まことの観てきた!クチコミ一覧

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トロイアの女

トロイアの女

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2023/12/15 (金) ~ 2023/12/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

『演劇』とは
原点を確認させてもらえる作品だと思う。
受け止める、身を任せる必要あり。
戦禍が絶えない今にこそ必要な作品である。
終焉後の鈴木さんの解説も秀逸。

飽きる人もいるのは理解できるが、隣の客に迷惑かけないで欲しい。
集中しないといけない時間なのだから。

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

人の気持ちにきちんと寄り添える題材を、押し付けがましくなく物語然と観せてくれ、1番好きな劇団です。
今回も良かったです。 
が、題材が題材なだけに演じる側も役柄ではなく、個人として感情が先に立ってしまった感があります。
役者さんは「伝える」のが仕事。発する言葉が感情に負けてはひと色しか伝えられないし、言葉(台詞)自体も聴き取りにくい事になってしまいます。それに語間の間が不必要に長くなってしまいます。
阿南さんは、さすが!
芝居の早さは天下一品!昔の大女優さん、山田五十鈴さんや淡島千景さんは本当に芝居が早かった!芝居の早さ(言葉のスピードではありません)は、今回の演目では、とても大事な要因になると思います。
久しぶりの生の舞台、演じる側も興奮するのはわかります。でも、阿南さんのような素晴らしい演技者が一緒にいるのだから、、、。
思い込みはしろみにしてはいけません。
もっともっと良い出来になる可能性があります。
そう思いました。

サド侯爵夫人(第二幕)

サド侯爵夫人(第二幕)

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2019/12/13 (金) ~ 2019/12/21 (土)公演終了

満足度★★★★★

正に「演劇」でした。
よくあるエンターテイメント志向の物とは完全に一線を画します。
観る側にもエネルギーが必要です。
戯曲に書かれている言葉をどのように正確に明瞭に観客に伝えるのかを優先した演出ですし、
一般会話の文体ではないので、謂わば、能を鑑賞する類の観劇になります。
とっつきにくい事この上無しやも知れませんが、納得できたら、これぞ「演劇」という醍醐味に浸れます。
終演後の鈴木さんのトークも、毎度のことですが、必聴です。

らぶゆ

らぶゆ

KAKUTA

本多劇場(東京都)

2019/06/02 (日) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

満を持しての活動再開!
3時間に近い大作ですが、魅せてくれます。
とても楽しめました。
”らぶゆう”  このキーワードには納得できました。
しかし、完結に至る展開が少々粗いかな?とも思います。
とにかく、この劇団の再始動は喜ばしい限り!これからも楽しみです。

ネタバレBOX

服役者という足枷を嵌められた人々は再生していけるのか?
周辺の人々との関わりも含め、とても考えさせられます。
が、犯罪に一度は染まってしまった人間の内面をもっと描いて欲しかったかなとも思います。
出来事に終始している感が拭えませんでした。
再起するのか、回帰するのかの葛藤とでも云いましょうか?そこを深く抉って欲しい気もしました。
でも、本多くらいのキャパで考えると、あまりマニアックさを求めるのもどうかな?という加減を考慮したという事も理解できます。
3.15の使い方がどうなのかな?
一気の展開には有益だとも云えるでしょうが、でも何故?という疑問も湧きました。
自然の脅威は人間の営みなんて斟酌しないということでしょうか?
なにやら、エンディングに向けての便利な使い方のように思えてしまいました。(すみません)
決して流山児落ちじゃないですよね??
好きな劇団なので、色々書いてしまいました。ごめんなさい。
YELL!

YELL!

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2019/05/22 (水) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

満足度★★★

或る事情で芝居に没頭出来ませんでした(泣)
でも、いつもながら、良い芝居でした。
再演との事ですが、長距離バスの事故があった頃の初演だったのでしょうね。
その時節の出来事を取り込む手法には好感がもてます。決して、それについて書き込んでいる訳ではないですが、「今」を取り入れる事は大切ですね。
ラストがある意味でフェードアウトになっているのは、結末を想像して下さいねの意味なのでしょうか?
とにかく、誰かに薦めたくなる劇団です!
今後も期待していきます!

ネタバレBOX

「七色の蛍」に皆は何を祈ったのでしょう?
きっと、彼の回復ではないのかなぁ?
そうなると、パラドックス的な結末になってしまいますね。
それで、あそこで終わっておいたのかな?と、勝手に納得しています。

私事で恐縮ですが、前の座席の方が物凄く大きな方で、おまけに、髪の毛が、セミアフロみたいにパーマかけてて、視界が遮られて良く見えませんでした。
受付の方にきいたら、キャンセルが出たら座席移動に応じるとの事だったのですが、満席なんだと解釈して我慢することにしました。
が、最後列(自分の席のすぐ後ろ)はほぼ空いていました。それなら、移させて欲しかったです。不親切だなと思いました。
大きな方へ。後方視界を遮る可能性のある方は、出来れば、1番後ろか、1番端、平場で観てくださいね!特に、前のめりになるのは絶対にやめてほしいです。
落語家さんと親しいような事を連れの方と話していらっしゃいましたが、寄席は舞台が高いし、話芸だからまだ良いのかも知れません。隣の方も幅寄せされて、窮屈そうでした。
受付の方、折角人情溢れる演劇をやってるんですから、ほんの少し親身になって欲しかったです。テーブル芝居は全く見えませんでした。半額返せ!って、言いたくなりました。
ぼやき、失礼しました。
バラ色の人生

バラ色の人生

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2019/04/24 (水) ~ 2019/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

秀作だと思います。
ひとつの社会的な問題を素材に、そこに織り成された物語を見せてくれます。
人の心を丁寧に描いた作品でした。
お勧めです。

ネタバレBOX

悪人が登場しないというのが、この劇団の特徴でしょうか。
それが観る者の心を解放してくれる要因かなと思います。
出だし、少し演技が稚拙かなとも思いましたが、本の力が上回ります。
養子制度を題材に「生きる」という事を改めて考えさせられました。
同時に、制度が人を支える事の大事さも。
昨今の机上での立案を続ける政治屋達に観て欲しいものです。
「麗しのサブリナ」は観ていないので、分かりませんが、ポスター裏の手紙に類するシーンがあるのでしょうね。
蛇足でしょうが、ローズさんと出所後の彼は幸せな家庭を築いたのでしょうね。きっと。
やはり、阿南さんの演技が抜けていますね。
他の団員も頑張って下さい!
こんな良い作品を送り出し続ける劇団に更なるステップアップを期待しています。
オルタリティ

オルタリティ

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2019/02/22 (金) ~ 2019/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

先ずは、この劇団らしい非常にヘビーなテーマです。
町役場が舞台ではありますが、それには特に関係ないのかな?とも思います。
冒頭の作りと後半の作りの違いに違和感を覚えましたが、見終わった後で感じたのは、
冒頭はフェイクなのかな?ということなのですが、考えすぎなのでしょう。
終盤に関しては、嫌悪感を抱く方もいらっしゃるのでは?とも思います。
 しかし、「理念」と「現実」のつき付け方には思うことが多い作品です。
演劇とはかくあるべきなのでしょう。
エンタメとは完全に一線を画している作品で、私個人は、この在り方が好きです。
 導入部に手直しを!とも思いますが。

還るなら、ハラ

還るなら、ハラ

張ち切れパンダ

オメガ東京(東京都)

2018/12/22 (土) ~ 2018/12/26 (水)公演終了

満足度★★★★

楽しめる2時間でした。
4人の同級生。
相手を思いやる心がクリスマスの聖なる雰囲気そのままな感じです。
達者な演技、良かったです。
特にハラに戻らなくても、こんな友達が居れば、何事も乗り越えられるでしょう。
ホンワカしたい人にはお薦めします❗

ネタバレBOX

美村伊吹さん、とても巧くなりましたね。
何年か前にクリプトン公演観ましたが、遥かに演劇向きな女優さんになられましたね。
皆さん本当に無理なく個性的なキャラクターを演じるというより、きちんと表現してくれて、快適でした。
想像妊娠に至る道程が不明でしたが…。
ライク・ア・ファーザー

ライク・ア・ファーザー

自転車キンクリーツカンパニー

OFF OFFシアター(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/31 (水)公演終了

満足度★★★★

心を暖かく包まれたい、綺麗に洗浄したいと思う人にお勧めです。
Made in JAPAN、親子版”GHOST"という感じでしょうか。
観終わった後のホッコリ感が心地いいですね。
平日は<ジュリーのスタジアムコンサート状況>らしいです。
行ってみてください。

ネタバレBOX

Fatherがいい味でしょうか。「3匹のおっさん」の泉谷さん、「北の国から」の若い頃の田中邦衛さんみたいです。ウーピー似の相方も好感持てます。
本にブレがないので、安心して物語に没頭できます。昨今の作品群は、奇を衒う趣向に走りがちでテーマから逸脱する
不安定な本が多い気がするのですが、本作はオーソドックスながら確りしていると思いました。
冒頭に”壷”の前振りがあったらより面白かったのではないでしょうか?
となりの事件

となりの事件

シアターノーチラス

OFF OFFシアター(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★

隣のいえの事件というより、誰にでもあり得る心の中のざわつきでしょうか?
題名に惑わされずに観て下さいね。
って作品でした。

ネタバレBOX

隣の事件は直接的には関与していない印象を受けました。
みちるが目にした(ビデオの目ですが)出来事が引き金で話が展開していくなら、もっと違った展開になったのでしょう。
そちらのパターンも観てみたいです。
残された娘の心理とみちるの係わりを色濃く扱ったら、また違う面白さが出るかと思いました。
愛される資格

愛される資格

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

是非に観るべき作品です!
観れた人にとって珠玉の2時間15分になるはずです。
生きる 普遍のテーマにきっちり取り組んだ姿勢、拍手。
笑いのスパイスも程好く効いていて、観る側の集中力を持続させてくれます。
申し分なし!
感謝、深謝。

ネタバレBOX

演じ手、ひとりひとりがきちんと演じる人間を生きていました。
ですから、取って付けた感が皆無。非常に心地よかったです。
女将さん役は本当にベリーベストな芝居でした。達者な方ですね。脱帽しました。
お弟子さんふたりも演じるととても難しい役です。狂言回しが臭くなるとそれだけでげんなりするものです。
コントロールが効いた演じ方。とても良かったし、人間性の良さまで感じさせてくれていました。
阿南さん。車椅子が慣れすぎでしょうか?…冗談です…
ラストシーンの表情!これこそ女優!!魅せられました。

苦言を(厭な奴だと思わないでください)ひとつ。
座布団です。
落語家の家の座布団、特に師匠が座る座布団がちょっと役に合っていないと思います。
あと、当て方。座布団の向きに気を配らない落語家はいません。
折角本職さんがいらっしゃるのに、指導しなかったのでしょうか?
ファスナー(本物では縫い目)を正面に向けて使っていましたよ。何度も。
あと、座布団の敷き方も前座の大事な仕事でしょう。持ち方、敷き方教えてあげてくださいな!
Melody

Melody

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

すばらしい!!!
初演時も書いたとは思いますが、昨今商業演劇劇場が忘れてしまった「お芝居」の醍醐味が見事に凝縮された佳作です。
人の心の襞を丁寧に描く。それを実に実直に演じてみせる。その姿勢が観る側の心を浄化し、感動とすがすがしさを与えてくれる。
物語演劇とも呼びましょうか(?)。演劇の王道はこんな物語物と社会風刺・批判の2通りに存在すると思うのですが、見事に物語としての王道を行く作品です。
阿南さんに感謝。
ぜひお勧めしたい作品です。

ネタバレBOX

いい作品だけに、気になったことがあり、残念です。
役者の力量は敢えて批判しませんが、演じる心根が違っている人がいて憤りを感じました。
「村上冬樹」ラスト前の主人公との二人芝居。彼女を諭すような芝居をしていましたが、大間違いだと思います。
それまで朴訥とした「いい人」のキャラを積み上げてきた脚本の成果が木っ端微塵!
金八先生が生徒を諭すような鬱陶しい芝居はやめて欲しい!!!
主人公の葛藤を収める為の(ある種)天の声、同時に彼女の心の中の一方の声であるはずで、「冬樹さん」が
前面に出るための台詞ではないはず。
朴訥な独り言、或いは、「僕はそう思うんだけど…」という一歩引いた演技が求められるはず。
部屋への入り方から、違います。アドバイスしてやろうという想いがみえみえな芝居はどうなのでしょう?
演出家に疑問を抱きました。
本来は、いつのまにかその場所に居てしまったというか、残されてしまってどうしていいのか解らないけど
思わず自分の想いが口をついて出てしまったという方がずっといいはずです。
少なくても、私はあの大事な場面での彼の芝居は大嫌いだし、心の無い下手な役者という憤りを覚えました。

あと、『Melody』なんですから、歌は上手く歌って欲しいです。失笑ものの歌唱でした。
カッター

カッター

シアターノーチラス

RAFT(東京都)

2018/05/10 (木) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★

日常が非日常を内包しているという観念的な作品でした。
登場人物達は内面の想いを台詞として会話しているような感じを受けました。
カッターを使う事自体の精神的な動機には全く触れていませんが、ラストシーンがそれを表現している積もりなのでしょう。
事件はあくまで材料であって、人の内面を描くことに従事した作品です。
無理矢理な感じも受けてしまいますが、それは今後の脚本の進歩に期待したいと思います。

渇生

渇生

HIGHcolors

「劇」小劇場(東京都)

2018/04/25 (水) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

何故この題材なのか?
作者が触発されるような事実があったのでしょうか?
予定調和に過ぎる設定ではありました。

役者さんたちはいい演技を見せてくれます。
程好いリアリティを維持した芝居を展開しています。
リアリティがない設定を凌駕する抑制の効いた演技でした。

昨今の社会問題として報道されている事件群とはテイストが違うので、
どうしてこの題材かという疑問が見終わった後にも残ってしまうのが残念です。

ネタバレBOX

先ず、開演時間が10分も押す事が信じられません。
5分押しが常識のようになっている昨今ですが、それが限界ではないでしょうか?
遅れる人(知人?)を待っているのか、受付の段取りが悪いのか、舞台監督がルーズなのか??
大いに反省して欲しい点です。

忍者になり損ねた女性の存在…意味不明です。何故にそんなバックボーンやあのキャラクターが必要だったのでしょう?
初めは、彼女が娘なのかな?とも思ったりしたのですが。

交通事故、確かに日常的な事件であり、描いているような心の問題があるのは理解できます。
しかし、本作のようなご都合主義的な設定は、その苦悩や葛藤といった大切な要素からリアリティを排除してしまっています。
更に言えば、危険運転での犠牲が注目されている今、この題材はどうなのだろうと疑問を感じてしまいます。

脚本内の台詞や演技陣は非常にいいので次の機会に期待!でしょうか。
しかし、役名を間違えるのはいただけません。明らかにしらけます。
ご注意ください。2度ほどありました。その瞬間に父親像がどこかに行ってしまいます。
Yellow Fever

Yellow Fever

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★

役者の声の調子に注文です。
よくトレーニングされていますが、会場の規模と合っていません。
友人の弁護士役と日系警官のお二方。
声の張りをもっとコントロールすべきです。
他にも全体的にがなり立てるトーンが多く、鬱陶しい印象が募りました。
これは、演出の責任でしょう。
もっと台詞に含まれる感情を《伝える》という意識を持って演じるべきです。若い、稚拙な印象が先に立つのは、本作には適しません。
サスペンスであり、社会風刺である作品は特に《伝える》事を優先すべきでしょう。

蛇足ですが、至近距離で357口径で撃たれたら、少なくても腕は吹っ飛びますよ。
そんな事も勉強してください。

おたまじゃくし【15日より大阪公演開幕、チケット好評発売中!】

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劇団鹿殺し

座・高円寺1(東京都)

2018/02/01 (木) ~ 2018/02/12 (月)公演終了

満足度★★★★

ファミリーツリーの作品でした。
フライヤーのイメージとは随分違いました。良い方向でですが。
ただ、受付の応対の仕方には呆れました。
劇団のイメージが悪くなるのではないでしょうか。
メール返信をして、受付完了の返信まで貰っていたのに、返信が無いと受け付けられないと言われました。
チケットはいただだけましたが、劇団側からの返信メールを見せてもなんかおざなりな対応で、帰ってしまおうかとも思いましたが、観て良かったです。
なかなか「情」を感じさせて貰える良作でした。

ネタバレBOX

主人公が精子無力症(?)という設定は必要だったのか疑問です。
登場する息子は架空の産物ではなく、実在の存在として描かれているのですから。

コロスを使う手法は面白いとは思いますが、彼等は何者なのでしょう?
作者の都合とも取れますが…。
テーマは「親の想いと子の想い」「親子の絆」でしょうから、コロスが問い掛ける言葉とは方向が違うように思えました。自身の存在意義は確かに親あってのものでしょうが、彼等コロスは生き方自体を問い掛けていて、それはまた別の展開になってしまうように思います。
余談ですが、コロス達が村上春樹の作品によくある手法に倣っているのかなと感じました。

タイムスリップは便利なツールです。
ネタバラシには持ってこいですが、それに頼りすぎてないでしょうか?
特に、本人達が見ているという設定が深みを軽減化しているようで、勿体無いなと思いました。自身が親の想いを追体験する設定になっているのですから、自身の想いで気付いて欲しかったです。
観客だけが観られるという構成もありではなかったかと思います。

ライヴシーンで終わりかなと思いましたが、エピローグ手法を取って、ハッピーエンドをしんみり感に持って行ったのは、作者の趣味でしょうか。
難しい選択ですね。
どちらもありでしょうが、今回はエピローグ無しでも良かったかなとも思います。

色々書きましたが、それは本作のポテンシャルが高いという事に起因していると思います。
もう少し刈り込んで、あと20分くらい分を整理したらもっと伝わる作品になるかなと思いました。

最後に、女優さんが良かったですね。それと、『ルーツ』が良かったです!
『熱狂』『あの記憶の記録』

『熱狂』『あの記憶の記録』

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/19 (火)公演終了

満足度★★★★

「熱狂」の状態を作り出す裏側の描写がなされている点に感心した。
物語劇にするのなら、各人の思惑から描いた方が面白いのかも知れないが…。
 がなり演技は、モデルの演説シーンがあまりにも有名な為、頑張らざるを得ないでしょう。
皆、誉めていますが、私は語彙が不明瞭だなと感じました。言葉が聞き取れない箇所が多すぎる。

 終盤、スケールは違えど、安倍何某を揶揄しているように感じられる箇所があったように思うが、
気のせいだろうか??
 今我々が直面している日、米、中、韓、露 程度の差はあれ危ういとこに来ていないか?
マスコミの日和見といい、バーターのうさん臭さといい、似てきているのでは???

 …なんてことを考えさせてくれるのも、本作の存在故。その意味でも価値ある上演だろう。

 しかし、古川さんは、本当に あの独裁者が好きなんですね。(素材として)

『北国の春』『サド侯爵夫人(第二幕)』

『北国の春』『サド侯爵夫人(第二幕)』

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2017/12/15 (金) ~ 2017/12/24 (日)公演終了

満足度★★★★

「北国の春」は題名とは直接関係ない内容だった。多重人格というか、人間内面の葛藤を擬人化したというか、不可思議な作風の戯曲であった。自分を守りたいという想いが現実には他を拒絶し、同時に誰かを求めるという不条理なものが人間であろうか?

 「サド侯爵夫人」は緊張感高い作品であった。三島さんという巨人の鋭さを堪能できた。
演出も全く緩みを許さない厳しさを心地よく感じた。唯一の緩み(?)は見事なハーフミラーに関する美術・照明技法か。あれには感心した。
 しかしながら、貴族然とした雰囲気が皆無だったのは仕方ないことであろうか?

 役者の顔に当たる明かりは一考の余地ありか?表情が陰影深く見えるのはいいがある種悍まし過ぎか。

 毎度のことながら、後々迫ってくる舞台だ。観た時よりも後日余計に心に引っかかる。

 しかし、寝ている観衆の多い事!! なんで???

アイバノ☆シナリオ

アイバノ☆シナリオ

BuzzFestTheater

ザ・ポケット(東京都)

2017/07/19 (水) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

満足度★★★

ドラマを観る感覚で観るのが良いかと思います。
「過去」を扱った本ですが、肝腎の「過去」の描き方が不十分だったかなと思いました。
歌うシーンが多用されていますが、ドラマの構築には大して寄与していないと思いますし、劇中の台詞ではありんませんが、耳に障る感じがしました。
使うのなら一曲。それも、二人の葛藤を背景に書かれた曲という構成で作り上げて欲しかったと思います。
主人公は彼氏を待つ設定になっていますが、別れのきっかけがほんの僅かな触れられ方でしかないので、そこに感情移入は出来ません。その分真実に重みが感じられませんでした。
謎解きの形式を執る本だけに勿体ないと感じます。

周囲のエピソード主に姉弟の話は対比にもなっていないので、取ってつけた感があり、消化不良を覚えます。

個々の部分の運び方は見せてくれるので、主になるテーマとその枝葉という構成力に気をつけて描けたら、遥かに上質な集団になるかと思います。

途中に展開されますが、よかれと思った事が反面「利己的な想い」になりがちだという方向で描き切れてたら、それはそれですごく深みのある話しになれていたかと思いました。

脇の演技陣は好感が持てました。
自殺志願者(?)の方は個人的には役者を感じませんが…。

これからを期待したいです。
本当にそう思います。

から・さわぎ

から・さわぎ

ZIPANGU Stage

萬劇場(東京都)

2017/05/24 (水) ~ 2017/05/28 (日)公演終了

満足度★★★

から騒ぎ

まさにそんな作品。
特に社会性もないし、反骨精神もない。
題名通りシェークスピア(大おまけですが…)調の人間喜劇だ。

若手の演技はもっともっと鍛える必要がある!!!
誰かも書いていたが、マダム、専務、取締役、常務で成り立っていた。

途中、必要に迫られて(?)論旨がガチャガチャになって不快な部分もあるが
ファルスにしようとした結果か?

ラストのひとことで「なるほどね~」とは思えた。

もっと洗練していい喜劇を見せて欲しい。 期待!!

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