I元の観てきた!クチコミ一覧

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Plant M №11『君ヲ泣ク』/匿名劇壇第八回本公演『戸惑えよ』

Plant M №11『君ヲ泣ク』/匿名劇壇第八回本公演『戸惑えよ』

PLANT M

アートグラウンドcocoromi(大阪府)

2016/09/22 (木) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/09/24 (土)

ジワジワ染み出てくる異常な設定は掴みとしてとても面白く、その展開を楽しんでいたら… それがあるシチュエーションを作るための口実に過ぎない(と思うんだけど)っていうのが更に大胆。そこから生まれる問答は役者に対しても観客に対しても極めて挑戦的に思える。感情と理性の境はどこにあるのか…、理性にコントロールされた感情表現の是非とは…、感情を失っても行動原理は必ずしも理性に沿っているわけでも無さそうで…、そんな悶々と思考を巡らせる時間が楽しい。

そしてラストシーンは見事と言う他はなかった。役者怖ええ。

+DOCTOR〜ヤブ医者大爆発〜

+DOCTOR〜ヤブ医者大爆発〜

ホチキス

大垣市スイトピアセンター 文化会館(岐阜県)

2016/09/17 (土) ~ 2016/09/18 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/09/17 (土)

徹底してエンタメ。ちょっと古風な感じもしましたが、様々なキャラクターとネタが雨あられと降ってくるので、終始楽しめました。
お一人、声を出さない役者さんがいましたが、どうもご病気の様で、でもそういう状況を逆手に取ったウマイ演出をしていたのが印象的でした。

みちゆき

みちゆき

公益財団法人愛知県文化振興事業団

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2016/09/09 (金) ~ 2016/09/12 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/09/10 (土)

予備知識なしで臨んでしまったのは、やっぱり失敗だったかな。昨年も思ったけど、AAF戯曲賞で大賞まで取るとなると、普通の芝居とは一線を画すのは自然の理。戯曲が公開されているのだから予め読んでおくべきだった。来年まで覚えていられるか、この気持ちw

お前は誰だ。一体誰に語りかけているのだ? 色々想像させ、様々なものを揶揄するかの様な、思わせ振りで何か言いたげな、パッチワークな会話の雨。全てが遠まわしの様でいて … 終盤、遂には傍観していた観客にあからさまに語りかけ対峙してくる。そればかりか、喉の奥に手を突っ込まれて「日頃、口から出さない何か」を引き摺りだそうとしてくるかの様な圧力。言葉の占めるボリュームが大きいにも係らず、理解するのではなく、体感する感触の強いお芝居でした。

ネタバレBOX

役者と観客を遮り、人の影と風景映像を投影するスクリーンの演出が好み。影絵の身体が大きくなったり小さくなったり、スクリーンから出たり入ったり… 人々の混沌を、観客との心理的な距離感を、色々感じさせてくれました。いい体験した。
霊長類 南へ

霊長類 南へ

perky pat presents

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2016/09/01 (木) ~ 2016/09/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/09/04 (日)

(俗説らしいけど)レミングの集団自殺さながらの終盤のシーンは一番印象に残りました。それも含めて、「危機における人々の行動」の表現に時代の流れを感じます。

これを引き合いに出すと笑われるかもしれないけど、シン・ゴジラでのソレとひどく対照的なものを感じました。確かに冷戦のあの時代は、ひとたびコトが起こればこうなるであろうという漠然とした怖れがあって、これも一つのリアル。
それは実態としては今もあまり変わらないのかもしれないけど、一方で震災と原発事故を同時にくぐり抜け、そこで身を危うくしてでも自分の務めを全うした人達が数多くいたことを思えば、シン・ゴジラでの人々の振る舞いも、また厳然としたリアルだ。
どっちが良い悪いでも、正しい・間違いの話でもなく、純粋に両極の筋書きで双方に理があると思う。ただ、その2作の間に、現実の「未曾有のパニック」が実際にあったことを思えば、時代の差かなとも思えるのです。

ことばのあや

ことばのあや

.,5(てんご)

G/Pit(愛知県)

2016/09/02 (金) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★

静かに交わされる会話で進む3作。派手な動きが一切ない中、固唾を呑んで役者の仕草を間近で見守る贅沢な時間。
舞監兼アフタートーク司会兼ゲストの堀江さん、初見の観客にはなかなか気付けないことを話してくださって、良かったわ~。
(以下、ネタバレBOXに作品個別の感想)

ネタバレBOX

① 葉桜:感想】半年前にもヨテラシイチで観た。その時に掴みきれなかった空気感が二度目でやっと伝わってきた。共依存とまでは言わないけど、互いに寄り添った母娘の間にぼんやり浮かび上がってくる壁が見えた気がする。たどたどしく自己主張が現れてくる秋葉さんの芝居が良かった。

② 紙風船:感想】弦巻楽団「四月になれば彼女は彼は」で劇中劇であった名作を遂に観れた…が、うわ、なんかすごいグサグサくるんですけど。一人で遊んでてゴメンなさいw、既婚者には堪らん空気感やった。モノ言わぬ手が、指が、目が、口元が、台詞以上に雄弁に語りかけてくる、コワイ。

③ ヂアロオグ・プランタニエ(対話):感想】下衆な言い方すると、三角関係にある女性2人の駆け引きの会話なのだけど、演出が独創的。話者2人はセリフに専念して隅に立ち尽くし、一人の女優がその"依り代"となって真ん中でスポットライトを浴びる。
原作を知らない私は、すっかり 「脳内に二人の人格を住まわせる主人公のサイコホラー・ラブコメ」 の可能性に囚われて、楽しくも困惑したひとときに身を置きました。いや、かなりマジで。演出ひとつでお話の可能性は無限に拡がるのねぇ。勿論、演出意図とは全く異なる想像をしていたことがアフタートークで露見。
小説家の檻

小説家の檻

廃墟文藝部

千種文化小劇場(愛知県)

2016/09/03 (土) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/09/04 (日)

SF短編的な切り口の設定が私の趣味にドンピシャ。そこにコンタさんおハコの「人の内なる欲望との対峙」系のお話と最近の短編で定番の口当たりの良い女の子系のお話がバランスよくミックスされた印象で、いわばコンタさんの表裏明暗を注ぎ込んだ集大成にも見えた。

作中の創作技法は私にはとても興味深く、動機はさておき裏地の発想とプロモーションはまさしくコンタさんの分身を思わせてワクワクしたし、内山さんの個性が遺憾なく発揮されて胡散臭さ満点。行く末は破滅しかありえず残念だけど、お話としてはキレイにおち、裏切るべきはしっかり裏切って安易に救うことはせず、池場さんが最後に笑顔で作家の業をみせたとこが非常に印象的でした。

そして廃墟文藝部は芝居の周りを彩る異才が充実。私はBGMを1度で記憶に残せない体質で、今回サントラパンフの解説がむっちゃ嬉しい。聴き返すといちろーさんの音楽が確実に芝居の空気を支配していたのが私にも伝わる。
つらくもさんの"みえてちゃんグッズ"の数々も公演前後のロビーを楽しく彩り、廃墟文藝部は総合エンタメとしてホント充実ね。受付開始からロビーに居る価値の高い稀有な劇団。

第5回名古屋学生演劇祭

第5回名古屋学生演劇祭

第五回 名古屋学生演劇祭

うりんこ劇場(愛知県)

2016/09/03 (土) ~ 2016/09/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/09/03 (土)

全般ですが、ドコも頭抜けするトコまでいかず、良い意味で"拮抗した"というとこですかね。
笑いの「喜劇のヒロイン」、纏まりとキレイさで「星めぐり」、演技で「spoon」と「ひとひらり」、カオスさで「ハイエナ」、真面目さと演出で「野坊主」ってのが私の好み。

以降、ネタバレBOXに個別の感想。

ネタバレBOX

①初恋ハッピービーチ(劇団さる)感想】本公演演目のサイドストーリーっていうのはお祭りと割り切っているのかな。私は観ているので話に膨らみは感じるし、登場人物にも愛着は湧くけど、オマケ感が否めなくなるのがやや残念。キモイ立ち上がり方が私的に一番の盛り上がりでしたw

②THE SROUNDED BYEBYE(喜劇のヒロイン)感想】テンポが非常に良い。気の利いたセリフや各所に挿入する小ネタも効果的で笑いでは12作品中随一。チューブ等で表現する"しがらみ"にまつわるアレコレは、逆境のわりに主人公に悲壮感が無いので実感し難いです。

③ラジオ(超熟アトミックス)感想】テーマは面白そうなんだけど、表現が"言葉"に頼りすぎの感あり。もうちょっと芝居でみせるトコがあってもいいんじゃないかな…とは思った。

「2点だ!」

ってツッコミたくなったけど(笑)、もちろんそこまで悪いわけではない。

④おめでとうございます(5周年企画・相羽企画?)感想】思考・発想にかなり無理があるけど、強引なまでのトラブルの連鎖は小気味良かった。
トラブルのわらしべ長者だ(笑)
オチありきの賑わいだろうから、これもまた良しね。

⑤ふりゆくもの(劇団星めぐり)感想】印象的な美術、なんか不思議な役者の佇まい、割とシンプルで幼い雰囲気を漂わせながら一本筋が通って実は骨太な主張。芝居全体のまとまりがとても良かった。最初から人外感を漂わせながら、全ての説明はしないあたり、バランス感覚に優れてます。

⑥これが僕らの小宇宙(劇団いかづち)感想】異質への恐れと虐待に対するアンチテーゼが随所にあるが、対象があまりに可愛すぎて「何だかなぁ」という印象あり。他方からどう見えるかにも説得性を持たせないと、主張が軽くなる気がする。それにしても序盤の宇宙人の仕草、可愛すぎw

⑦SCREAM WRAPPING(野坊主)感想】観る度に色の違う作品をみせる青山さんには驚くばかり。若者の苦悩をまさしく等身大に綴り、時にコミカルに、時に衝撃的に演出。観に行った芝居がドン被りしてて、まさか同じ客席であんな悩みを巡らせていたかと思うと微笑ましいw

⑧海水浴なんてもう行かない。(劇団ひとひらり)感想】友人同士の戯れがとてもコミカルで微笑ましく、特にごとうさんの振る舞いは好み。客席のノリに応じたアドリブは見事。主人公のトラウマはやや思い込みに度が過ぎる気もして、終盤の展開が素直に呑み込めない印象が残りました。

⑨才能ってなんだろね(劇団「獅子」)感想】どちらが虚構か現実か。相互に入れ子な騙し絵的な構造は面白い。ただ、似通った状況過ぎるので拡がりには欠けて閉塞感強い…のはむしろ狙ったトコかもね。最後の女の子達の振る舞いがそこまでの流れとギャップ大きくて、良いオチでした。

⑩僕らの夏、誰かの話(spoon)感想】若者のもやもやした悩ましさを等身大で切り取って、且つ、取ってつけた安易な結論や解決に導かなかったのは良かった。こういう空気には自然な芝居が重要だと思うけど、山岡さんのさりげない表情、仕草、佇まいはベストマッチしてたと思う。

⑪無抵抗ラジオ(留年大学劇団ハイエナ)感想】何か色々なものを"揶揄した"と思しき風刺感。それをポップに、コミカルに味付けしていて、意味が分かって無くても面白く思えるトコが不思議な味わい。

さすが余分に歳とってないw
我が身を切り飛ばせる強さが頼もしい。

⑫絶頂終劇(テクノブレイク)で完全犯罪(HI-SECO)感想】なんかエライやばい感漂う。「不適切な表現が…」て前振りしたハイエナよりよっぽどヤバイ。最初は只の下ネタ演出かと思ったけど、とんでもなくダークなところに堕ちていった。これハイセコか…って、率直に驚く。
INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT

四天王寺スクエア(三重県)

2016/08/27 (土) ~ 2016/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/08/28 (日)

大阪でセレクション10作品は観ていますが、トライアル2作も観たくて、津に来ました。

(個別の感想はネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

[t2]正義と微笑:感想】みずほ演劇祭の時はアップテンポが逆に単調さを生んで、ちょっと辛かったけど、今回は演出も演技も良くなってグッと観やすくなった。もう少し原作の呪縛から離れた方が何を面白みとするのか伝わり易い気もします。

[i]仏の顔も10度目にもう一度:感想】maechangさんの芝居、ホントに熱いよね。登場人物入り乱れて頭を使う初見より、2度目の方が楽しめた気がする。先を知ってても尚、オチのセリフを「来るぞ来るぞ」と期待してワクワクする。

[f]次の場所までさようなら。:感想】初見ではそのギャップの見事さにすっかりヤラれましたが、落ち着いてジックリ見ると中嶋さんの所作がホントきれい。特に終盤の雲竜型 土俵入りは輝いてた。笑いと美しさが同居する稀有な芝居。

[t1]懐かしき、東京だわぁ:感想】ブツブツ一人ノリつっこみして展開するくだりは、小関さんの良い味が出ていて個人的には満足。クスクス笑えるとこ多し。それがセレクション組の様に観客を沸かせるとこまでいかないのが厳しいところ。
姉のグチから徐々に妹との絡みに拡がり、段々、あれ?っと思わせる展開に進んでいくのが門脇さんの手腕で、もやもやっと異常感が盛り上がってきたところは良かったんだけど、残念ながら私には呑み込みきれずに終わってしまった感があり、ちょっと悔しい。もういっぺん観てみたい。

[c]DANCE BURRN:感想】エンドレス妄想大活劇。嫌みったらしくアメリカナイズされた立ち振る舞いで、顛末を知っていても面白い。そして、物の見立てがホント良い。自分でイスに躓いておいて「父さん!゛(`ヘ´#) 」は最高。

[b]如水:感想】3度目の如水。もはや何も言うことはないというか、おそらく観るのは最後となる如水をじっくり味わいました。世の価値観に真っ向から逆らっても叶えたい母の願い、娘の想い。法律では計れない人の幸せがそこにありました。
蛋白質とエニグマ

蛋白質とエニグマ

右脳中島オーボラの本妻

G/Pit(愛知県)

2016/08/19 (金) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/08/21 (日)

劇場に入ると異空間に放り込まれた感覚になるのは昨年の行進曲ゲルニカと同様・・・いや、更にインパクトを増している。相変わらず何一つ「理解できた!」と実感できるところは無いんだけどw、分からないことに楽しみを感じられる稀有な作品。
繋がりの読み取りにくい言葉の連鎖に呑み込まれて、ちょっとトランス状態に入っちゃうよね。早口言葉戦とか俗な趣向もそこかしこに散りばめられ、多彩な楽しみ。ラストシーンの止め絵で客出しまで微動だにしない役者陣がカッコ良かった。

もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら

もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら

青森中央高校演劇部

三重県文化会館(三重県)

2016/08/20 (土) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/08/20 (土)

舞台美術なしのところを、モブだけではなく背景から効果音から動物から…ありとあらゆる芝居の構成要素を全て役者群の肉体でこなす。ビックリするほどの群集が目を惹くお芝居で、高校生演劇らしさを感じる一方、その群集を構成する個々が群衆に呑み込まれずに個性を放っているのが印象的。一瞬の出番でウケを狙うかの様な見せ場を創出しているのに好感。

演技も本家・青森中央高の練度はもちろん見事で、ウォームアップのミニ演目からして感心することしきりでしたが、3日間であの完成度まで仕上げた三重選抜のポテンシャルにもビックリでした。

ネタバレBOX

自己を押し殺して周りに尽くした主人公を、意外な方法で気遣ったチームメイト達のラストの盛り上げも胸熱。できるなら最初からやれよwと思わずツッコミつつも、「自分の為にはできなくても、友の為なら克服できる」って思い直してジーンときた。
新栄トワイライトvol.8

新栄トワイライトvol.8

新栄トワイライト

Club Rock'n'Roll(愛知県)

2016/08/18 (木) ~ 2016/08/18 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/08/18 (木)

5本が非常にバラエティに富んでいて、とても楽しいひと時でした。個人的には、通常ぼっち観劇となる"観る専の人"の縁が結実してw、会場でこんなに会話したのは初めて。そんな時間がとれるのもライブハウスでやる新栄トワイライトならではね。
(以降、ネタバレBOXに作品個別の感想)

ネタバレBOX

DHMOの害について(町野あかり)感想】「世界が滅んだ理由」というツカミは面白い。題材はとても好き。知らなかったけどDHMOは結構有名な理系ジョークのようで、規制に同意が集まる顛末は実話と同様らしい。そこから核戦争に至るのがオリジナルのようだが、その点だけとってみれば、今さらの陳腐さは否めず。行為の愚かさを揶揄する意図かもしれないけど。なぜに割烹着?と思ったが、小保方を皮肉ってたのか…と今になって気づく。STAP細胞も冗談のつもりだったのでは?との着想があるなら、それはそれで面白い。かなり危険なジョークだが・・

おれと輪っかと鈴の音と(ひとくちブルー)感想】若者の甘さを擁護するだけの展開を懸念する出だしでしたが、作演・美洸さん、そんな甘くなかった。そしてもっと優しかった。擁護に留まるでなく、自立した解を自分で掴み取らせるシナリオとその説得力は見事でした。実のところ、こっから先が理不尽に厳しいのが社会だけど、面接の演出はとても心地良く、主人公の今後の礎がしっかり伝わりました。青山さんは惑う鬱屈した若者をよく表していたし、一柳さんは重要な二役を見事に演じ分けていたし、齋藤さんは沈みがちなネタの作品に絶えず笑いとリズムを注ぎ込んで、良いバランスでした。キャスティング良かったね。

DHMOの害について(町野あかり)感想2】→今さらの陳腐さは否めず。行為の愚かさを揶揄する意図かもしれないけど。なぜに割烹着?と思ったが、小保方を皮肉ってたのか…と今になって気づく。STAP細胞も冗談のつもりだったのでは?との着想があるなら、それはそれで面白い。かなり危険なジョークだが・・

ナンパVS素人(スキガーラ・ファイターⅡ)感想】 いや、もう、"笑った"としか言えない、言いようがない。隣でMJさんの言った「これは男子校のノリ」は至言だと思う。それにしても女性の方が多そうな客層でなんてチャレンジングw

冷酒(石榑彩乃)感想】石榑さんの演技に唸る。なんと小気味良く愛らしいヨッパライか(笑) 細かく、バラエティに富んだ所作が楽しく、演技では今回一番見応えがあったな。舞台袖外のリアルのトイレまで使った芝居の勢いも楽しかった、ホント。
アングリーアングラー

アングリーアングラー

試験管ベビー

G/Pit(愛知県)

2016/08/12 (金) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/08/13 (土)

アングリーアングラー:感想】手堅い笑いと人情漂う良作。話をかき回す三芳さんと佐川さんが面白く、またいつになく(?)加藤さんが可愛かったw 試験管ベビー特有の観客とのコミュニケーションも楽しい。三芳さんをしっかり受け止め、最前列ながら餌撒きもしっかりハイキャッチw

もしもアイツがココにいるなら(男ver.):感想】らしくないカッコつけが可愛く映る長屋さんがなかなか面白い。開き直りを促す結果になる角さんのいやらしい芝居も良い味で、更にそこを突き抜けたラストの長屋さんの振る舞いが良いオチでした。

もしもアイツがココにいるなら(女ver.):感想】存命中はかなりすっとぼけた人物であったろう故人を巡る女性三人の物語がえらく生々しい。友情が芽生えたかにみえてあっさり裏切る展開がテンポ良くてよかった。ラスト後の修羅場…ないし人間関係の更なる機微がもちょっと見たかった。

猿川方程式の誤算あるいは死亡フラグの正しい折り方

猿川方程式の誤算あるいは死亡フラグの正しい折り方

劇団ジャブジャブサーキット

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2016/07/28 (木) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/07/30 (土)

何とも多様な団体・個人・過去・現在が入り乱れ、思わせ振りなセリフのオンパレード。発散気味の展開が繋がるケースの爽快感よりは各種モヤモヤの募りの方が多いけど、どうもそれは意図したものの様です。
モヤモヤ・ボンヤリとした感覚のまま、好き勝手に脳内ドラマで補完して、素直に役者達の「死亡フラグ的名ゼリフ・名演技」の数々を楽しむべき…ってトコかな。
「いきなり最終回」的な味わいで楽しかった。

INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2016/07/14 (木) ~ 2016/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

遂に東海から飛び出して一人芝居の祭典を目の当たりにしてきました。5年分のセレクションだから面白くないわけがなく、感動ひとしおです。

(以下、ネタバレBOXに個別の感想)

ネタバレBOX

以下、観た順に作品個別の感想。

[j]シロとクロ:感想】初見の時はその"歌う様なセリフ回し" と "どこまでも続くステップの躍動感"に惹かれ、脚本の"巧みなミスリード"の見事さに感動しました。
そして今回、オチを予め知っていて尚くすむことのない・・・いや、知っているからこそ気付ける、躍動の中に潜むヨネマリの"繊細な芝居"に涙がこみ上げました。シロの屈託のない発想、取り巻く世界への賛歌 等々に包まれ浄化され、終盤に響く鈴の音が神々しくさえあった至福の時間でした。ああ、ホント好き。

[h]あのとき:感想】誰もが心に何かしらの影を落とす「もし、あの時… 」が多面に丁寧に描かれている。消えない後悔を追って、過去に… 別の人生に… 舞台は拡がり、一つの結論に集約していく前向きさに好感。泥谷さんは照れに味がありますね。

[f]次の場所までさようなら。:感想】最初、目の前で起きている事態が理解できない衝撃のイントロ。しかも出オチに留まらない。異質を化学反応させて笑いを生みながら、なんか納得してしまう共通点も見え隠れする不思議な味わいの芝居。最近、ギャップって大事と思うこと多く、お手本ですねコレは。二朗松田さんって2作入っててスゴイ。絶え間なく挟まれる小ネタも観察眼鋭く、個人的に"喉輪"がツボでした。そして最後に「ヒザをついたらソコで試合終了だよ」と言いたいw

[e]或る男:感想】一言で言えば「比類なき迷走」
想像の斜め上に発散していき、観客の思いつく先には徹底して舵を切らない。異空間にいざなわれたかの様な感覚は得難い体験でした。私には数えられませんでしたが、パンフによれば何と22役!

[a]楽屋から:感想】洋の東西問わず、いずこの土地でも恐るべきはオバチャンのGoing My Way。そしてその傍若無人振りを許されてしまうのも、また愛すべきオバチャンならではか。ある所からの"苦情"のインパクトは凄かったです。

[c]DANCE BURRN:感想】業界ネタを挟みながら、タイトル"だけ"からどめどもなく発散する…"合理性を装った"妄想の嵐がまさしく滑稽の極み。そのくせ芝居がすごく格好良い。イスの使い方なんか絶妙。作・演出・役者の協調感、強し。

[g]わたしの未来:感想】デレデレのイントロとは裏腹に"壮絶"の一言に尽きる展開。ハスキーで半ば涙まじりに聴こえる大阪弁の語りが、別地方の私には印象的に染みてくる。極限で生み出されるオトの表現は照明と相まってインパクト強い。音楽って特に凝縮かつ抽象化されるんで、なかなか万人に同等には響かない(と私は思う)ので、芝居の追体験的な歌詞と照明のサポートが舞台で効果的でした。CDで観劇後も追体験できるのが歌との芝居のコラボの良いところですな~。そうそう、客出しでCD買った時に西原さんが「CDではちゃんと歌ってますんで」って仰ってましたが、舞台での"涙まじり"もとても良い効果で私には響きました。芝居ライブバージョンも入ってたら良かったのに…とさえ思う。

[d]チンピラB:感想】唯一、作演役者を一人で賄ういぶし銀。芝居への強い想いと裏腹の、古参役者の"ぼやき"、"冴えなさ"、"小心さ"、"年長者にありがちの偉ぶり"で笑わせつつ、表に映らぬ"過程の演技"に黙々と拘る役者魂が格好良すぎ。

[b]如水:感想】NGYでの初演を観て"如水"というタイトルに秘められる意味の重みに痺れましたが、今回、劇導入からのタイトル挿入が巧みで、この後の展開への覚悟が心に響きました。劇中、おぐりさんの世代間の演じ分けのみならず脳内と現実の演じ分けは本当に巧みで、更にその間の変化の過程… 特に老婆への変貌は映画の特殊効果さながらに圧巻。得意のコミカルな名古屋オバチャン芝居の合間に入ってくるから、落差で凄いインパクトなんですよね。​おぐりマジックです。終局の決定打となる"切ないある現象"は、万人に他人事でなく、個人的にも悩みなのでいつまでも心に残ります。いつも何でもない庶民の営みを滑稽ながら温かく描く関戸さん・おぐりさんですが、社会派とも言える重く切ない本作、色々想いが募ります。最高です。

[i]仏の顔も10度目にもう一度:感想】これもまた、凡そ関係性を見出せない程の多様な登場人物達が、一人の役者によって見事に舞台を彩る。普通の仏ならとっくに逆鱗モノの愛おしいダメ人間達が、巡り巡って一つの結末に繋がる展開も見応えあり。
ファッツァー

ファッツァー

地点

アンダースロー(京都府)

2016/07/15 (金) ~ 2016/07/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/07/17 (日)

愛知芸文でDVDで見せてもらった作品を遂に生で。
レパートリーのアトリエ公演があるって素晴らしい。

独特の発語!器楽の生音!シンクロして明滅する光!方向を錯覚する吸引力ある所作!客席含めたアトリエの雰囲気!
そこにある全てに身を浸して、まさしく"体験"のひととき。
言葉を寸断する音、重力に翻弄されるアクション、織り成す影、全て戦時という時代に擬えたかの様な圧迫・不自由・束縛感が息苦しく舞台を包み、臨場感たっぷり。
特にアクションは河野早紀さんが圧巻。実は話の筋は簡単には頭の中に入ってこず、生半可な私には外部からの補強が必要なのが実態だけど、様々に組み合わせられた芝居と演出効果で、過酷な環境が生む「人間関係の破綻と絶望感」が直接皮膚から伝わってくる感覚がある。圧倒的体験。

『今日(こんにち)の判定』、『ソコナイ図』

『今日(こんにち)の判定』、『ソコナイ図』

dracom

アトリエ劇研(京都府)

2016/07/15 (金) ~ 2016/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/07/17 (日)

ソコナイ図:感想】餓死の過程を描く異色作。元々が貧困層でもない姉妹をそこに至らしめた理不尽かつ無関心・無責任な社会構造… なんてのも背景として表現はされるが、・・・(以降、ネタバレBOXへ)

今日の判定:感想】とある架空のスポーツが舞台。プレーヤーの意気込みと緊張感を漂わせ進行する熱戦 … だが観客には"ルールが明かされていない"のが肝。
・・・(以降、ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

(本文も含めて再掲)

ソコナイ図:感想】餓死の過程を描く異色作。元々が貧困層でもない姉妹をそこに至らしめた理不尽かつ無関心・無責任な社会構造… なんてのも背景として表現はされるが、そういう社会派的な要素より、当人達による "自分の死の客観視" の描き方、境界の曖昧な死の状況表現に費やす "時間の使い方" に驚きを隠せなかった。傍から見れば延々と続く「何も起きない無音・不動」のシーンである。それが餓死においては、臨終に立ち会うかの様な途方もないリアルタイム感・臨場感を生んでいた。

今日の判定:感想】とある架空のスポーツが舞台。プレーヤーの意気込みと緊張感を漂わせ進行する熱戦 … だが観客には"ルールが明かされていない"のが肝。
いや、もうホント推測不能なんだわ。観客を嘲笑うかの様に演出はエスカレートし、いつしか、まるで宗教儀式でも眺めるかの様な心持ちに。終盤、一部 俗な展開になるのは、観客へのせめてもの情けなのだろうか。まさしく異文化体験でしたね。
蛇はどのようにして冬を越すのか

蛇はどのようにして冬を越すのか

弱肉強食ホエールズ

G/Pit(愛知県)

2016/07/16 (土) ~ 2016/07/17 (日)公演終了

満足度★★★

なかなか他で観れない作風。エロネタはあくまで理解しやすい表向きのネタ。妹以外の登場人物もそれなりに偏った思考に取り憑かれ、健常者の体を装いながらも何かがおかしい。そして、それが実際には一般的な事なのだろう。意図せずそれが障害・異常にカテゴライズされることの恐ろしさを感じる。それをギャバさんの役が体現してた。伝えたいことは無いとギャバさんはパンフで書いているけど、色々とモヤモヤを湧き立たせる良い余白のある作品でした。vol.2希望(^O^)/
個別には、平林ももこさんのパニック障害の芝居が壮絶で見応えありました。セリフ言っている人を差し置いて思わず視線奪われる。
タイヨヲさんはなんかダメ男演技に益々磨きが掛かっていて役者としての練度高し。こういう芝居できる人好きだ。
鵜飼さん、整形・豊胸を"治療"と断じた時の"悲愴感を感じさせない堂々っぷり"が素敵。ラストダンス、あおきり勢に置いていかれる展開も面白かったな〜( ´ ▽ ` )ノ

荒川、神キラーチューン

荒川、神キラーチューン

ロ字ック

穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース(愛知県)

2016/07/09 (土) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/07/09 (土)

時間と人物を行き来して目まぐるしく展開する脚本、多数の役者が怒涛の様に舞台を駆け巡るダイナミックさと心情を託したカラオケ選曲で空気を作る演出に目を見張った。
(以降、ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

話的にはエリザベスマリーさん扮するシオリの「私とあなたは変わんないんだよ」っていうセリフ(価値観ややることに異なることがあっても、環境や育ちの違いが影響しているだけで…という趣旨と解釈してるんだけど)が私には刺さりました。およそそんなタイプに見えないのにカラオケで見事に弾ける小野寺ずるさんの芝居も印象的。
パンフレット、最初は高いし「写真集かいっw」って思ったけど、コメントが結構意味深に話に通じるところがあって良かった。ただ、アフタートークもパンフも徹底的に表立って話の中身に触れようとしないのが印象的で、作演の方針なのかな。ちょっと異色。
欲しいと言ったり、嫌だと言ったり

欲しいと言ったり、嫌だと言ったり

よこしまブロッコリー

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/07/02 (土)

物静かな佇まいを演出する音響と照明。とくに木漏れ日を想起させる照明が観客を舞台の空気に浸らせてくれました。(以下、ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

じわじわと登場人物の関係性が明らかになっていくにつれ、心の揺れが見えてきて、振る舞いの意味が分かってくる。複数の関係のうち、どれかが話の主体って訳じゃなくて、各々が問題を抱えている様を順繰りに見せていき、連鎖していくのが、集団に現実感を与えている。諍いもただ言い争うだけでなく、当人なりの相手への心遣いが感じられる一方で、それでもなお伝わらない・認めたくない・許せないといった「本人が制御できない感情」の機微に支配されてコミュニケーションが纏まらないのがもどかしくて心に迫る。心理分析みたいな表現が随所にでてくるのも、肉付けとして面白かったです。オーナーと金沢さんがLINEと口頭で会話するシーンがとても好きです。不自由なコミュニケーションの象徴みたいで、それでも一言一言を大事する感触が悲しくも暖かい。「あなたをお金と思いたくない」が搾り出す様に出てきたのが沁みました。
エダニク

エダニク

iaku

パティオ池鯉鮒(知立市文化会館) 花しょうぶホール(愛知県)

2016/07/02 (土) ~ 2016/07/02 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/07/02 (土)

開演前、物販のお姉さんが過去作の紹介で「どれも口論する芝居ですよ(^-^)ニッコリ」と身も蓋もないこと仰ってましたがw、日常会話から見え隠れし、徐々に明らかになる「当人のコダワリとシガラミ」をベースに展開する口論には双方とも一蹴できない重みがある。
当初は「何言ってんだ、この人」みたいな発言にも、ジワジワ意味付けされていく構成は手堅く心地良い。そこに真実味を添える役者の芝居も巧みでした。この手の題材での口論では、現場に居ない方の理論は「甘い」だの「現実を知らない」だの「机上の空論」だ言われて一方的に片付けられて終わりそうなもんだが、それを譲らずに終わらせられるバランスを備えていたのが面白い。その意味で福谷さんの演技は重要で上出来でした。分かり合うでなく各々の主張を貫く3人が、口論と騒動の果てに形作ったものが…社会ってヤツだよねぇ。

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