タッキーの観てきた!クチコミ一覧

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夜と森のミュンヒハウゼン

夜と森のミュンヒハウゼン

サスペンデッズ

吉祥寺シアター(東京都)

2015/01/24 (土) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

不思議感覚が心地よい
冒頭の演出が上手い。多くの公演は完全に暗転させて、キャストを舞台上に登場させてから始まる。ところが、本公演は上手からアユミ(石村みかサン)がゆっくり森の中を散策するような感じで幕が開く。その舞台セットは樹木(6本)が立ち、その根元に枯葉が…実に落ち着いた、そして雰囲気のある情景を演出していた。もちろん登場する人間・動物などは魅力的に描かれているが、それは透明感・神秘性ある大きな風景画の中で活かされている産物のようであった。

ネタバレBOX

虚実綯い交ぜの世界観であるが、その感覚は人の「心」か「脳」内というものである。目に見えないことは、表現することが難しいが、逆に言えば自由に描くことが出来る。その演出は幻想とも違う…静寂な森の中で不思議な空気が流れているようだ。人間に擬態化した動物たちの本当の人間との出会い、交流もあったが、現実の世界か虚構の世界か判然としない。その「曖昧さ」が不思議さを「鮮明な表現する」ものになっている、という反対感覚を醸し出している。現実話(森での迷い、不倫恋愛など)と空想話(動物擬態化、生存への戦いなど)が交錯しながら、一つの話(迷った森から抜ける)へ紡いでいく。
森を抜けたら何が、またはどうなるか、という興味は尽きない。
最後まで余韻を漂わせた、魅力的な公演であった。

今後の公演にも期待しております。
男は二度死ぬ・その一度目!!~その三~

男は二度死ぬ・その一度目!!~その三~

ライオン・パーマ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/01/15 (木) ~ 2015/01/19 (月)公演終了

満足度★★★★

組立て感が好き
子供の頃、電池・モーターで動くプラモデルを作って遊んだが、その時の感覚に似ているような芝居であった。そぅ、パーツを1つ1つ組み合わせて完成させ、最後にスイッチを入れたら動き出す。設計図通りに作ったが、果たして動くのだろうか、というドキドキ感が忘れられない。

ネタバレBOX

本公演は家族ごとの話が一つの歯車になっており、それが絡み合い公演全体を構成していく。その一つ一つの過程が面白いと感じるか長時間公演のために整理が必要と思うか、観客によって違うだろう。自分は前者のタイプで面白く楽しめた。そして見事なループ劇に結実させた演出に感心した。パーツが段々と噛み合い、少しずつ公演全体の姿が明らかになる。その原動力がキャストの魅力的な演技であったと思う。もちろん舞台セットも手作り感があり、温かみがあった。
文脈が逆転したが、テーマ性については、社会的教訓のような側面も描きつつも、その演出は軽妙・コミカル仕立で堅苦しくない。最後まで飽きることなく楽しめた。

今後の公演にも期待しております。
鬼のぬけがら

鬼のぬけがら

ナイスコンプレックス

OFF・OFFシアター(東京都)

2015/01/21 (水) ~ 2015/01/26 (月)公演終了

満足度★★★★

業(ごう)の深さが…
東日本大震災を背景に人間の業(ごう)が浮き彫りになるようなお伽噺。現実にあったような内容だけに、お伽噺…絵空事にしないと哀しい印象だけが強調される。被災という特異状況下における人間心理・行動は、平時のそれとは違う。むしろ違っているほうが当然かもしれない。その時の状態こそ「鬼」なのかもしれない。逆に「鬼のぬけがら」を纏って人間らしくという逆説的な発想がユニーク。とても興味深い芝居であった。

ネタバレBOX

被災者の生活状況を背景に父子の確執が描かれる。被災者に心を添わせながら、その実態をスクープネタにする息子。被災地に留まり本音を言い続ける父、という構図が主軸であったと思う。被災地から離れ、安寧した場で外見よく惨劇をルポネタとして探す子の深層は”鬼”。逆に父の歯に衣着せぬ言動は、被災者を困惑・憤怒させるが、その心裏は”人”。「心」という目に見えない動きを見事に浮き彫りにした演出手腕(タイトルが意味深)は素晴らしい。そして鬼(子)が人(父)の心魂に迫る過程とラストシーンは感動ものである。
舞台セットは、震災によって倒壊した家屋内をイメージさせるもの。その薄暗い照明、怒涛の音響効果は芝居の質(重厚)感を高めたと思う。その空間の中でキャストはそれぞれの性格付け、・役割の人物になりきっていた。実に観応えのある公演であった。

今後の公演にも期待しております。
『鬼切丸』再演

『鬼切丸』再演

タンバリンステージ

あうるすぽっと(東京都)

2015/01/24 (土) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

観せる…魅せる…
90年代カルト的人気を誇った楠桂の人気コミック「鬼切丸」の舞台化である。この公演は、2013年夏に大盛況で終演した作品の再演だというが、その魅力は何といってもキャストのビジュアル性と殺陣の素晴らしさであろう。キャストは当日パンフの紹介によれば34名が登場している。そのメイク・衣装が妖しげな雰囲気を醸し出す。
そのお話は…

ネタバレBOX

はるか昔、少年の姿をした鬼が生まれたが、彼には角(つの)はなく、一振りの神剣「鬼切丸」を携えて鬼と戦う。すべての鬼を倒せば、人間になれると信じている。同族同士の争いかと思われるが、そうではないようだ。修験僧も現れ、人間、特殊能力を身に付けた修験僧、そして鬼という三竦みの戦いが繰り広げられる。この戦いの場面は、「あうるすぽっと」という中規模舞台を目一杯使用した殺陣シーンは迫力があった。もっとも本当に殺せているか、という疑問がある踏み込みではあるが…、そこは魅せる芝居である。
また、鬼退治に深い理由・動機付けが説明されている訳でもない。敢えてその深みにはまり込むことはしていないようだ。娯楽性を重視した制作になっており、それが純粋に観て面白いに繋がっていた。

まさしくエンターテイメントを目指した作品として印象に残った。だからこそ多くの観客に支持され、再演に至ったと思う。またキャストは、初演から引き続きの人と再演からの人とバランスよく配役しているらしい。そこにも初見の観客に楽しんでもらう、という制作側の想いも伝わる。

今後の公演にも期待しております。
義務ナジウム

義務ナジウム

公益社団法人日本劇団協議会

劇場MOMO(東京都)

2015/01/23 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

民俗学的な…
「九州の、とある山奥にひっそりと在る陸続きの孤島・美女都村」が舞台。昔から住んでいる村人と新しく移住してきた人の、その土地に伝わる因習をめぐるお話である。その因習というか風習はよく仄聞した内容だが、改めて芝居として見ると、あぁそうなんだと納得する局面もある。それだけ脚本が魅力的であり、それを上手く演出している。また、キャストはワンツーワークスの2人の女優はもちろん、各キャストが魅力ある人物を演じていた。その性格付け、役割が明確でわかり易い公演であった。しかし、その描いている内容はある種の問題提起をしており、見応え十分であった。

ネタバレBOX

さて、問題提起とは、古くからその土地で行われてきた「14歳男子の『筆おろし』」と「女子の『水揚げ』」(通俗的で失礼)をめぐる村人と新しく移住してきた人の意識のギャップ。地方にはそれぞれ生きるため、生活するための習わしがあるが、一方、新住民にとっては理解し難い習わしである。自分が思っている常識が時と場所を変えれば非常識になり得ることも確かだろう。その状況下での自分の信念とは何という鋭い問いが発せられる。実に興味深い公演であった。

また、古城十忍 氏の演出であり、舞台美術もその土地感覚、雰囲気を出した素晴らしいものであった。

次回公演も楽しみにしております。
ひだまり

ひだまり

BEE

テアトルBONBON(東京都)

2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★

普通の生活から…
9歳の少女(美輪ひまりチャン)の普通の生活…それは毎朝決まったTV番組を見ることから始まる。この何気ない普通のことが普通でなくなる、チョットとしたことで破綻する狂気を描くが、その内容が表層的すぎた。
舞台セットは上下の二階建。一階はリビングルームのようで、公演の主筋を展開する。2階部分は、その時の状況によって場面設定が変わる。
そして、説明にあるように「偶然出会った男とのできごとが、少女達を違う日常へと連れていく。」ことになる。この男と出会うまでの前後で芝居の雰囲気はガラリと一変する。ある出来事とは…

ネタバレBOX

いつものとおりTVを見たあと登校する。違うのは母親と一緒に出掛けられなかったこと。母親は就職面接のため、いつもより少し早く出掛けた。少女は通学途中で男に襲われ重傷を負う。一命を取り止めたが体に大きな傷跡を残した。その後、刑事が犯人(視覚障害者)を逮捕し、少女も元通りとはいかないまでも、退院し自宅に戻ってくる。
母親が悔悟・苦悩、父親(知的障害者?)の無垢な仕草が…しかし、感情移入できず泣くこともなかった。ストーリー上は大事件が起きたが、その場面は事後処理として病院ベットに臥した姿で登場する。その演出でもよいが、犯人逮捕にいたる場面(少女の目撃は大きい。しかし、他の証拠があるという台詞はあるが、何のことかは不明)が省略された。また犯人は一貫して無実を訴ったえている。視覚障害者を犯人として決定付ることを避けたのでしょうか。その件が不気味になっている。
ハッピーエンドのようであるが、結末が何かモヤモヤとした感じである。これは芝居でいうところの観客の想像力にお任せ、または余韻を大切にという問題ではないと思う。

演技について一言、子役(美輪ひまり)の明るく、そして傷ついた心の変化が見所であるが、見事に演じており感心した。

今後の公演に期待しております。
死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜

死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜

世の中と演劇するオフィスプロジェクトM

座・高円寺1(東京都)

2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

月並みだが、面白かった
大括りにいえば、フランスと日本・江戸時代/明治初期および現代の死刑執行人に関わる人間の苦悩といった話だろうか。日本に死刑制度がある以上、直接か間接かの違いはあるが、その執行に携わる人間がいることには違いない。
この公演を通して「死刑制度」そのものの是非を問うには材料が不足している。まぁ、観客がどう感じ思い描くかは勝手であるが…それほど強いメッセージを発していたか疑問である。
家制度における死刑執行人は世襲であり、その役割(罪人の処刑)こそが自分も含めた一族の「生きる」道だった、という皮肉な話である。現代における問題は「家」という世襲から、個人と家族の悩みとして描かれていた。この公演は、多面的・深耕的な問題提起をしているようだが、芝居としてはわかり易い見せ方になっていたと思う。特に、フランスと日本という国の違いや時代の切り替え演出には、暗転だけでなく、ダンスパフォーマンスを取り入れ魅せる工夫をしていることに好感を持った。
観客が思い、考えるという芝居の醍醐味が感じられ、十分楽しませてもらった。
なお、些細ではあるが疑問も…。

ネタバレBOX

なぜ、フランスのサンソン、日本の山田浅右衛門の両方を取り入れたのだろうか。もし「死刑執行人」=「死刑制度」に対する問題提起であるならば、あえて日本における時代比較(幕末・現代)でも十分に説明できると思う。
説明に「ことの是非を声高に問うことは芝居にはあまり向きません。」と記しているのだから。
また、公演タイトルの「死刑執行人~」という表現は、少なくとも現代における職業・刑務官にはそぐわないのではないか。職業観と人間倫理が混同した捉え方になっているように思う。死刑の執行をする人間の苦悩が、ギロチンという機械の導入で精神的に緩和したのだろうか。そのことが、現代日本の刑務官の気持に繋がるかが疑問として残った。

今後の公演にも期待しております。
ミクちゃん、お風呂の時間です。

ミクちゃん、お風呂の時間です。

劇団青い鳥

小劇場B1(東京都)

2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

年代層によって印象が違うかも…
観る年代層によって受け止め方に濃淡がある公演だと思う。アフタートークでも話していたが、「みなしごハッチ」(両親が亡くなっている)の劇団員も数人いるとのこと。そう言えば、キャストの年齢層も高いような…。しかし、髭(ひげ)ダンスのようなコミカルな動作での登場に、年齢のわりには、お茶目(失礼)な印象を受けた。

ネタバレBOX

舞台セットは、内容に合った趣のあるもので良かった。広さの異なる平台が二段になっており、上の台には二人掛のベンチが置いてある。床には枯れ葉…芝居の中で静かに舞う景色が美しい。
基本的には、母親(三国トキ役 芹川藍)と娘(次女カヲル役 森本恵美=クジ引きで決定)の二人芝居。父親の葬儀のため帰省していた娘が帰るまでの短い時間…母親と娘は一緒の時間を過ごしているが、少し認知症気味な母親の時間はゆっくりと、娘(離婚協議中?)の時間の流れは早い。この時間感覚の微妙な違いが、今二人の生活を現わしている。その様子を遠くから眺めている猫キャストの優しい眼差し。実に秀逸な演出である。
施設に入居している母親…気掛かりな気持を残しながら帰京していく娘の姿…。自分も生きている、という強い気持が込められた感動的シーン。大きな起伏がある芝居ではないが、一定の年齢以上の観客には共感を持たれる、そして余韻が残る好公演だった。

今後の公演にも期待しております。
『タダノヤサイダ』

『タダノヤサイダ』

7millions-ナナミリオンズ-

小劇場B1(東京都)

2015/01/14 (水) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★★

もう少し深みがほしい
育てる男、枯らす男という真逆のコンビが巻き起こす農業研修先でのお話。その研修先の同僚など、多くのキャストが登場し、それぞれが自己紹介する場面から、人物描写が均一であまりメリハリが感じられなかった。
しかし、アグリビジネスに絡んだところから人間くさい話に展開しだすが…

ネタバレBOX

育てる男が耕した土地で収穫できた野菜は、その形が大きく(酵素もたっぷり含むと誤解)、”奇跡のヤサイ”として販売することになった。その甘い話に便乗しようとする研修生たち。しかし、それが実は”タダノヤサイ”であることがわかったときの反応。人間の魂胆がアリアリと感じられる愁嘆場ならぬ醜態場であるが、なぜか笑い転げ、開き直る姿に白けた。「奇跡のヤサイ」から「タダノヤサイ」への転換は、一瞬の暗転で大きさく状況が変化する。突然の状況変化は、観客の心を置いてきたのではないだろうか。少なくとも自分は丁寧な説明が欲しかった。その後、研修先が閉鎖することになり、研修先の人間や、育てる男の元妻、枯らす男を恨む女…など、全登場人物の身の振り方を説明する。更にその後が続き、結末とその余韻が残らなかったのが残念である。
もう少し、日本の農業問題を絡めて、社会性が垣間見えても良かった。

今後の公演に期待しております。
キネマ狂想曲

キネマ狂想曲

シノハラステージング

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2015/01/20 (火) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★

映画ファンとしては、少しガッカリ
タイトル通りカプリッチオというのが第一印象である。
初日に観劇した際、視覚障害者の方のため、通常の前説に加え、舞台セットの配置の説明をしていた。多くの観客に観てもらいたいとの思いが伝わる。そのセットは、間口6m、奥行き4mの全体スペースに、上手・下手に長辺2m、短辺1m、高さ60~20cmの長方形台座が横向き、縦向きに5台置かれているシンプルなもの。ただし、このセットが演出上、どのような効果があったかは分からない。

さて、公演であるが、シネマに関する…

ネタバレBOX

映画業界の裏本・噂本の類が描かれるが、その中心的ストーリーが姉弟の恋愛感であり、話の広がりがない。

映画監督が、実姉を主演女優にしたいとの思いが、周りを巻き込んでてんやわんやの騒ぎになる。しかし、そのプロットに新鮮味もなく、納得性も感じられない。単に、姉弟の近親恋愛(U15はこの場面ではない)であるが、そこに愛欲が感じられない(設定上も肉体関係はなかった)。ストーリーを引き立たせるエピソードもなく、40歳過ぎの熟女を主演女優にするためのスタッフによる裏工作(一般的に仄聞できる程度)が…。もう少し業界暗部を炙り出す、抉り出すような見せ場がほしかった。
また、キャストの演技力に差があり、バランスを欠いていた。その結果、感情移入ができなかった。初日で緊張か?左右の手足が同時に出る、また歩くときに手を振らず体(腰あたり)につけたまま、まるで機械仕掛けの人形かロボットのような演技であった。
全体的に未完成のような気がしてならない。

今後の公演に期待しております。
雪のくれた時間

雪のくれた時間

メガバックスコレクション

キーノートシアター(東京都)

2015/01/17 (土) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

温かい心に…
笑みがこぼれる公演である。メガバックスコレクションという劇団の芝居としては、ずいぶんと優しい感じがするが、楽しめる。
まず驚くのが、いつもそうだが、その舞台美術の素晴らしさである。今回も小劇場…といっても貸スタジオといったところが、見事にミニパーキングエリアを作り出していた。
そこで繰り広げられる人間模様。説明にあるとおり「大きな謎やどんでん返しがあるわけでもありません。ただ、日常の風景を切り取った」だけであるが、やはり終盤まで”謎”を引っ張り観せようとする。
しかし、「今回、キャストの半分が新メンバーと言うこともあって挑戦」ということもあり、いままで本劇団の公演を観て来た方には物足りないかも…。

ネタバレBOX

メガバックスコレクションという劇団の得意とするシチュエーション(限定条件下での人間観察・模様)は同じようであるが、決定的に違うのは、そのエッジの利かせ方である。今まではもっと極限状態・緊迫状況であったが、今作はそのスリリングさに欠ける。もっとも説明文からそのことは承知した制作であることがわかる。
劇団特長の”光”ともいうべき魅力に陰りがあり、訳あり女性の苦悩も、少し肩透かしの理由だった。

少し気になった点は、大雪という前提であるが、出入り口のドアが開放されたままの時があり、厳冬感が損なわれるシーンが何回かあった。寒ければ誰かしらドアを閉めると思うが。

上演後、脚本・演出の滝一也 氏に聞いたところ、また深層を抉るような芝居をすると話してくれた。
(Aチーム観劇)
今後の公演も楽しみにしております。

琥珀-elektra-

琥珀-elektra-

EgHOST

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/01/16 (金) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★★

今後が楽しみ
ギリシャ悲劇「エレクトラ」「オレスティア三部作」を題材にした公演であるが、西荻小虎 氏の真面目な?性格を反映してか時間、場所も「書」と同じイメージで制作したようだ。その描いた内容は、王家での愛憎劇そのままであったが、もっと自由に扱っても良かったと思う。いわゆるモチーフとして、その核心だけを租借して、自分なりの劇に挑戦してほしかった。

ネタバレBOX

2014年12月公演「the end of evrything(兼忘年会)」は、宇宙の壮大なストーリーから身近な恋愛観へ呼び寄せる巧みな芝居(客席が舞台になっていたので公演とは言わず)を見せてくれた。今回公演でも宇宙(特に「太陽」や「月」との会話)をイメージした場面がいくつかあった。
もう一つ特徴的だったのは、ダンスパフォーマンス…導入部で女性キャストが踊っていたが、妖艶や神秘とは違い、そぅ呪詛をかけている印象だ。

公演を経ることによって、その劇団のイメージが出来てくると思う。EgHOST
に対する自分の感じ方は”宇宙との関わり”と”不思議なパフォーマンス”である。劇団カラーを確立しつつ、一方、いつでも変化する柔軟性が大切だと思う。それにはしっかりと潮目(時と場所)を捉えてほしい。また、「何か」をモチーフにしたEgHOST版愛憎劇(時)と劇場(場所)を見極め、西荻小虎 氏の特長が感じられる脚本・演出を楽しみたい。

今後の公演にも期待しております。
子どもの頃から

子どもの頃から

演劇企画集団LondonPANDA

小劇場 楽園(東京都)

2015/01/16 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

確かな芝居
東北地方における家庭の何の変哲もない日常生活が描かれている。坦々と話しが進んでいくが、表面上は穏やかな生活が実は…。
文章でいう起承転結のある分かりやすい脚本だと思う。その演出も手堅いように感じた。もちろんキャストの演技力は素晴らしく、演技のバランスも良い。ホームドラマはその導入部が、その後のストーリーの牽引に影響すると思うが、この公演では見事にクリアーした。とても確かな公演であった。
しかし、気になることが…。

ネタバレBOX

次の点が気になった。
1.衣装から冬季であることは間違いないが、東北地方のわりには外出から  帰ってもその寒さが伝わらない。
2.季節感だけでなく、東北地方の土着性のようなものが感じられない。確か  に、青年団、婦人部という地域コミュニティの名は出ていたが、台詞が方   言でないことも一因しているかも。それよりも、少し前(昭和50~60年    代、黒電話等)の雰囲気が漂う(この時代に携帯電話、スマホ等はないの  で矛盾もするが)。
3.カレンダーへの丸印…アフタートークで時間堂・黒澤世莉 氏も同様の疑問が出された。  いろいろな解釈ができるとのこと、観劇してイメージしてほしいとのこと。
4.最後に、これが最大の疑問であるが、実姉妹であっても自分の妹が夫と   浮気し、堕胎までしていることを聞き、結末のような思いに至るだろうか?  ハッピーエンドという予定調和のような気がした。

今後の公演にも期待しております。
新宿版 千一夜物語

新宿版 千一夜物語

Project Nyx

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/01/16 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

寺山ワールドを現代風に
説明にあるとおり「新宿版 千一夜物語」は、寺山修司が1968年に書いた問題作。古書店で手にした時、200頁を超えていたような気がする。それを途中休憩をはさみ2時間30分程の上演時間にまとめた。
1968年といえば、日本は東京オリンピックを終え大阪万博の準備をしている、いわば活況を呈していた時だったと思う。自分はよく知らないが、東京(新宿)では男性は長髪、女性はミニスカートが流行っていたと聞く。そんな中心街(特に夜)での華やかで幻想的な様子が描かれていた。
とはいえ、当時の時代感覚をそのまま描かず、敢えて現代風に演出しているところが良かった。

ネタバレBOX

1968年当時の風俗的な描写を入れても、それはその当時を知る人たちのノスタルジーを彷彿とさせるだけだろう。もっと若い観客を意識した、新しい「新宿版 千一夜物語」にしたことで、今後も寺山作品が生きていくと思う。そういう意味では寺山修司の作品らしいエッセンスを取り入れながら、時代に相応した見応えのある公演であった。

また、この1968年は寺山修司と羽仁進が共同で「初恋・地獄篇」という映画のオリジナル脚本を執筆している。「第36回PIA FILM FESTIVAL」(2014年9月)で鑑賞したが、この映画はドキュメンタリー8㎜作品であるが、その時代を切り取った映像は見事。
翻って、やはりその時代の一部を切り取った「新宿版 千一夜物語」…”歌舞伎町で繰り広げるアラビアンナイト、詩と幻想とエロティシズムとロックパッション!!”の謳い文句に大いに酔いしれた。

今後の公演も期待しております。
マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015

マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015

劇団ショウダウン

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/01/15 (木) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

やはり素晴らしかった!
2014年池袋演劇祭参加作品として観た時も素晴らしかったが、再演も色褪せていなかった。一人何役も演じ分け、人物像もイメージ出来た。また物語の背景・状況説明などストーリーテラーの役割もキチンと行い、その演技力には改めて驚いた。
些細だが、”おぉ”という驚きと”あれ”という傾げの両方があったが…。

ネタバレBOX

まず、”おぉ”の方だが、演劇祭の時にはなかった小ネタの演じとラストシーンの彩りの2つである。
前回観た時以上に表情が豊かになったと思う。それだけ感情表現が上手になったということだろう。なお、小ネタは舞台上手にある船甲板で海軍軍人(副官)が「命などいらない」旨のセリフを吐いた後の部下達の表情…一様に驚いた顔・顔がコミカル。屈んでの演技だけに後ろ席では観にくいかもしれない。
ラストシーン…前回は単に暗転しただけであったが、今回は少し色彩が添えられた。これは観てのお楽しみ。

”あれ”は、前回に比べ立ち回りが小さくなったと思う。前回の劇場・シアター風姿花伝では、舞台をフルに使用していたと思うが、今回は舞台中央での演技が中心であった。大海原に船出するイメージ、格闘・乱闘シーンのスケールが小さくなったなど、物語の壮大さが少し失われたような気がした。立ち回りと引き換えに感情表現が豊かになったのかもしれない。
もう1つ、客いじり的(休憩)シーンがやはり前回と比べ長くなったようだ。
観客の集中力が途切れない程度に(ギリギリだった)…。逆に役者としての集中力はどうなのだろうか?

しかし、公演全体は素晴らしいの一言。
自分は前回公演との比較で書いているが、初見の人は十分楽しめるのではないか。
次回、9月の あうるすぽっと での公演を楽しみにしております。
空飛ぶコーポレーション

空飛ぶコーポレーション

HiRunder

ザムザ阿佐谷(東京都)

2015/01/13 (火) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しんだ!
「犯罪が必要とされる現場に人材を派遣する犯罪会社だった。」という説明文の通り、ダーク要素が強いのだが、観て楽しむ芝居としては好きだ。
人の身魂を震わす、深淵を覗くことや、鋭く社会問題にアプローチするような、いわゆる”通”の演劇鑑賞者には緩い感じがするだろう。しかし、表層だけでも観て楽しむ者、少なくとも自分は面白かった。
この犯罪会社が本当にあれば、それだけでも怖い存在であるが、究極的にはその会社で行うことは犯罪であり、社会正義に照らせば許されることはない。そこで働く社員(犯罪者)の人間としての場面ごとの選択を問うているところに興味を覚えた。
その選択とは…

ネタバレBOX

最終的には、犯罪会社(国家の認知があるらしい)が国家権力によって壊滅させられるわけだが、その組織もろとも働いていた社員を抹殺しようとした時、自分の命と向き合うことになる。ここからは、いろいろな事情が絡み最終的には正義感へ…予定調和であるが、それはそれで結末をつけなければならない。
ストーリー的には疑問符がいくつも付くが、そもそもが犯罪会社の存在が不思議なのだから、些細なことは拘らないことが楽しむコツかもしれない。

なお、初日のせいか演技はかたく、セリフの噛みもあった。しかし全体的に迫力・緊張感が感じられた好公演であった。

今後の公演にも期待しております。
ビリーバーズイントウキョウ

ビリーバーズイントウキョウ

ぷぐあんず企画

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2015/01/10 (土) ~ 2015/01/11 (日)公演終了

満足度★★

描き切れない
人生において、あの時こうしてい“たら” “れば”、を言っても無意味であろう。それこそ、時空間移動できるのであれば、話は別であるが。
そんな空想劇のようで、ネバーエンディングストーリーを想起した。最もそんな壮大な話ではなく、関西から東京へ活動の場所を移したい、という身近な事が発端のストーリーである。
その演出が、自分の好みに合わなかったが…。

ネタバレBOX

舞台は、上手・下手に折りたたみのパイプ椅子が3脚づつ合わせ鏡のように置かれ、その後ろに衣類が散乱している。上手は、現在の生活の延長線上を、下手が現状打破を目指した後日談といったところだろう。さらに、男女(アプローチは男)の愛情または恋愛に対する表現が、繰り返し行われる。この反復がイライラさせるほどしつこい。テンポも同じであるから、その意図するところが分からない。
上演時間が50分と短いことを考えると、勿体ないと思う。
要約した内容で、描き切れなかったのでしょうか。

次回公演を楽しみにしています。
タコの娘

タコの娘

ハイブリッド渾沌

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2015/01/09 (金) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★

物語の底流は…
「愛情表現」ということか。
さて、演劇ユニットのモットーは、“なるべくわざとらしくない極端な感情表現と不可思議な踊りっぽいもので、奇妙な世界の創造を目指す“…はよく現れていた。自分の父親がタコという無茶な設定で、オーソドックスな芝居を好む人には受け入れられないかも知れない。
もっとも最後のオチは…。

ネタバレBOX

自分の娘に父親がタコだった、と告白するところから物語が始まる。
擬態する方法を身に付け、家族のために身を粉にしてどころか、本当に身を削り(切り)守る…この件、「幸福な王子」(オスカー・ワイルド)を想起した。タコということで、8回の大きな支出(娘の学費等)を身を切って工面した。最後は…まさに家族のために犠牲になったかのようだ。
しかし、演出は暗くならず、不思議感を持ったまま公演は貫かれる。
さて、父親や娘を抱えた女が就いた仕事は、ストリップ嬢。生きる逞しさが救いだが…、最後に本当の父親は誰だったの、という問いで終わるところに女の強かさが見えた(母親の性癖への批判か)。

次回公演も期待しております。
月見草

月見草

劇団ヌカヅキ

北池袋 新生館シアター(東京都)

2015/01/08 (木) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★

時代背景が…
感じられなかった。説明文にある「大正」という時代を”虚ろな、幻影の時代”という魅力的な表現で紹介しているが、その雰囲気が感じられなかったのが残念である。
「大正時代」にはそれなりに恋愛事件もあり、それらを題材にした小説家の話かとも思ったが、ストーリーはあまりにストレートというか単純すぎて見せ場がなかった。
主宰側が描きたいことをキチンと持つことは大切であるが、一方、演劇は観てもらわなければ興行にならない。描きたい気持ちをどう観客に伝えるか、その努力の大きさが大切になると思う。

ネタバレBOX

「大正時代」を謳い文句にしている以上、そこを意識した演出をしなければ、今後の公演でも観客の期待を裏切りかねない。何事も相手に伝える時、多かれ少なかれ色々準備をすると思うが、公演にしても同様であろう。
旗揚げ公演で、色々経験したこと、アンケート等の感想・意見を真摯に受け止め、また次回公演に活かすという姿勢が大切だと思う。厳しい意見こそ、伸びしろがあると前向きに捉えては…。ここで、大切なのは継続して活動すること。

次回公演に期待しております。
「だいなし」/「本日昔噺」

「だいなし」/「本日昔噺」

劇団ウミダ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/01/08 (木) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★★

好みが分かれるかも…本日昔噺
旗揚げで2作品を同時上演するという、無謀と思える企画だ。しかし、少なくとも自分が観た「本日昔噺」は、著作権無視、人権を考慮したのか、というようなパロディのオンパレードであった。しかし、面白さはあった。ただ、その描こうとした内容は「新年の勢い付けに是非!」という威勢のよい謳い文句に隠れてしまった。旗揚げということから、少しは印象に残る公演にしなくても良かったのか、という疑問を持ち、一方、そう思わせることが目的であったのであれば成功かもしれない。

日程の都合で、「だいなし」が観られなかったのは残念であった。

ネタバレBOX

時代、場所も架空の設定であろう。前田前次郎=前田慶次(傾奇者)、マリー・インタアネット=マリーアントワネット、理研の小○方さん、映画「桐島、部活やめってよ」の桐島など、実在、架空人物から、国、時代背景など、まとめて俎上にして、古今東西の人間の欲望に対する貪欲さを描いた、と思われるが…。誰もが自由に解釈できるような設定(もしくは無設定)だから、観客がそれなりに楽しめたのなら、それで良しの世界であろう。ここが観客の好み、感性によって分かれるところだろう。

まぁ、当日パンフにある「劇団ウミダの次回! 次回はあるのか?! 次もやるのか?!」という一種自嘲気味な文字が気になる。

ぜひ、次回公演も期待している。

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