INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR 公演情報 INDEPENDENT「INDEPENDENT:3rdSeasonSelection / JAPAN TOUR」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    遂に東海から飛び出して一人芝居の祭典を目の当たりにしてきました。5年分のセレクションだから面白くないわけがなく、感動ひとしおです。

    (以下、ネタバレBOXに個別の感想)

    ネタバレBOX

    以下、観た順に作品個別の感想。

    [j]シロとクロ:感想】初見の時はその"歌う様なセリフ回し" と "どこまでも続くステップの躍動感"に惹かれ、脚本の"巧みなミスリード"の見事さに感動しました。
    そして今回、オチを予め知っていて尚くすむことのない・・・いや、知っているからこそ気付ける、躍動の中に潜むヨネマリの"繊細な芝居"に涙がこみ上げました。シロの屈託のない発想、取り巻く世界への賛歌 等々に包まれ浄化され、終盤に響く鈴の音が神々しくさえあった至福の時間でした。ああ、ホント好き。

    [h]あのとき:感想】誰もが心に何かしらの影を落とす「もし、あの時… 」が多面に丁寧に描かれている。消えない後悔を追って、過去に… 別の人生に… 舞台は拡がり、一つの結論に集約していく前向きさに好感。泥谷さんは照れに味がありますね。

    [f]次の場所までさようなら。:感想】最初、目の前で起きている事態が理解できない衝撃のイントロ。しかも出オチに留まらない。異質を化学反応させて笑いを生みながら、なんか納得してしまう共通点も見え隠れする不思議な味わいの芝居。最近、ギャップって大事と思うこと多く、お手本ですねコレは。二朗松田さんって2作入っててスゴイ。絶え間なく挟まれる小ネタも観察眼鋭く、個人的に"喉輪"がツボでした。そして最後に「ヒザをついたらソコで試合終了だよ」と言いたいw

    [e]或る男:感想】一言で言えば「比類なき迷走」
    想像の斜め上に発散していき、観客の思いつく先には徹底して舵を切らない。異空間にいざなわれたかの様な感覚は得難い体験でした。私には数えられませんでしたが、パンフによれば何と22役!

    [a]楽屋から:感想】洋の東西問わず、いずこの土地でも恐るべきはオバチャンのGoing My Way。そしてその傍若無人振りを許されてしまうのも、また愛すべきオバチャンならではか。ある所からの"苦情"のインパクトは凄かったです。

    [c]DANCE BURRN:感想】業界ネタを挟みながら、タイトル"だけ"からどめどもなく発散する…"合理性を装った"妄想の嵐がまさしく滑稽の極み。そのくせ芝居がすごく格好良い。イスの使い方なんか絶妙。作・演出・役者の協調感、強し。

    [g]わたしの未来:感想】デレデレのイントロとは裏腹に"壮絶"の一言に尽きる展開。ハスキーで半ば涙まじりに聴こえる大阪弁の語りが、別地方の私には印象的に染みてくる。極限で生み出されるオトの表現は照明と相まってインパクト強い。音楽って特に凝縮かつ抽象化されるんで、なかなか万人に同等には響かない(と私は思う)ので、芝居の追体験的な歌詞と照明のサポートが舞台で効果的でした。CDで観劇後も追体験できるのが歌との芝居のコラボの良いところですな~。そうそう、客出しでCD買った時に西原さんが「CDではちゃんと歌ってますんで」って仰ってましたが、舞台での"涙まじり"もとても良い効果で私には響きました。芝居ライブバージョンも入ってたら良かったのに…とさえ思う。

    [d]チンピラB:感想】唯一、作演役者を一人で賄ういぶし銀。芝居への強い想いと裏腹の、古参役者の"ぼやき"、"冴えなさ"、"小心さ"、"年長者にありがちの偉ぶり"で笑わせつつ、表に映らぬ"過程の演技"に黙々と拘る役者魂が格好良すぎ。

    [b]如水:感想】NGYでの初演を観て"如水"というタイトルに秘められる意味の重みに痺れましたが、今回、劇導入からのタイトル挿入が巧みで、この後の展開への覚悟が心に響きました。劇中、おぐりさんの世代間の演じ分けのみならず脳内と現実の演じ分けは本当に巧みで、更にその間の変化の過程… 特に老婆への変貌は映画の特殊効果さながらに圧巻。得意のコミカルな名古屋オバチャン芝居の合間に入ってくるから、落差で凄いインパクトなんですよね。​おぐりマジックです。終局の決定打となる"切ないある現象"は、万人に他人事でなく、個人的にも悩みなのでいつまでも心に残ります。いつも何でもない庶民の営みを滑稽ながら温かく描く関戸さん・おぐりさんですが、社会派とも言える重く切ない本作、色々想いが募ります。最高です。

    [i]仏の顔も10度目にもう一度:感想】これもまた、凡そ関係性を見出せない程の多様な登場人物達が、一人の役者によって見事に舞台を彩る。普通の仏ならとっくに逆鱗モノの愛おしいダメ人間達が、巡り巡って一つの結末に繋がる展開も見応えあり。

    0

    2016/12/28 21:57

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大