朗読劇 公演情報 room42「朗読劇」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/06/22 (土)

    22日18時開演回(80分)を拝見。

    ネタバレBOX

    昨年4月のroom42旗揚げ公演『渦中の花』とはすっかり趣きの変わった中編作品。

    冒頭は、住民自身による村おこしのための朗読劇の、のんびりとした練習シーン。
    だが、開演後、早い段階から、客席に「真相」が明らかにされる。
    即ち
    ◆朗読劇の練習に集った「若者たち」は、実は全員、70歳超の高齢者。
    ◆「若者たち」の正体は、半世紀ほど前、生活の保障を条件に、若返り薬の治験に手を挙げた村民たち。
    ◆「若者たち」は外見的には被験に応募した当時の若さを保つも、頭脳と肉体内部は老化。
    ◆「若者たち」は記憶も薄れ、被験者である自覚も・実年齢も忘れて、だが、意識は若者だった頃のまま。そのため、村と製薬会社?の手で老人ホームに隔離され、生活の観察を続けられる。
    ◆施設内では、同じく被験者だった女性(故人)の息子が、「若者たち」の管理監督を行っていたが、実は、その息子自身も、最近応募した被験者(故に、被験者の自覚はある)だと判明。

    これらの意外な「真相」自体に驚かされた。
    だが、客席の平均層よりも舞台上の「若者たち」に年齢的により近い我が身としては、客席に「真相」がオープンになった以降の展開にこそ、しみじみとした感慨に浸らされた。
    やまだのむらや客演先で幾度か舞台を拝見したことのある、施設の管理監督者・野村田誠役の野村亮太さんの、暴発しかかりそうになる感情を堪えて・堪えて…な人物像にシンパシー以上のモノを感じるのも、きっと自分の年齢のせいかなぁと。

    あと、話の内容にリンクした劇伴使用曲(故・西城秀樹氏の1979年の大ヒット曲で有名な『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』)、いにしえの若者にはグッと胸に迫るものがあった。

    【配役】
    施設の管理監督者・野村田誠…野村亮太さん
    被験者・谷野しょう子
    …榎並夕起さん(5年前の『時をかける稽古場』からずっと観ている役者さん。どこか、はかなげな憂いを感じさせる人物像を好演。ところで「弟」は今、どうしているのだろう?)
    被験者・前山善
    …上田祐揮さん(財布を盗られた!と周囲を犯人扱いするという、ボケが始まった老人特有の行動を自然に演じていた)
    被験者・雪美行恵
    …白井風菜さん(話の進行とは別に、どんどん可愛らしくみえてきたw)
    被験者・田丸紗枝
    …袋小路林檎さん(つい最近も「辞めた職場に通うヒト」だった、新宿公社でお馴染みの方)
    施設の管理者・島林山(野村田の心境を理解する唯一の人物。ただ…宇宙人の設定、必要?)
    …平山輝樹さん(好演!)

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    2019/06/23 05:24

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