ゼガヒデモ
CONTE-RIBUTE
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
是Ver
気持ちのいい笑いを得られた
パロディの無い高山さんの本は意外とシリアス場面も多めなんだけど
そのメリハリが笑いにも作用していてその瞬間を待ち構える感じ
丁寧なツッコミが特徴的で面白さに変換する魔法でもある
笑える空気を作ってそこにポイポイ物語を投げていく上手さ
痩せてるカンガルー
赤面社会人
スタジオ空洞(東京都)
2020/01/18 (土) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
とにかく脚本と演出が素晴らしい
展開の間を無くすことでカット割り的な効果を生んで、時間軸やキャラクターの過去現在をそれこそ鞄に詰め込むように混ぜ込み取り出す手法
作演の金原さん、社会人なのでなかなか次が大変かもだけどこの人の作った物絶対また見たい
あと特筆すべきは小道具としてのスマホの使い方
現代劇に必要不可欠な小道具だけど、これだけスキルフルに現代的な使い方(ハンズフリーとか着信タイミング、細かいスマホの機能)で使いこなしてる作品は初めて見た
他の劇団もこのレベルを見習ってほしいくらい
十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men-
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/20 (月)公演終了
満足度★★★
会議劇の金字塔、キャラクター構成や意見のぶつかり合いと覆っていく展開はやっぱり素晴らしい
ただどうしても古い作品であることは隠せないなと
現代の客的感覚とは相容れない部分も多いし、後発作品の面白さを知ってしまってる
昔ながらの豚骨ラーメン的だなと
それぞれのキャラはもっと際立てても良かったかなと
怒鳴る二人についても、もう少し親和させた方が好きだし
見てると自分なりの会議劇を考えたくなる
まぁ原作な雰囲気を知れる良さもあった
そう思うと三谷幸喜は上手く作ったなと
優しい日本人の書き換え方の上手さを改めて感じた
共演者
2223project
小劇場 楽園(東京都)
2020/01/09 (木) ~ 2020/01/15 (水)公演終了
満足度★★★★★
伴奏が無い中でソリストたちが奏でる感情の音、音、音
時に協和し、時に不協和なそれら
舞台の上で自身を主張しないとかき消されてしまう危機感を感じる
大きな音の張り合い、伴奏もいつしか荒々しくなって
やがてぶつかって大きな音、一つ
良い音楽を聴いた時の様な快感だった
笑ってモヤついて感情が揺さぶられる
わかりやすくそれを与えてくれるメインの女優4人の素晴らしさ
そう、この作品はとてもわかりやすい
だけどその想像を超えて心を掴みにくる
エンターテインメントでありファンタジー
面白さこそが演劇における最強のステータスだと示す作品
You're a Good Man, Charlie Brown
Sweet arrow Theatricals
シアター風姿花伝(東京都)
2020/01/04 (土) ~ 2020/01/13 (月)公演終了
満足度★★★★
やっぱ俺はミュージカル好きなんだなと
ピーナッツのキャラたちがそのエピソードを場面として綿々と舞台上に繰り広げ、その中に溶け込んでいく
会場の座席と舞台の作り方がとても良くて、他の小劇場作品もこんなふうにもっと自由であって良いのになと
イケてるともだちX
なかないで、毒きのこちゃん
ザ・スズナリ(東京都)
2020/01/11 (土) ~ 2020/01/13 (月)公演終了
満足度★★★
たすいちや第27班系統の作品に変な生き物が沢山出てる感じ
くだらなさと余談にまみれた話なのに、なんとなく段々と泣きたくなる空気がある
ありがちさを包み込むのは役者としての良い存在感
何か目指している形があってその形をなぞっている、そんな風に感じる
作品の全体構成のパースが舞台美術と合わせるかのようにズレていて、ちょっと非日常な出来事をそういうものとして認識させる
ここ数作に感じる微かな既視感
器用すぎるのだなと
(本公演)土木座
guizillen
王子小劇場(東京都)
2020/01/03 (金) ~ 2020/01/06 (月)公演終了
満足度★★★★
暴れるパワー満ちる現場
野郎どもは野郎どもとして描かれ、一つの生命体として騒ぎ叫び歌う
そしてそれに翻弄される女たちの物語
歌唱はまるでシュプレヒコールで、破壊と再生を恐れない雄叫びの舞台
シリアスと笑いが並行して走るのになんの違和感もないのがギジレンの強み
あと、久しぶりに拝見したバロンさんがやっぱり超カッコよかった…
髭の姿も荒くれの感じもめちゃめちゃ良いんだよなあ(語彙力…
この作品の男たちは末安さん以外は名前なんていらない男たちという存在で、ただ統一感による迫力が有って、物語の底へとストンと落としてく存在
だから、せめてもの、愛。
TAAC
「劇」小劇場(東京都)
2019/12/25 (水) ~ 2019/12/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
現実の世界でどこかの誰かが生きている時間を
物語になりそうな部分だけ切り取って
たまに思いを込めた言葉を付け加える
それが演劇なんだって気がした
生活を細かく描写し言葉や動きにその人の営みが表れて
普通の言葉に笑って勝手に気持ちを請け負ってしまう作品
佐藤辰海演劇祭
guizillen
王子小劇場(東京都)
2019/12/27 (金) ~ 2019/12/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
日本のラジオ「市役所にて」
いつもの屋代さんがコントを書く時の、初対面同士が敬語で話すスタイル
今回はバックグラウンドにとんでもねえ、だけど作品世界には関わりない世界観ぶち込んでたのが面白かった
まぁあと純粋にやることが汚い笑
まぁあの最後しか落とし方ないよなと笑
無駄にディストピアな世界観で不条理な会話と行動
世界全体が狂っている雰囲気の中で笑いを取る台詞
スタイルが完成されているだけに最後のアレをどう取るか…
昔M-1予選では終了効果を利用しようとしたコンビに敢えて効果を出さなかった事もあったなと
ハダカハレンチ「ゼラニウム先生」
井本さんと美鳳さんの掛け合いの強さと奥行き感
対比される進まない時間は、自分の中の時間と他人との時間の違い
自分の意味の無い時間が誰かの世界を変える
掌に納まるこの尺に上手く詰め込んだ良い作品
審査目線だと
作品全体の筋の通り方よりも、役者の演技が映えるような見せ方だなと感じた(俳優賞を取りに来た感じにも)
パンチラインが少なかったので作品としての印象は薄く感じた
その分、転換による場面の変化で見ている側を揺さぶっていた
EgofiLter「ホノホシ海岸」
これは長編の一部的な作り
30分にはあまり合ってないかな。特に弟の動機というか物語が見えなかった
ストーリーとしての作りは興味深いので色々付け加えられたバージョンを見てみたい作品
ムシラセ「つやつやのやつ」
一番好き
漫才師というある程度みんなが知っている職業なので
簡単に関係性とか意味合いを把握できるし強烈なキャラをどんどん出せるという30分の作品としての正解を持ってきた感じ
王道ではあるんだけど変に捻らないほうが気持ちよく見られる
サムゴー「お別れの挨拶にかえまして」
ちょっと4人の関係性が掴みにくかった
30分なのでやっと4兄妹だとわかったところでもう中盤だった
ただ役者さんのレベルとしては今の所一番強い
記憶というものを主題に細かく丁寧な演技で作りあげられていた
イグロさんの効果が抜群
架空畳「天使も踏むを恐れるエチカ」
抽象的なタイプの作品
所々役者の台詞がこもって聞こえづらいところがあり
こういった作風では言葉が聞こえないと置いてきぼりになってしまう
演出的な部分は見事で見応えがあった
30分の賞レース向きではないかな
劇団YAX直線「斉藤和巳演劇祭」
ネタの鮮度が古く、弱いのを団体芸でカバー
敢えてこぼしたり、マニアックすぎることで起きる笑いなど
この団体を受け入れている客にはたまならく面白いと思う
ただ振りの段階でオチが読めるパターンが多い
なんにせよ勢いと一貫性があるのは良いところ
人間嫌い「タバスコは快楽の味」
30分では短かったかな、女子高生がいた意味が薄かった
視覚的な色味とか、ドギツさとかぶっ飛んでるとか
大きく振れている世界観が短編だと欲しい
それぞれのキャラはとても良かったし、土橋さんのアニメキャラ的な異質っぷりも良く出来てた
貧乏が顔に出る。
MCR
OFF OFFシアター(東京都)
2019/12/26 (木) ~ 2019/12/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
失ってしまって無いということと
はじめから持ってなくて無いということは違くって
最初から無ければ苦しまないものも、失ってしまうことでいつまでも苦しむことも
どこまで無くなれば自分じゃなくなるのか
笑いと無情に包まれたMCRらしい作品
小西さんの悪は凄い好き
いけない先生
ろりえ
駅前劇場(東京都)
2019/12/26 (木) ~ 2019/12/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
いやー面白い!演技とか脚本とか凄いレベルの高いものに支えられているんだけど、出力された結果が全てお客さんを楽しませる方向に向かっていてとにかく面白い
山本周平さんが抜群で、なんでも無い場面と言うかむしろ普通だったらベタになる場面も全部笑いになっていた
エンれぱ!Vol.10
しむじゃっく
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2019/12/25 (水) ~ 2019/12/29 (日)公演終了
満足度★★★★
「193」はゲネのトップバッターということもあってか、出だしが二人とも固かった。男性側はちょっと表情が無さすぎかな
愛嬌が大事な役だけに、台詞に抑揚と句読点を付けたほうがよい
南さんはシリアスな台詞はなかなか良い。コメディというか笑わせる部分は間が難しいよなと
「恥」先輩役の人良いなあ。声がちょっと掠れてたけど、演技がちゃんとしていると声に関してはあまり気にならない
「春に」この作品は初見。エンれぱではあまり見ない独特の雰囲気の作品。3人の役者がしっかりとその雰囲気を体現できていた。もっとやっちゃってもいいくらいではあるふわふわ感
「透明人間、消える」やっぱり楽しい作品。役者さんみんな良かったけど特に熊倉有紀乃さんが良かったかな
今村さんはなんかたすいち石井さんっぽくて笑ってしまった
一番面白いところと一番盛り上がるところを意識して、もっとチームで作ったほうが良くなると思った
「紙風船」台詞はほとんど原作のままだったけど、服装とか登場人物は現代風になっていて
正直ちょっと中途半端になってしまってたかな。紙風船がゴム風船だったのもちょっと良くないかなと
台詞が綺麗なので全部現代にするのもちょっと躊躇われるよなと
役者二人は悪くなかった。特におしうみさんが楽しくしている表情は若い妻という感じでとても魅力的だった
この戯曲自体はやはり凄く良いので読み合わせカフェで読んでみたいなと思った
「ミートソース・グラヴィティ」これは本当に面白い戯曲
見ていて読み合わせカフェで凄く読んでみたくてしょうがなくなった
てか、エンれぱと読み合わせカフェでコラボ企画とかすると良いと思う
(本公演)ギジレン島最後の7日間
guizillen
王子小劇場(東京都)
2019/12/13 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
Bチーム
そうだった僕は「霊長類南へ」とか「渚にて」とか「復活の日」とか
人類滅亡モノの小説が大好きなんだった
終末に向かう人たちの姿、生きたり死んだり意味を求めたり
その独特の空気が詰まった世界
大きく広げて見事に収めた素晴らしさと面白さ
ギジレンの良いところはその自由さ
ドラマチックな内容でも自由にふざけるし大抵のことが許容される舞台上の空気
笑いにしても涙にしても熱血や恋愛、ロマンティック以外は許される
世界の終わりが来てもきっとやりたいことが何もない僕も包んでくれる作品
宇宙からの婚約者
川口菊池の二人芝居
イズモギャラリー(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/23 (月)公演終了
満足度★★★★
観終わって思ったのが冨坂さんにも人間の赤い血が流れてるんだなぁと
前半と後半でだいぶテイストが異なっていて後半のあの感じは予想外で、冨坂さんああいうの書くんだ!って驚いた
ちょっと前に流行ったトロッコの問題をウルトラマンならばどう解決するのか
わかっていたはずなのに改めて思ったのは、菊池泰生は良い役者だということ
カッコ良くも可愛くも見え、シリアスにもコメディにもできる演技で、何より真ん中に置くと見てる側も感情を入れて見てしまうし、外側においても憎めない愛嬌がある
んー好きだなぁ
まってました。
ゆるふ酒
千本桜ホール(東京都)
2019/12/20 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★
何故か改名した元ゆるふ酒のコント集
シュールで投げっぱなしなネタが多いというかそれだけで構成されて形作られた空間だった
確かな笑いというより、おかしな空間に身を投げた感覚
THE LAST DAY & THE NEXT DAY
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/23 (月)公演終了
満足度★★★★
前作がちょっと作品的に許せない部分があったんだけど、本作は特に問題なく見られた
舞台上の小道具に毎回こだわる劇団だなと
病室って演劇的に便利な場所
人生のドラマもあるし、生も死もある
そして哀しい笑いがある
3時間近い上演時間にケツが悲鳴をあげた
キャラクターはステレオタイプで強くておかしいけど
終始おちょけている空気は、死が近い場所では逆に物悲しい
世にも奇妙な物語3時間スペシャルという感じも
個人の死と存在の死は異なり、何を残すのかを選べるのかという問いかけの物語
正直、演技があまりよくない作・演の方が中心で出ているのはだいぶマイナスかなと
他にも出演者の演技レベルに波が有ったかなと
空気の統一感の無さがシーンのメリハリの無さに繋がってるような気も
上演時間の長さ自体はそこまで気にならなかった
THE ROLE OF
埋れ木
Geki地下Liberty(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
見応えはドラマ
最近の埋れ木は真正面から青春時代と甘酸っぱさを描くなぁ
良い意味でモヤモヤが心にすごく残る作品
ヒーロー物の世界と普通の大学生の世界が重なりあって滲む世界
もどかしさが凄い主人公を竹内さんがその特性を活かして演じてた
グダグダした人の心情が刺さる
埋れ木の作品の特徴として無駄な間と無駄な喋りがあって、それが独特な作品の空気を作り上げている
本作も、ともすれば違和感が浮き上がるような作りなんだけど、そういった無駄さが現実感を観客に植え付けて、世界観をまとまりあげている
とにかくユニークな作風だと思う
さる沢
肉汁サイドストーリー
吉祥寺 ギャラリーマジェルカ(東京都)
2019/12/12 (木) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
民話ベースだけにメタファーに溢れてて、対比の構造が物語を形作る
近親と異形間、持つ者持たざる者、交わる儀式
台詞が壁に染み込んでいく様な侘しさ溢れる空気感
独自の見せ方を持っている強さを感じた
グッドバイ,グッドボーイ
劇団ミックスドッグス
東京アポロシアター(東京都)
2019/12/12 (木) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
初演は4年前という事で最近のミクドクよりだいぶキャラメルボックス風味が強め
物語や設定はかなりしっかりしてて、SF好きの僕でも特に気になる部分はなかった、というか演劇の嘘で上手く騙していてくれた
劇団としての実力を見せてもらった感じ
子供役が出てくるといい子だけど頑固で物語的に都合の良いキャラになりがちなのが物語としての弱点かな
オープニングのダンスは表現的な部分を強めにしてて良い感じに
幾世さんと見米さんの早変わりシーンは歌舞伎みたいでカッコよかった
カタロゴス-「青」についての短編集-
劇団5454
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/12/13 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
凄い笑った
秀逸な短編が3つ、テーマを持って繋いでる部分の重さに関わらず面白かった
榊さんの和美に妹が森島さんという並びだけでも5454ファンとしてはお腹いっぱい
コメディとしての面白さとかサスペンスとかラブとか人間の心や関係性の面白さを満遍なく味わえる作品