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ノーカントリーフォーヤングメン

ノーカントリーフォーヤングメン

コンプソンズ

シアター711(東京都)

2019/07/02 (火) ~ 2019/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/07/03 (水)

先々月の日本のラジオさん『カケコミウッタエ』での、何かが憑依したような怪演が印象的だった宝保里実さん観たさに足を運んだ、7月3日19時のシアター711。

でっ、最後まで、自分が何を観せられているのかピンと来ないまま、だが、舞台から投げつけられる、乾いた笑いのオブラートに包まれた、猥雑やら野心やら嫉妬やらのグロいエネルギーの塊に、気がつけば圧倒されていた125分。
観劇後の感想は唯ひと言…凄かった!

ネタバレBOX

【配役】
ユースケ(フリーター。実は、父と遭遇した「ある出来事」の精神的ダメージをひきずっている)
…細井じゅんさん
どれみ(ユースケとつるんでいる、彼の後輩の女の子)…梁瀬えみ(やなせ・えみ)さん
サスケ(ユースケとつるんでいる、彼の後輩のあんちゃん)…てっぺい右利きさん
アベベ(近所の墓の管理者。スロットが巧い)…大宮二郎さん
カネゴン(ユースケたちのバイト先の店長。多額の借金を背負っている)
…金子鈴幸(かねこ・すずゆき)さん(作・演)
神主(日本一の神主になりたいという野望を持っている、近所の神主)…鈴木啓佑さん
たんぽぽ(ユースケとは「ある出来事」以来の付き合い)…宝保里実さん
コウスケ(ユースケの兄。マタギの父に選ばれなかったために満たされなかったヒーロー願望を埋めるため、警察官に)
…大谷博史さん
エイミー(自殺を止められたことがきっかけでコウスケの妻に)…星野花菜里さん
タマヨ(アベベの妻。エイミーの後輩)…甲野萌絵さん
佐藤(訪問者。実は殺人鬼)…横手慎太郎さん
ななか(佐藤のカノジョ。スキャンダルで芸能界を追われた元アイドル?)…つかささん
ハムレット

ハムレット

しあわせ学級崩壊

SOUND STUDIO NOAH 高田馬場(東京都)

2019/06/30 (日) ~ 2019/07/02 (火)公演終了

満足度★★★★

2日20時開演回(1時間)を体験。

同じ会場で「体験」した、昨年のロミジュリよりEDMの音量は優しめ。
とはいえ、相変わらず台詞は聴き取りづらいも、それがかえって臨場感につながる1時間だった。

役者陣。
昨年のロミジュリで免疫ができたせいか、個々の演じ手にも注目して観ることができた。
熱演の田中健介さん、(意識的に、それとも、無意識にか?)時折、女性客を熱く見つめることで、場のボルテージを上げていたように感じられた。
福井夏さん、男性の役だからからか、音階のキーを抑えた上での畳み掛けるような長ゼリフ。
大田彩寧さんのオフィーリアは、可憐さはもちろんのこと、楳図かずお的な不気味さまで?!
林揚羽さん、特に後半のレイアーティーズ役になってから、傍で見ていて心配になるほどの全力演技!だった。

【配役】
ハムレット(デンマーク王国の王子。父親は亡くなった前王)
…田中健介さん
クローディアス(ハムレットの叔父。兄である前王を暗殺して王位に)
/ホレイショー(ハムレットの親友)
…福井夏さん
オフィーリア(ハムレットの恋人)
/ガートルード(ハムレットの母。クローディアスと再婚)
…大田彩寧さん
ポローニアス(デンマーク王国の侍従長。オフィーリアの父)
/レイアーティーズ(オフィーリアの兄)
…林揚羽さん

発明少年天才ピカリ

発明少年天才ピカリ

劇団ミックスドッグス

オメガ東京(東京都)

2019/06/27 (木) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/30 (日)

30日13時開演回(125分)を拝見。

少年少女のハートを持っている、おっきなお友だちも
ホンモノのちっちゃなお友だちも
どちらも心から愉しめる、夢と希望とニワトリ⁈にあふれた、テンポの良い125分。

さらには、劇団員の他、客演として見覚えのある役者さんが大勢出られていたので、開演後の早い段階で役柄が把握できて大助かりだった。

ネタバレBOX

【配役】
野村光(発明好きの小学5年生。実は、後の天才ピカリ)
…沼田天音さん(毎回のことだが、この団体の芝居における主役は喉の負担が大変!)
クック将軍(光と会話することができるニワトリ)
…幾世優里さん(舞台狭しと動き回る躍動感&狂言回し役を熱演)
カメスケ(光の家庭教師で工学部の院生)
…新開知真さん(埋れ木『墨と考えて飛沫』での「滝尾草太」役の方)
野村聖(きよし。離婚後、男手一つで光を育てる。勤務先が倒産し、現在は失業中)
…小田島凜さん
紗恵子(光の父親のカノジョ。光とも仲がいい)
…大島未来さん(前々作『クロノスコープ少女』での「芽音の親友・彩良」役の方)
光の住むアパートの大家/寛志(かんじ。2100年の科学技術庁職員。星那の親友)
…伊藤貴史さん
星那(せな。2100年の科学技術庁職員。光と交信する)
…竹園和馬さん
千陽(ちあき。2100年の科学技術庁職員。星那のカノジョ?)
…工藤夏姫さん(埋れ木『墨と考えて飛沫』での「大竹露子」役の方)
國枝課長(2100年の科学技術庁職員)/図書館司書
…中西洸太さん
璃久(りく。光と同じ小学校の5年生で野球少年)
…土井龍太さん
颯馬(そうま。光と同じ小学校の3年生)/ピカリの妻の使用人
…杉浦惇さん(『いつもの致死量』での、過労で入院中な「新渡戸悟」役の方)
真帆(光と同じ小学校の5年生)/ピカリの妻
…中舘早紀さん
水嶋もも(光と同じ小学校の5年生。実は、後のピカリ=光の妻)
…津山夏南さん(登場時、マジで小学生かと思った!w)
エンれぱ!Vol.7

エンれぱ!Vol.7

しむじゃっく

あさくさ劇亭(東京都)

2019/06/28 (金) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/06/29 (土)

29日19時開演回(90分)を拝見。

ネタバレBOX

今宵の演目のうち、2演目に関しては
『透明人間、消える』→2018.3.3「ミラフェス’18」
(慧…坪和あさ美さん、士音…須藤大輔さん、四季…田邊美保さん、遥…小森かなさん)
『つくりばなし』→2015.12.6「ああ、色は思案の外」
(妻…石井舞さん、夫…津和野諒さん)
といった過去の個人的観劇ベストプレイとの
あと『女生徒』→2017.9.1「エンれぱ! Vol.1」
(娘…出口晶美さん、母…神谷春華さん、男…豊見山聖弥さん)
との比較を念頭に拝見させてもらう、いわば、寄席に出向いて名作落語を、目新しい噺家の高座で聴く気分かなぁと。

でっ、1本目の『つくりばなし』は、原作本来の設定だと結婚して10年前後の同世代夫婦だと想像するんだが、今宵の妻・小林桜子さん、夫・内田啓太さんの配役だと、年下女房と結婚して2~3年前後といったところか? 夫婦の情の機微を醸し出すにはまだ早いも、妻側に初々しさがよく出ていたように感じた。
演者によって、観客が受け取る設定が別の色に見えるのは興味深かった。
【配役】
妻…小林桜子さん(素人さんが地でやってるの?と誤解したほど自然な佇まいに好感)
夫…内田啓太さん

2本目の『女生徒』では、2年前にも、同じ会場・同じ演目・同じ「娘」役だった白野熊子さんの演技の進化(特に声の明暗)に気づかされた。
ところで、2年前より更に若く目に映ったのは何故だろう?
一層、役になりきれたことの証左なのかなぁ?
【配役】
娘…白野熊子さん
母…長野恵美さん(劇団milquetoast+の方だぁ!)
男…DEWさん

3本目の『透明人間、消える』。
上掲の個人的ベストプレイでは、キャリア的に抜きん出ていた坪和あさ美さんの「今中慧」が終始リードしていた印象が強かったせいか、今宵の舞台、中盤から後半にかけて、「今中慧」によりストーリーの進行役としての比重を置いた方が良かったのでは?と思えてならなかった。あと、もう少し、はっちゃけてもよかったんじゃないかなぁとも感じられた。
【配役】
相田士音(慧の元カレ。透明人間)…杉山純じさん
今中慧…門間美結さん
今中四季(慧の妹)…石井四郎さん
恵遥(士音のストーカー。透明人間)…熊倉有紀乃さん
『ちゅうかんこうさ』

『ちゅうかんこうさ』

(石榴の花が咲いてる。)

プロト・シアター(東京都)

2019/06/28 (金) ~ 2019/06/29 (土)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/06/28 (金)

28日19時開演回(80分?)を拝見。

ネタバレBOX

2本立てのうち、前半の『命を弄ぶ女ふたり』。
元ネタの岸田國士作『命を弄ぶ男ふたり』は何度か観たことのある作品だが、演じ手を女性キャスト(森かなみさん、杏奈さん)に変えただけで、作品の有する諧謔的なニュアンスがより鮮明になったと感じた。

後半の『EaT/kiLL, (NOT Or)aLL』。
実験作、なのかなぁ?
ロックミュージカル風でもあり、それとも「何か」なのだろうか…
ゴメンナサイ! 昭和の観劇オジサンの感性とは完膚なきまでに手が合いませんでした。
くるっていきたい

くるっていきたい

吉祥寺GORILLA

ひつじ座(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/27 (木)

27日19時半開演回(100分)を拝見。

ネタバレBOX

感情移入しやすい女子プロ団体の興亡という設定に甘んじることなく
柴田翔子の現役時(2018)・晩年(現代)の二つの時間軸を
当時の先輩であり・ライバルだった選手の娘の視点を通して行き来させることで
より深みのある、けど決して難解に陥らないストーリーに仕上がっていた。
観ていて素で感動させてもらった。

また、入り口側・奥の客席に挟まれたミニサイズのリングに照明・音響と、プロレスを意識したセットや設定にも大変感心させられたことを付記しておきたい。

【配役】
<現在>
柴田翔子(痴ほう症?で入院中)
…岡野優介さん(再来月、すみだパークスタジオ倉でまた拝見させて頂く方)
松田智子(作家?…実はSuzuka=松田愛子の娘)
…渡邉とかげさん(『伯爵のおるすばん』ぶりの方。安定した演技)
内藤哲弘(翔子を診る医師)
…荒木広輔さん(「将斗」との二役を好演)

<2018>
柴田翔子(女子プロ団体「ブロッサム」の運営兼選手。内心では健介のことを…)
…中村緋那子さん(良い意味で学生演劇的な生硬さを感じた。熱演)
後藤健介(大学プロレスの経験をもとに、翔子に声をかけてブロッサム創設)
…平井泰成さん(やや一本調子にも感じられたが、役柄からか? 好演)
Suzuka(翔子・健介の大学の先輩。在校中から選手として活躍。健介の元カノ)
…黒沢佳奈さん(見た目も・内面も役柄になりきっていたかのよう!)
ハル(新人選手。勝気で陽気。同期のウメとは仲が良い)
…内野遥香さん(開演前の会場案内から、既に「団体の新人選手」を演じていた?)
ウメ(新人選手。元・ひきこもりだが、入団後、精神的に成長)
…宇乃うめのさん(内野さん同様、新人選手っぽさが出ていた)
松田将斗(Suzuka=松田愛子の兄。事業家でブロッサムのスポンサー)
…荒木広輔さん(現代編の「医師」との二役)

追記:
女子プロレスの話なので、女優さんがリングコスチュームで現れるシーンがあるのだが、中村緋那子さんと黒沢佳奈さん、シルエットがスリム過ぎてレースクイーンに見えたのはご愛好。
でっ、黒沢さんの雄姿を観ているうちに、初めて彼女を拝見した4年前のあやめ十八番の舞台の記憶が蘇りました。
朗読劇

朗読劇

room42

RAFT(東京都)

2019/06/20 (木) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/22 (土)

22日18時開演回(80分)を拝見。

ネタバレBOX

昨年4月のroom42旗揚げ公演『渦中の花』とはすっかり趣きの変わった中編作品。

冒頭は、住民自身による村おこしのための朗読劇の、のんびりとした練習シーン。
だが、開演後、早い段階から、客席に「真相」が明らかにされる。
即ち
◆朗読劇の練習に集った「若者たち」は、実は全員、70歳超の高齢者。
◆「若者たち」の正体は、半世紀ほど前、生活の保障を条件に、若返り薬の治験に手を挙げた村民たち。
◆「若者たち」は外見的には被験に応募した当時の若さを保つも、頭脳と肉体内部は老化。
◆「若者たち」は記憶も薄れ、被験者である自覚も・実年齢も忘れて、だが、意識は若者だった頃のまま。そのため、村と製薬会社?の手で老人ホームに隔離され、生活の観察を続けられる。
◆施設内では、同じく被験者だった女性(故人)の息子が、「若者たち」の管理監督を行っていたが、実は、その息子自身も、最近応募した被験者(故に、被験者の自覚はある)だと判明。

これらの意外な「真相」自体に驚かされた。
だが、客席の平均層よりも舞台上の「若者たち」に年齢的により近い我が身としては、客席に「真相」がオープンになった以降の展開にこそ、しみじみとした感慨に浸らされた。
やまだのむらや客演先で幾度か舞台を拝見したことのある、施設の管理監督者・野村田誠役の野村亮太さんの、暴発しかかりそうになる感情を堪えて・堪えて…な人物像にシンパシー以上のモノを感じるのも、きっと自分の年齢のせいかなぁと。

あと、話の内容にリンクした劇伴使用曲(故・西城秀樹氏の1979年の大ヒット曲で有名な『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』)、いにしえの若者にはグッと胸に迫るものがあった。

【配役】
施設の管理監督者・野村田誠…野村亮太さん
被験者・谷野しょう子
…榎並夕起さん(5年前の『時をかける稽古場』からずっと観ている役者さん。どこか、はかなげな憂いを感じさせる人物像を好演。ところで「弟」は今、どうしているのだろう?)
被験者・前山善
…上田祐揮さん(財布を盗られた!と周囲を犯人扱いするという、ボケが始まった老人特有の行動を自然に演じていた)
被験者・雪美行恵
…白井風菜さん(話の進行とは別に、どんどん可愛らしくみえてきたw)
被験者・田丸紗枝
…袋小路林檎さん(つい最近も「辞めた職場に通うヒト」だった、新宿公社でお馴染みの方)
施設の管理者・島林山(野村田の心境を理解する唯一の人物。ただ…宇宙人の設定、必要?)
…平山輝樹さん(好演!)
Paranoia Papers 〜偏執狂短編集ⅣΣ〜

Paranoia Papers 〜偏執狂短編集ⅣΣ〜

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2019/06/18 (火) ~ 2019/07/01 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/21 (金)

「聴の章」21日18時半開演回を拝見。

10分間の途中休憩有りとはいえ、上演時間・計3時間の長丁場。
だが、エロ・グロ・残虐の(語弊はあるが)「遊園地」で繰り広げられる、ドッシリとした人間の業(ごう)のドラマ、時の経つのも忘れて、じっくり堪能させてもらった。

ただ、自分が2年前に観た「Paranoia Papers~黝(あおぐろ)の章」と比べても、誰得?と首をかしげる程、描写の過激度が増したためか、途中で舞台から目をそらしていた方、体調を悪くされた方もおられたようだった。地上波のテレビと違って、舞台作品には観に行く・行かないの選択肢がある以上、観劇でダメージを負うのも自己責任のうちだとは思うが、演じ手達の大熱演にもかかわらず、やはり、迂闊にヒトには薦められない内容だな、と改めて感じさせられた作品でもあった。

ネタバレBOX

【配役】
「千年狐狸精蘇妲己凌遅演義」
妲己…大森さつきさん(カラダもココロも張った高テンションの演技に只ひたすら圧倒された)
紂王…鈴木大二郎さん(私には「とても悲しいヒト」に映った紂王を好演)
胡喜媚(こきび。妲己の妹)…里仲景さん(客演先での「善いヒト」と違い、ホームでの里中さん、お馴染みの「活き活きとした悪役」!)
王貴人(寵姫の一人?)…安井茉穂さん
邑姜(ゆうきょう。妲己等に虐げられる。姫発の恋人)…春名風花さん(熱演!)
姫昌(きしょう。商の王朝の重臣)…常川博行さん
姫伯邑考(きはくゆうこう。姫昌の長男)…折原啓太さん
姫発(姫昌の次男。後に紂王を討つ)…田口真太朗さん
姜妃(紂王の正式の皇后。冒頭で…)/蟲毒の女王…新井舞衣さん
獄卒…山本恵太郎さん・井口ジョージさん・邑上笙太朗さん・根来武志さん
姜族の女…今野未来さん、他
酒・池・肉・林…新早由季さん・武田法子さん・山口晃洋さん・石田輝さん
蟲毒の女王…中村つぐみさん        

(途中休憩10分)

「魔女狩り処刑人PL」
レベッカ(富豪の娘)…川添美和さん
エロイーズ…酒井菜々夏さん
マリア(レベッカの妹)…春名風花さん
ユニウス…丸山翔さん
アダム(マリアと恋仲)…平良和義さん
ビセンテ…山下諒さん クロエ…新早由季さん
ピエール(審問官側の悪玉)…山本恵太郎さん
ジヌディーヌ…芹澤あいさん
シニストラリ…井口ジョージさん
リリアン…邑上笙太朗(むらかみ・しょうたろう)さん
リュリュ(女性審問官)…加々見千懐さん
ヴァンサン…石田輝さん
エメ…新井舞衣さん
アルベルティーヌ…武田法子さん
ジョゼ…ちるちる★いちるさん
マヌエラ…今野未来さん
カリエラ…清藤ひとみさん
ジョゼステティーヌ…安井茉穂さん
リザベラ(密告者)…里仲景さん
キリアン…田口真太朗さん
町民(審問官)…根来武志さん
審問官…山口晃洋さん・鈴木大二郎さん

「向こう側の世界―Missa―」
チェックの男…田口真太朗さん
セーターの女…中村つぐみさん(「薄幸そうな表情(失礼ッ!)」がストーリーにマッチ)
「遮光器土偶デス・エクソダス VS夜明けの令和」

「遮光器土偶デス・エクソダス VS夜明けの令和」

駄目なたすいち

Geki地下Liberty(東京都)

2019/06/19 (水) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/19 (水)

19日19時半開演回(2時間強)を拝見。

前回公演の『ギロチン伯爵と七つの秘宝』も大風呂敷だったが、今回は時空を超えての大風呂敷!
個々のエピソードでも、充分、公演1つ分は賄えたであろう『遮光器土偶デス・エクソダス』『夜明けの令和』の1時間モノ2本同時上演はお得感が半端なく、さらにいえば、自分にはほぼ全員が顔と名前の一致する役者さん達による、真面目に笑いを取りに来る勢いというか熱気に、チケット代のもとが取れ…いや、チケット代以上の満足感を得ることができた。
私以外の客席の反応も、笑いの総量は申し分なく、実に素敵なコメディーだった。

演じ手に関しては、黙って立っているだけで二枚目な中田暁良さんの…(以下、ネタバレにつき自粛)…が、クールな表情とのコントラストも鮮やかで、登場の度に笑いがこみ上げて仕方なかった。助演男優賞モノだと思う。

ネタバレBOX

【配役】
『遮光器土偶デス・エクソダス』
香取トウゴ(兄)…林弦太a.k.a.鈍色刃さん
香取サキネ(妹)…二宮咲さん
風上ミトリ(殉死?)…中野亜美さん(ごく普通のお嬢さんなのに凄く舞台映えする方)
本城コトミ(トウゴの彼女)…中村桃子さん(派手さのない役どころながら山椒のようにピリッと光る演技)
鳥ノ内剛(父。集落の長)…中田暁良さん(良い意味で、筆舌に尽くしがたく…)
鳥ノ内トキオ(息子)…大平智之さん
飯沼ホイ(サキネの先輩)…星澤美緒さん
三上ジュン(学校の先生)…中西みなみさん(『おさなごころのきみ』以来)
六道カゲチヨ(呪術師)…永渕沙弥さん
剣持教授…布施知哉さん
譲原ユキ(剣持の助手)…北川理恵さん

『夜明けの令和』
平 成…菊池泰生さん(川口知夏さんとの12月公演がますます楽しみに!)
渡チコ/篠田リコ…坪和あさ美さん(やっぱ凄い役者さんだわ!)
野島須磨子…白井肉丸さん(落ち着いた声質がストーリーテラーな役柄にピッタリ!)
髑髏崎…加藤和子さん
餅前田剛健…須藤大輔さん
菅(官房長官とその影武者)…小太刀賢さん
田村崎…柴田淳さん(小劇場の舞台ではひさしぶりに拝見!)
アリス・マチムラ…田邉美保さん(可愛・格好いい)
平目洋平…村松ママンスキーさん
リーファ…細田こはるさん
THE NUMBER

THE NUMBER

演劇企画集団THE・ガジラ

ワーサルシアター(東京都)

2019/06/18 (火) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/18 (火)

18日19時開演回を拝見。

旧ソ連(今のロシア)のディストピア小説「われら」を基に脚色された舞台は、終演後、カラダのリキみが取れたと同時に、相当な疲労感に襲われた2時間20分強だった。
だが、一昨年の『ドグラ・マグラ』、昨年の『フランケンシュタインー現代のプロメテウス』と比較しても、相変わらず難解ながらも、転び伴天連な私には親近感さえ湧く設定(ディストピアな超管理社会である近未来の「エデンの園」)。実は一番手が合ったかなぁと。

役者陣。
まずは、何といっても、主演の田村真帆さん。
緩急の変化なし・まっしぐらな硬質の演技に、当初は違和感を覚えたが、話が進むにつれ、そんな「D503」に、フランス革命を描いた絵画「民衆を導く自由の女神」のイメージが重なった。
2時間20分出ずっぱり!のフルスロットルな役柄だが、どうか千穐楽まで舞台上にガッシと踏ん張り続けて下さい。

それから、(フライヤーの顔写真とイメージが異なる方が多いので、実はやや自信がないのだが)S4711(岩野未知さん)、O90(灘波愛さん)、U1984(市川洋平さん)、そして唯一、フライヤー無しでも認識できたI330(千葉哲也さん)が、個人的感覚だが、若いヒロインの役者さんを盛り立てているようにも映り、強く印象に残った。

ネタバレBOX

【配役(記憶が間違っていたらご容赦のほど!)】
F2501(医学局)…石津雄司さん
U1984(管理局。D503の監視役?)…市川洋平さん
S4711(幸福局。D503とは幼少時代からの付き合い)…岩野未知さん
F722(医学局)…可児奈穂子さん
G78(守護局)…桑野緑さん
D803(科学局。D503の部下)…十代修介さん
U7597(管理局)…橘佳世さん
D503(科学局。「インテグラル号」のプログラマー)…田村真帆さん
O90(芸術局)…灘波愛さん
少女(旧人類の幻影?)…土生野乃花さん
S614(幸福局)…樋川恵利さん
老人(かって現行社会に反乱?を起こした罰で視力と自由を奪われた)…村橋広章さん
I704(宇宙局)…諸治蘭さん
R13(教育局)…吉村京太さん
I330(宇宙局。「エデンの園」でアダムとイブをたぶらかす蛇?)…千葉哲也さん
疫病流行記

疫病流行記

吉野翼企画

北千住BUoY(東京都)

2019/06/13 (木) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/16 (日)

16日17時開演回(2時間強)を拝見。

「この方が出る公演ならば観に行くかどうかを検討せねば!」と常々考えている役者さんのおひとり、石井舞さんご出演。さらには、昨年の同時期、西戸山野外円形劇場(シェイクスピアアレイ)で観た『野外劇 新譚 糸地獄』と同じく、「岸田理生アバンギャルドフェスティバル リオフェス 参加作品」…という二つの理由で足を運んだ本公演。

いらっしゃいませ
商船パゴパゴへようこそ
お待ちしておりましたわ♡

開演前の呼びかけは『野外劇 新譚 糸地獄』の追体験。
だが、「虚構の墓場」が似つかわしい北千住BUoYでの本作。さらなる魅力(あるいは魔力?)として、役者と役柄・舞台と客席・演劇と日常、といった括りが、終盤、次々と解き放たれていく、メタフィクションの神髄に触れたような演劇でした。

残念ながら、こちらの読解力が至らず、表面的な理解?共感?興奮?にとどまってしまったきらいはあるものの、昨年の『野外劇 新譚 糸地獄』と同じく、自分にとっては新鮮に感じられる演劇体験。
「魅」せて頂いた役者さん等、座組の皆さんに心から感謝したいひとときでした。

こっちみてるの、しょうこ

こっちみてるの、しょうこ

やみ・あがりシアター

小劇場 楽園(東京都)

2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/13 (木)

13日ソワレ(90分)を拝見。

『根も葉も漬けて』以来、2年ぶりに観た、やみ・あがりシアターさんの公演。
ガラス工房・アパレルセレクトショップを舞台に、「美」に高踏な二人と世俗な人々との次第に深まる対立を…てな話を、スタイリッシュに(☜半分嘘デス)・ユニークに描いた90分。
頭で理解しようとすれば何回観ても難解だろうが、皮膚感覚で眺めていれば充分楽しめる作品、かなぁ。
ストーリーに込められた深遠な思想(理想と現実?)をうっすらとでも観客が嗅ぎ取ってくれれば、作者としては成功だろうな、と勝手に思いながら、帰路につかせてもらった。

なお、役者さんでは、やはり、加藤睦望さん・越路隆之さん・久保瑠衣香さんの主軸3人の印象が強烈。それから…久保瑠衣香さんのファンの方なら、是非、舞台正面席での観劇を! 何もなくても、ご飯3杯分?は愛でることができると保証?します。

ネタバレBOX

【配役】
しょうこ(セレクトショップ「Re nude」店長)…加藤睦望さん
マフィン(セレクトショップ「Re nude」バイト)…久保瑠衣香さん
綿貫(綿貫ガラス工房・社長)…越路隆之さん
粥川(綿貫ガラス工房・職人。ゆきと親友)…佐藤友美さん
羽毛(綿貫ガラス工房・職人。一番下の弟弟子)…花九郎さん
不破(綿貫ガラス工房・職人。羽毛の先輩)…東象太朗(あずま・しょうたろう)さん
ゆき(綿貫の妻。先代社長の娘)…嶋谷佳恵(しまや・よしえ)さん
衣笠(マフィンが「Re nude」に連れて来た男)…廣瀬楽人(ひろせ・らくと)さん
令和元年の「熱海殺人事件」4バージョン同時公演

令和元年の「熱海殺人事件」4バージョン同時公演

キャンディプロジェクト

ひつじ座(東京都)

2019/06/11 (火) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/12 (水)

4バージョン同時公演のうち、『売春捜査官』12日19時回(100分)を拝見。

ネタバレBOX

4年前の12月、高田馬場ラビネストでの公演で同役だった、まついゆかさんの「木村伝兵衛」を再び観るために足を運んだ本公演。
2019年のまついさんは、2015年の彼女に様々な舞台でのキャリアが積み重ねられただけあって、前回と比べ、輪郭や背景がよりクッキリとした「木村伝兵衛」を魅せてくれた。
昨晩観た別団体の公演に続き、2夜連続で、「儀式」ではない、心からの拍手が送れたことに感謝したい!

それから、何度か観ている『売春…』だが、今宵の舞台、桂刑事&李大全の印象が突出していた。
どういうご縁か、お名前だけは以前より存じ上げていた、同役の常葉功一郎さんの熱演は特筆モノだった。

【配役】
まついゆかさん:
木村伝兵衛部長刑事(若い頃、女児を流産。その時の心の傷から売春に走る)
/山口アイ子(五島での金太郎の幼馴染。今は大全の下で「コケ」として働く)

朝生将臣(あさお・まさおみ)さん:
熊田留吉刑事(かって伝兵衛と恋仲だったが、今は雪絵という婚約者がいる)

常葉功一郎(ときわ・こういちろう)さん:
桂万平刑事(伝兵衛の部下。ホモセクシュアル)
/李大全(五島での金太郎の先輩横綱。在日朝鮮人)

島根渉(しまね・わたる)さん:
大山金太郎(五島での大関。アイ子殺しの犯人)

高橋直幸さん:
銀行マン・猿渡(以前、歌舞伎町で買った伝兵衛の身体が忘れられず…)
いざ、生徒総会

いざ、生徒総会

filamentz

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/11 (火) ~ 2019/06/17 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/11 (火)

11日ソワレ(130分)を拝見。

ネタバレBOX

とある高校を舞台にした、5本の連作短編・プラス・アルファーな構成。

まず4つの短編で散々笑わせながらも、規則と運用、性同一障害、職務と感情、衆議の移ろいやすさ等々、オトナの問題としても考えさせられるテーマが提示されたところで、最後の短編。
土壇場での大波乱(投票結果に対する、監査委員長の予期せぬ異議申し立て)を受けて、この話を一体どう着地させる気なんだろうか?と観ていてハラハラさせられたが、解答編であるエピローグで、観客の安堵するエンディングが用意されてあったのには、流石!と唸る思いだった。
ただ、このエンディング、(野暮は承知の上で言うと)個人的には、意に反して生徒会長を下ろされたにしては、前会長の心持ちがあまりにも清々し過ぎるかなぁ、と首を傾げたことも付記しておく。

【配役(役名=役者名)】
第1話「私の好きな制服」
池内理紗さん:
生徒会長の3年生。人望厚く・最も理知的に行動する人物だったが、生徒総会での予期せぬ事態に平常心を失い…。池内さんは、今回、最も印象に残った、全編を通しての主人公。
古谷蓮さん:
生徒副会長の2年生。会長への恋心から生徒会活動をしている人物だったが、生徒総会の混乱に際して、重要な役割を果たす。古谷さんは、第1話・第5話・エピローグで副会長を見事に演じ分けていた。
江益凛さん:
生徒会書記の2年生。副会長に片思いながら、彼のよき理解者でもある。江益さんは『Magnum Opus』でのイメージが強かったので、こんなに可愛い笑顔をみせる方だったとは!と少し驚かされた(失礼!)。
夏水さん:性同一性障害? スカートを履くことに抵抗があり、ズボンでの登校を繰り返す。
佑木つぐみさん:
赴任したばかりの教員。前任校では生活指導も担当。全体的に若い座組みなので、教師という役柄を超えて、登場すると場が締まるように感じられた。

第2話「私服デート」
堀ノ内翼さん:
恋人の知夏には隠しているが、性同一性障害?女装癖のある男子生徒。堀ノ内さん、もちろん演出プランに従っているのだろうけど、色モノに陥ることなく、自身のアイデンティティに悩み・振り回される青年を熱演。
川口知夏さん:
川口さんは、真実を知って混乱しながらも、翼を理解し・寄り添う、翼の彼女を好演。
野崎春花さん:知夏の友人。第3話にも登場。
波多野伶奈さん:知夏の友人。第4話で暗躍?!

第3話「優しい監査」
大和田あずささん:
職務と寛容の間で揺れ動く監査委員長の2年生。個人的には『いまこそわかれめ』でのイメージが強い方で、生真面目な役柄がピタリとハマる役者さん。
竹田優哉さん:監査委員見習の1年生。杓子定規で応用が効かない性格。
飯嶋耕大さん:
生徒会室に居座る部外者の3年生。昔の生徒会役員や監査委員のエピソードを語りたがるも、実は本人に生徒会役員等の経験はないという、実績の裏付けがない、ナイゲンの「どさまわり」。
高坂美羽さん:2年生。職務に誠実なあまり厳格な大和田を、クラスメイトの立場から非難する。

第4話「制服廃止運動反対について考える会」
岡田怜志さん:運動賛成なのに間違って反対派の集会に紛れ込んでしまった2年生。
岡村梨加さん:2年生で反対派の「女王」。最初は丸橋・大中を従えていたのだが…。
丸橋慧さん:理屈屋。最初は岡村のシンパだったが、伶奈の発言で賛成派に態度を豹変。
大中喜裕さん:元・柔道部。同じく岡村のシンパだったが、伶奈の発言で賛成派に態度を豹変。
見米克之さん:
実は岡田と同じく賛成派なのに、間違って反対派の集会に来た2年生。見米さんは何度も舞台を拝見している方なので、今回も安心して観ていられた。

第5話「いざ、生徒総会」
全員

エピローグ
池内理紗さん:
先の生徒総会の場で、蓮の発議がもとで生徒会長を解任されたが、あの時の状況から憑き物が取れたように、元の穏やかな人柄に戻っている。
古谷蓮さん:生徒会長不在のため会長代理に就任。現在、文化祭準備で悪戦苦闘中。
江益凛さん:悪戦苦闘している蓮を手助けしている。
堀ノ内翼さん:一時的に制服を着なくていいための許可届を取りに生徒会の部屋へ。
山猫 / 辺獄の葡萄

山猫 / 辺獄の葡萄

牡丹茶房

新宿眼科画廊(東京都)

2019/06/08 (土) ~ 2019/06/18 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/09 (日)

『辺獄の葡萄』9日14時回(80分)を拝見。

ネタバレBOX

烏丸棗(からすま・なつめ)さんの作品に接するのは『Maria』『渦中の花』に続き3本目。
設定はどうであれ、概ね、こんなテイストなんだろうなという期待?を裏切らない、陰鬱な気分にさせられる人間ドラマだった。

それから、(これはワタシだけなんだろうが)新宿眼科画廊のアットホームなスペースにも拘わらず、上演中、話の奥行きにつられたのか、集落の端から端までの光景が目の前に浮かんで来た。『Maria』を上演した星のホール、『渦中の花』の王子小劇場の舞台セットで観ているような、空間の広がりが感じられたのに、大いに驚かされたことを特筆しておきたい。

【配役】
傍島洋一郎(フリーライター。とある噂の真相を取材するつもりが捕らえられ…結果的に村落の秩序の破壊者となる)
…浅見臣樹(あさみ・なおき)さん(『みのほど』以来の方)
ガマ(ウツギの息子。甲高い声は去勢されたため。次第に洋一郎に親近感を抱いていく)
…杉本等(すぎもと・ひとし)さん(熱演!)
マタタビ(村の長老・サチの孫。実は不妊症。洋一郎と共に村を抜け出すはずが、彼に裏切られた?)
…二ツ森恵美(ふたつもり・めぐみ)さん(舞台を拝見するのは三度目。根は誠実な役柄が似合う方)
カシワ(シキミを慕っている?村の女)…田中祐理子さん
シキミ(もともとは自殺をしに山に入り込んだが遭難、縁あって村に迎い入れられた余所者)
…冬野泉(ふゆの・いずみ)さん
ウツギ(ガマの母親。実母がサチを娘代わりに育てた経緯あり)…三浦久枝さん
ダイダイ(マタタビと共に、洋一郎との子をなすように命ぜられた村の娘)…タナカエミさん
サチ(村のリーダー。昔は、村の男たちに「子を産むための道具」として檻の中に住まわされていた)
…丸本陽子さん(『渦中の花』以来、何度も舞台を拝見している方ながら、今回の扮装だと、もし街中でバッタリ出逢ったとしても、絶対、丸本さんだとはわからないだろうなぁ)
ハッカ

ハッカ

ハダカハレンチ

王子小劇場(東京都)

2019/05/31 (金) ~ 2019/06/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/01 (土)

1日ソワレ(105分)を拝見。

ネタバレBOX

青で統一された舞台セットの下、時計の針が40〜50年?程に遡った、熱気で押し通す演劇の世界観にどっぷりと浸かった気分。
澤原さんを初め、どの役者も活き活きと・内なるパッションを放電しまくって演じるさまに、観ている側の心も浮き立ち、さらには懐かしさとエモさで胸が熱くなった。
コレ、チャンスがあれば、もう一度、観たい!(→日曜ソワレをおかわりしましたw)

【配役】
三軒茶ヤスヲ(劇団の主宰・作・演)
…中三川雄介(なかみがわ・ゆうすけ)さん(三上博史を彷彿とさせる、苦悩する天才肌の人物を熱演!)
ミドロ翠(ヤスヲの母親)
…榊原美鳳さん(『伯爵のおるすばん』を初めとして、気が付いたら、もう何回も舞台を観ている方)
紀元前ハリカ(劇団員。ヤスヲの先輩)
…石澤希代子さん(初めて石澤さんを舞台で観た頃を思い出した! この作品の世界観を実践している?!役者さん)
川崎砂子(トリカブトちゃんのマネージャー/高校時代にヤスヲが憧れた文学少女)
…井本みくにさん(『ビューティーコロシアムの憂鬱』の3期生以来。ハートを奪われた観客がいるのも納得のキュートさ&エネルギー使ってんなぁ)
ナカタニくん(劇団員)
…澤原剛生さん(舞台を観ていて…なんかヨカッタ・抜群に良かった!)
シアトル新治(劇団マネージャー)
…やないさきさん(タイトルは思い出せないが、段ボールの家?の芝居の印象が強い方)
そぼろ(劇団員。ヤスヲと同棲していた)
…小林桃香さん(お初の方…えっ!役柄とはいえ、あの落ち着いた佇まいの方が学生さん?!)
カドカワ(ヤスヲより年上だが同級生)
…井田雄太さん(確か、先月は朝戸園の店員だったはずw…の残像がすぐに消えたので、さすが役者さん!)
犬山連盟(今回の舞台のプロデューサー)
…笹井雄吾さん(この虚実ない交ぜの世界観の中で、唯一、現実的な人物であるPを熱演)
未来坂先生(ヤスヲを見出した人物。政界に打って出ようとする)
…小島望さん(硬軟どちらの役柄もキチンとこなせる方なので、今回もはまり役。ところで、記憶が違っていたらゴメンナサイだが、『アダムの肋骨』以来?の眼帯とギブスがあんなに似合うとは!)
トリカブトちゃん(今回の舞台で主演に起用されたアイドル)
…崎原ひかりさん(まるで1970年代のつかこうへい芝居のヒロインが現代に蘇ったみたい! この方を知ったのは今回の収穫の一つ)
ムムム田ロク郎(劇団員/ヤスヲの高校時代の友人)
…山田健太郎さん(直近で観たのは『わが家の最終的解決』の嫉妬深い旦那さん…だが、個人的には地縛霊の「花子さん」の印象が強い方)
カケコミウッタエ

カケコミウッタエ

日本のラジオ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2019/05/25 (土) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/28 (火)

28日ソワレ(105分)を拝見。

ネタバレBOX

開場時。舞台に配置された神社の屋根の両端にある千木(ちぎ)?に、天井から伸びている屋根?…金沢駅前の鼓門(つづみもん)、ひいては出雲大社を想起させるセットに、目を奪われる。

でっ、観終わっての「読後感」。

自分には、わかったような・わからないような、神経の触れて欲しくない部分を逆なでされるような、いつも通りの「日本のラジオさんの演劇」だった。独特なセリフの間や、LPレコードの針が跳んだようなエンディングも含めて、同じ会場でやった『カーテン』以来の癖になる舞台のそれだった。あと、今回は「闇から現れ・闇に消えていく出ハケ」も印象的だった。

それと、ユダの独白だった原作の「駈込み訴へ」から関係者一同の集団劇に再構築されたことで世界観を立体化した「功」、(個人的に好みだった)原作の良さである音読のリズム感が除去された「罪」…いずれも感じながらの105分間だった。

当初は茅場だと思っていたイエス様(私は転びバテレンwなので「様」をつけます)がモデルな人物は、実はナザレ→名瀬。彼が常に浮かべる微笑みも、イスカリオテのユダ→粕井の視点からは、おのが脆い精神・吹きあがりそうな感情を護り・抑え込むための「精神的バリヤー」とも映っていたのかな? 宝保里実さん演じる名瀬の「笑みの精神的バリヤー」に寒気さえ覚えた自分は、そう思えてならなかった。

演技陣。
田中渚さん・沈ゆうこさん・安東信助さん、そして今回のフジタタイセイさんは、こんな性格・雰囲気の人物を演じられるんだろうな、という役回りと言うか、観劇前からの期待通りの人物像を好演。
静かな狂気にも満ちた宝保里実さんの熱演は言うまでもなく、他の登場人物を演じる皆さんのどなたにもスキがない、結構、凄い座組だと感服させられた。

【配役】
名瀬(後の、富嶽の会・代表。本作における「イエス様」)…宝保里実(ほうぼ・さとみ)さん
粕井(本作における「ユダ」)…フジタタイセイさん(美味いカレーを作れる、肋骨蜜柑同好会の主宰)
三瓶(パッションのバランスが崩れたヒト)…辻響平さん(お初の方)
安藤(いつしか三瓶を見守るヒトへ)…横手慎太郎さん(何度も舞台を拝見する方)
田臥兄…岡野康弘さん(「サンジェルマン伯爵」の生まれ変わり?)
田臥妹…豊田可奈子さん(『みのほど』以来の方)
丸田(粕井の先輩)
…沈ゆうこさん(こんなにも早く、アガリスクエンターテイメントのイメージが消え、「日本のラジオ」のヒトになるとは思わなかった)
麻里弥(丸田の妹。恋愛対象が常に不倫)
…田中渚さん(『アダムの肋骨』以来、何度も舞台を拝見している方)
茅場(おひかりさま「健康道場」主宰者)
…安東信助さん(何度も出演舞台を観ていながら、いまだに初見の『HNG』での強烈なイメージが抜けきれないw)
手妻(地方政治家)
…坊薗初菜さん(ぼうぞの・はつな)さん(お初な方。4月にあった近隣の国立市議選に出ていてもおかしくない美声)
「遠くまで来たんだ/朝をつれてこい」

「遠くまで来たんだ/朝をつれてこい」

劇団晴天

シアター風姿花伝(東京都)

2019/05/18 (土) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/26 (日)

『遠くまで来たんだ』26日の大千穐楽の回(1時間35分)を拝見。

「客演舞台にハズレなし!」と勝手に信頼している、三浦葵さんが選んだ作品だからということで、初めて拝見させてもらった劇団晴天さん。出演者の中に目元キリリッ!の鈴木あかりさんを確認した序盤から、鈴木さん所属の第27班の舞台を観ているような感覚に囚われの観劇だった。
「登場人物の誰もが神経繊細で優し過ぎ!」とスレた観劇オジサンは当初、苦笑気味ではあったものの、その登場人物達が発する、さりげないセリフの一つ一つに作者の神経が行き渡っているさまに感心させられ、さらには、話の中での各々の登場人物への焦点の当て方も絶妙で…観終わっての感想は「上質な群像劇」。
舞台の設定の一つが北海道なのに、冷房を切った会場の蒸し暑さには閉口させられたが、1時間35分、良い時間を過ごせた。

それから、過日、拝見した『いつもの致死量』でも担当されておられた、舞台美術・眞野祐美子さんの「何気に死角のない、客席から見やすい舞台セット」の、作品への貢献にも触れておきたい。


【配役】
遠野千夏(公私共に憔悴し切って、一人旅に出る)…中野智恵梨さん
松田まもり(千夏の同居人。精神的なダメージを負った「引きこもり」)…きずきさん
松田正護(姉まもりの身を案ずる大学生の弟)…加藤巧巳(かとう・たくみ)さん
城之内進(千夏の彼氏。ビストロ居酒屋?の店長)…櫻井竜彦さん
今井桃子(千夏の会社の後輩)…湯浅くららさん
滝本リカ(千夏が滞在中の北海道のペンションのオーナー)…鈴木あかりさん
河本平助(ペンションのバイト。リカとは実は互いに…)…万代竜一(まんだい・りゅういち)さん
相川光(ペンションの客からバイトへ)…三浦葵さん
飛田浩太(正護の大学の友人。城之内のビストロ居酒屋のアルバイト)…宮口嘉行さん

向井坂良い子と長い呪いの歌

向井坂良い子と長い呪いの歌

少女都市

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2019/05/21 (火) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/25 (土)

25日ソワレ(1時間45分)を拝見。

ネタバレBOX

出演者6人のうち、4人の顔と名前が一致するんで、誰が何の役か?で迷うこともあるまいし、それ以前に新座キャンパスでの初演も観ているし…油断してました。
自分の脳裏にわずかに残っていた「どんよりとした曇り空の下」「出演者が屋内・屋外を駆け巡った」初演時の記憶とのズレがだんだん大きくなっていき、コレは新作だ!と割り切るまでは、客席で多少の混乱と格闘せざるを得ませんでした。

でっ、割り切ってからの感想。

初演と比べると、本作はかなり観客の側に寄り添った、理解の届きやすい内容にリライトされたかなぁと。

シーンのループに関しては賛否が分かれるかと思うが(観劇初心者だと、自分が観ている「現在地」が不明になるかなぁ?)、ループ的な進行が嫌いな自分にしては、珍しく違和感なく受け入れられたのだから、自然な話の流れだったんだろう。

前公演『誕生日がこない』の時ほどストレートではないものの、演劇の途を歩むことになった葭本さんの半生の精神的トレースであろう本作、向井坂良い子だけでなく、もなみや伏見先生からもチラチラと「葭本未織」が顔を覗かせてる瞬間は微笑ましくもあった。4年前、「水本なつみ」だった役者さんの内面、実はこうだったんだ…と後から(勝手に)感慨深くもさせられた。

最後に役者さんだが、何といっても、中野亜美さんの奮闘が強く印象に残った。
事前に評判は見聞きしていたとはいえ、吉祥寺シアター演劇部『ハルマチスミレ』の頃の「お嬢さん」が、2年後の本作で、曲がりなりにも「女優」の片鱗を魅せてくれたことには大層驚かされた。「女子、2年会わざれば刮目して見よ」な気分に浸らされた。


【配役】
向井坂良い子…中野亜美さん(初演の狩野陽香さんの「良い子」は、精神的に汗と涙で「ドロドロ」になっているようなイメージ。でっ、今回の「良い子」からは、万力でキリキリと心臓を締め付けられているような「痛み」が伝わって来た)
愛澤もなみ…藤丸千(ふじまる・せん)さん(個人的偏見だが「男優は似合わない?!」葭本演劇には不可欠な男役的存在を好演)
鴉山ダンス…小関えりかさん(幾度も舞台を拝見している方)
伏見京子…前原麻希さん(『溶けない世界と』の「緑ジュンコ」さんかぁ)
金沢栞…高橋喜和子さん(ねくすぽすと、ひとりぼっちのみんな、の方)
葭本未織/手/野村ひまわり(子役)…葭本未織さん
Fellow traveler

Fellow traveler

風雲フラミンゴ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/05/24 (金) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/05/24 (金)

24日17時半開演、女性版のチーム・土星を拝見(95分)。

ネタバレBOX

暗転時の物音や、途中入場の客に舞台の前を遮らせる誘導には、正直、気が散りました…がっ、それには目をつぶりましょう。
ほぼ一直線に駆け抜けるストーリーに、青臭いセリフの数々…ですが、終演後、実は気分が高揚しています。予想をはるかに上回る、ドラマチックな良い舞台でした。感謝!

役者陣。
昨年10月の『パンケーキ』以来、気に留めていた成瀬志帆さんが、あの時とは全く異なる難役を熱演。
日曜日までの公演なので詳細は伏せるが、終盤、彼女が聴かせる噺2席(うち1席は途中から由奈との漫才に移行するが…)のシーンには胸を打たれた。
あと、好演の亀井玲太さんが気になった。

【配役】
安藤香耶(落語好きの大学生。相手には不干渉な主義)…成瀬志帆さん
岡崎由奈(香耶の彼氏の元カノ。香耶とコンビを組んで漫才師として売れる)…岩田ふらのさん
堀田佐智(香耶達のマネージャー)…依川かのんさん
明鏡亭李白(落語家。後に香耶が弟子入りする)…亀井玲太さん
工藤駿介(香耶や由奈の元カレ)…久村優太郎さん

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