ロミオの親友。当初はロザラインと恋仲だったが…)…高嶋友行さん
キャピュレット夫人(ジュリエットの母)…小沼枝里子さん
モンタギュー夫人(ロミオの母)…乃々雅ゆうさん
パリス(次期騎士団長候補。ジュリエットに横恋慕)…相庭奈美さん
マキューシオー(パリスの弟、ロミオの親友)…野中礼子さん
エスカラス大公(私見だが、このヒトさえしっかりしてたら、一連の悲劇わぁ…)…池田弘明さん
ティボルト(ジュリエットの兄)…安藤裕さん
灯影ノート

灯影ノート

演劇ユニット「クロ・クロ」

東演パラータ(東京都)

2018/03/16 (金) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/03/17 (土)

17日ソワレ(120分)を拝見。

ネタバレBOX

「コミュニケーション」の話だと受け止めた。いや、「会話」と言った方がより相応しいだろう。
ヒトミはキヨコにシャワーを浴びせかけるかの如く喋り続けるも、結局、キヨコの気持ちを踏みにじる結果に…。
ミキ・ユカリ姉妹の家族が崩壊しかかったのも、シイに引っ張り回されていたイベの傷心も、そして、キヨコ達が存在する仮想世界の創造主・ゼノとゴスとの関係も…目の前にいながらも伝わらない・理解されない想い。
唯一、2ウェイの「会話」として成り立ったのが、次元を超えたキヨコとアリスの二人の関係だけだったというのは一種のアイロニーか。

この作品を構成する「箱庭」というマトリョーシカな世界観に関しては、当日パンフの詳細過ぎる登場人物紹介のおかげで把握できた。仮想世界での個々のエピソードも肌感覚で実感し得た。しかし、個々の仮想世界と、アリス達のいる現実世界を貫くテーマに関しては…いまいち、自分には理解が届かなかったかなぁ。
とはいえ、不思議と惹きつけられる2時間だった。
なお、出来るだけ観客にわかりやすく、という意図なのだろうが、前述の当日パンフで「ゴス=アリス」をバラしてしまっているのは、首を傾げざるを得なかったなぁと付記しておく。

【配役】
仮想世界(1980年前後)
キヨコ…松本真菜実さん(熱演!あっぱれ!)
フルタチ…千頭和直輝さん
ヒトミ…岩浦さちさん

仮想世界(2000年前後)
ミキ…木村優希さん
ユカリ…花奈美咲さん
ユウダイ(今回一番シンパシーを感じた役柄でした)…大寄正典さん
フミ…キジマチカさん(どこかで見覚えが…『狂乱フリーク』以来!)

仮想世界(2020年前後)
シイ…斉藤可南子さん
イベ…中込博樹さん
ワタヌキ…長瀬巧さん
トレント…伊織夏生さん

現実世界(2060年前後)
アリス…岩元由有子さん
デイブ…鈴木健太さん
ゴス…佐藤匡さん(『新宿の紫のバラ』に引き続き…演技が目に焼き付きました)
ゼノ…植松りかさん
ボス村松のラジオ

ボス村松のラジオ

劇団鋼鉄村松・日本のラジオ合同公演

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/03/15 (木) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/03/16 (金)

16日ソワレ(85分)を拝見。

ネタバレBOX

まず、天井に飾られた星々にDJブースとトラックの運転席のセット等々…簡素だが、それ故に、これから始まる芝居への誘い役としても充分に機能していたように思う。

でっ、いざ始まってみると、噂通り、文学の薫りがして、昭和の深夜ラジオ文化の香りがして、さらに、舗装道路なのに何処かロードムービーな土煙の埃っぽさを感じた。
個人的印象だと、宮沢賢治と沢木耕太郎に、あと何か余計なモノwを加えてから3で割ったテイストの85分間だった。

【追記】
今宵は開演前に、フジタタイセイさんを交えてのトークがあったので、マルエツ「中の市」の特価品のような(何故、ココでマルエツの名を出したのかは、16日ソワレの観客しかわからないかなぁ?)お得感があった。
かもめ~4幕の喜劇~

かもめ~4幕の喜劇~

遊劇社ねこ印工務店

シアター711(東京都)

2018/03/14 (水) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/03/15 (木)

15日ソワレ(1時間45分)を拝見。

ネタバレBOX

言わずと知れたチェーホフの名作を「初心者向け」「敷居を低く」との意図で、1時間45分に短縮した「小劇場版」で上演とのことだが、話の運び自体は、フルバージョンを数回拝んだことのある身にも、違和感なく受け入れられた。
ただ、その「敷居を低く」するために施されたのだろう、劇伴・水着シーン!・コースチャの関西弁セリフ!!等々のお茶目な味つけ(演出)に関しては、意見が分かれるかなぁ。演劇に一家言あるベテラン観劇者あたりの渋い顔が想像されるかと(苦笑)。

ニーナ役の箕輪菜穂江さんは元々「純真な少女」の容姿と佇まいの方なので、トリゴーリンと出逢ったばかりの頃は文句なし! 後半のうらぶれたニーナも、デフォルトが「純真な少女」な方なので、前半とのギャップがより強烈に伝わってきた。
なお、女優ならば誰もが演じたい役を得た、箕輪さんの意気込みがひしひしと伝わって来て、役柄のニーナと二重写しに見えたのは、イチ観客として僥倖だったかもしれない。

最後に苦言。二日目にしては、全体に素人でも気づくレベルの噛みが多い。その都度、折角のお茶目な演出による魔法が解けて素の世界に戻ってしまい、つくづく勿体ないと感じた。


【配役】
コースチャ(ナイーブな感性の持ち主。ニーナとは恋仲だったが…)…森勇介さん
ニーナ(女優を夢見る純朴な娘だったが、後に…)…箕輪菜穂江さん
トリゴーリン(人気作家、アルカージナの恋人だが、ニーナにも…)…大塚メルセデス亮一さん
アルカージナ(コースチャの母親。子供への接し方は不器用。大女優、だった)…晴美さん
ソーリン(アルカージナの兄。穏健。屋敷の主人)…小栗健さん
ドールソ(恋の遍歴を重ねた50代の医師)…高橋浩一さん
シャムラーエフ(屋敷の管理人。芝居好き。マイペース)…なるせこうさん
ポリーナ(シャムラーエフの妻。ドールソ医師と何か…)…丸山美樹さん
マーシャ(シャムラーエフの娘。コースチャに片想い)…長沢朋枝さん
メドベジェーンコ(学校の先生。何かと「残念な」ヒト。後にマーシャの旦那)…榊原悠祐さん
ヤーコフ(屋敷の下男)…岡田竜二さん
キャッシュ・オン・デリバリー

キャッシュ・オン・デリバリー

旋風計画

シアターKASSAI(東京都)

2018/03/14 (水) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/14 (水)

14日ソワレ(110分)を拝見。

ネタバレBOX

作品は、英国の脚本家マイケル・クーニーの代表作で、日本でも何度か上演され、その都度、好評を博した、とか。
芝居自体は、スワン家の一室(エントランス兼リビング)を舞台に、エリック・スワンと、下宿人ノーマン・バセットが、次々と現れる訪問者に(勝手にw)翻弄される、典型的なシチュエーションコメディー。
このシチュエーションコメディーって、主役を初めとする軸になる役者たちがしっかりしていないと、ドタバタが空回りして観客席はシラケてしまいがち。
その点、今宵の主役、エリック・スワン役の嶋田健史さん、まるで当て書きされたかのようにハマリ役でした。
でっ、軸になる主役がしっかりしているので、他の愛すべき登場人物達も輝いてきます。
おかげで、2時間弱の上演中、大げさでなく、客席の笑いが絶えませんでした。
事前に考えていた以上に、上質なコメディーでした。

【追記】
ワタシが観たTeaチームの配役を記しておきます。

エリック・スワン(平凡な主人公のはずがぁ…w)…嶋田健史さん(ホンマにハマり役でした!)
リンダ(エリックの妻、短気?)…けけさん
ノーマン・パセット(スワン家の2階に住む下宿人、騒動に巻き込まれ…)…稲村大輝さん
ジョージおじさん(エリックの親族で、彼の「秘密」に関わっている)…藤本康平さん
ジェンキンズ調査員(ロンドン市役所の社会保険担当、愛すべきお人よし)…杉井キレさん(この芝居で一番おいしい役柄かなぁ?)
クーパー課長(ジェンキンズの上司、威厳があって怖い)…福浦麻子さん
サリー(福祉協会のボランティア、思い込みが激しい?)…生田目(なまため)さくらさん(3年ぶりに拝見、素敵な女優さんになられました)
フォーブライト夫人(サリーが呼び寄せた葬儀屋)…金田一しおりさん
チャップマン先生(リンダが依頼したカウンセラー)…相原真志さん
ブレンダ(ノーマンの恋人)…彩未理加さん(14日出演)
あとお一人、男性の方がぁ…???
安吾二篇

安吾二篇

劇団肋骨蜜柑同好会

新宿眼科画廊(東京都)

2017/11/10 (金) ~ 2017/11/13 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/11/10 (金)

新宿眼科画廊で、太平洋戦争の前後にかけて活躍した文筆家・坂口安吾の著作を取り上げた、劇団肋骨蜜柑同好会さんの『安吾二篇』
10日の晩に『散る日本』(60分)
11日の晩に『白痴』(75分)
を観て来ました。

ネタバレBOX

まずは『散る日本』。
1940年代の当時、棋界最強を誇った木村義雄・第14世名人と、対戦者・塚田正夫八段との第6期名人戦の様子を「私(=坂口安吾)」の目を通して記述した観戦記です。

でっ、会場入りして真っ先に目に飛び込んできたのは、縦1列に敷かれた畳状のボード。
左右には新聞紙に原稿用紙の切れ端が無造作にバラまかれ…。
ふと原稿用紙に目を落とすと、そこには『散る日本』の手書きの文面が!
何処となく、背筋がピシッとするような、気迫が伝わって来る舞台セットです。

上演中は、その畳状のボードの上を、相当使い込んである将棋盤を隔てて、木村名人役の室田渓人(むろたけいと)さんと、塚田正夫八段役の小林勇太さんとが、一手打とうとする毎にフェンシングの選手のように前進・後退を重ねます。

その一挙手一投足を「実況」するのが、観戦者たる「私」(演・フジタタイセイさん)。

「実況」は次第に、敗局濃厚な盤上を睨みつつ苦悶する木村名人の描写に重点が置かれていきます。
かっては、どんな(汚い?)手を用いてでも貪欲に勝ちを求めに行ったアノ木村義雄が、いつしか、棋界の権威とか風格とかいう形ばかりのモノに取り込まれ、棋力衰えたあげく、今、まさに名人の座を奪われんとす…

安吾には、その凋落のさまが「神国ニッポン」という、何ら実態を伴わぬ幻想に引きずられるまま、先の敗戦で心底痛めつけられた、かっての我が国の姿にも重なったのでしょうか。ラストシーンでの「私」の絶叫が鎮魂歌のように響いて来て…

この空間を造り上げた、つゆだく…ならぬ、汗だくだった、お三方の役者さんの、正真正銘の熱演に、帰路についた後も、ずっとシビレっ放しでした。


21時間後に戻って来た会場には、畳状のボードが、今度は2枚だけ二の字に横に並べられ。こちらの方が将棋の対局の場に相応しいかなぁ(笑)。
ただし、この場所は
或る時は、民家の一室であり
或る時は、映画会社の事務所であり
或る時は、空襲最中の街の雑踏…。

終戦間近の東京・蒲田界隈を舞台に描いた『白痴』。
主人公は、徴兵を逃れるために映画会社に勤めている演出家(演・笹瀬川咲さん)。
世相におもねるばかりの、映画会社の人々に嫌気を差しつつも、戦局の悪化に伴い、次第に困窮していく生活に追われて、理想に燃えた、かっての情熱の灯も消えゆくばかり…。
そんな彼が。眉目秀麗なれど自らの意志というモノを持たぬ「白痴の女」、隣家の新妻(るんげさん☜上掲のフライヤーのモデル)と出逢い、密かに共に暮らし始め、やがて空襲の戦火を潜り抜けていくまでの日々を描いた短編です。

上演中、主人公以外は豚や犬、鶏、家鴨に仮託させたような登場人物達が放つ、一つ一つのセリフや地の文に含意が察せられ、集中して耳を傾けてみました。
おかげで終演後はヘトヘトになりましたが、理想と現実の狭間に身をやつした末、目に見えるモノを大切にしていこうとする、作者・安吾の決意というものが察せられました(誤読だったらスイマセン、汗!)。

役者陣。
何度か舞台を拝見したことがある石黒麻衣さん、小島望さんに、確か初見の兎洞大(うどうだい)さんの堅実な演技に支えられて、主演の笹瀬川咲さん、るんげさんのお二方が、より一層、引き立ったように思われます。

さらにいえば、石黒さん、小島さん演ずる人物達の(意図的にか?)概ね背筋伸ばし、ヒトとしての温もりをあまり感じさせない風情が、るんげさんの「白痴の女」の童女の清らかさとグニャリとした肉感を併せ持つ「生身の人間」感を、より鮮明に印象づけたように感じました。


最後に。
舞台2本、観終わってみて、作・演のフジタタイセイさんが、どうして今どき(☜おいおい)坂口安吾の著作を取り上げたのか、わかるような気がしました。


【追記】
2018年3月12日、笹瀬川咲さんが1月にご逝去なされたことを知りました。
私よりはるかに若い方の訃報は、本当に胸が痛みます。
笹瀬川さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
今度は背中が腫れている

今度は背中が腫れている

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/04 (日)

4日ソワレ(80分)を拝見。
意味不明なw設定の下、シンプルな会話の妙だけで笑いを取りに行くのが特徴の団体さんだが、今までの作品の中では、今回の公演が一番、客席の反応が良かったように思える。
あと、後ろの席から聞こえて来る、小学生?のお嬢さんの笑い声が舞台上の展開と大変マッチしていて、相乗効果を生んだように感じられた。影のMVPかなぁ。

ミラクル祭’18

ミラクル祭’18

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/03/05 (月)

Ex(エクストラ公演)の『あぁ県大会』。
大勢の出演者の中、どの役者さんが良かった…なぁ〜んて野暮は言いっこなし。多少のドタバタもセリフの言い間違いも愛嬌・愛嬌!
ミラフェスの掉尾を飾るに相応しい、賑やかやなワンナイトの50分芝居、存分に愉しめました。

ネタバレBOX

個人的な記録用に配役を記しておきます。

【青葉高校】
津山夏南さん(高校演劇部の1年生役、ホントにそう見える!実は大学生の役者さん)
ニュームラマツさん(兎亭でよく拝見する役者さん)
丸山夏歩さん(演劇部長役)

【総英学院(エリート校)】
伊藤貴史さん(部長役)
澤田千尋さん(副部長?役)
坂本まどかさん(クールビューティな1年生役)

【宮浦工業高校(不良の多い高校)】
幾世優里さん(部長役)
國府田稔さん(田邉美保さん演じる他校の生徒に片想いする役)
坪和あさ美さん(ガラの悪い1年生役)
渋谷裕輝さん(熱血教師な顧問の先生役)

【鬼祭大付属高校(昨年の県大会優勝校)】
熊坂真帆さん(声量の大きな部長役)
山下諒さん(ヴァイヤントループの役者さんをシアターミラクルで観られるとは!)
中野華子さん(腹黒いところもある1年生役)
関彩葉さん(気になったので、調べたら、リアル高校生だった!)

【白百合女学園高等部(お嬢様学校)】
外井咲和子さん(「宝塚の男役」的部長役)
田邉美保さん(部長大好き!な部員役)
佐藤あすかさん(「男役」な資質のある1年生)

【いちごドロップ学園(関東大会レベルの強豪校)】
ニシハラフミコさん(クールな部長役)
箱田怜音さん(部員役、椅子やクルマに成り切る演技が出来る)
澤田鯉太郎さん(同上)
松村圭さん(同上)

工藤和馬さん(無垢な少年役)
齋藤有里さん(少年&熊坂さん演じる部長の母親役。ご飯を炊くのが巧い?!かも)
奥田悟史さん(ひったくり役の合間に劇団公演のPRをする主宰)
フジタタイセイさん(高校演劇地区大会の審査員役)
ミラクル祭’18

ミラクル祭’18

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/03 (土)

3日ソワレで、Cチームの回を拝見 (85分)。

ネタバレBOX

前半の 『透明人間、消える』。
キャスト中、唯一、お初の須藤大輔さん
ガールズバー以来の田邊美保さん
東中野ではサナギ→蝶だった小森かなさん
のお三方を、坪和あさ美さんがリードする、チームワークの良い座組だなぁと、観劇中、何度も頷く出来だった。テンポも間合いも良かった。
それにしても坪和さん、シリアスな舞台も拝見していて、その芸域の幅は承知しているが、やはりコメディでこそ真骨頂を発揮されるなぁ、と個人的に勝手に合点。

後半の『銀河旋律』は、2014年の夏、旋風計画(アネモイプログラム)さんの舞台で観ているので、只々、懐かしく…
個人的には、見米克之(みこめ・かつゆき)さん、幾世優里さん、きだたまきさん、そして、キャラメルボックスな世界観にマッチした、愛くるしい津山夏南さんが印象に残った。
なお、きだたまきさんには次の新しい首相のときにも女性キャスター・ヨシノを演じてもらい、あの力技な物真似を披露してもらいたいなぁw
新宿の紫のバラ

新宿の紫のバラ

めがね堂

新宿眼科画廊(東京都)

2018/03/02 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/02 (金)

2日ソワレ・初日の舞台を拝見(90分)。

ネタバレBOX

本作品の脚本・演出が武重守彦さんで、劇中の悩める脚本家が「タケシゲ・モリヒコ」。
その劇の中で「タケシゲ・モリヒコ」に見立てた主人公を演じるヨリノ・オウリ役の(実際の)役者さんが依乃王里(よりの・おうり)さん。
男(モリヒコ)が少女と出逢った小劇場の設定が「東京は新宿の歌舞伎町にほど近いギャラリーであり、病院でもある雑居ビルの地下」って、まさしく新宿眼科画廊・地下スペースのまんま!
という、虚実交錯する空間・設定の下、モリヒコの世界を疑似体験させられました。

でぇ、めがね堂さんの舞台って、前公演の『間の女』でもそうだったんですが、(季節外れな例えで恐縮ですが)秋の夜長、寝床で紐解いた私小説の文庫本の、読後感にも似た印象を残すんです。
何気に、じんわりと魂を揺さぶられた90分でした。

役者陣。個人的には
以前から面識のある川原真衣さん
『ホテル・ミラクル5』という公演で知った依乃王里さん
そして、タケシゲ・モリヒコ役の佐藤匡(まさし)さん
のお三方が印象に残りました。

【追記】
記録として配役を記しておきます。
タケシゲ・モリヒコ…佐藤匡(まさし)さん
アベジュンコ…三浦葵さん(雰囲気のある方です)
ジュンコの父、他…高山五月さん
ジュンコの母、他…秋山静さん
星影ワルツ(ジュンコが入団した劇団の主宰)…川原真衣さん
イシザカ(星影劇団のマネージャー)…高森修平さん
リエ(星影劇団の劇団員)…吉原知奈美さん
ヨリノオウリ(タケシゲの役を演じる男優)…依乃王里さん
センチメンタル・ソファ―

センチメンタル・ソファ―

Drama Collection

シアター711(東京都)

2018/02/27 (火) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/03/01 (木)

1日ソワレ・A班の回(100分)を拝見。

ネタバレBOX

当日パンフを劇場に置き忘れてしまったので、拙い記憶に頼って感想を述べると…

最初のエピソード。「端役」2人の役者さんのやり取り、「役者」でなくても身につまされる内容。ただ、個人的印象だが、役者さんお三方の脚本に忠実(であろう)な演技にも関わらず、オチがすっきりオチなかったように感じられた。

二番目のエピソード。ありていに言えば、よくある話。既視感ありありのストーリーの中、4人の役者さん、規定演技な役柄を好演。特に、妻の幻影役、俳優の故・伊藤俊人氏に面影の似た会社の同期役のお二人が良かった。

三番目のエピソードは、オリジナリティがあるというか、今回の4つのエピソードの中では群を抜いて良かった。特に、放蕩息子の長男役の方、オイシイ役柄を心から愉しんで演じておられるように見えて、観ている側も微笑ましく思えた。

最後にプロローグと分けて、他のエピソードをはさむ形となった、第四のエピソード。
せっかくサンドイッチ構造にされたんだから、たとえば最初に登場したソファーが売りに出され、第一・第二・第三のエピソードの場所を転々とした後、最初の二人の下に帰って来る、みたいな流れを予測していたのだが、とりたてて他のエピソードと関連性無し。巻頭とラストに分ける必要、あったのかなぁ?と。
お二人の役者さん、拝見しながら、恐らく今回の座組中、最強?の演技者なんだろうと感じられた。それ故に、公演の水先案内人的役割まで担わせるのではなく、担当されたエピソードを通しで演じさせてもらいたかった。
ミラクル祭’18

ミラクル祭’18

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/02/26 (月)

26日15時回で、B班の2本立て(95分)を拝見。

ネタバレBOX

最初の『お父さんをください』は、アガリスクの冨坂さんらしい、屁理屈コメディ(☜褒め言葉)。ところどころで『時をかける稽古場』が想起され、何度もニンマリさせられた。
あと、澤田千尋さんが角度によっては、門脇麦に見えたのがお得だった♪

後半の、夢の神の名を冠した、フジタタイセイ×アリソン・グレイス『モルフェウスの使役法』は、観ているうちに夢と現(うつつ)との境い目が曖昧模糊となる作品。主人公の翻弄される様子や、海辺のシーンに、個人的には、唐十郎氏主演の、とあるテレビドラマ作品が思い起こされた。
役者陣。『勝手にPV』にも出られていた名取えりかさん、作風に凄くマッチ!と感心しきり。主演の小林勇太さん共々、昭和の、オトナの俳優さんの風情が感じられたのは、オッサンのオイラも、観劇中、夢と現の境界線に彷徨い出ていたのかなぁ?
向井坂良い子と長い呪いの歌

向井坂良い子と長い呪いの歌

少女都市

立教大学新座キャンパス(埼玉県)

2018/02/24 (土) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/02/25 (日)

25日15時の回を拝見(1時間45分)。

ネタバレBOX

ベランダ階や、生憎の曇り空だったが、外光を取り入れたりと、会場の機能を活かし、5人の女優さんのうち3人が始終駆け回っていたイメージの1時間45分は、作者の意図はさておき、青臭いが清々しい印象を残した。
また、主演の狩野陽香さん、以前、下北沢で『聖女』を観たときもだが、何気に、こちら側の気持ちに喰い込んで来るなぁ、と再認識。良い役者さんですね。
このBARを教会だと思ってる(千秋楽満員御礼、終幕しました!ご感想お待ちしております)

このBARを教会だと思ってる(千秋楽満員御礼、終幕しました!ご感想お待ちしております)

MU

駅前劇場(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/26 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/21 (水)

21日ソワレ(110分)を拝見。

ネタバレBOX

カウンターの片隅でズブロッカ舐めながら、他の酔客達のアレヤコレヤに聞き耳立てて、ニンマリしたり・首を横に振ったり・頷いたり…な気分で過ごした110分。
場転毎に奏でられる、まるまどかさんのギターの音色は、ラジオの深夜放送でコーナーの合間に流れるジングルの役割か? 4つの章を統一したムードでつなぐ演出は巧みだなぁと。

役者陣。
いつもながらの、正月のおせちのお重のような、豪華なキャスティング。
とりわけ、鵺的さんの『奇想の前提』から注目している、ユリカ役の福永マリカさんと、電動夏子安置システムさん『グランディ氏の穏やかな遺言』でその存在を認識した、誠子役の志賀聖子さんのお二人が印象深かった。

※記録用に配役を記しておきます。
古市みみさん(バー「さざなみ」の常連・三恵子)
福永マリカさん(三恵子の妹・ユリカ。純粋な故に嫉妬深い)
成川知也さん(「さざなみ」のマスター。傍観者的な人物が一歩踏み出したところ…)
まるまどかさん(「さざなみ」のママ。ミュージシャン)
西川康太郎さん(水商売系のなんでも屋)

森口美香さん(「さざなみ」のアイドル。帽子屋を夢見る)
浜野隆之さん(スーツ・メガネの帰宅拒否組)
榎本純さん(図書館勤務の公務員、ぼーっとしたメガネの帰宅拒否組)
菅山望さん(不動産屋勤務のイケメン・メガネの帰宅拒否組)
橋本恵一郎さん(グーグル勤務の意識高い系・メガネの帰宅拒否組)

真嶋一歌さん(上階のガールズバー「フルーティ」の「ナース」、姉御肌)
加藤なぎささん(「フルーティ」の「ゴスキキ」、漫画家志望)
温井美里さん(「フルーティ」の「メイド」、岡山のカノジョ)
藤田りんごさん(「フルーティ」の「キョンシー」、写真が趣味)
小島望さん(「フルーティ」の「主婦雪姫」、人妻)
岡山誠さん(「さざなみ」のバイト・岡山、ドラマー)
久保亜津子さん(「フルーティ」のママ)

志賀聖子さん(ユリカの親友だが、ユリカの彼氏と密かに…)
見よ、飛行機の高く飛べるを

見よ、飛行機の高く飛べるを

ことのはbox

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/02/14 (水) ~ 2018/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/14 (水)

初日(2時間25分)を拝見。

ネタバレBOX

他の方もおっしゃっているように、永らく公演名だけはあちこちで目にしていた、永井愛さんの名作、私にとっての有名戯曲のメンター・ことのはboxさんの舞台で初めて観ることができる♪とワクワクしながらの初日でした。

観終わっての感想。
井上真央さん主演のNHK朝ドラ『おひさま』の女学校篇を思い出しました(同じ「女子師範学校」とはいえ、本作の明治とは違い昭和初期でしたけど)。
自由にのびのびと生きていきたい・愛していきたい!という人間本来の望みと、社会の規範・当時の倫理観との軋轢…さすがにNHKでやらない(やれない?)学内ストライキの顛末を通して描かれる青春像は、終演後も、ヒロインの光島延ぶや杉坂初江だけでなく、他の生徒さん達から新庄先生や安達先生に至るまで、まだ若い登場人物たちの「その後の人生」に、ついつい思いを馳せてしまいがちに…。
良い演劇体験をさせて頂きました。感謝です。

役者陣。
ヒロイン・光島延ぶ役の春名風花さん。ハマり役です。その聡明な表情と真っ直ぐな声をもって、これまで拝見してきた幾つかの舞台の中でも、ズバ抜けた出来だと思いました。
もう一人のヒロイン、杉坂初江役の廣瀬響乃さん。
何度も舞台を拝見しているので、演技力のある方だというのは承知していましたが、今回、春名風花さんという、ある意味、強烈な個性の相手役を得て、持ち味である、おおらかでスケールの大きな芸風がフルに発揮出来たのではないでしょうか?
舞台上での姿が、これまでになく活き活きとして見えました。
それから…ことのはboxさんの舞台、御縁があってか、第2回の『家を出た』から今宵の『見よ、飛行機の高く飛べるを』まで全ての公演を拝見しているお陰で、三村伸子さん、新田えみさん等、顔と名前が一致する役者さんが増えて来ましたが、今回は、役柄と雰囲気がとてもよくマッチしていた、槇野レオナさんがとりわけ印象に残りました。

最後に、自分の記録用に配役を記しておきます。
光島延ぶ…春名風花さん
杉坂初江…廣瀬響乃さん
大槻マツ(しっかり者)…工藤杏子さん
山森ちか…槇野レオナさん
木暮婦美さん(恋に恋する乙女)…篠田美沙子さん
梅津仰子…宮島はるかさん
石塚セキさん…関谷彩美さん
北川操(最後、身内と光島達との板挟みで苦悩)…石塚咲妃さん
新庄先生(愛すべき「優柔不断」)…岡田コセさん
安達先生(このヒトの視点からのアナザストーリーも観てみたい)…新田えみさん
菅沼先生(規範を重んじるも、安達先生を理解)…木村望子さん(好演!)
中村先生(話好き)…加藤大騎さん(好演!)
青田先生(太鼓持ち)…大久保洋太郎さん
難波校長(生徒に硬軟双方で迫る「権威」の象徴)…長野耕士さん
板谷わと(寮の賄いさん)…三村伸子さん
板谷順吉(わとの息子、元・飾り職人、社会主義に傾倒)…兒島利弥さん
ノスタルギヤ

ノスタルギヤ

Ammo

d-倉庫(東京都)

2018/02/07 (水) ~ 2018/02/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/12 (月)

12日マチネ(135分)を拝見。

ネタバレBOX

元・サッカー日本代表監督、イビチャ・オシムさんの母国としても有名な、ボスニア・ヘルツェゴビナ。
旧・ユーゴスラビアの崩壊後、地域に根を張る、セルビア人・クロアチア人・ボシュニャク人(ムスリム人)の3つの民族の間で次第に対立が深まり、1990年代、三つ巴の激しい内戦が始まります(当時、新聞で読んで知ってはいましたが、自分にとっては、「遠い・よその国の出来事」でした)。

それまでは民族の違いを(意識はしつつも)越え、地元のサッカークラブ・選手たちを応援していた田舎町ビリヤシュの人々が、内戦の勃発をきっかけに、或る者は故郷を捨て、残った者はやがて互いに憎しみ合うようになる…本作品は、戦乱の中、人生を翻弄されていく者達の悲劇を、サッカーライターの日本人・酒井と、外国のチームに移籍したシーナ・アクシシャヤとの、いわば「内戦の部外者」二人の回想を通して、描いた作品です。
日本のあちこちの街でも目にする、酒場で歓声をあげ・肩を組み合って、応援しているチームの勝利を喜んでいたサポーター達の「その後」は、上演中、終始、息苦しくなるほどに、ただただ哀しくて哀しくて…。

ラストシーン。酒井・シーナ・(消息不明の)イリヤの3人でのパス回しから、やがて出演者全員が舞台に上がり、唄い・叫び・つぶやく地元チーム・FKビリヤシュのチャント(=応援歌、いや、鎮魂歌か)の渦に、微かにでも未来への希望を見出せたのは救いでした。

最後に、自分の記録用として配役を記しておきます。

<セルビア人>
イリア(将来を嘱望されたサッカー選手。現在は消息知れず)…津田修平さん
ソニア(イリアの姉。生まれ育ったビリヤシュへの熱い想いが、後の悲劇を…)…宍戸香那恵さん(今回、この役柄に一番、感情移入させられました)
スロボダン(地元サッカークラブ・FKビリヤシュのコーチ)…坂井宏充さん
ルナ(FKビリヤシュのサポーター達が集うピッツェリアで働く。大学でセルビア民族主義に感化される)…木原実優さん
カタリナ(ソニア・イリアを初め、慕う者の多い、FKビリヤシュの古参サポーター)…滝澤多江さん
デヤン(大工、FKビリヤシュのサポーター)…海田眞佑さん

<ムスリム人(ボシュニャク人)>
シーナ(来日中のスター選手。FKビリヤシュでの、イリアのかっての同僚)…荒川ユリエルさん
エディン(元軍人。前の戦争で、戦死したカタリナの息子に助けられた)…浅倉洋介さん
ダミール(FKビリヤシュのコールリーダー。内戦中、セルビア人兵士に殺害される)…ワンデー櫟原さん
ヤスミラ(ダミールの妻。夫を殺害されてからはセルビア人を敵視するも、イリア・ソニアの姉弟には…)…加順遥さん
ファティマ(デザイナーに憧れる女。後にミラノに移住)…土佐まりなさん

<クロアチア人>
ハナ(ピッツェリアのウェイトレス。シーナのガールフレンド)…広野未奈さん
アレン(民族主義者の青年)…山崎丸光さん

<少数民族・ロマ人>
エスマ(ピッツェリアの女主人、シプシーの出身)…前園あかりさん

<日本人>
酒井(サッカーライター。ビリヤシュを数回訪問。自分を温かく迎えてくれた人々の身を案ずる)…谷仲恵輔さん
サロメ

サロメ

TremendousCircus

シアターシャイン(東京都)

2018/02/10 (土) ~ 2018/02/12 (月)公演終了

満足度★★

鑑賞日2018/02/11 (日)

うーん。
役者さん勢揃いのお見送りも、形だけじゃなく、ココロがこもっていたように感じたし、凄い長台詞あったりと、なかなかの熱演だったんですけど…
2時間の上演時間、全出演者に、ほぼ同じテンポ・テンションの芝居をやられたんでは、正直、疲れてしまった。
あと、サロメのエピソードは既知のワタシでも、途中、話の流れや、(人物相関図を手にしながらでも)登場人物の誰が誰だかに混乱したくらいだから、あの抽象的・修辞的なセリフの洪水の中で、どれほどの観客がストーリーを理解し得たのかなぁ?と、正直、不安を覚えた。

ただし、絶賛されている観客もおられるようなので、上記の感想は、あくまでワタシ個人だけのものかもしれない。

鵺的トライアルvol.2『天はすべて許し給う』

鵺的トライアルvol.2『天はすべて許し給う』

鵺的(ぬえてき)

コフレリオ新宿シアター(東京都)

2018/02/07 (水) ~ 2018/02/13 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/08 (木)

8日のソワレ(2時間)を拝見。

ネタバレBOX

救いようがないほどの酷い話です。ただ、人間、恐らく誰しも、こうした他人の不幸やら暴力やらがまぶされた話に、下世話な興味が行きがちなもの。作者はその辺を踏まえて脚本を書かれたようです。

それから、会場のコフレリオ新宿シアターの構造なのか、ストーカーたちの怒号、被害者の女性たちの悲鳴、迫真の演技、どころでない臨場感を持って、観客に押し寄せてきました。気の弱い方・心の澄み切った方には、とてもお勧めできない舞台でした。

さて、劇の終盤、ストーカーの各々には「残酷な最期」や「制裁」が下され、あるいは、それが示唆されます。そうしないと、正義感の強い観客、終演後に暴れちゃうからかなぁ(苦笑)?
ただ、ただねっ! 個人的には、観客受けは最悪であろうとも、突き離したままのエンディングでも良かったかなぁ、と。

現代の闇をいろいろと考えさせられる、オトナの鑑賞に充分に耐え得る2時間でした。

【追記】
小劇場演劇の女優である志穂に片想いな、劇団の主宰・小山クンが喋る、小劇場演劇界・あるあるバナシ。緊張した空気が漂う会場の空気を、適宜、和らげてくれました。もし、この「息抜き」がなければ、本当に、具合を悪くされた観客が出てきたかもしれません。それくらい酷い話(注.誉めてマス)だったんですよ、本作品。

最後に、皆さん熱のこもった演技だった、役者さん達の配役をご紹介しておきますね。

河野(彩香への一方的な想いを募らせるストーカー)…酒巻誉洋(さかまき・たかひろ)さん
彩香…奥野亮子さん(☜ヒロインさんです)
武藤吉乃(弁護士、彩香の大学時代の同期であり、恋人?)…小崎愛美理さん
志多みどり(河野が依頼した興信所の人間、どんな依頼もカネで動く)…湯舟すぴかさん
河野の妻…井神沙恵さん(☜困り眉で有名な女優さん。耐える妻がピッタリ!)
和田(志穂のストーカー、己の欲望しか頭にない野獣のような男、殺人鬼)…江原大介さん(☜一部の観客にマジで怖がられていました、笑)
志穂(小劇場演劇の女優)…堤千穂さん(最期に床に倒れ込む際のカラダの線が綺麗!)
小山(劇団主宰、密かに志穂のスマホに盗聴アプリをDL)…小西耕一さん
馨子(終始、強気を装うも、精神的な限界が近づいて…)…川添美和(かわそえ・みわ)さん
仲元(馨子の会社の同僚でもあるストーカー、サディスト)…小平伸一郎さん
男装音楽劇「宝島」

男装音楽劇「宝島」

青蛾館

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/02/03 (土) ~ 2018/02/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/07 (水)

ふとしたきっかけで、海賊が宝物を隠した島の地図を手に入れた、ジム少年の冒険譚…スティーヴンソンの名作を基にした、故・寺山修司氏の子供向け戯曲『宝島』、40分×2幕、途中休憩10分の舞台を観て来ました。

ネタバレBOX

寺山作品の上演を使命とする青蛾館さん34年目の公演である『宝島』は、今の子供たちはもちろんのこと、昔、子供だったヒトたちをも虜にしたであろう、歌にダンスに生演奏、舞台美術に映像の、極めて水準の高い舞台でした。
程良い長さの上演時間も含めて、心身ともにリラックスして拝見させて頂きました。

また、青蛾館主宰・のぐち和美さんの終演後の挨拶には、観客に配られた「2028年青蛾館公演の招待状」共々…シビれました!
既にカラダのあちこちがガタガタの、元・子供のワタシですが、なんとか・どうにか踏ん張って、10年後の舞台に伺いたい!と固く決意したのでした、とさ♪

※7日ソワレの配役を記載しておきます。

ジム少年(主人公、「宝島」への航海で心身ともに成長していく)…佐藤真弓さん
海坊主のキム(ジム少年の味方)…吉原朱美さん
ジム少年の母…長谷部洋子さん
航海学者(ジム少年の味方)…藤井由紀さん
考古学者(ジム少年の味方)…蜂谷眞未さん

ジョン・シルバー(海賊の正体を隠して、ジム少年に近づく、敵役)…宮下今日子さん
黒犬(シルバーの部下)…澤田育子さん
二本指(シルバーの部下)…高山のえみさん
シルバーが飼うオウム達…伊藤知奈美さん、山下彩子さん、鈴木美奈子さん、中村蓉さん、後藤海春さん

水兵、他…中井沙織さん、岩坪成美さん、スガチヅルさん、木村文香さん、佐藤沙紀さん、小林ららさん、甘井飴子さん、井上夕貴さん、近永知里さん

人魚(語り部)…のぐち和美さん(青蛾館主宰)
酒場のあばずれ女…シルビア・グラブさん

船長(海賊の宝物を孤島に隠した)…齊藤華さん(7日ソワレ回)
☝こどもオーディションの合格者が回替わりで出演します。
ぜんぶ水にながしたるねん

ぜんぶ水にながしたるねん

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2018/02/02 (金) ~ 2018/02/07 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/02/03 (土)

2月3日ソワレ(90分)を拝見。

ネタバレBOX

わちゃわちゃ・ガヤガヤしたノリは、昨年10月の『ぼうぼう』で学習済みなので、個人的には問題なし(この段階で、ヒトによって、合う・合わない、が出てくるでしょうね)。
同一人物を幼年期・思春期・成人後と3人の(決して似てはいないw)女優さんに演じさせるのは、舞台だけで通じるお遊びでもあるんで、これもまたOK。
でぇ、内容面での感想は、『キル・ビル』を観たくなったのと、ながしたくても・ながしても、ながせない大切なモンもあるんやなぁ、と勝手に納得したことの2点かなぁ。
それなりに感動もあるストーリーだったが、『ぼうぼう』を観た者としては、本作はやや物足りなさを覚えた。

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