みくろの観てきた!クチコミ一覧

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昴のテルミニロード

昴のテルミニロード

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王子小劇場(東京都)

2016/03/11 (金) ~ 2016/03/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

初・レティクル東京座でした。
別の舞台で観た役者さんがこちらの劇団員ということで初参加。

役者は全員白塗りで、終演後にはライヴがあるなど、
独特の雰囲気がある劇団なのだなぁという印象を受けましたが、
劇団公式サイトには観劇に際しての説明が丁寧に書いてあり、
チケット予約前からウェルカムな雰囲気でした。

過去公演の動画や写真などをネット上に残していて親切だし、
役者さんたちが「自分推しの人はこのあたりの席がおすすめ!」など
公演期間のだいぶ前にツイートしているのも良いなぁと思いました。

終演後数分の休憩をおいてのライヴも、楽しかったです。
(後方で役者さんが振るリズムをレクチャーしてくれていたので、
初参加でも疎外感なく楽しめました)

ストーリーも北欧神話を知っているとニヤリとできる要素アリ、
知らなくてもぐいぐい引き込まれる熱量と悲劇性、
場転の華やかさや舞台装置の巧みさで
休憩なし2時間ちょいでしたが長さを感じませんでした。

サイトや当日パンフレットの人物説明やストーリー概要で
文字が多くてドキドキしましたが、
そんなに頭にぎゅうぎゅう押し込まなくても大丈夫な展開でした。
(作中でみんな名前が呼ばれるし、
世界観もちゃんとストーリーに沿って説明される)

来年にあるという、次回公演も行きたいなと思いました。


ネタバレボックスには自ツイートを一部転載。

ネタバレBOX

これは中毒になるやつ!!!(笑) 
みんな格好いいほうに全力で振りきってて
特にヤシロの人は何者?ってレベル。
雨宮さん、めっちゃ禍々しくて吸い込まれる。
これは論争劇では観れない姿…! 
台本買ったけどこの勢いは文字で表せないから完全に記憶スイッチ用。

白塗りは照明がガンガンあたるから
もはや気になるとかそれ以前の段階。
表情がむしろ見やすくなるし、キャー(*゚∀゚*)ーなシーンも
生々しいけど生々しすぎず私にとってはかなり良い効果だった。
ていうか、あの舞台装置なにあれすごい。使うタイミング絶妙。
空間取りも、見るとかなりギリギリだ。

何人かしゃべり方(句読点の入れ方)が独特だなーって
最初思ったんだけど、いわゆる「クサい」ってやつなんだろうなぁ。
でもみんな徹底してそれだから、
誰も浮かないしこっちも冷めずにラストまで
あの世界観にぐいぐい持っていかれた。
手袋外そうとするだけであんなえろくなるとか…ナイフ舐めもやばい

護送撃団方式の彼は
一部シーンでギャースってなったけど全体的に好み。
衣裳の肩部分がふわってなる立ち方や、後半の肉体的演技。
妹さんも、ものすごい衣装ですがそれ以上に迫力があって
色々と業の深い兄妹…あそこで2時間レベルの芝居1本できそう…
っていうかそれ言ったら他のメンツでも以下略

イヅミ先生の、語気に含まれる感情の複雑さが好きだ。
アンジェさんの寂しさとか彼女が求めてた温もりの種類とかも。
あの人の、満たされない癒されない所が変質して表に出てる感じとか。
RT座、全体的に派手で勢いがあったけど
それで誤魔化したり押しきらず、複雑な感情面も描かれてて良かった。
Dの再審

Dの再審

かはづ書屋

スタジオ空洞(東京都)

2016/03/11 (金) ~ 2016/03/16 (水)公演終了

満足度★★★★

「名探偵」への思惑、入り乱れ。
上演時間はおよそ95分。

当日パンフレットにも、作中にも「D坂の殺人事件」の概要説明があり、
未読者にも親切なつくりでした。
模擬裁判ということで法律用語も出てきますが、
それも作中の一般人に説明するというていで解説されるので
置いて行かれずに観ることができました。

対面客席の奥→手前の順で、2回観劇。
2回目観劇の時は開演がおしましたが、
「3分」とスタッフの方が具体的な時間を言っていたのが好感持てました。

役者さんのスタンバイ位置の関係で
一部が確実に観づらくなる…という席があり、
そこには置きパンフレットの上にその旨が書かれた紙が置いてあったり、
空席に余裕のある段階で見切れそうな席に座ろうとする人に
スタッフさんが個々に「○○なので、見づらいかもしれませんが…?」と
理由を告げて他の席に移る選択肢を提示していて優しいなと思いました。

アンケートがWEB方式なのも、
時間を気にせずゆっくり書けるので良いなと思います。
(スタッフに申し出れば紙のアンケートも用意があるとのことでした)

直球・変化球のセリフが入り乱れる論争劇、楽しかったです。
(今まで観た柳井さん作品の中で、
いちばん役者さんが噛むのが多かったなぁという感想も持ちました)

台本販売に加え、DVDになるというのも、とてもうれしいです♪

ネタバレBOX

実際のところ、全部を見渡せる席は無いのだと思います。
(対面客席である事に限らず、誰の、どの舞台作品もそういうものだと思う)

ちなみに自分が1回目に座った
奥側のパイプ椅子席(3列目、向かって最右)は、
役者が出てくる部分がちょうど見えない位置でした。
登場の瞬間の表情や、
作中のある再現シーンで「部屋の中」にあたる部分が見えづらかったです。

2回目観劇は手前側の席に座って、人物の入場時の表情と
「部屋の中」を見ることができました。
(そうすると、判決時の検事の鳩野さんに対するあの表情が見えないけども)
でも役者さんが常に人間らしく登場人物を演じているので
その瞬間の顔が見えなくても、
彼らがどんな表情をしているかは
見えていた人となりから想像がつくようになっていました。

「明智小五郎が実在している」という設定が面白く、
でも本人の姿は登場させないというのが面白いです。
それによって、各々の中にあるイメージを壊すことのないまま、
作中に出てくる発言たちによって「名探偵・明智小五郎」を崩すことに
成功していると思いました。

蘭子さまがみんなに背を向けて、
一度は崩壊寸前になった模擬裁判の配置が、鳩野さんの発言から
連鎖的に元の位置に戻っていくさまが美しかったです。

判事が服を脱ぐところ、秘書さんが「ふたをする」ところなど、
その行動が行動以上の意味を持っているように見えるシーンとか、
登場時に依頼人と依頼された人が実は目線を交わしている所とか、
なぜ彼女がその単語に反応を示したのか、など
伏線もあって見ごたえありました。

もし最前列に座ったら、格子の布の色実験は目視できたのかなぁ…?
あれは自分の目でも確認してみたかったです(笑

そこにある場所

そこにある場所

崖っぷちウォリアーズ

劇場MOMO(東京都)

2016/03/09 (水) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

ほのぼの話
上演時間は1時間40分。

受付順に整理番号で入場、
物販のパンフレット(1000円)は終演後に販売でした。

チラシの表面の渋いイメージは、作中ではあまり無かったです(笑


ネタバレBOX


コミカルで、人のいい話だなぁって思ってたら、
刑事のくだりなどやラストで結構ドキッとさせられました。

家族ものなので、キャスト表に同じ名字の役名が並んでるけど、
観てて順番は大体すぐわかるのも良かったです。

娘さんの心情吐露と、母親の姿が涙を誘いました。
そこに入ってくる三男のキャラがいい味出してました。

出ハケはあるものの、舞台は喫茶店の室内のみ。
外を描かないけど、登場人物の服装や台詞で季節を出してて、
そのさりげなさが上手くてほのぼのしました。
おしゃれな人はよく着替えるし、
無頓着そうな人はとことん同じような服で、
キャラが出てるのも面白かったです。

作中に話題になりつつも
本編に直接はかかわってこないエピソード(娘さんの祖父や父親の話)
などの入れかたも適度で、シリーズ化できそうだなと思いました。

本探しの3人がわりとわかりやすかったのと、
サギ医者の顛末が言葉だけだったのが
ちょっとだけ物足りなかったかなぁ、と。

母親の本の仕掛け、
息子さんにはまるで魔法のように感じられたんじゃないかな、と思うと
胸が温まりました。

「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演

「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演

Théâtre des Annales

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/03/02 (水) ~ 2016/03/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

五感と想像力を刺激されました
ツイッターの評判と、
やたら長いタイトルに興味をひかれて観劇を決めました。

最前列で観劇。
足元ぎりぎりまで役者が来るというので(実際そうだった)、
リーフレットごと鞄をスタッフに預けてしまったため、
登場人物の名前もさっぱりわからないままに観劇。
それでも何の不自由もありませんでした。

1時間50分程度、
閉塞感のある空間でありながら
同時に距離や時間を超えて無限の広がりも感じられるという
まさに演劇の醍醐味を楽しめました。

同時に、迫真の演技の役者さんたちを観て
「本当にこれはセリフなのだろうか、お芝居なのだろうか」
とも思ってしまいました…!

ネタバレBOX

ずっと真面目なシーンばかり続くのかと思っていたら、
本人達はまじめなんですけど肩の力が抜けるようなやりとりもあって
面白かったです。

部屋にあるもので地形をつくる際のウィトゲンシュタインたちの「気づき」や
空気を読んでないようで読んでるベルナルドの清涼感、
手紙を読み進める際に変化していくミヒャエルの表情や、
(あのシーンで「彼」が読むのが見せ方としてもすごく良かった)
ラストシーンのカミルの「存在」や、皆に背を向けた時の憤りと自己主張、
隊長の、空気を固めたり弛めたりする絶妙な間の取り方、
上官も上層部も、人間であり万能ではないこと、
作中の印象的なことを挙げていくと、きりがないです。

照明も使っているのはわかってはいるものの、
劇場の外に行けばお金を出して好きなものが食べられるのが
わかっているものの、
「ここにはこれしかない」感がすごくあって、
だからこそ言葉の無限性を感じられて、
それが高まったタイミングでの「闇」が、すごく想像力を突き刺してきました。

ミセスフィクションズのまんがまつり

ミセスフィクションズのまんがまつり

Mrs.fictions

王子小劇場(東京都)

2016/02/17 (水) ~ 2016/02/22 (月)公演終了

満足度★★★★

丁寧なのにヌケ感アリ、たしかに漫画っぽかったです。
原作をひとつも読まずに観劇。
「原作知らないと【漫画の舞台化】感をあじわえないかな?」
と思っていましたが、
開演前の仕掛けにより
未読でもその感触を味わえるようになっていて良かったです。

5作品オムニバスで上演時間70分と、
数字だと慌ただしい印象を受けましたが、
せわしなさを感じませんでした。
ゆるゆるっとした、
でも「これがコマとコマの【間】なんだろうな」と思わせる
丁寧な造りでした。

ネタバレBOX

自分はいわゆる「2.5次元舞台」もすこしだけみていますが、
あちらのように「漫画を実体で再現する」
のではなく、
「漫画を舞台表現に翻訳した」作品群だったな、という印象でした。


『いまなく』は
走る二人の表現と、
ミヤの描写(画面端から見える感じ)が好きでした。
電車に乗っているときのメーコちゃんの表情で涙ぐみました。

『橋』は
とぼけた感じの女子の会話、 
突っ込み役(?)の女子Cの冷めた感じが楽しかったです。
女子高生の頃って
たしかにあぁいう刹那的なところあるなー、と。

『リンゴの国のお姫様・森田早紀
(源氏名 姫)』は、
事情が判明するまでの時間が長めかな、と思いましたが
全体的に見ると清々しい話で好きです。
トッピング云々のセリフがツボでした(笑)

『恋の草鞋編み』
設定からして、かなり漫画っぽいなー、と思いました。
静かに食いついてくる先生と
協力的な彼女(2)の詳しさが面白かったです。
ラストも「あぁっ」て感じで、可愛らしかったです。 

『ナオミ女王様に仕えた日々』
女王様のクオリティの高さ。
(アフタートークによると、オーダーメイドらしい。
ここの団体の衣装に対する意気込み、好きです)
「女王様を何かに言い換えてるのかな?」と
最初は思いましたが
全体的な説得力がすごくて慣れさせられました。
作中カテコの女王様がまだまだ「女王様」だったのも良かったです。
(全体的なカーテンコールでは女優さんでした)

ゆけゆけ!おむちゅび大冒険!!

ゆけゆけ!おむちゅび大冒険!!

すこやかクラブ

さくらWORKS<関内>(神奈川県)

2016/02/12 (金) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★

癖になりそうな雰囲気でした。
すこやかクラブ、初めて観劇しました。
前情報は公演のポスターイラストとあらすじ。

タイトルや、チケットの小学生以下向け料金、
日曜昼の回は幼児入場可などとあったので、
「親子でわいわい見るおはなし」を想像して行きました。
イラストに、パンが突き刺さって倒れている女の子がいて
(パンの大軍に倒されてしまったのでしょうね…)
いったいどんな話になるんだろうとドキドキして向かいました。

上演時間は70分くらい。
子供がキャッキャと喜ぶようなキャッチーな遊び心もあり、
終盤にはドキッとするような薄ら寒い演出もあって、
楽しかったです。

決めるのは団体の意志だし
色々な事情があるのだと思うのですが、
やっぱり「未着のお客さんがいるので、開演遅らせます」
というのは客席で聞いてて複雑な気持ちになりました。
(理由を明かしてくれるだけ良いかな、とも思います)

ネタバレBOX

おむすび娘のたら子ちゃん&うめこちゃんの必殺技が
ご飯に関連した技だったり、
攻撃のかけ声が「よね!」「まい!」など「米」関連だったり、
「サンドウィッチブラザーズ」の名付けの課程や
「クロワッサンの魔術、略してクロ魔術よ!」など、
妙にツボにはまってしまう言葉遣いが多くておもしろかったです。

フランスパンソードの達人「ボンジュール」を演じていた役者さんが、
戦い方やくるっと回転しながら倒れるなどアクションが軽やかで、
おもわず「おおっ」となってしまいました。
彼が追ってくる際のスポットライト(に見えました)も
良い効果だなと思いました。

沼の精がどんどん増えたり、
村人たちをプラカードで表現したり、
小道具を使って瞬時に一人何役もこなしたりと、
アナログな方法で温かみがあって、楽しかったです。
そのぶん、
米山の心の闇展開がひきたって、
相方の暴走を見つめる稲穂の表情もとてもシリアスで、
前半からのギャップにゾクゾクしました。
羅刹の色

羅刹の色

武人会

明石スタジオ(東京都)

2016/02/10 (水) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★

丁重な描き方でした
白チームを観劇。
上演時間は1時間40分との告知。

作中で役名が必ず呼ばれる(「語り部」以外)ので、
当日配布のキャスト表が
「あの役者さんよかったな…誰だろう?」
と確かめるのに役立って、良いと思いました。
役名の漢字表記が衣装のイメージと合ってる登場人物もいて、
わかりやすかったです。

事前振り込みで、入金確認メール送付や
当日の番号順入場案内も丁寧で、快適でした。


ネタバレBOX

急遽キャスト降板もあり、
シングルキャスト化対応での初日だったためか、
殺陣のシーンで少し危なっかしさを感じてしまう瞬間がありました。
(設定も設定だったので、もしかしたら演出だったのかも…)

村に降りて人間を殺す樹虎の叫び声にビリビリして、
赤妬樺の鳴き声混じりの説得(そのセリフの内容にも)に
涙腺が刺激されました。
橙亜が、宴の最中に姉にあこがれて踊るさまや、
みんなに愛されている際の笑顔も印象的でした。
森に生きる鬼たちが生き生きとしていて、良かったです。
彼らに感情移入することで、
「鬼の血は生命力を強める」等の迷信を信じて鬼を殺しにくる
人間(朧の友人)とのやりとりがより強く心に響きました。

鬼を愛して、鬼と共に生きることを決めた大蛇と
彼が愛した鬼(単)の過去が描かれていて、
今回の主軸の朧と累と併せて、鬼と人の共存の難しさを
2パターン展開させていて、観やすかったです。
二人の子である貝(口が利けない)が、
仕草と表情だけで思いを表現していて切なかったです。

宮本さんは久しぶりに拝見しましたが、
作・演出・出演という大役で、
舞台の上でも
朧にとって「常に側にいる幸せ」の化身のような妻の浅葱と
彼女と同じ顔をした鬼の姫、累の二役でした。
世間知らず気味の愛らしい仕草、
人肉を絶ってどんどん弱っていく様子、
朧の決断を受け入れ生きる強い表情など
たくさんの姿が観れて良かったです。

朧と累のやりとりを丁寧に描いていて、
(個人的には、丁寧すぎるくらいでした。
 もうすこし展開を早められそうな気も…)
証明や音響、舞台装置も幻想的で美しい世界でした。
Strong Punch

Strong Punch

7contents

上野ストアハウス(東京都)

2016/02/06 (土) ~ 2016/02/15 (月)公演終了

満足度★★★★

白黒の当日パンフが色づいて見えました。
punchチーム初日を観劇しました。
ツイッターなどでも上演時間が事前に見つけられなかったのですが、
場内でうかがったところ休憩無し2時間10分とのこと。
(事前告知ほしかったなぁ…)

文字で観ると長く感じますが、
体感時間はそんなに長いとは思いませんでした。
前説&終演後の舞台上挨拶は撮影OK。
SNS公開も可とのことでした。

キャラクターの性格や立ち位置に対応した衣装で、
見映えもいいなぁと思いました。

オープニングのダンスにもストーリーを予感させる仕掛けが組み込まれていて好きです。

ネタバレBOX

チラシ画像や掲載文を見たときに「特撮ヒーロー」を想像していて観劇に臨みました。

それは当たらずも遠からずといったところで、
憧れと現実とのズレや「その色」で居続けるための苦しみなどを描いた
青春群像劇。
長く続いているヒーローモノの色のイメージを使っているので、
若い人にも父親母親世代にも響くものがあるだろうな、と思うお話でした。

メインの登場人物は、
下は小学生から上は大人まで演じていて、
その切り替わりも面白かったです。
役者さんや役名が覚えきれなくても、各々がずっと役柄をイメージした色調の服なので
置いていかれずにラストまで楽しました。
フラグが立っているのがわかっていても
、遅れてやってくるヒーローに落涙。

レッドくんのそばに佇む二人の存在が、
彼を挟んで向かい合って立つときに
片方が黒(自分を甘やかす闇)服に見えて
もう片方が赤(なりたい色、重圧)に見えるという衣装の作り方と計算した見せ方、
いいなと思いました。

小さい赤くんの立ち位置が判明した時の、
前後のシーンのパキパキっと疑問が解消されるところに
「やられた…!」と思いました。

大人世代の方々が、しっかりとオトナでありながら
はっきりとは描かれない自分達の過去についても
立ち姿や表情で垣間見せてくれていて説得力ありました。

別チームは予定がつかず、写真だけで姿を見ましたが、
私が観たほうのチームとだいぶ印象が違っていて、
こちらも面白そうです。
鈍色の水槽

鈍色の水槽

ロデオ★座★ヘヴン

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/02/09 (火) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

人魚の正体は…!
上演時間105分。
受付&開場は開演の30分前。

チケット事前予約していたら、
その旨と劇場への道のり案内が書かれたメールが前日に届いていて、
親切でした。

ファンタジーと現実味が絶妙に混じりあっていて、あとをひきます。

ネタバレBOX

過去と現在がいわゆる「夢渡り」的に交錯しているのかと思いきや、
さらにもう一捻りしている演出にワクワクしながらの105分でした。
あっという間、とは思えませんでしたが、
長いなぁとも感じない、充足感と満足感のある体感時間でした。


オープニングの、ある登場人物をサイコメトリーしたかのような演出、
キャスト名の出現する際の映像効果の美しさに惚れ惚れしました。

ちょいちょいと笑える(内容はふざけてないけど)シーンもあり、
大人げない大人の大人げない姿も観られて楽しかったです。

封印とそれを解く人物の関係、
過去と未来の重なり、
言葉に反応する視界外の人物など
細かく作り込まれた見せ方で
1回でもガッツリ満足ですが
複数回観劇にも対応した作品だと思いました。

「OMG/風桶」

「OMG/風桶」

梅棒

吉祥寺シアター(東京都)

2016/01/16 (土) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

『風桶』『OMG』観ました
マチネソワレで2作品いっきに観てしまったのを後悔するほどに、
両方とも面白かったです。

公演期間中にセットリストを公開してくれたのも嬉しかったです。
観る前にあらかじめ調べることができて、
知らない曲でも音楽&歌詞と登場人物たちのシンクロをより楽しめました。

作中ではほぼ声は出ないのですが、
役名と内容(曲や立ち位置など)の絡みもニヤリとさせられました。

梅棒は何度か拝見していますが、
いつもチケットがすぐに完売してしまうのも、
立ち見でも観たいという人が当日来るのも納得の公演だと思いました。

ネタバレBOX


『風桶』
一撃のときの傘に浮かぶシルエットや、
ランボルギーニに駆けてくる甘之丞を一瞬見せてからの暗転など、
ダンスの切れ味以外の部分も、細かく気を使って創っているのがわかって
すごいなぁと思いました。

荒くれ4人兄妹のネーミングと後半の武器に笑ってしまいました。
セットリストで曲を予習した時、某映画の曲が使われていると知り、
席について4人の役名見てニヤッとしました。
作中後半の武器もオマージュ効いてて好きです。


『OMG』
曲名のごとく、ストーリー途中で入ってくる
全員ダンス(+梅棒メンバーダンス)に、
一本道ストーリーだと思っていた自分はちょっと戸惑いましたが、
おいていかれること無く、すぐに復帰できました。

バスケチームの笑顔を絶やさない紅一点のサニングちゃんが、
モーガンが離れている時のみんなを力づける励ましが混じった笑顔、
復帰後の晴れ晴れとした心からの笑顔、
同じ笑顔でも全く違う雰囲気を表現していて素晴らしかったです。

また、作中のあちこちに登場するクラウンの、
シスターが亡くなった時の表情(体の動き含む)にとても切なくなりました。
すってん×小町

すってん×小町

劇団ようきたなぁ

ワーサルシアター(東京都)

2016/01/23 (土) ~ 2016/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★

某登場人物の個性が際立っていました
開場前、劇場付近で役者さんが衣装姿のまま呼び込みしていて
(酢呑、納言、あともう一人…遠目だったので未確認ですが晴明かな?)
その時点で既にカオス感があって面白かったです。

開演前に客席で、
上演時間が長い(休憩なし2時間40分)という話を小耳にはさんで、
ドキドキの観劇。
椅子には団体オリジナルの座布団が敷いてあって、
お尻が痛くなることはありませんでした。
( 客席中央の通路を使うことが多かったので、
それで体をひねって血行が良くなったのもあるのかもしれない・笑)

座席に置いてあった当日パンフレットが
大阪公演の舞台写真などを使ったオールカラーで、
歴史的な情報も作中の人物関係図もあって、
予備知識補充&終演後の情報整理に役立ちました。

内容としては予定調和っぽいなぁと思うところもありましたが、
強烈なキャラクターが多くて、退屈することは無かったです。
武士の鎧も軽い素材でできていると伺ったのですが、
そうは見えないクオリティの高さでした。

特別ゲストの催眠術も面白かったです。

ネタバレBOX

感想を書きながら、劇団サイトにある大阪公演映像を見ているのですが、
酢呑の役者さんが東京と違って女性なのですね。
本編映像をまるまる公開するとは、すごい。

何人か声を嗄らしていたのですが、
そこをネタとして使ってしまうあたりも、
ゆるっとした作品の雰囲気と合っていて素直に笑えました。

式神さんの「千秋楽は何してもいいんでしょう?」てな発言が
個人の感覚として「うーん…」と思ったのですが、
千秋楽スペシャルも含めての事前上演時間告知だったので良かったです。

清少納言無双で、印象が今でも強烈に残っています(笑

アップ・ダディ・ダウン

アップ・ダディ・ダウン

ステージタイガー

近鉄アート館(大阪府)

2016/01/23 (土) ~ 2016/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★

ダンスありアクションありの三方囲み舞台。
C側(舞台に向かって右)で、初日を観劇してしてきました。

10分おして、21時終演。
(前説で開演おしたのを謝罪してました)

わかりやすく、ベタだなぁと思うところもありましたが、
登場人物たちのあちこちに自分に重なる思いを見つけることができて
何度か涙がこぼれました。


劇場前に受付が並んで2つあり、
ステタイ扱いと日本写真映像専門学校扱いで分けられているようでしたが
遠目からではどっちがどっちなのかちょっとわからなかったです。
口頭で言っていましたが、プラカード等あるとよかったかな、と思いました。

ネタバレBOX


当日パンフレットの虎本さんの語りかけるような言葉に
まず涙腺が刺激されました。
親って完璧な存在だと思っちゃうけど、
子供が生まれたときにやっと
父親一年生、母親一年生でもあるんだよなぁとか考えちゃいました。

ついたてが出てきたとき「向こう側が見えない!」と一瞬思いましたが
その後の演出で見えるようになったのでホッとしました(笑
床面に浮かぶぐるぐる紋様が、
発散できないモヤモヤ、伝えたいけど感情の集まりのように思えて
効果的だなぁと思いました。

「父と子でバトンをつなぐ」シーンで、
父親が手の位置を高いところからを息子に合わせたところに、
父親の愛を感じ、
ラストシーンで視線の位置が高くなった息子に、今後の成長を感じました。
祖父と父親の親子対話シーン、昇さんの表情で泣きました。
(哲さんと昇さんの行動のシンクロにも泣きながら笑わされました)

観終わってからあらためて親子の名前を見たときに、じわっとしました。
アップダウンだなぁ…。

華さんが宙と会話するシーンで、
すごく真剣なまなざしで彼の質問に答えてたのが見れて、
心が揺さぶられました。
彼女のお店の名前は、友人と自分の名前からとったのかなぁとか考えたら
切なくも温かい気持ちになりました。

プー太郎さんの職業に「たしかにそうだけど!」と笑いました。
内容的にお外では使えないけど、ちょっと使ってみたい言い回し(笑

ダンスもアクションもあって、楽しかったです。
商店街の面々の踊りながらの表情も
(必死な真田先生とか、再開直後の勇さんの笑顔とか)
見たいポイントが多すぎでした。

不良少年のハッチャケ(小芝居面白い)や、
生徒たちのガヤガヤの生き生きとした姿もほほえましかったです。

ダンスチームの面々と宙の関わりももう少し見たかったなぁ…
でも上演時間的に、これくらいがちょうどいいのかなとも思いました。

遠征してきてよかったです。
テノヒラサイズの人生大車輪'15

テノヒラサイズの人生大車輪'15

テノヒラサイズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/12/22 (火) ~ 2015/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

「あれ」でここまで魅せるとは!
テノヒラサイズは遠征して観にいく団体です。
何度か再演されているこの作品はまだ未見だったので、
東京で観られて嬉しいです。

チラシには「奇跡の90分」ですが、上演時間は1時間50分程度。
事前に告知があったので助かりました。

身近にある道具であそこまで様々な景色や物体を作り出す手腕、
ツナギのみで見た目もほぼ変えないのに
「さっきとは別人」とすぐにわかる役者さんたちの高い演技力、
ストーリーの鮮やかさに、ただただ食い入るように観ていました。

ネタバレBOX


バラバラだったものが収束する展開が見事でした。
椅子の使い方ではジェットコースターと逃亡劇が特に好きです。

私が観た回では
映画撮影のシーンをつくる際にモニターを模した椅子が崩れたのですが、
湯浅さんが自分のやっているキャラの演技を崩さずに対応して
まるで通常シーンの一つのようにしていて、
そういうところがすごいなぁと思いました。
客席を素に戻さない&戻ったとしてもすぐに作中に引き戻してもらえて
安心してわくわく観ていられます。

ガヤガヤしているシーンなど、
本筋に大きくは関わらない会話にも思わず笑えるやりとりがされていて、
どこを観ていても面白かったです。

プロポーズのシーン、
役者さんの雰囲気と言葉と役柄が合っていてときめきました。

「90分」は彼らが目覚めてからの作中の経過時間なのかなぁ…?
MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

無頼組合

シアターKASSAI(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★

前作から続けて観劇しました
1時間50分を長いと思わせない、楽しい公演でした。
銃撃戦の演出がとても好きです。

何役も兼ねる方が多いので、
当日パンフレットの中には写真入りで、
裏には身分と役名キャスト名の一覧で掲載されている今回の方式、
とてもいいなぁと思いました。
アンケート書く際にも重宝しました。

あと2つで騎士シリーズ最終回ということで…
今後の展開が気になります。

ネタバレBOX


逃亡中のわりにそんな大声で叫んでたら見つかっちゃうよー! と、
ハラハラしながら見てました。
何もない舞台上に様々な道を作る演出は、
何が出てくるか予想がつかなくてとても楽しいです。

夜景を見て、「あの灯りが、私の国にもほしい」という
ヒラリオくんの言葉に心が動きました。
あと、南雲さんの「この国の情のなさ…」てな言葉にも
皮肉だなぁと、心がずきっとしました。

お約束だと思われるカオスからの1曲や、素になってしまうシーンも
好みがわかれるとは思いますが、
この作品のテンションと座席数の劇場ならアリだなぁと思いました。

オカマは何というかすごく…すごかったです(笑
義経ギャラクシー

義経ギャラクシー

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

魅せることに突出してて好き。
ソワレを奥側3列目から観劇。

義経と宮沢賢治という、知られた題材だったので
あれこれが交錯するシーンも
まくし立てるようなスピーディーなセリフ回しにも
混乱せずについていけました。

壁、床面など舞台空間全てにうつし出される光、
前楽だったのに疲れを見せない殺陣、
キレのある言葉遣い、
3列目でも汗まで見える近さ、
どれをとっても魅せられました。

天井を見上げたところの、舞台装置も美しかったです。

カンフェティで買ったチケットを、
終演後希望者には
劇団オリジナルチケットに交換してくれるのも
半券にこだわる人には嬉しいサービスだなと思いました。

Only Lonely Rose

Only Lonely Rose

My little Shine

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

年代によって印象変わりそう
開演30分前に受付&開場(自由席)。
受付開始時間のちょい前に行ったら、劇場前に列ができていました。

上演時間は告知通り1時間40分程度。
満席だったので暑くなるかと思いましたが、
冷房強めだったのかな…むしろ涼しいくらいでした。

「星の王子さま」に重なる部分もありましたが、
それを知らなくても話は通じているので
星の王子さまを知らなくても大丈夫だと思いました。

自分は同性だし年代的にも少し重なってるので、
いろいろと身につまされる部分や
理解できる感情、やりとりもあって苦しくもありましたが楽しかったです。

ネタバレBOX

同じ脚本家さんのベイゲニグマシリーズや、
前回公演『キャッチ・ザ・レインボゥ』と少しリンクしているのも
ニヤリとさせられました。

ストーリーは途中で「若干チカラ押しじゃないか?」 と
一瞬思ってしまう部分がありましたが、
役者陣の演技が総じて生命力があり、
よかったので観終わるころには違和感が消えていました。

女友達の態度や懐中電灯おじさんの言葉などが特に印象的です。
「事件」や「親子関係」については、
あまり得意じゃないジャンルだったのですが
序盤からセリフ内でにおわせていたので
心の準備ができていたので正直ほっとしています。

久々に学生時代を思い出して懐かしかったです。
木曜ドラマPERHAPS警部パハップス(全10回)

木曜ドラマPERHAPS警部パハップス(全10回)

劇団ガバメンツ

道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)

2015/11/13 (金) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

全10話、ちゃんと見れるかな?
13時からの回を観ました。
告知の終演予定時刻は14時45分…だったかな?
終演後、時計見るの忘れました。

開演前アナウンスで
「連続テレビドラマを1回でも見たことがあるか」
「では、全話見たことがあるか」
てな問いかけがあり、
(よほどお目当てのものでない限り、
 決まった時間に毎週TVの前にいるって…
 意外とかったるいんだよね)
と、思いながら両方に挙手。

その感覚を見透かされたような見事な造りでした。

番組オープニングの演出が、
実際のTV画面で想像できるくらい
それっぽくて、大好きです。

ネタバレBOX

無責任に笑ってると急にえぐられる、
ガバメンツは悲哀や毒っけも
「コメディ」として見せてくるところが好きです。

インタビューのシーンのヤマモトさんと、
最終話のニシオカさんにギクッとしました。
舞台作品は自分でチケット代を払うけど、
TVはそこがダイレクトじゃないので
ついつい手元でやっちゃうよね、と。

アンドウさんとドラマパートの絡み具合(カクを見る感じとか、番組にツッコむところとか)も
舞台作品ならではの見せ方で面白かったです。

ラスト面白かったけど、
「?」と、少し思考を巡らせてしまいました。
ナイゲン(全国版)

ナイゲン(全国版)

Aga-risk Entertainment

新宿FACE(東京都)

2015/11/13 (金) ~ 2015/11/14 (土)公演終了

満足度★★★★★

机と椅子があれば、どこだってナイゲン
昼の回を観ました。

実際の教室のぎゅうぎゅうした感じは薄まったものの、
入場時のチカチカした明かりや音楽、
西日の入りかた(照明)、
登場人物たちの動きが空間を意識したものになっていて
魅せる作品寄りになっていたように思えました。
とても面白かったです。


ワンドリンク制で、場内でも観ながら飲めたのですが、
わら半紙の資料を、ドリンクを持ちながら見てるの大変そうでした…(笑)

NBL大作戦

NBL大作戦

ゲキバカ

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/11/07 (土) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

二時間半があっというま!
チラシとパンフレットから見た印象だけ持って観劇したら、
オープニングのダンスで出てきた登場人物たちの姿や
奇想天外な展開に衝撃でした。
たしかに、ゲキバカがただのレトロな学生コメディで終わるとは
思ってませんでしたが…!

生徒も先生もいきいきしていて、
「いい加減に、ふざけないでちゃんと授業してください!」
って言いながらも
結局一緒になって笑っちゃうような
楽しそうな学校でした。
舞台の大きさを使った後半の演出も面白かったです。

ネタバレBOX

女優さんにも躊躇なくえげつないこと言わせる展開ですが、
それでも全体としてかわいさが損なわれないのが
すごいなと思いました。

モカさんの、アドリブにふきだしそうになりつつも
言葉を発するときには引きずらずにいるところ、
後半のアクション、
そして一貫して無表情だった彼女が見せた感情が素晴らしかったです。

学生生活をダンス風味で見せる演出、
笑いでくるみつつもまっすぐに大事なことを伝えてくる感触、
時間を忘れて楽しみました。
ニホンオオカミはいなかった

ニホンオオカミはいなかった

十七戦地

小劇場 楽園(東京都)

2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

作品内容もさることながら、開演前の気配りもステキ
初日に1回目の観劇しました。

受付は1時間前。
受付順に整理番号発行、
開場5分前に劇場前に番号順並ぶシステム。
上演時間は1時間50分。


2辺囲みの客席。
最前列も背もたれありのちゃんとした椅子でした。

そのぶん、入り口向かって左側の最前列は舞台と椅子の間が狭かったのですが
開演直前まで
舞台の上に靴で乗っても大丈夫なようなマットが敷かれていて、
奥の席を空けていても後から来た人が入りやすいようになっていました。

終演後にも敷いてくれて、
奥の人に気兼ねすることなくアンケートが書けました。

時間の経過や季節感を
衣装と照明、演技で表現するさまが
説明的でなく、とても自然でスルっと入ってきました。
登場人物たちの抱えた「嘘」とその動機も細やかで、
どちら側から見ても各々に見処がありそうな立ち位置になっているように思われました。
反対側で観ようと考えている、
2回目の観劇も楽しみです。

ネタバレBOX

仏壇の上や、当日パンフの人物相関図で

女系の一族であることをあらかじめ暗示してあって、
中心となる三姉妹の背負っている目に見えない「重さ」がさらに増して感じられました。

(以下役名にて)

春子さんと牧田さんの過去が、言葉にしていない段階でも空気で予感させられていて
すごいなと思いました。
そこに小山内さんをからめた「ラブコメか!」みたいなやり取りも笑えました。

わぁわぁ騒ぎのなかでも登場人物は一貫して自分の意思で行動しているのが見えて、
行政書士の蔵本さんの動きが面白かったです。

良平さんの、某シーンでの牧田さんへの言葉とその表情、
玄太くんの「ムラ社会」での立ち回りは残酷だなと思いつつも人間らしく、
芽衣ちゃんの「知ってしまった」あとの愛らしい行動と思わぬ攻撃方法(←笑)、
秋乃さんの後半の生々しさ、たくましさ、下克上感、
未夏さんの(作中)最初の帰省の言外で醸し出される都内の暮らし、
家を捨てたといいつつ彼女なりに動いてる様子とその優しさ、
細い肩に一身に背負う春子さんの愛憎ない交ぜの立ち姿など
みどころたくさんでした。

「ここから破綻するんじゃあ?」
と思わせるポイントがいくつか散りばめられつつも
なんとかもちこたえていて
その、ヒビが入る瞬間のたびに息を飲むハラハラをたのしみました。

1度でも楽しく観れましたが、
春子さんのかかえたものを知った2回目がさらに楽しみです。

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