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プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/06 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/06 (土)

『モンストロ・メモリ』、6日初日ソワレの舞台(90分)を拝見。

【追記】
翌日観た『プラスチック・ピノキオ』との対比を勘案して、☆の数を3→4に引き上げました。

ネタバレBOX

倉木戸亜衣という、この世で初めて?「心」が芽生えたアンドロイドからパーツを移植された際、「彼女」の「記憶」まで、無自覚のうちに引き継がれてしまったアンドロイドたち。
「心」を宿したアンドロイドはやがて人間に反抗するのではないか?と恐れた「機関」は、エージェント・臼井に命じて、協力者たちと共に、パーツを移植されたアンドロイドたちの行方をを追い、事情を把握していないアンドロイドと、その周囲の人々を混乱に巻き込んでいく…といったストーリー。

でっ、題材はSFなのだが、そこはやっぱり、4年前の第20回公演からのお付き合いで、手の内はおおよそわかっている、安心と安定のたすいちさん。
登場人物や「人物」たちの感情のゆらぎを、細かな笑いを交えながらも、丁寧に描いていく、ハートウォーミングな作品だった。

演技陣。
それこそワタシの「記憶」が影響しているのか、出演者の演技スタイルから
Voyantroupe(ヴァイヤントループ)←大森さつきさん(出演)
アガリスクエンターテイメント←熊谷有芳さん
カムヰヤッセン←小島明之さん
柿喰う客←永田紗茅さん
劇団ミックスドッグス←見米克之(みこめ・かつゆき)さん、川口知夏さん(出演)
といった所属(出演)団体さんの作品イメージまで、合わせて感じ取れた印象の90分だった。

なお、個人的には
愛想のいいT-1000 (『ターミネーター2』の、最新型・液体金属ターミネーター)なタッチの
小島明之さん
本作品のキー「パースン」・永田紗茅さん
そして(役得かなぁ?)『ナイゲン2018』の文化副委員長役で完全に認識した、川口知夏さん
がとりわけ印象に残った。

最後に配役について記しておく。

鶴野鴎(実は…瀬里佳の母を世話する介護用アンドロイド)…小太刀賢さん
巌瀬里佳(最近?母親を亡くして茫然自失気味)…坪和あさ美さん
菱あずみ(鴎を守ろうとする、実はアンドロイド)…大森さつきさん
丸角小唄(鴎のストーカー。実は保育用アンドロイド)…永渕沙弥さん
牛木レナ(鴎たちを追跡するも、実は自分自身も亜衣のパーツを移植されたアンドロイド)
…細田こはるさん
日富加恵(「心」を宿してしまったアンドロイドのメモリーを消去するプロだが、実は…)
…白井肉丸さん
七尾嗣(一見、心療内科の医師だが、実はアンドロイドの修理技師)…見米克之さん
唐木田及衣香(七尾の助手。だが、陰で吾川と連絡を取り合って…)…川口知夏さん
臼井田昴(鴎のメモリーを消そうと追跡する「機関?」のエージェント)…大平智之さん
吾川千雨(亜衣たちを作った科学者。アンドロイドに「心」を宿そうと試行)…熊谷有芳さん
鵜飼俊哉(吾川に仕えているアンドロイド)…小島明之さん
倉木戸亜衣(この世で初めて?「心」が芽生えたアンドロイド。今は何らかの事情で破壊され、その「記憶」が移植されたパーツと共に、鴎たちへ)
…永田紗茅さん
秋の超収穫祭

秋の超収穫祭

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/01 (月) ~ 2018/10/02 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/01 (月)

1日ソワレ(1時間50分)を拝見。

手違いで?当日パンフが配布されなかったため、一部のキャストがどなたかわからなかったのには困惑。

ネタバレBOX

短編5本構成の「秋の超収穫祭」。

最初の、家のカギ11『うらみつらみ』は、高村颯志(たかむら・そうし)さんに、刃物を持った西渕隆さんが刺殺しようと迫るも、何故か喋っていてばかりで一向に…。
希枝さん、五十嵐恵美さんと、あともうお一人の女優さんが絡む不条理コメディーは充分笑えたが、オチが弱いか⁈

2番手の、feblabo『日曜日よりの使者』は、先月の『Dの再審』では折口弁護士役だった島田雅之さんの熱演と、それを受ける荻山博史さんとの、掛け合いの妙を堪能♪
ところでマドンナ役の女優さんはどなた?

3番手の大統領師匠。
『Dの再審』では笠森判事補役だった遊佐邦博さんと、内山智絵による、前半の『ベテラン声優のアテレコ風景』は、会場大爆笑モノで、個人的にも今宵はコレが一番の好み。
ただ、このため、前述のお二方に更に斉藤有希さんが加わった、後半の『スイカ割り』が、ややワリを喰ったように感じられた。
上演順、前後逆の方が良かったかも。

ラストの『いまこそわかれめ』。
大和田あずささん&塩原俊之さんの掛け合いが、当初は昭和の名作漫才のごとく、しかし、(伏線として)何故かテーブルの男性側にオレンジジュースとコーヒーカップが置かれて間もなく、古典落語の人情噺の趣きへと…
脚本・目崎剛さんの名人芸が光る逸品。途中からオチは読めましたが(敢えて、読めるようにされていた?)秋の夜長に、しんみりとさせてもらいました。
弱法師

弱法師

LIVE RALLY

北千住BUoY(東京都)

2018/09/29 (土) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/30 (日)

30日マチネを拝見(80分)。

会場となる、劇場&カフェの北千住BUoY(ブイ)は、東京五輪と同じ1964年に建てられた築50年超の建物で、20年以上廃墟のままだったという元銭湯とボーリング場をリノベーションしたとのこと。
三島由紀夫の『近代能楽集』の世界観と、どう融合していくのか、あるいは対峙するのか…
開場前からワクワク感が止まらなかった。

ネタバレBOX

『弱法師』(よろぼし)は、兎にも角にも難解で、終始、雰囲気に圧倒され、昭和ギリギリか平成生まれの座組みの苦労も察せられる労作だった。
でっ、特に印象に残ったのは、劇の終盤、俊徳の背後でスクリーンに映し出される、出演者達が作品や戦争について素で応えるインタビューシーン。戦後生まれの昭和の観劇オジさんは、実に感慨深く聴かせてもらった。

なお、コンクリ剥き出しの地下室である会場は、その静寂な佇まいが三島ワールドと融合して、一種の殺気さえ肌に感じたことを付記しておきたい。

最後に配役を記しておく。
俊徳(五歳の時に東京大空襲で失明。今は二十歳。川島・高安両家で親権の紛争中)
…島林瑞樹(しまばやし・みずき)さん
調停委員の桜間級子…吉見茉莉奈さん
川島夫人(育ての親)…野崎詩乃さん
川島(育ての親)…山本大介さん
高安夫人(生みの親)…上埜すみれさん
高安(生みの親)…上野晃一さん
ビューティーコロシアムの憂鬱

ビューティーコロシアムの憂鬱

劇団森キリン

ライブハウス 新宿SAMURAI(東京都)

2018/09/27 (木) ~ 2018/10/01 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/27 (木)

27日ソワレを拝見(100分)。

ネタバレBOX

およそ、地下アイドル物で想像し得るネタ総動員の舞台。だが、中盤までは、個々のエピソードが表面的に羅列されるだけで、正直、イミテーション感が拭えなかった。
しかし、(当方は全く予想外だった)涼香の父親から娘に宛てた決別の動画メッセージのあたりから一気にリアリティが迫って来た。
個人的な意見だが、初めから、ある程度、テーマを絞ったうえで、終盤の高テンションに持ち込んだ方が、話の展開としては良かったかなと思った。

あと、睦美の「卒業」の真の理由、(/プラスチック/ガールズ/の舞台に乱入した?)アスミの兄のその後、など、あえて描かずに、投げっぱなしジャーマンで終わらせたのは、余韻と取るか・描き切れていないと取るか、観客の見方は分かれるかもしれない。

ところで、地下アイドルのバックステージ物だけに、唄とダンスのシーンが何度か出て来るが、演じる女優さんの表情、演技か素か、夢が叶った女の子のそれに映って、こちらまで幸せな気分にさせてもらった。
これだけでもチケット代分の価値はあったかなぁ。

それにしてもライブに不慣れな演劇畑の観客のためにも、前説で、客席を温める工夫が望まれるところか。

最後に配役を記しておく。
【/プラスチック/ガールズ/】
白田麻子(1期生。人気ナンバー1。美容整形済)…森村実晴さん
橋本睦美(1期生。ライブで卒業→予定外の結婚まで宣言)…佐治静さん
桜井涼香(1期生。キャプテン。レズ。家族と断絶)…野村美優(のむら・みゅう)さん
南野きらり(1期生。/ガールズ/の良心。睦美の弟が彼氏)…松田亜依さん
堀内ミオナ(2期生。人気ナンバー3。努力家)…江花明里さん
むねたふうこ(2期生。風俗嬢疑惑有。キヨシに迫るも…)…後藤ももさん
横田由衣(2期生。努力家ミオナを尊敬しつつも嫉妬心もあり)…木村衣織さん
あおぞら真央(2期生。金髪。先輩・後輩分け隔てなし。実質的なリーダー)…蓮子奈津美さん
アスミ・ザ・エンド(3期生。万事にクール。引きこもりの兄がいる)…井本みくにさん
ATARU(3期生。真面目だが、考え過ぎるきらいがある)…三浦葵さん
過多山数未(3期生。空気が読めぬ故のムードメーカー)…大橋純七(おおはし・すみな)さん

【その他】
原田(/ガールズ/のマネージャー。威張るだけで統率力なし)…鈴木勇士さん
キヨシ(/ガールズ/のライブMC。実はアイドルを生理的に嫌悪)…市原一平さん
浩介(睦美の弟。姉公認の彼女は南野きらり)…船坂裕輝さん
ユウキ(アスミの兄。引きこもり)…森山貴邦さん(モリキリンの代表さん)
いかにも、秋の脱臼祭り

いかにも、秋の脱臼祭り

藤一色

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2018/09/21 (金) ~ 2018/09/27 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/25 (火)

25日ソワレを拝見。
内容は、前半が『人魚姫(脱臼)』、後半が『白雪姫(脱臼)』の短編2本で1時間。

【追記】
チカラ業多用な笑いの質はともかく(☜おいおい!)、会場内の笑いの量は相当あったので、一晩経って考え直し、☆を3つから4つに引き上げときますね。

ネタバレBOX

『人魚姫(脱臼)』は、魚人野球リーグの下位チームのピッチャー・アジが肩を脱臼したため、代わりにエースとなったエビが、強打者カンパチ率いるリーグ最強チームに挑む話。
『白雪姫(脱臼)』は、女王が魔法の鏡から世界一の美女と聞かされた白雪姫、実は彼女の魅力の源泉は両腕の脱臼で…という話。
『白雪姫』の方はまだ僅かでも原型が残っているが、『人魚姫』の方は木っ端微塵!
そんな大胆に改編された、清々しいまでにバカバカしいストーリーを、若い役者さんたちが大真面目に全力で取り組んでいるのだから、いやぁ~、腹の底から心地よく笑わせてもらった。

そんな熱演の役者陣の配役について記しておく。

『人魚姫(脱臼)』
エビ(脱臼したアジの代わりにマウンドへ)…五味茉莉伽さん
ヤドカリ(キャッチャー)…遠藤遥風さん(今回の短編4本の脚本担当)
アジ(本来のエース)…安井萌さん
カンパチ(リーグ1の強打者。実はアジとは知り合い)…小澤優斗さん
魔法使い/実況アナ…松井誠人さん

『白雪姫(脱臼)』
白雪姫…高松優さん(唄声が綺麗!)
女王…佐藤友美さん
魔法の鏡/王子…鈴木雅樹さん
女王に忠誠を誓う漁師…林太久磨さん
小人…藤口圭佑さん
フォーチュン!ウェディング

フォーチュン!ウェディング

人間嫌い

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/09/21 (金) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/23 (日)

23日ソワレを拝見。

ホテル・ミラクル6『ビッチの品格』の脚本を書かれた岩井美菜子さんの作品だけあって、若い女性の夢も・打算も・現実も優しく包み込んだ眼差しに、門外漢のオッサンでさえ?!共感を覚えた75分。

あと、セット(こわっぱちゃん家の眞野祐美子さん)と照明(劇団ミックスドッグスの奥田悟史さん)は助演女優・男優賞モノだな、と思った。

ネタバレBOX

配役を記しておく。

みゆき(ここあの姉の友人)…岩﨑舞さん
ここあ…浦田すみれさん(今回の座組で唯一初見の方)
ケイ(ここあのバイト仲間。劇団員)…齋藤有里さん
もえ(ここあの姉の友人。家電会社の事務OL)…竹内なつきさん
かなみ(ここあのバイト仲間。学生)…中尾美友さん
お姉さん(ここあの母親の姉。バイト先の店主)…星澤美緒さん

個人的には、結婚の夢を夢見る、かなみ役・中尾美友さんと、超・現実派のここあ役・浦田すみれさんの、好対照な役柄のお二人が印象に残った。
『漫画の祖、ふたりー楽天と一平ー』

『漫画の祖、ふたりー楽天と一平ー』

オフィスワンダーランド・(一社)演劇集団ワンダーランド

紀伊國屋ホール(東京都)

2018/09/21 (金) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/23 (日)

23日14時開演の回(2時間)を拝見。

日本の近代漫画の始祖、北沢楽天と岡本一平の天才2人の関わりに、当時(第2次大隈重信内閣)の世相を絡ませた作品。
随所にくすぐりをかましつつも、迫り来る戦争の影と、今日の漫画文化の隆盛の明暗を描くことで、深みのある作風となった。

【追記】
開演前に目を通した、無料の当パンに、役柄・顔写真・役者名の紹介ページ。
この公演以降も舞台活動を続けられるだろう役者さんたちの支援にもなる好判断だと思う。

ネタバレBOX

配役(と、わかる範囲での役柄説明)を記しておく。

大隈重信(当時の総理大臣)…藤井びんさん
置き屋の主・桜…山口礼子さん
岡本一平…前田剛さん
北澤楽天…松村穣さん
夏目漱石…松岡由眞(まつおか・よしまさ)さん
麻生豊(楽天の弟子)…はる菜さん
原口宗助…小川友暉さん
粕谷玉…小春さん
芸者・桔梗/茶目(楽天漫画の登場人物)…三丈ゆきさん
芸者・紅葉/欲野深造(楽天漫画の登場人物)…神谷奈津子さん
宮尾しげを(岡本一平の弟子)…嚴樫佑介(いずかし・ゆうすけ)さん
斎藤源吾…茨木学さん
はね子(楽天や一平にしか見えない、楽天漫画の登場人物)…伊藤舞さん
田辺正子/田吾作(楽天漫画の登場人物)…北村りささん
芸者・菖蒲/杢兵衛(楽天漫画の登場人物)…鈴丘めみさん
野口明美…宇野仁美さん
小野寺真澄(朝日新聞記者)/灰殻木戸郎(楽天漫画の登場人物)…柿沼恵梨子さん
岡本かの子(一平の妻。作家・歌人。岡本太郎の母)/福沢諭吉…當瀨このみさん
下川凹天(しもかわ・へこてん。楽天の弟子。日本アニメの創始者)…遠田恵理香さん
北澤いの(楽天の妻)…江藤美南海(えとう・みなみ)さん
島田啓三(楽天の弟子。『冒険ダン吉』の作者)…松原雄生さん
芸者・椿/丁野抜作(ていのぬけさく。楽天漫画の登場人物)…田尻祥子さん
金岡基樹(時事新報記者)…竹良光さん
林美代子…小林菜奈さん
佐野涼子…小澤千冬さん
ロックでもない人生〜ライブバージョン〜

ロックでもない人生〜ライブバージョン〜

制作「山口ちはる」プロデュース

下北沢近松(東京都)

2018/09/21 (金) ~ 2018/09/23 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/21 (金)

21日19時開演回(80分)を拝見。

終始、パロディ仕立てのコメディーながらも、ちゃっかりエンディングでビターテイストを利かせるあたりは心憎い。
それにしても、(演劇の)小屋でなく(ライブハウスの)箱で観る・聴く演劇もいいもんだなと思った。

ネタバレBOX

配役を記しておく。
智子…髙橋唯子さん
智子の旦那…池田海人さん
店長…岸本武享さん(劇想からまわりえっちゃん)
店員…三谷千季さん(イッツフォーリーズ)
彼氏…渡邉力さん(PAPALUWA)
彼女…早山可奈子さん(よく舞台で拝見する方。唄声が可愛い♪)
会社の先輩…石垣エリィさん
会社の後輩(店長と自分の姉に因縁が…)…槇野レオナさん(よく舞台で拝見する方)
コンビニでバイトしている大学生…杉本惠祐さん(ドキュメンツ)
中西(謎の女・実は銀行強盗)…中西星羅さん
小説家?…須田マドカさん(フロアトポロジー)
ミステリーハンター…陣内ユウコさん、花衣未菜さん
とりゅふ

とりゅふ

劇団きのこ牛乳

ギャラリーしあん(東京都)

2018/09/14 (金) ~ 2018/09/17 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/17 (月)

17日マチネ(2時間)を拝見。

嫌煙問題から地球征服まで話が飛躍⁈する第1話
るんげ氏大活躍の第3話
ツヤマジケンの登場人物・関根ハジメ(高2)の中学時代を描いた第4話
が好み。
第2話、第5話については…
ゴメンナサイ!私の理解が遠くおよびませんでした。

なお、少し気になったのが、第3話の夫と第4話の兄、どちらも既に死去していて、舞台上にいるのはヒロインが創り出した幻影であったこと。
このため、後からの第4話、オチの可能性が予感できてしまったことが残念だった。

ネタバレBOX

オムニバスの5つの短編及び配役を記しておく。

『モク拾い』(劇団きのこ牛乳・真柄茂和さん作)
社員…坂井宏充さん
社長…山城秀之さん
秘書…千草さん

『妄想姉妹』(やさしい・石橋英明さん作)
姉・綾子…大数みほ(おおかず・みほ)さん
妹・恵…馬田佳織(うまだ・かおり)さん
ユウ…千草さん

『ひとりあそび』(オクムラ宅・奥村拓さん作)
妻…るんげさん(好演!)
夫…山城秀之さん
妻の親友…千草さん

『コンティニュー』(日本のラジオ・屋代秀樹さん作)
おにいちゃん…坂井宏充さん
ぼく(『ツヤマジケン』の登場人物・関根ハジメの中学生の頃)…千草さん

『「R」』(劇団肋骨蜜柑同好会・フジタタイセイさん作)
女…日野あかりさん
男…蓮尾武治(はすお・たけはる)さん
店員、劇団員、他…千草さん
夏の夜の夢

夏の夜の夢

劇団子供鉅人

パルテノン多摩 きらめきの池(東京都)

2018/09/15 (土) ~ 2018/09/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/09/16 (日)

16日の回を拝見。

そよ風に水面が揺らぐ「きらめきの池」、多摩中央公園の緑に、月の夜空を借景に演じられた『夏の夜の夢』は、主要キャストによる関西テイストの笑いを随所に盛り込みつつ、白装束のアンサンブル100人のパフォーマンスに彩られた幻想的&祝祭感に満ちた2時間でした。
正直、これはかなりハマりそうな観劇体験。機会があれば、また是非、足を運びたいと存じます。

ネタバレBOX

個人記録用に出演者名(敬称略)を記しておく。

アテネ公シーシアス/妖精の王・オーベロン…益山寛司(劇団子供鉅人)
アマゾン国のヒポリタ女王/妖精・豆の花…ミネユキ(劇団子供鉅人)
ハーミアの父・イジーアス…新垣剛
ハーミア…億なつき(劇団子供鉅人)
ヘレナ…うらじぬの(劇団子供鉅人)
ハーミアの恋人・ライサンダー/妖精の女王・ティターニア!…益山貴司(劇団子供鉅人)
ハーミアの許嫁・ディミートリアス…古野陽大(劇団子供鉅人)
悪戯者の妖精パック/余興係…キキ花香(劇団子供鉅人)
職人クインス…地道元春(劇団子供鉅人)
ロバの頭をかぶせられる職人ボトム…影山徹(劇団子供鉅人)
職人スナッグ/BOX…益山U☆G(劇団子供鉅人)
職人フルート…加藤真悟
職人スナウト…上田高嗣
職人スターヴリング…古賀勇希

秋田満衣、雨本つむぎ、天羽亜衣、飯塚千夏、石井芹佳
石坂杏子、石田純一(ジャグリング・ユニット・フラトレス)
伊藤恵理、伊藤優(劇燐「花に荒らし」)、井上知優
宇田奈々絵、太田ナツキ、岡崎叶大、岡澤由佳(劇団コギト)
岡野桃子、岡本真奈、尾崎、治はじめ、葛西祐太
加藤優季、金森悠、上川拓郎、上山友喜枝、神山慎太郎
亀井理沙、亀山優、唐口優来、神原梨花、菊地侑紀
久山晴己、黒瀬郁弥、啓豪、小林沙耶、小森文菜
齋藤海翔、齋野直陽(啓蒙ヌードル)、坂井智実(旋風計画)
阪口智聡、阪口美由紀(仮想定規)、坂下泰貴(オフワンズ)
嶋村桜、白石佳穂、鈴鹿通儀(中野成樹+フランケンズ)
鈴木修平、田井中宥乃、高橋けい(あまみゅ☆カンパニー)
高橋志緒、高橋優輝、高谷可南子、田口紗亜未、竹葉香里(即興演劇シーソーズ)
田島あんな(劇団なんかやるよ)、谷宙、千葉舜大(日曜座)
土屋汐里、鳥越みちる、中島花子、永村閏(劇団MAHOROBA+α)
中村ひより、和海アキ(なごみ・あき)、西山由華、野中辰哉、野仲萌里
ハース・アンナ(実験劇場/劇団メイギザ)、萩原朋花、畠中瞳
深堀見帆、古原万稚、分田寛志、本康怜亮、前田彩水
松尾太稀、松本莉奈、舞美(まみ)、水野夏子、道岡潮酉樹
三ツ井秋、三鶴泰正(おやじカフェ)、宮内里沙、三宅朝子
宮崎菜央、宮崎まどか、宮下直樹、矢野杏子、山口詩織
山本桃子、Yukiko、ょしめぢ~ちゃす(ケケノコ族)
李勇雅、わしやみちこ
火の用心にご用心

火の用心にご用心

劇団フジ(東京)

TACCS1179(東京都)

2018/09/15 (土) ~ 2018/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/15 (土)

15日B班初日(100分)を拝見。

ネタバレBOX

序盤は昭和テイストのほのぼのした団地内・ご近所コメディー。
が、中盤以降、話の展開にドライブがかかる。ヒロインたる母親の一人息子が実は続発する放火事件の犯人だったのは、先に張られた伏線から、観客にも薄々察せられるものの、事態はそんな観客の予想の更に斜め上をいく「殺人事件」へと!
しかし、最後は、自首した息子の身を案じる母親の様子を温かな視線でコミカルに描く、観客の「こうあって欲しい」と願う気持ちに添ったエンディング。強引さを感じさせず、実にすんなりとハートウォーミングに着地させるあたり、脚本の名人芸を目の当たりにした思いだった。
上演中、客席の随所から漏れてくる女性客の穏やかな笑い声にも、終演後、真っ先に我が耳に飛び込んできた、小学生程のお嬢さんの「ああ、面白かった♪」の声にも、いちいち素直に頷ける、万人向けの作品だった。

最後に配役(B班)を記しておく。
佐伯澄子(社会福祉の意識が強いが融通の利かない女性)
…日髙のり子さん(第一声で懐かしさがこみ上げて…。オールナイトニッポンのアシスタントをやってらした頃から存じ上げている方♪)
佐伯愛之(澄子の一人息子。実は連続放火犯で、ついには…)
…日野一七さん
梅田泰子(いかにも!な、ご近所のおばあちゃん)
…登坂香代子さん(好演!)
若狭香里(冤罪?とはいえ前科あり・執行猶予中。裁判で、娘の親権を夫側に奪われる)
…若林亜希さん
前川南(香里を慕う愛娘)
…畑かのんさん
前川邦彦(香里の別れた夫)
…安部康裕さん
前川粂子(邦彦の母親)
…おぉじのりこさん
江住喜一郎(失業→浮気のダメ亭主)
…遠藤智さん
江住久美(喜一郎の妻。夫が失業中のせいか、性格がキツくなった?)
…角田佳代さん
江住朱里(両親に別れて欲しくないと願う一人娘)
…上条花さん
小泉リリカ(独身を偽った喜一郎と同棲中)
…まつだまりさん
阿部富士夫(団地の「ゴミ屋敷」住人。頑固・偏屈・無職)
…水口健一さん
ももんがモナ(ゲイバーのママ?)
…中村勲さん
守屋冬美(癌患者だが入院を拒んで民間療法に頼る。娘にカネをせびる)
…冨永雅枝さん
守屋こはる(母親想いの娘だが、浪費癖の母親のために買春でカネを稼ぐ)
…神澤礼実さん
伊原ゆめの(一人娘のために、荒っぽいビジネスに手を染めているシングルマザー)
…桑本直美さん
伊原ゆずき(母親には秘密だが、学費を中絶費用に回し、退学)
…登坂恵さん
大門大(のぞき常習犯?の市会議員)…安藤一人さん
酔漢…椿純一郎さん、上野山航さん
『ロミオとジュリエット』

『ロミオとジュリエット』

しあわせ学級崩壊

サラヴァ東京(東京都)

2018/09/13 (木) ~ 2018/09/28 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/13 (木)

13日20時の回(60分)を「体感」。

ネタバレBOX

予備知識ゼロで初めて出会った『チル、幻滅。』でアノ大音響に圧倒されながらも肯定的な印象を抱き、王子小劇場での『非国民的演劇』では「これって、立派に演劇してんじゃん!」と演劇としても認識した(←おいおい!)、しあわせ学級崩壊さん。
でっ、今回のスタジオでの公演、どちらかというと「演劇」よりも「ライブ」の色合いが強いかな?(つまり『チル、幻滅。』寄り?)と予想しながら来てみると…
福田恒存(ふくだ・つねあり)の訳文と、四つ打ちとの相性が想像以上に良く、ロミジュリの登場人物たちの心情、時を経て、実にビビットに蘇っていた。素直に、響いてきた。

ただ、恒例のアノ大音量には免疫がある自分でさえ、もし体力・気力に今回ほどの余裕がないときに「体感」していたら、あるいは音酔いしたかも?とは感じさせられた。

最後に自分の記録用に出演者を記しておく。
三鷹での『みのほど』で拝見したばかりの田中健介さん・大田彩寧さん。
近年では、柿喰う客さんのメンバーというよりも、『デトックス述懐』『非国民的演劇』での印象が強い、福井夏さん。
そして…今、確かめたら、『非国民的演劇』の前に、『しろつめくさ の、はなかんむり』で観ていたらしい(警官役?)、源馬大地さん。
カンフル ~Sir Arthur  Conan Doyle~&~Baker Street Irregulars~

カンフル ~Sir Arthur Conan Doyle~&~Baker Street Irregulars~

Project S.H

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2018/09/12 (水) ~ 2018/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/12 (水)

12日ソワレ、ドイルチームの初日を拝見(90分)。

ネタバレBOX

「渾身の自信作でなく、ホームズ物で名声を得たことへの鬱屈した不満」の他
舞台では途中から明らかになるのだが
「ジーン・レッキーとの関係を隠し通したことで抱いていた、亡くなった先妻への悔恨の念」
「既にこの世にいない父・母・弟への複雑な想い」
等々が一気に押し寄せて、精神的に半ば崩壊しかかっていたコナン・ドイルを救おうと、作中の人物であるはずのシャーロック・ホームズや既にこの世にいないはずのドイルの身内たち(の幻影?)が、それぞれの属する時間軸・次元から、ドイルの前に姿を現して…といった内容。

この重層的で複雑なメタフィクションを、重厚にも軽妙洒脱にも演じ分けられる役者陣、巧みな照明、効果的な劇伴、現実と内面の混濁した空間を象徴する舞台セットの総合力で、出来うる限り平易に、かつ、品格を持って表現。終演後の印象が、まるで上等な紅茶をお呼ばれされたような、思わぬ贅沢な90分だった。

最後に配役について記しておく。
アーサー・コナン・ドイル(ホームズ物の作者)
…牧野純基さん(初めは「見た目、若過ぎる!」と感じていたが…いつの前にか引き込まれました)
イネス・ドイル(コナン・ドイルの弟。実は数年前に病死)…石戸貞義さん
ルイーズ・ドイル(コナン・ドイルの妻。実は既にこの世にはいない)…小暮美幸さん
ティナ(コナン・ドイルのファン)/メアリ(ホームズ物の登場人物)…倉垣まどかさん
シャーロック・ホームズ/米・出版社の編集者…阿久津優さん
ワトスン/コナン・ドイルの使用人?…名倉周さん
モリアーティ教授(ホームズ最大の敵)…ではなく、実はコナン・ドイルの亡父
…小暮典保さん
ジーン・レッキー(ルイーズの親友であり、後にコナン・ドイルの妻)…林真由美さん
セックス ドラッグ 花嫁修行

セックス ドラッグ 花嫁修行

美貴ヲの劇

新宿眼科画廊(東京都)

2018/09/07 (金) ~ 2018/09/10 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/08 (土)

8日17時の回(85分)を拝見。

ネタバレBOX

それにしても、「演劇を観たことがない方もお気軽に、演劇をよく観る方ももちろんお待ちしております!」とおっしゃるのなら、もうちぃーと、フライヤーも、舞台のタイトルも穏便に…と文句の一つも言いたくなるぐらいw、風刺もユーモアに包まれた、子供が観ても大丈夫そうなオムニバス(短編集)です。

では、まず初めに、そんな、肩の凝らないストーリーであるオムニバスの各短編を紹介しておきましょう。

『ブスも美人も死ねば土』
ネクラなOLが、絶望のあまり、虎になって高尾山に登ってしまうという、中島敦もビックリな、現代の『山月記』。個人的には、今回、一番、好みな作品です。
【配役】
夢子(自己評価の低い、でも、客観的には美人。最後には、可愛らしい?虎に変身してしまう)
…葉山美侑(はやま・みゆき)さん
夢子の同僚OL…遠藤ちえさん、ひきのさつきさん、板倉萌さん
ナレーター…三森あかねさん
大木ちゃん(夢子の先輩で超オプティミスト)…大木菜摘さん
サトル先輩(アメブロでは記載しずらい?性格の大木ちゃんの先輩)
…サトモリサトルさん
(5月の『おさなごころのきみ』で、初めて、善良な普通の男性役を見たというのに、また、もとの役柄に逆戻り…w)

『カリスマ絵本作家さとる』
「カリスマ絵本作家の●み」がモデル?wの「カリスマ絵本作家さとる」が、集まったファンの女性たちに自作の絵本を読み聞かせます。
【配役】
サトル…サトモリサトルさん
司会…三森あかねさん
絶対届かない存在しか愛せない皆さん…ひきのさん、葉山さん、遠藤さん、三森さん

『OLピエ田ピエ子の憂鬱』
周囲から敬遠されている原因が、自分の言動にあることに全く気がつかない、若いOLを描いた、こんなヒト、いる・いる!なストーリー。
【配役】
ピエ子…板倉萌さん
別次元から来た、分別のあるヤギ…大木菜摘さん
ピエ子の同僚OL…三森さん、遠藤さん
ピエ子が相談している心療内科?のサトル先生…サトモリサトルさん

『わたしはザリガニになりたい』
30歳間近になっても結婚できない男女は、国家の命令で、高尾山にある施設に収容され、結婚を迫られるという世界。そして、もし結婚できなかった場合、人間以外の動物に姿を変えられるという…
【配役】
藤崎詩織(収容所を脱走中に出逢った男性との結婚を決意するも…)
…三森あかねさん
(『至極滑稽亡者戯』以来、私にはおなじみの役者さん。強い響きの声の持ち主なので、本作での「ナレーター」や「司会」、他にも、以前に拝見した、秘密を抱えた司祭の役、が似合う方)
いろんな役柄…板倉さん、ひきのさん、葉山さん
捕まえに来た、施設のスタッフ…遠藤さん、大木さん
対政府レジスタンス組織のサブリーダー(ついに詩織が出逢った、結婚の対象となる男だったが…)
…サトモリサトルさん

『沼地のミス・ブラジル』
ウエディングドレス姿で「底なし沼」にはまってしまったあかねちゃんと、幼馴染の親友とのものがたり
【配役】
あかねちゃん…ひきのさつきさん
(昨年拝見した『辺境、どこまで行っても』の「理論派の新劇役者・まき」が、姿と性格を一変させて、まさかココで再会しようとは!)
ももちゃん…遠藤ちえさん
サトル君…サトモリサトルさん

『幸福の花嫁病院』
これまでの短編のヒロイン全員と、全編に登場するサトルとの関係が明らかになる、掉尾を飾るにふさわしい、まとめの作品。
【配役】
婦長…遠藤ちえさん
新人看護師・大木ちゃん…大木菜摘さん
入院患者・ピエ子…板倉萌さん
入院患者・夢子…葉山美侑さん
入院患者・あかねちゃん…ひきのさつきさん
入院患者・藤崎詩織…三森あかねさん
心療内科?のサトル先生…サトモリサトルさん

女性目線で貫かれた個々の短編が、最終的には大団円へと…な構成が巧みです。
メインのターゲットであろう女性客や、推しの女優さん目当ての客だけでなく、ワタシのような、「野良」の客であっても充分に愉しめる舞台でした。

【追記】
前説の方が、キャビンアテンダントの救命用具の取説よろしく、スマホを手にしての電源オフの案内。
おかげで、近年ではめったにないことなんですが、上演中にスマホ、1回も鳴りませんでした。
これって、大変、賞賛すべきことだと思いました、とさ♪
「Dの再審」

「Dの再審」

かはづ書屋

小劇場 楽園(東京都)

2018/09/04 (火) ~ 2018/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

4日ソワレ(95分)を拝見。

ネタバレBOX

江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』をベースにしたオリジナルの作品は、終演後、台風接近に伴う、折からの強風に向かって「うぉ〜!"演劇"を観たぞぉ〜‼︎」と叫びたくなるような、会心の舞台でした。

まずは、脚本。
『D坂の殺人事件』に関する新事実の暴露、登場人物と『D坂の殺人事件』との意外な関わりの表明…今、巷で話題?の体操に例えると、スタートからフィニッシュまで繰り出す技がいちいちピタリと決まる男子の床運動を見ているような、見事な話の組み立て・伏線の張り方とその回収です。感心のあまり、ただただ唸るばかりでした。

役者陣。
森尾繁弘さん、島田雅之さん、金崎敬江さん、遊佐邦博さんが演じられた法曹三者。
普通、小劇場演劇の舞台だと「そんな若僧が判事なわきゃねえだろう!」的なキャスティングが多い中、今宵の4人はどなたも、現役バリバリの法曹三者と言われても納得のリアリティーを感じました。
それから、基本、新劇の舞台のような緊迫感ある会話劇のためか、個人的な印象なんですけど、田中千佳子さんは俳優座の坪井木の実さん、木下智恵さんは同じく俳優座の香野百合子さんの若い頃とイメージが重なってみえました。
市川歩さんは、登場時から積み重ねてきた「鳩野弘子」のイメージが最後の「判決」の場面で静かな感動を呼び起こします。
山本佳希さんは、舞台上のコンサートマスターとして、終始安定感のある演技で場の空気を締めているように映ります。
黒沢佳奈さんは、確か法学部卒ではなかったはずですが、役柄の背景(実は…)も含めて立派な法学徒ぶり! さらに言えば、今回の「小山繭美」、黒沢さんご自身の生真面目さと役柄が大変マッチしていたようにも感じました。 

では、最後に配役を記しておきます。
折口幸吉(弁護士。「D坂殺人事件」の真犯人は明智小五郎だと主張)…島田雅之さん
箕浦竜平(明智小五郎財団の顧問弁護士)…森尾繁弘さん
須永時子(検事)…金崎敬江(かねざき・ひろえ)さん
笠森武(特例判事補)…遊佐邦博さん
※上記4名は、もともとは皆、明智の弟子。

明智蘭子(明智の養女で明智小五郎財団の理事長)…田中千佳子さん
蕗屋初代(蘭子の秘書。以前は明智の盟友・平田?の秘書)…木下智恵さん
小林芳雄(初代・小林少年。実は「D坂殺人事件」の小林刑事の息子)…山本佳希さん
鳩野弘子(明智小五郎奉賛会・会員。明智の熱狂的信奉者)…市川歩さん
小山繭美(東都大学法学部の学生。実は「D坂殺人事件」の「犯人」の孫娘)…黒沢佳奈さん
キメラの聖櫃

キメラの聖櫃

劇団ショウダウン

小劇場てあとるらぽう(東京都)

2018/09/01 (土) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/01 (土)

1日ソワレ(2時間10分)を拝見。

ネタバレBOX

人狼、カルト宗教、薬物…一応、サイコサスペンスなドラマなんですが、舞台上の登場人物が誰も死なない、視覚的にはエロもグロもない、わりかし健全娯楽な作品です。ということで、若干の物足りなさは覚えたんですが、これはあくまで個人の嗜好。終演後、林遊眠さんの「どうもありがとうございましたぁ!」の挨拶も素直に受け止められる、万人に勧められる無難な出来の作品だと思います。

あと、本筋から離れますが、数年前、同じ劇団ショウダウンさんの『パイドパイパー』で知った為房大輔さん。東京にいても色々と大変だったのは聞き及んでいましたが、今宵の舞台においても、以前、拝見したのと同様、シャープな所作に、切れ長の目w …変わらぬ活躍ぶりに安堵しました。

さて、最後に配役について記しておきますね(2役は、2018年日本&1767年フランスの役名)。

刑事・仁科(ヒカルちゃんと因縁あり)…久保健太さん
アウトロー刑事・古都…中路輝さん
サイバー刑事・比良坂&地方貴族フランソワ(マリアンヌの兄)…佐竹仁さん
刑事上司&地方領主…中鶴間大陽さん
刑事・宇田川&町娘コゼット…竹内敦子さん
成田重彦&司教サルディス…三浦求(みうら・もとむ)さん☜好演!
成田八重&修道女ブルシェ…姜愛淑(カン・エスク)さん☜好演!
駐在・華形&狩人シャステル…為房大輔(ためふさ・だいすけ)さん
ガイド弓田、暁詩織、ヒカルちゃん&マリアンヌ…林遊眠さん
ルポライター矢島…松田悠さん
『ボーイズオンファイヤーVSガールズオンファイヤー』

『ボーイズオンファイヤーVSガールズオンファイヤー』

HYP39

ART THEATER かもめ座(東京都)

2018/08/29 (水) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/08/31 (金)

『ボーイズオンファイヤーVSガールズオンファイヤー』のガールズの方、31日ソワレ(105分)で拝見。

ネタバレBOX

銭湯のサウナに集う女性たちの、各々が抱く複雑な感情を押し殺している日常の様子は少女漫画、そうして積もり積もったモヤモヤをプロレスで一気に解決するあたりは「少年ジャンプ」な、ひと粒で2度おいしい作品です。
でっ、暑い会場での、女優さんたちのカラダも張った⁈熱い芝居に、久しぶりに、理屈抜きで腹の底から笑いました。前売り2,800円で入場しましたが、出る際に更にもう2,800円請求されてもよい位の満足感に浸らせてもらいました(ただし、払うとは言ってない)。

役者陣。狩野陽香さん、長友美聡さん、小関えりかさん、中西彩乃さんと、顔と名前が一致する女優さんが4人もいるだけに、お初の方も含めて、安心して観ていられる座組でした。
なかでも、狩野陽香さん。デフォルメされた演技の中にも、時折、垣間見える、アカネの陰の部分。以前に、少女都市さんの『聖女』で演じられた「ホステスのユリ」と再会した気分でした。ただ、笑わせるだけでない、ストーリーの深みといったものを感じさせてくれました。

では、最後に配役を記しておきます。
アカネ…狩野陽香さん
ユリ…長友美聡さん
カオリ…小関えりかさん
ホイちゃん…安曇真実(あすみ・まみ)さん
キラリ(通販系ネットアイドル?)…佐倉仁菜(さくら・にな)さん
サチコ(ダメンズ好き)…中村唯さん
女将…中西彩乃さん

カネシロ…亀井陵市さん
イナモト…黒澤風太さん
タマカワ(店主)…村山新さん
二代目なっちゃんの愛人。

二代目なっちゃんの愛人。

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2018/08/21 (火) ~ 2018/08/30 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/30 (木)

21日の初回を拝見して思うところあり、ラストとなる30日ソワレを拝見。

ネタバレBOX

21日・初回では、開演前のあれやこれや、上演中、目の前で繰り広げられるなんやかんやを、ことごとく素直に受け止める、劇団側からしたら、まさしく、意図した通りの「観客」を、知らず知らずのうちに演じさせられたようです。

しかし、(同時期、別のトラブルで、当初の予定とは異なる舞台となった、ヤリナゲさんの『みのほど』におけるドタバタぶりとは対照的な)例のアフタートークのあまりの手際の良さに「まさか?」と首をかしげ、終演後の「たとえば、芝生みどりが実在するかのごとき、虚実ないまぜなツイートをしてください」の「特別許可書」の文面で、さすがの鈍感アタマもピンと来て!…後は、言わぬが花、ですねw

演者・スタッフがスクランブル体制で「アクシデント」に立ち向かった(と思われる)、ヤリナゲさんの『みのほど』と、意図された「アクシデント」の舞台化であった、なかないで、毒きのこちゃんさんの『二代目なっちゃんの愛人』。一見、同じようで、実は対照的な2つの舞台を、偶然にも時期を同じくして「体験」できた僥倖、もし小劇場演劇の神様がおられるのならば、感謝し切れないほどの大感謝です。

なお、老婆心ながらなんですが、新宿コントレックスvol19 での短編が萌芽であったのだろう、今回の大仕掛け、実に見事にキマッタ!とはいえ、これで、次の公演からは、「毒きのこちゃん、また、アレがあるかも?」と観客は身構えてしまうだろうな、とも思われます。白紙の状態では臨まなくなる観客を相手にするのは、ちと難儀かな、とも軽く危惧されます。

あと、個人的なお願いなんですが、この公演のために造形した?「芝生みどり」のキャラ、機会があれば、別の作品においてでも、是非、生身の役者さんに演じてもらいたいなぁと。

最後に、本当の!配役について記しておきます。

演出家・鳥皮ささみ…森岡未帆さん
劇団員タムラ…田村優依さん
役者キクチ…菊池真琴さん
役者フルキ…古木将也さん
役者ムト…ムトコウヨウさん
舞台監督カトウ…中澤功さん
音響スタッフ・ナカタ…石澤希代子さん
照明スタッフ・ヤマウチ…猪股和磨さん
井上マサシ(芝生みどりの父)…森田ガンツさん
井上フミコ(芝生みどりの母)…工藤史子さん
芝生みどり…???さん
みのほど

みのほど

(劇)ヤリナゲ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2018/08/24 (金) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★

28日ソワレ(1時間55分)を拝見。

ネタバレBOX

内容については、たけぱんさんがかなり正確に記述されておられるので、ここではまず、団体サイドがツイートしていた、各短編の配役を記しておきます。

『白象』
越3(浅見臣樹):浅見臣樹さん((劇)ヤリナゲ)
越2:(声の出演)浅見臣樹さん((劇)ヤリナゲ)

『モーモールルギャバンが好きな女の子』
ホンマ:田中健介さん(しあわせ学級崩壊)
カエデ:田久保柚香さん
カエデ:澤原剛生さん(劇団普通)

『テトリス』
男:小林義典さん(クロムモリブデン)
母:大田彩寧さん(しあわせ学級崩壊)
ナガタさん:中山まりあさん

『非在』
カエデ:豊田可奈子さん
タカユキ:浅見臣樹さん((劇)ヤリナゲ)
母:小寺悠介さん(青年団)
父:秋本雄基さん(アナログスイッチ)
青年紳士・男:阿岐之将一さん
アカネ:Q本かよさん

でっ、役者陣について。
私にとって、顔と名前の完全に一致する、澤原剛生さん、中山まりあさん、Q本かよさんのお三方、もちろん役柄にそって演じておられたんでしょうけど、ご本人の持ち味を意識的に前面に押し立てているようにも感じられました。
反対に、『非在』における小寺悠介さん。過去、『帰郷』や『愛の技巧…』に出ていたヒトとホンマに同一人物?と首をかしげる程のはっちゃけたキャラ演技で、共演者の皆さんをグイグイ引っ張っておられるようにも見えました。

以上、名前を出した方だけでなく、このステージに踏みとどまった全ての役者さん達、そしてスタッフの皆さんの総力で臨んだ1時間55分。その気迫は舞台から充分に伝わってきました。
短編でつないでいくバックステージもの仕立ての、そのつなぎの悪さも覆い隠し、どうにかチケット代を取るに相応しい舞台に仕上げた、各位の尽力には心から敬意を表したいです。

ただし、大目にみるの、今回だけですよw
Dasein【ダーザイン】

Dasein【ダーザイン】

劇団CHAN’T

【閉館】日暮里ARTCAFE百舌(東京都)

2018/08/25 (土) ~ 2018/08/26 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/08/26 (日)

26日11時開演回(75分)を拝見。

まず、本題とは外れるが、以前、「社会人劇団は演劇の覚悟が足りない」的な意見を目にして、軽くだがイラッとしたことがあった。
私見だが、アマチュアの演劇集団ならば、プロ並みに舞台の水準を磨き上げるのも、あるいは、構成員と(身内の)観客とで和気あいあいと演劇活動を楽しむのも、どちらの方向性も「有り」だと考えるからだ。
この点、劇団CHAN'Tさんは、和気あいあいな雰囲気の中にも、脚本・各人の演技共に、かなり鍛錬されたんだな、と感じる点が多々あった。いわば、アマチュア演劇集団における「2つの方向性のエエとこ取り」を実現しようとしておられるのであり、それ故、今後の活動にも大いに期待したいと思った。

さて、今回、太宰治の短編集の上演だが、現代に相応しく・親しみやすくという意図からか、素材をカルパッチョにして供されたのかなぁと。
こればかりは各自の嗜好の問題ではあるが、ワタシ個人としては、今でも瑞々しさを失わない「太宰」、過度に手を加えることなく、素材の持ち味を活かした、刺身で出して欲しかった。

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